【クアラルンプール】 財務省のジョハン・マハムード・メリカン財務局次官は、7月1日に施行される売上・サービス税(SST)の対象拡大により、SSTの歳入総額は2025年下半期に50億リンギ、2026年には通年100億リンギ増加するとの予想を示した。

中央銀行バンク・ネガラ(BNM)主催のシンポジウムに出席したジョハン氏は、SSTの対象拡大について国の財政状況を強化し、社会開発支出の長期的な持続可能性を確保するための取り組みの一環だと説明。現金給付、医療、教育から基礎インフラの維持に至るまで、政府支出の需要は年々増加しているとし、「国民に過度の負担をかけることなく、歳入を強化しなければならない」と述べた。マレーシアの税収対国内総生産(GDP)比は現在12.5%と、地域で最も低い水準にあるという。

財務省の歳入予測はマレーシアの消費者物価指数(CPI)の構成を考慮したモデルに基づいており、SSTの導入によりインフレ率が0.25%に上昇すると予測している。見直し後は必需品に対する売上税率は現行の0%または5%に維持されるが、サーモン、輸入果物といった非必需品はより高い税率が課される。

一方、サービス税の対象範囲は、住宅等を除くレンタルまたはリースサービスや建設サービス、手数料ベースの金融サービス、外国人に対する民間医療サービス、伝統・補助薬、関連医療サービス、外国人に対する高等教育、私立幼稚園・小中学校などの民間教育サービスに拡大される。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、6月18日)