KLでパレスチナ支持のデモ開催、数千人が参加

【クアラルンプール】 パレスチナ・ガザ地区を実効支配するイスラム組織、ハマスとイスラエルの戦闘が続く中、クアラルンプール(KL)のムルデカ広場で22日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの軍事行動に抗議し、パレスチナを支援するデモが行われた。

非政府組織(NGO)ビバ・パレスチナ・マレーシア(VPM)とヒューマニタリアン・ケア・マレーシア(MyCARE)が主催した「パレスチナに自由を」をテーマにした集会が午前9時から行われ、マレーシア国内に住むパレスチナ人や外国人を含む数千人が集まった。ファーミ・ファジル通信デジタル相も参加した。

参加者は、パレスチナの国旗を振り、反戦の横断幕やプラカードを掲げ、シュプレヒコールを上げた。イスラム教徒、キリスト教徒、仏教徒のコミュニティーやNGOの活動家らがスピーチし、軍事行動の停止を訴えた。

集会は警察が見守る中、開催され、予定通り午後1時に平和裡に終了した。警察によると3,000人が参加したと見られる。

KLでは13日午後、パレスチナ支持を訴える超党派のグループが、イスラエルを支援する米国に対する抗議活動を行っていた。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月23日、アルジャジーラ、10月22日)

小型ジェット機が路上に墜落、10人が死亡

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 17日午後2時50分頃、小型ジェット機がセランゴール州シャアラムのエルミナウェスト・タウンシップの路上に墜落した。乗客乗員8人と、道路を走行していた自動車、オートバイの運転者2人、合計10人が死亡した。

墜落した小型飛行機は、プライベートジェット・チャーター・サービスのジェットバレット社が運航する、米ホーカー・ビーチクラフト製の個人客向けビジネスジェット「ビーチクラフト390(プレミアI)」。

マレーシア民間航空局によると、同機は同日午後2時8分にランカウイを離陸し、スバン空港(スルタン・アブドル・アジズ・シャー空港)に向かっていた。スバン空港の管制塔と最初に接触したのは午後2時47分で、着陸許可が出たのは午後2時48分。午後2時51分に墜落現場からの発煙が確認された。パイロットからのメーデー (遭難信号)コールはなかったという。

セランゴール州警察によると、死亡した乗客の中にパハン州政府で住宅・環境・グリーンテクノロジー委員会の議長を務めるジョハリ・ハルン議員が含まれていた。墜落機のブラックボックスの一部であるコックピット・ボイスレコーダーも発見されており、墜落原因などが今後解明される予定。墜落事故を受けて、ガスリ回廊高速道路(GCE)からエルミナ・インターチェンジへの出入り口は両方向とも一時閉鎖された。

出入国管理官のワイロ要求疑惑、”仲介人”が存在か

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 クアラルンプール新国際空港(KLIA)で出入国管理官から中国人女性が入国を拒否された上で多額のワイロを要求された事件について、ワイロを持ち掛ける「仲介人」の存在が明らかになった。出入国管理官によって継続的かつ組織的に行われていた疑いが高まっており、捜査当局が全貌の解明に向けて捜査を続けている。

6月29日に中国人女性が入国を拒否された上でワイロを要求されたと主張している件では、マレーシア汚職摘発委員会(MACC)とセランゴール州警察が、現場に駆け付けたティオン・キンシン観光芸術文化相や目撃者、出入国管理官ら20数人に対する事情聴取を行った。

MACCの関係者によると、女性にワイロを持ち掛けた「仲介人」の存在が確認されており、捜査当局が行方を追っている。ティオン大臣によると、女性は帰国のための航空券代などで3,000リンギ、再入国手続き費用で3,000リンギ、ビザ手続き費用で1万2,000リンギの合計1万8,000リンギを要求されたという。

