マクドナルド店内で顧客を脅迫、反イスラエル派5人が逮捕

【クアラルンプール】 外食チェーンのマクドナルド店舗で顧客を脅迫したとして、同店のボイコットを呼びかけていた反イスラエル派5人が逮捕された。ガザ地区に侵攻しているイスラエル軍に同国のフランチャイズ運営会社が無料で食事を提供したとして、イスラム急進派の一部がマクドナルドのボイコットを呼びかけている。

事件はパハン州クアンタンの店内で発生。家族連れで食事をしていた男性に対して、反イスラエル派が侮辱する発言をし殴ると脅迫するなどした。男性は警察に被害届を提出し、自動車セールスマン、銀行員、軍関係者の3人が13日に、建設請負業者と貿易業者の2人が14日にそれぞれ逮捕された。警察の取り調べに対し、1人は容疑を認めているが、4人は否認している。

各国でのボイコット騒動に悩むマクドナルドは先ごろ、イスラエルで225店舗を展開し5,000人以上を雇用しているアロニアル社から、30年間続いた同国のフランチャイズを買収すると発表していた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、4月15、16日)

今度は靴底に「アッラー」文字、警察が1千足を押収

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 バーンズ・ホールディングスが販売していたハイヒールの靴底に入ったデザインがアラビア語で神を表す「アッラー」の文字に似ているとのクレームが上がり、警察は8日、クアラルンプールやジョホール、ケダ、ペナン州の「バーンズ」店舗から1,145足を押収し、同社の創業者であるン・チュアンフー氏を呼んで事情聴取した。

バーンズ・ホールディングスによると、一部のハイヒールの靴底の刻印は、足首を螺旋状に巻いたピンヒールのシルエットを描いていたという。 ただし、デザインの欠陥がロゴの誤解につながった可能性があるとしている。 問題の靴は直ちに販売中止し、すでに購入した顧客には返金する措置を講じたという。

バーンズはソーシャルメディアで、「宗教や信仰を軽視したり侮辱したりすることを目的としたロゴをデザインするつもりはまったくなかった」と説明した上で、 「経営陣は謹んでお詫びし、許しを求めたい」との声明を発表した。

最近では、ミニマートチェーンのKKマートで、「アッラー」の文字がプリントされた靴下が販売されていたことが発覚し、会社創業者らが起訴された。KKマートは意図していなかったとして謝罪しているが、イスラム主義者からの追及は収まらず、KKマートの支店3カ所に火炎瓶が投げ込まれる事件も起きている。

KKマート店舗に火炎瓶、イスラム主義者らも非難声明

【イポー=マレーシアBIZナビ】 ペラ州南部ビドーで26日早朝、ミニマートチェーン、KKマートの店舗に火炎瓶が投げ込まれる事件が発生。警察が捜査に乗り出した。KKマートは「アッラー」という文字がプリントされた靴下を販売していたとして、統一マレー国民組織(UMNO)青年部などから様々な抗議活動を受けている。

防犯カメラの映像によると、午前5時35分ごろ、黒っぽい色の乗用車が店の前に乗りつけ、乗っていた男が灯油が入っていたとみられる火炎瓶を投げ込んで逃走した。火炎瓶は店の前に落ち、ガラスが飛び散り、爆竹のような爆発物が見つかったものの、発火はしなかった。逃げた車には配送サービスのララムーブのステッカーが貼られていたという。

KKマート批判者らは同店チェーンに対する非買運動などを呼び掛けているが、火炎瓶のような暴力事件に発展したのはこれが初めて。これにはUMNO青年部のアクマル・サレー部長やイスラム原理主義政党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)も非難声明を出している。

なお同問題を巡っては、KKマートや靴下の委託販売元の幹部が刑法違反で裁判所に告発されている。

「アッラー」靴下問題、KKマートのCEOらを起訴

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ミニマートチェーンのKKマートで、「アッラー」の文字がプリントされた靴下が販売されていた問題で、同社の創始者であるチャイ・キーカン最高経営責任者(CEO)と妻のロー・シウムイ取締役が26日、セランゴール州シャアラムの初等刑事裁判所に起訴された。両被告とも罪状を否認しているが、有罪となれば1年以下の禁固刑、罰金、もしくは両方が科される。

靴下をKKマートに販売委託していた、ジョホール州バトゥパハのサプライヤー、シン・ジエン・チャン社のソー・チンフアット取締役と妻のコー・リーフイ氏も同日、教唆罪で起訴された。

問題の靴下はKKマートに委託販売していたもので、くるぶしの辺りにアルファベットで「ALLAH」とプリントされていた。バンダル・サンウェイの店舗で消費者によって撮影された画像がソーシャルネット上で拡散。「イスラムに対する冒涜」といった批判の声と共に、KKマートの不買運動を呼び掛ける声がイスラム政党などから上がった。

