【クアラルンプール=アジアインフォネット】  世界最大級の病院グループであるIHHヘルスケアのシンガポール子会社、ノーザンTKベンチャー(NTK)は、東京地方裁判所に起こしていた第一三共株式会社(本社・東京都中央区)に対する損害賠償請求額を200億円から約2,000億円に増額したと明らかにした。

同訴訟は、NTKによる印フォルティス・ヘルスケア(FHL)およびその子会社であるフォルティス・マラー・ホスピタルズ(FMHL)の公開買付による株式取得手続きを第一三共が妨害したとして、NTKが損害賠償の支払いを求めていたもの。

NTKは、外部専門家であるオズボーン・パートナーズによって作成された3つの仮説シナリオに基づく専門家報告書を東京地方裁判所に提出しており、新たな請求額は報告書のシナリオの最大額1,093億インドルピー(約57億リンギ、約1,998億円)に近い金額となる。

IHHは2018年、FHLが実施した投資誘致の入札で落札者となった。NTKは、インドの法令に基づきFHLに対する公開買付を実施することが義務付けられたが、第一三共がこれを不当に妨害し阻止したことでNTKは多大な損害を被ったと主張している。