女性は必要な旅行書類はすべて所持していたと主張。領事館を通じて連絡を受けたティオン大臣が駆け付けて、出入国管理官の不正を糾弾した。

女性の事件が発覚した後の7月2日には、中国人とみられる男性がKLIAで拘束され、出入国管理官に1万リンギの支払いを求められたと主張する動画がソーシャルメディアに投稿された。男性は香港からの観光客も同じく1万リンギを要求されたと主張している。

マレーシア旅行代理店協会(Matta)のタン・コクリャン会長は、外国人旅行者を標的とした出入国管理官による汚職行為は今に始まったことではないと指摘。当局に指摘しても何も変わらなかったと述ベている。

中国人女性の入国拒否問題、汚職委員会が調査へ

【セパン=マレーシアBIZナビ】 クアラルンプール新国際空港(KLIA)で中国人女性旅行客が入国を拒否された上に入国するためのワイロを出入国管理局員に要求されたと主張しており、マレーシア汚職摘発委員会(MACC)が調査を開始した。一方で、現場に駆け付けて女性の解放に奔走したティオン・キンシン観光・芸術・文化相に対しても職権乱用ではないかとの非難の声が上がっており、汚職疑惑が思わぬ方向に飛び火している。

入国拒否された中国人女性は、6月29日に中国・深圳からの国際線でテレビ局幹部である上司と共にKLIAターミナル1に到着したが、必要な旅行書類はすべて所持していたものの入国審査で入国を拒否されたばかりか、数千リンギを要求されたと主張している。

一方、現場の出入国管理局職員からは、「女性が宿泊先を明かさず、帰国の航空券の提示も拒んだため入国拒否は正当だった、ワイロ要求の事実はない」とする反論の声が上がっている。

出入国管理局のルスリン・ジュソー局長は、事件に関してあらゆる側面から調査を行うと言明。MACCのアザム・バキ議長やアンワル・イブラヒム首相、アンソニー・ローク運輸相も調査を行うと述べた。

■ティオン大臣の職権乱用疑惑も■
この件を巡っては、中国・広州のマレーシア総領事館経由で通報を受けたティオン大臣が空港に駆け付け、立ち入り禁止エリアに入って女性の解放に向けて何ごとか交渉を行っている動画がソーシャルメディアに流出。同相の行為が規則違反であり越権行為ではないかとの指摘することが上がった。

官公労連会議(CUEPACS)も、閣僚の行政官のよる公務への介入が越権行為に当たるとして非難声明を発表した。

ティオン大臣はこれに対し、出入国管理局からは言葉の問題があったと説明を受けたが、女性解放を同局に命じたことはないと主張。禁止エリア立ち入りも閣僚として通行パスを持っており違法性はないとし職権乱用疑惑を否定している。

火災発生のミッドバレーメガモール、18日より営業再開

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 クアラルンプール(KL)の大型ショッピングモール「ミッドバレー・メガモール」で17日午前、火災が発生。火元はモール内にある電力会社テナガ・ナショナル(TNB)の変電所で、一時激しく燃え上がったが、消防車両が緊急出動し、12時44分に消し止められた。死傷者はなかった。

市消防救助局副局長(業務担当)のM.ファッタ氏によると、変電所で変圧器冷却に使用されていた1万2,400リットルの冷却油から火が出たと考えられるという。10時32分に通知を受け、10時40分頃にパンタイ消防署の消防士が最初に現場に到着。その後、職員45人、消防車3台、救急車2台、水槽車2台などが出動し消火活動が行われた。

TNBは、火災の影響により同日10時51分から近隣地区への電力供給が中断したが、10時55分より復旧を開始し、1時間半以内に段階的に復旧が完了したと発表。火災の影響を受け、ミッドバレー・メガモールおよび隣接するガーデンズ・モールは17日の営業を停止したが、18日朝から営業を再開している。