■KKマートはサプライヤーに損害賠償請求■
KKマートは25日、ブランド毀損および事件を受けての上場中止による損失を被ったとして、シン・ジエン・チャン社とソー取締役を相手取って損害賠償請求訴訟をシャアラム高裁に起こした。

KKマート側は、ブランド毀損による損失額が1,050万リンギ、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)上場中止による損失額が2,030万リンギ、加えて週平均150万リンギの売上減があったと主張。また、シン・ジエン・チャン社にはアームカバーの委託販売を許可したが、靴下の委託販売は許可していなかったとし、KKマートが知らないうちに問題の靴下が店舗に陳列されたとしている。

一方、シン・ジエン・チャン社は、問題の靴下は中国浙江省の製造業者が製造したものだとした上で、「アッラー」文字を入れることは指示していないと主張。製造業者を訴える考えを示している。

KKマートが謝罪、「アッラー」文字入り靴下販売で

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ミニマートチェーンのKKマートで、「アッラー」の文字がプリントされた靴下が販売されていたことが分かり、即時謝罪に追い込まれた。

問題の靴下はミラノソックというメーカーが製造し、KKマートに委託販売していたもので、くるぶしの辺りにアルファベットで「ALLAH」とプリントされていた。バンダル・サンウェイの店舗で消費者によって撮影された画像がソーシャルネット上で拡散。「イスラムに対する冒涜」といった批判の声と共に、KKマートの不買運動を呼び掛ける声も上がった。

これを受けてKKマートは速やかに謝罪を表明した上で、二度と同じ問題を起こさないと約束。その上で問題の商品の販売を中止したこと、製造業者に事情説明を求めたことを明らかにし、建設的な批判を行った消費者に謝意を示した。

同問題を巡っては、与党連合に参加している統一マレー国民組織(UMNO)青年部が、KKマートに対して全188店舗に謝罪の横断幕を掲げるよう求めるなど政治化する動きを見せているが、同党に所属するザイド・イブラヒム元法相は、「意図的に行ったわけではなく、いじめに等しい無体な謝罪要求をすべきではない」とクギを刺した。

検察がダイム元蔵相の妻を起訴、標的はダイム氏

【クアラルンプール】 マレーシア汚職摘発委員会(MACC)は23日、ダイム・ザイヌディン元蔵相の妻、ナイマ・アブドル・カリド氏(67)を、資産申告を怠った罪で起訴した。ナイマ氏は、「夫の成功を妬んだ者たちによる陰謀であり、夫の名誉を傷つけるための政治報復だ」として無実を主張している。

訴状によると、被告が申告を怠った資産は、▽企業2社▽高級車2台(いずれもメルセデスベンツ)▽不動産8件(クアラルンプールの自宅、土地、建物、およびペナン州の土地)ーー。有罪の場合、最長5年の禁錮と10万リンギの罰金が科せられる。セッション裁判所(重大犯罪の第一審裁判所)のアズラ・アルウィ裁判官は、保釈金25万リンギで保釈を認めた。次回審理は3月22日。

検察の真の標的はダイム元蔵相本人で、世界の著名人による租税回避を暴いた文書、いわゆるパンドラ文書にダイム氏が含まれていたことから捜査を続けていた。ダイム氏は病気で入院中。

パンドラ文書は英領バージン諸島などタックスヘイブンの信託会社、法律事務所から漏出した電子ファイルで、金、権力を持つ世界の大物が資産を隠し、税を回避していたことを示す文書。21年10月から各国のメディアが報道を開始していた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、マレー・メイル、1月23日)

アラスカ航空の破損側壁、米メーカーがマレーシア工場で生産

【クアラルンプール/ワシントン】 アラスカ航空が運航していたボーイングB737MAX9型旅客機の側壁の一部が飛行中に吹き飛んだ事故について、米国家運輸安全委員会(NSTB)は、側壁は米国の航空機部品メーカー、スピリット・エアロシステムズのマレーシア工場で生産されたことを確認した。ワシントン・ポスト、ロイターが報じた。

ジェニファー・ホーメンディー委員長によると、側壁はカンザス州ウィチタの本社工場に輸送され、その後ワシントン州のボーイング組立工場に送られた。

ホーメンディー氏は、問題点は特定できておらず、NSTBは製造工程だけでなく、マレーシアからカンザス州への輸送、ボーイング施設への輸送、ボーイング社の品質管理についても調査しているという。この問題については米連邦航空局(FAA)とNSTBが上院商務委員会でブリーフィングを行っている。

