TNGeウォレットに、ペトロナスの給油所での支払い機能を統合

【クアラルンプール】 国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)傘下のセトル(Setel)・ベンチャーズは、TNGデジタルと提携。TNGが運営する決済サービスのタッチ・アンド・ゴー(TNG)eウォレットのアプリに、セトル独自のポンプ&ペイ機能を組み込み、全国1,000か所以上のペトロナスの給油所でシームレスな支払いができるようになった。

セトルはこれまでペトロナスの給油所で使える独自のアプリを開発してきた。アプリ上で車を停めた給油機の番号や給油量を選び、支払いまで完結できるもので、今回、その機能をTNGeウォレットのアプリに統合。TNGeウォレットのアプリの「Petronas via Setel」から利用できる。

セトルのアブドラ・アイマン・アワルディン最高経営責任者(CEO)は「今回の提携により、シームレスなモビリティと小売体験を提供するという当社の目標をさらに推進することができた」としている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、カーシフ、6月23日)

配車のグラブ、KLIA予約送迎にEV導入

【セパン】 配車サービス大手のグラブ・マレーシアは24日、クアラルンプール新国際空港(KLIA)の送迎専用で電気自動車(EV)予約サービスを開始した。

新サービスのため、比亜迪汽車(BYD)の7人乗り多目的車(MPV)「M6」10台が導入された。アプリの空港送迎の予約オプションから、「EV専用」が選べるようになる。専用のEVラウンジ(レベル3)も導入された。料金は、KLIAから市内中心部まで同種の車で105リンギの時間帯に、EVを選ぶと134リンギと、やや割高になるという。

このサービスはグラブと、▽BYDの正規販売代理店のBYDサイム・モーターズ▽インソン・ホールディングス傘下のインソン・グリーンテック▽シンガポールの電気自動車(EV)充電設備企業パワーアップ・テック――の4社の提携で実現した。今後、ほかの国内の主要空港でも普及させていくという。

この日は、アンソニー・ローク運輸相らが出席のもと、サービス開始の式典が行われた。グラブ・マレーシアのカントリーオペレーション&モビリティ担当ディレクター、ラシッド・シュコール氏は「KLIAのような認知度と需要の高い路線を優先することで、EVの実用性と快適性を実証し、利用者の認知度を高めていきたい」と述べた。
(ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、ポールタン、6月24日)

全日空、マレーシアなどからの訪日客サービス向上で2社と提携

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 全日本空輸(ANA、本社・東京都港区)は24日、マレーシアなどアジアからの訪日観光客へのサービス向上のため、オンライン専業旅行代理店のトリップドットコム、日本情報発信メディアを運営するマイクロアド(本社・東京都渋谷区)の2社との連携をそれぞれ発表した。

トリップドットコムとの連携は、ANAのウェブサイトと同様のサービスを、日本発だけでなく、マレーシアを含めたアジア12カ国発に関してもトリップドットコム上で提供できるようにするもの。航空券を公式サイトと同じ運賃で予約・発券できるだけでなく、基本的な変更・払戻の手続きなども可能になる。

これは、NDCと呼ばれるIATA(国際航空運送協会)の新しい通信規格を利用するもので、ANAの近藤寛之グローバルセールス部長は「顧客ニーズに応じた利便性の高い運賃やサービスを国内外のお客様に提供できるよう、引き続きNDC接続による販売網を拡充していきたい」としている。

また、マイクロアドとの提携では、「ジャパホリック」のクーポンサイトを、クアラルンプール新国際空港(KLIA)のANAの搭乗カウンターで案内する。ジャパホリックは主にアジア圏の親日女性をターゲットに、ショッピングやファッション、美容情報などを多言語で発信している。マイクロアドはインドネシアでも同様のサービスを行っており、今後、他国でも展開していくという。

KL市が新たな15カ年計画を発表、容積率インセンティブを導入へ

【クアラルンプール】 クアラルンプール市政府(DBKL)は24日、新たな15カ年開発計画「KL地域計画(PTKL2040)」を発表した。建物の規模と高さの制限を設定し、2040年までに都市の改善を目指して容積率インセンティブを導入する。

廉価住宅や交通機関に近いプロジェクトのためのスペースを拡大し、都市と低層地域を保護するために規模と高さの制限を設ける。同計画に基づき、都市の人口密度を管理し、古い地域の改善を図るため、一定の条件を満たす開発業者が通常よりも多くの床面積を建設できるようにする新たな容積率インセンティブを導入する。同インセンティブは再開発、土地区画の統合、交通至便型プロジェクト、そして手頃な価格の住宅を組み込んだプロジェクトを対象とする。

市内中心部の商業地区の容積率を1:10に制限し、主要な商業及び複合用途地区は最大1:8に制限する。建物の高さ制限に関しては、中心業務地区(CBD)や特定の商業エリアに高層ビルを集中させることで、都市の広がりを抑え、効率的な土地利用を進める。一方、住宅や小規模な商業エリアでは高層ビルの建設を制限し、より人間的スケールの都市環境実現を目指す。

また市内の既存工業団地における投資促進を強化し、環境、適切なインフラ、施設の整備を強化する。クリーンテクノロジー産業への新規投資家の誘致と、既存の起業家による各産業における技術革新の向上を奨励する。現在KLには29の工業団地があるがうち8カ所は工業団地として維持するには不適切で、13カ所は維持・改良される対象だとし、7カ所は複合用途工業団地として1カ所はハイテク工業団地としてそれぞれ再開発される可能性があるとしている。DBKLは2040年には工業事業所数が1万3,310カ所、総床面積は約124万平方メートルに拡大すると予測している。

PTKL2040のテーマは「すべての人々のための都市」で、191の具体的なイニシアチブを提案している。中核をなすのは効率的なモビリティと環境に優しい都市空間の創出で、特に公共交通機関の利用促進に重点を置いている。DBKLは、2040年までに市内居住者の70%が公共交通機関を利用する目標を掲げており、徒歩400メートル内で様々な場所を移動できる交通網の構築を目指すとしている。

アンワル・イブラヒム首相は市民の進化するニーズに合致するよう徹底的に刷新されたと述べ、特に低所得層40%(B40)と中間所得層40%(M40)を優先するアプローチを強調した。DBKLのマイムナ・モハメド・シャリフ市長は、商業施設の床面積が約7,400万平方メートルに拡大すると見込んでおり、都市経済の成長を支え、最大120万人の雇用機会を創出すると期待していると述べた。またDBKLは2040年までに廉価住宅30万5000戸の開発も計画しているとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、6月24日)