中銀、今年の経済成長予想を4.0―4.8%に下方修正

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラは28日、世界情勢の変化を受けてマレーシアの今年通年の国内総生産(GDP)成長予想を従来の4.5―5.5%から4.0―4.8%に下方修正した。

中銀は3月の経済通貨政策レビューの発表以降、世界経済の状況は大きく変化したと指摘。世界の経済成長見通しは、貿易政策の変化、関税動向をめぐる不確実性、そして地政学的緊張の影響を受けているとした。

その上で、小規模な開放経済であるマレーシアの成長見通しはこれらの動向に左右されるが、第2四半期のGDP成長率の速報値を含む最新の指標は、マレーシアの経済活動の持続的な力強さを示しており、国内需要が好調を維持し続けていることもあってマレーシア経済は依然として堅調を続けるだろうと分析した。

中銀によると、マレーシアでは特に国内関連セクターにおける良好な労働市場環境と政策措置が引き続き民間消費を下支えする見込み。一方、複数年にわたるインフラプロジェクトの進捗、承認済み投資の継続的な高い実現率、国家開発計画に基づく触媒的取り組みによって投資活動の拡大が持続するとみられるという。
(ベルナマ通信、7月28日、中銀発表資料)

野党の反政府集会に1.8万人が参加、アンワル首相退陣求める

【クアラルンプール】 野党連合・国民同盟(PN)構成党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)青年部が主催したアンワル・イブラヒム首相退陣を求める大規模集会が26日、クアラルンプール(KL)市内のムルデカ広場で開催された。

主催者側は30万人を目指していたが警察発表によると参加者は1万8,000人だった。警察は3,000人を配して警戒したが大きな混乱はなく、集会は午後5時過ぎに終了した。

午前11時頃からマスジット・ネガラなど5カ所に野党支持者が集まり始め、ムルデカ広場に向けて行進を開始。政府が制定を目指している都市再開発法(URA)や売上・サービス税(SST)の対象拡大、改革の未実施など、政府に対するさまざまな不満を列挙した黒いTシャツを着て、口々に「アンワル辞めろ」と叫んで気勢を上げた。

会場には統一プリブミ党(PPBM、ベルサトゥ)のムヒディン・ヤシン党首(元首相)やハムザ・ザイヌディン副党首ら野党の重鎮が参加。午後5時にはマハティール・モハマド元首相も顔をみせ、皮肉たっぷりにアンワル首相を批判した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、7月26日)

三重大学、トレンガヌ大学との大学間協定を更新

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 三重大学は25日、マレーシア・トレンガヌ大学(UMT)との大学間協定を更新したと発表した。

UMTは水産・海洋分野に強みを持つ国立大学で、生物資源学研究科のある三重大学とは2017年度からサマースクールへの学生派遣や教職員の研修受入れなど、継続的かつ活発な交流を行っており、三重大学にとってアジアにおける重要なパートナー校の一つとなっているという。

大阪・関西万博で開催されていた「高等教育週間」に合わせ、23日に協定更新セレモニーが行われた。今後の更なる連携強化や、学生および教職員の相互交流の発展に向け前向きな議論が交わされたという。

また、2024年6月から大学間協定を締結しているマレーシア・パハン大学(UMPSA)とも、学生の短期・長期派遣の可能性や、共同研究の拡大などについて話し合った。

衣料ブランド「アース ミュージック」のマレーシア1号店が開業

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 カジュアル衣料ブランドの「earth music&ecology(アース ミュージック&エコロジー)」は26日、マレーシア初店舗をクアラルンプール(KL)の三井ショッピングパークららぽーとブキッ・ビンタンシティセンター(ららぽーとBBCC)に開業した。

ブランドを手掛けるストライプホールディングス(本社・岡山市)によると、売り場面積は約35坪。アースは同社の主力ブランドで、ナチュラル感のあるファッションで20―30代の女性を中心に支持されている。マレーシアは日本のファッションスタイルとの親和性が高いとして、進出を決めたという。台湾や香港など、国内外あわせ162店舗(2025年6月末時点)が展開されており、“日本の可愛い”の発信を強化していく。

同社は、ベトナムで「NEM(ネム)」と「HIME(ハイミー)」という2つの独自ブランドを展開するなど、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域での事業拡大を最重要戦略の一つとして掲げている。これまでに台湾やベトナムで培ってきたノウハウを生かし、今後もASEAN地域での成長戦略を推進していくとしている。