完全ロックダウンの即時終了、経営者連盟が政府に要請

【クアラルンプール】 マレーシア経営者連盟(MEF)は23日に政府に向けて声明を発表し、国内経済と国民の生活にさらなるダメージを与えないよう、6月1日から続いている完全ロックダウン(FMCO)を直ちに終了するよう要請した。

MEFのサイド・フセイン会長は、新型コロナウイルス「Covid-19」対策と国民生活の維持の間に微妙なバランスがなければならないと言明。しかしながら「FMCOの下での標準的運用手順(SOP)を巡る混乱は、すでに深刻な影響を受けている多くの中小・零細企業を殺している」と指摘した。

その上でサイド・フセイン会長は、様々な業界からの報告を引用し「一部の中小・零細企業は回復不能なレベルで苦しんでおり、緊急の支援を必要としている」とし、完全ロックダウンが継続された場合、必需品・サービス以外のセクターは生き残ることが出来ないだろうと述べた

またサイド・フセイン会長は、営業を許可されているセクターでもそれが依存しているサプライチェーンの一部が操業を認められていないため深刻な問題に直面していると指摘。その影響は雇用者だけでなく従業員や家族にも及んでいるとし、速やかに経済活動を再開させるとともに、財政支援を実施することが必要だと指摘した。 (エッジ、6月23日)

標準的運用手順に違反、建設現場150カ所に業務停止命令

【ペタリンジャヤ】 建設業開発局(CIDB)は、完全ロックダウンの標準的運用手順(SOP)に違反した建設現場150カ所に業務停止を命じた。

CIDBは、6月1日に完全ロックダウンが開始されて以降、全国の2,423の建設現場を立ち入り検査し、1,977カ所が非稼働であることを確認、150カ所で違反を確認したという。

違反により業務停止が命じられた150カ所のうち、サラワク州が45カ所と最も多く、それに▽セランゴール州(24カ所)▽マラッカ州(16カ所)▽ペナン州(10カ所)▽トレンガヌ州(10カ所)▽サバ州(9カ所)▽ジョホール州(7カ所)▽クアラルンプール(6カ所)▽パハン州(6カ所)▽ペラ州(5カ所)▽ケダ州(4カ所)▽ネグリ・センビラン州(4カ所)▽ペルリス州(3カ所)▽クランタン州(1カ所)——が続いた。

そのうち11カ所がSOPを導入することで再開を許可された。許可されたのは、▽トレンガヌ州(4カ所)▽マラッカ州(3カ所)▽ジョホール州(2カ所)▽ケダ州(1カ所)▽クアラルンプール(1カ所)ーーだった。

ネグリ・センビラン州セレンバンの建設現場では、SOPに違反して60%以上の労働者を現場で働かせていたため、22日直ちに操業停止を命じられた。

(エッジ、6月21日、ザ・スター、6月22日)

製造業へのワクチン接種を急ぐべき=経済団体

【クアラルンプール】 マレーシア経営者連盟(MEF)のサイド・フセイン会長は、製造業への新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種を急ぐべきだと述べた。

保健省のデータによると、6月14—20日の1週間で96の職場クラスターが発生している。同氏によると、製造業や建設業などでは、標準的運用手順(SOP)を遵守しているにも関わらず、外国人労働者を中心に感染が止まらない状況だという。現在の完全ロックダウン(MCO3.0)の状況でも、必需産業として17の経済セクターが営業を許可されているため、現場仕事を行なっている従業員に対し優先的にワクチン接種を行なうべきだと主張した。

6月21日時点で合計69万9,281人の外国人労働者が検査を受け、1万354人が陽性と判定されている。新規感染者数は過去2週間で減少傾向にあるが、職場での感染により新規クラスターが増加している。職場のうち製造業が最も多く、9万5,156件の感染例、639のクラスターが発生している。