17日には、KLセントラル駅直結のショッピングモール「ニュー・セントラル」でも想定外の停電が発生し、営業を停止したが、18日朝から営業を再開した。TNBはKLセントラル駅とは別系統のため、交通システムには影響がなかったとしている。

バタンカリで大規模地滑り、死者行方不明者が30人超に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 セランゴール州バタン・カリ近郊のキャンプサイトで16日午前2時24分ごろ大規模な地滑りがあり、午後1時時点で16人の死亡が確認され、17人あまりが依然行方不明となっている。

大雨の影響で高さ30メートルの斜面が崩れ、3エーカー(約1万2,140平方メートル)が土砂で埋まった。消防レスキュー局のほか、市民防衛隊、保健省、マレーシア特別災害支援救助隊(SMART)などが駆け付けて救助・捜索活動にあたっており、これまでに61人が救出された。負傷者はセラヤン病院、クアラ・クブ・バル病院、クアラルンプール(KL)病院に搬送された。

現場はバタン・カリからゲンティン・ハイランドに向かう道路沿いのファーザーズ・オーガニック・ファーム付近で、3カ所のキャンプサイトがあり、宿泊名簿には94人の名前があった。スクールホリデー期間中であったため宿泊者の中には20人以上の教師とその家族が含まれているという。キャンプサイトは営業ライセンスを取っていなかった。

 

6千億リンギの公金横領疑惑、ムヒディン元首相らを聴取へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア汚職摘発委員会(MACC)は、国民同盟(PN)率いる前政権時代の6,000億リンギの公金横領疑惑に関連して、当時のムヒディン・ヤシン首相、テンク・ザフルル財務相、カイリー・ジャマルディン保健相の3人を呼んで事情聴取を行う模様だ。情報筋の話として英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」などが報じた。

アンワル・イブラヒム首相率いる与党連合・希望同盟(PH)は、総選挙で勝利した際には前政権の公金横領に関する疑惑を追求する考えを示していた。国民信任党(Amanah)のサニー・ハムザン議員は横領が2020年3月から2021年8月にかけてのムヒディン内閣時代に行われたと主張して警察に告発。MACCから要請があれば収集している証拠を提出する用意があると述べていた。

一方、ムヒディン氏は横領の疑惑を否定した上で、問題となっている6,000億リンギの数字の出所がおそらく総額5,300億リンギの8件の経済刺激策だろうが、直接の管轄権のない自分が私的に流用することは不可能だと主張。仮に自身の銀行口座に入金されれば、会計監査で指摘されたはずだと述べた。

エアアジア、ランサムウェア攻撃で500万人分の乗客データ漏洩

【クアラルンプール】 世界のデータ漏洩事件を報告するサイト「データブリーチーズ」によると、エアアジア・グループが11ー12日にかけて、米サイバー攻撃グループ「ダイシン・チーム」によるランサムウェア攻撃を受けた。

ランサムウェア攻撃は、悪意あるソフトウェアをインストールさせ、コンピュータに保存されたファイルを暗号化し開けなくした上で、元に戻すための身代金を要求するもの。ダイシン・チームはヘルスケア企業や公衆衛生機関などに対し、システムの脆弱性を突いたランサムウェア攻撃を繰り返している。

ダイシン・チームはエアアジアに対する攻撃を行い、乗客500万人と全従業員の個人データを入手したとデータブリーチーズに通知。データブリーチーズがダイシン・チームにチャットでコンタクトしたところ、証拠として乗客および従業員情報が含まれたサンプル2ファイルが送られてきた。ダイシン・チームは、身代金の金額やエアアジアからの支払いの有無、データの復元や流出データの削除、攻撃ポイントをエアアジアに知らせたかどうかなどについては明らかにしなかったという。

