【クアラルンプール】 アミル・ハムザ・アジザン第2財務相は、今年下半期に実施が予定されている「RON95」レギュラーガソリン補助金合理化が、2026年に導入予定の炭素税導入に向けた第一歩となるとの認識を示した。燃料補助金の見直し時期については、「適切な議論を行う」と述べるにとどめた。
「エナジー・アジア会議2025」のパネルディスカッションに出席したアミル・ハムザ氏は、補助金改革が「より安定した正確な市場構造」を確立するために不可欠であり、それによって炭素税のような政策手段を効果的に導入できるようになると強調。「昨年、ディーゼル価格を変動制に移行させた結果、消費者の行動に顕著かつ前向きな変化が見られた。マレーシアはもはや安価な燃料密輸の目的地ではない」と述べ、「今年はRON95を対象とする。これらの歪みが取り除かれれば、炭素税を導入するための適切な市場基盤が整うだろう」と強調した。
アミル・ハムザ氏は、炭素税が「財務的なシグナル」として機能し、企業が炭素排出量の多い活動からより環境に優しい選択肢へと移行するよう促すとした上で、マレーシアが掲げるネットゼロ排出目標の達成に向けた取り組みと合致すると強調。ただしこれには長年にわたる一括補助金によってエネルギー部門の価格シグナルが歪められてきた状況からの脱却、つまり「安定した経済基盤」が必要だと指摘した。
(マレーシアン・リザーブ、エッジ、6月17日)