同氏は、官民連携ワクチン接種プログラム(PIKAS)などによりワクチン接種数が増加していることを評価しつつも、変異株の世界的な流行などによりワクチン供給量が不安定であるため、政府に対し、他国に頼らずワクチンを長期的に安定供給する国立ワクチンセンターを早急に設置するよう求めた。

(マレーシアン・リザーブ、6月22日)

中国カンシノ製ワクチン、7月末までに供給開始予定

【クアラルンプール】新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、中国の康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)が製造しているワクチンについて、7月末にも1回目の供給が行われる見通しだと明らかにした。

カイリー大臣は、詳細を調整中であると説明。一方で米ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンについては、ワクチンを公平に分配する国際的な枠組み「COVAXファシリティ」を通じて供給されることが決まっているが、COVAXからまだ日程の通知がないと明らかにした。

保健省は15日、条件付きで両方のワクチンの登録を承認した。

カンシノのワクチンについては、ソリューション・グループが保健省に350万回のワクチンを供給する契約を交わしており、ソリューションは現在、充填・完成させるための施設をクアラルンプールにおいて建設中だ。第3四半期にも1回目の供給を予定している。施設の面積は2万平方フィートで、8月までに稼働を開始する。施設では1カ月当たり350万回分のワクチンを生産できるという

(マレー・メイル、6月22日、マレーシアン・リザーブ、6月21日)

私立病院のサンウェイメディカルが一般向けワクチン接種を担当

【ペタリンジャヤ】 私立病院サンウェイ・メディカル・センター(サンウェイメディカル)は、セランゴール州ペタリン地区のヘルスケア・オーガナイザー(HCO)として、サンウェイ・ピラミッド・コンベンション・センター (SPCC)で一般向け新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種を担当する。

SPCCでは、3月10日よりワクチン接種を開始しているが、これまで公的機関が担ってきた接種を民間のサンウェイメディカルが担当することになる。ワクチン接種の加速化のため、サンウェイ・ヘルスケア・グループ傘下の医療機関従事者を動員する。

サンウェイメディカルはすでにペタリン地区の2つの公的ワクチン接種センターおよびサンメド・コンベンションセンターを運営している。サンメド・コンベンションセンターは3月より最前線のセクター従事者向けのワクチン接種センターに転用されている。

サンメド・コンベンションセンターとSPCCを合わせた接種数は1日3,000回となる見込みだが、5,000回まで徐々に増やしていく予定。ペタリン地区では160万人へのワクチン接種が目標とされている

SPCCでのワクチン接種の詳細については、専用ウェブサイト( https://www.sunway.city/kualalumpur/lindung-diri-lindung-semua/ )まで。

(マレーシアン・リザーブ、6月21日)

「ロックダウン延長は経済を駄目にする」、独商工会など

【クアラルンプール】ムヒディン・ヤシン首相が発表した国家復興計画では経済活動を制限するロックダウンの長期施行が盛り込まれており、在マレーシア・ドイツ商工会議所のダニエル・ベルンベック最高責任者は「ロックダウンをさらに12週間続ける内容であり、多くの経済部門に深刻な打撃を与え、解雇、債務不履行、さらには倒産が増える」と述べた。

マレーシアから部品供給を受けている外国の企業が調達先をほかの国に変更するする恐れがあり、投資家がマレーシアへの投資計画を取り止める可能性もあるという

欧州商工会も、復興計画はロックダウンを長引かせるものであり、経済回復が少なくとも12週間、阻害されると指摘。現在施行中の完全ロックダウンは暫定措置とし、6月末に見直すのが望ましいとした。

また国際サプライチェーンにあって、注文に応じられないマレーシア企業があるためマレーシアの名声が低下しているという。

マレーシア製造業者連盟(FMM)は、今回のロックダウンが産業部門に与える影響は深刻とし、政府に支援措置を要請した。

(マレーシアン・リザーブ、6月17日)

国家復興計画、アナリストから不安視する声

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」の出口戦略として政府が打ち出した国家復興計画について、多くのアナリストから不安視する声が上がっている。