一方、データ漏洩のニュースが流れたにも関わらず、エアアジアの親会社であるキャピタルAの23日の株価は下落せず横ばいで取引を終えた。

オンライン証券の楽天トレードのビンセント・ラウ株式営業部長は、英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」の取材に対し、マレーシアの上場企業を巻き込んだサイバー攻撃は今回が初めてではなく、セキュリティ強化が必要ではあるものの、各国が国境を再開したことで航空会社の業績は回復傾向にあるため今回のデータ漏洩がキャピタルAの財政や経営に深刻な影響を与えることはないと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月24日、エッジ、11月23日)

LRTケラナジャヤ線、14日朝に全面再開

【クアラルンプール】 16駅間で運休していたクアラルンプール(KL)首都圏軽便鉄道(LRT)ケラナ・ジャヤ線は14日午前6時に全面再開した。当初は15日まで運休の予定だった。

公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアによると、LRTを運営するラピッドレールとLRT車両製造会社のタレス・グループが各種テストを実施。公共陸運局(APAD)が自動列車制御装置(ATC)の安定性を確認し、14日からのサービス再開を承認した。ウィー・カション運輸相も12日、5分間隔で列車38台の走行テストを行った上で信号や通信システムに問題が生じていないことから早期の運転再開が可能という見方を示していた。

プラサラナのモハマド・アジャルディン社長兼最高経営責任者(CEO)は、今後も運行状況の監視を続けるとし、予定より2日早い再開により道路混雑の緩和を期待していると述べた。

プラサラナはまた、14ー20日までの1週間、乗車料金を無料にすると発表。30日乗り放題のMy50パスも更新時に7日間無料期間を付与する。

LRTケラナ・ジャヤ線は、5日からATCの不具合により再三にわたりトラブルが発生。抜本解決のため、9日にアンパン・パークーケラナ・ジャヤ間の16駅について7日間の運休が発表された。運休は2万人以上の通勤客に影響し、首都圏の交通渋滞も悪化していた。
(ザ・サン、ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月14日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、11月13日、エッジ、11月12日)

LRTケラナジャヤ線運休、代替バス配備へ

【クアラルンプール】 9日に発表された、クアラルンプール(KL)首都圏の軽便鉄道(LRT)ケラナ・ジャヤ線16駅の1週間の運休による混乱が続く中、代替輸送計画が相次いで発表された。

公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアは9日、主要駅に無料の代替バスを配備すると発表した。73台のバスを利用し、5路線で運行、影響を受けた16駅すべてをカバーする。

系列のラピッドバスは10日、無料バスサービス、スマート・セランゴールおよびマラ・ライナーから各20台の支援を受け、無料フィーダーバスの運行を83台に増強すると発表した。最終的に100台超を配備する。

ウィー・カション運輸相は政府を代表し、国内で最も利用されている路線に前例のない混乱が生じたことを謝罪し、原因究明に向け運輸省はプラサラナと緊密に連携していると述べた。プラサラナはLRT装置メーカーのタレス・グループがカナダから到着するのを待つ間、第三者コンサルタントとの間で解決に向け議論しているとし、利便性のために安全性を犠牲することはできず、事故再発を防ぐためにも徹底して原因を追求するとした。

■消費者団体はプラサラナを批判■
一方、マレーシア・イスラム消費者協会のナジム・ジョハン会長は、24年間LRTを運行している会社が適切な管理計画を持っていないのは容認できないとし、不測の事態をあらかじめ想定しておくべきだと指摘。1週間の運休は2万人以上の通勤客に影響し、交通渋滞も悪化すると厳しく非難した。

マレーシア消費者協会連盟(FOMCA)のサラバナン最高責任者も、経済の中心地にある16駅が1週間も運休するのは経済に打撃を与える大問題だとし、代替バスを運行しても超満員で乗ることが難しく、また道路渋滞で到着に時間がかかりすぎるため役に立たないと述べた。政府は公共交通機関の利用を進める政策を行っているが、このような問題のせいで公共交通機関への信頼が失われているとした。
(ザ・サン、ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月10日、エッジ、ベルナマ通信、11月9日)