同型機を使用しているのはアラスカ航空とユナイテッド航空で、両社は既に数千便の運航を取り止めている。

事故では、同機はオレゴン州ポートランド国際空港を離陸し、上昇中に側壁が吹き飛んだ。同機は空港に引き返し、乗客乗員177人は無事だった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月19日、マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、1月18日)

SOCSOへのサイバー攻撃が発生も、実害はなく復旧済み

【クアラルンプール】 社会保障機構(SOCSO)は8日、同機構のシステムやデータベース、ウェブサイトが2日以降サイバー攻撃を受けていたと正式に発表した。ハッカー集団が別途「SOCSO登録の個人情報を入手した」と発表したことを受けてのもの。

SOCSOは、ICTチームがシステムをすでに復旧させたとし、加入者へのサービス提供に影響を及ぼすようなダメージは受けていないと説明。サイバー攻撃は、SOCSOのインフラを麻痺させることが目的だったがそれに失敗しており、ハッカー集団が入手したとされる個人情報も不完全で、実際の登録データとは異なる古いものだと述べた。9月にもサイバー攻撃を受けたが、被害が出る前に阻止したとしている。

ファーミ・ファジル通信デジタル相は、政府機関であるサイバーセキュリティ・マレーシア(CSM)、国家サイバーセキュリティ局、個人データ保護局が、SOCSOへの攻撃について詳細調査を行うとし、後日声明を発表する予定だと述べた。アンワル・イブラヒム首相も、政府はサイバーセキュリティを強化する取り組みを行っており、国家安全保障委員会(MKN)やマレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)が民間企業と協力し、サイバー攻撃を抑制していくと述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、12月9日、マレー・メイル、ソヤチンチャウ、ザ・スター電子版、ベルナマ通信、12月8日)

インターナショナルスクール19カ所に爆破予告

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア警察は、21日にマレーシア国内の私立・インターナショナル・スクール、合計19カ所に爆破予告メールが届いたことを公表。ただ現時点では爆発物などは発見されておらずデマだったとの見方を示しており、脅迫罪で捜査を続ける方針だ。

爆破予告があったのは、セランゴール州で7カ所、クアラルンプール(KL)で5カ所、ジョホール州で3カ所、ペナン州で2カ所、ペラ州で1カ所、ネグリ・センビラン州で1カ所。日本人学校も含まれている。爆破予告を受けた学校では生徒を早退させ、警察による爆発物の捜索が行われたが、いずれも爆発物は発見されなかった。

ラザルディン・フサイン監察官によると、脅迫メールは いずれも電子メールプロバイダー「beeble.com」を使用して、“破壊者”を意味する「Takstorer」というIDを用いたアドレスから送られていた。アドレスは脅迫のために新たに作成されており、英文原稿を翻訳アプリを使ってマレー語に翻訳し送信したと見られている。「beeble.com」のアドレスを使った同様の学校を狙った脅迫メールは中米ジャマイカでも70カ所の学校に送られており、警察ではこれらの関連について捜査を行っている。

パレスチナ支援集会、週末に各地で開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 パレスチナ・ガザ地区を実効支配するイスラム組織、ハマスとイスラエルの戦闘が続く中、パレスチナへの連帯を訴えイスラエル・米国を非難する集会が28、29日に全国各地で行われた。

28日には再びクアラルンプール(KL)で5,000人規模の抗議デモが開催され、KLシティ・センター(KLCC)のモスクから在マレーシア米国大使館までデモ行進を行った。イスラム原理主義野党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)のハディ・アワン党首や統一プリブミ党(PPBM)のハムザ・ザイヌディン書記長が参加した。

パハン州ではクランタンのモスクに数千人が集まり、ワン・ロスディ・ワン・イスマイル州首相らがパレスチナ支持を訴える演説を行った。

サバ州では、パレスチナの人々を支援するためにパレスチナ人道平和基金に30万リンギを寄贈する集会がコタキナバルで行われ、1万人が集まった。
サラワク州では、クチン市内のスポーツ複合施設で「パレスチナとのサラワク連帯集会」が開催され、非ムスリムを含む2,500人余りが参加した。

ペラ州では、統一マレー国民組織(UMNO)青年団が40台のバイクで「パレスチナ連帯車列」を組織し、パレスチナ国旗を振りイスラエルの残虐行為を非難しながら、タパー、キャメロン・ハイランド、シンパン・プライなど約150キロメートルにわたって走行した。

29日には、マラッカ州クルボンのスタジアムで5,000人規模の集会が開催され、アブ・ラウフ・ユソー州首相も出席した。ネグリ・センビラン州やトレンガヌ州でも、パレスチナ連帯を謳った集会が開催された。