TAセキュリティーズは、政府が3つの主要指標がすべて正常に満たされた場合にのみ次のフェーズに移行するとしている点に言及。政府が第2フェーズへの移行を7月から8月の間、第3フェーズへの移行を9月から10月の間、第4フェーズへの移行を11月から12月の間との見通しを立てているが、計画通り進まない場合はそれぞれのフェーズ移行が先延ばしとなり特に下半期の経済見通しが不透明なままになっていると指摘している。

また政府がフェーズ1に当たる現在の完全ロックダウン(MCO3.0)における1日当たりの経済損失を10億リンギと低く見積もっている点(TA試算は15億リンギ)に触れ、今後のフェーズの遅れがさらに下半期の経済にも影響を及ぼすとした上で、新たな景気対策が早々に打ち出されることも期待できないと批判的な見方を示している。

OCBCバンクは政府がこれまでの通年国内総生産(GDP)成長予想をプラス6—7.5%で維持していることに触れ、フェーズ1がこれ以上延長されないと仮定すれば、政府予想の下限を2ポイント引き下げることになるとしプラス4%を予想している。

サンウェイ大学ビジネススクールのイア・キムレン氏は、まったく計画がないよりはましだが多くの仮定と骨格のみだと指摘政府がこれを元に経済成長を促すための戦略と対策を考え出す必要があるとしている。

また世界的な半導体不足を例に挙げ、グローバルなサプライチェーンの中にあって食糧、エネルギー、その他の主要なニーズについて過度に海外に依存しないよう経済の再構成を考えるべきだとしている。 (ザ・サン、ベルナマ通信、6月16日)

官民連携の産業ワクチン接種が開始、職場での感染を抑制

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」の官民連携の産業ワクチン接種プログラム(PIKAS)が16日に開始した。

PIKASの第1期では製造業のサブセクターの従業員が対象で15万回分のワクチンが割り当てられている。これまでに約500社から約10万6,000人がワクチン接種を申し込んだ。

半導体メーカー、米系テキサス・インツルメンツ(TI)で行われたワクチン接種を視察したムヒディン・ヤシン首相は、15日に発表した国家復興計画(PKP)の第1段階では、集団免疫の達成を目標に掲げていると言明。PIKASにより予防接種の促進に繋がるとして期待を示した。また職場が主な感染源となっていることに触れ、特に工場や宿舎で感染者を多く出していると指摘。雇用主が「1990年労働者住宅・設備法」(第446法)を順守していないことの表れだとした。

アズミン・アリ上級相(通産相兼任)によると、TIでは2,371人の従業員のうち16日は300人が接種を受けた。17日にはペナン州のブキ・ジャウィ・ゴルフ・リゾートでワクチン接種がスタートする。21カ所の工場で働く約1万6,402人がワクチン接種を受ける予定だ。18日にはジョホール州ペンゲランにおいてペトロナスの従業員5,123人へのワクチン接種が開始する。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、6月17日、フリー・マレーシア・トゥデー、6月16日)

HSBCマレーシア、12月31日付で13支店を閉鎖

【クアラルンプール】 HSBCマレーシアは15日、12月31日付で13カ所の支店を閉鎖すると発表した。

HSBCが発表した声明によると、閉鎖するのは▽ビントゥル▽ラブアン▽アローセタル▽キャメロンハイランド▽クアラ・トレンガヌ▽テルク・インタン▽バトゥ・パハ▽ベントン▽ラウブ▽イナナム(サバ州)▽セナワン▽スンガイブロー▽ゴンバックーーにある支店。

閉鎖の理由についてHSBCは、マレーシアにおいて未来を見据えた変革を行い、デジタルバンキングにおけるプレゼンスを強化を図るとして、支店数を減らすことを決めたと説明。2021ー2023年にかけてデジタル化や新技術の導入に1億6,000万リンギを投資する計画もあるとした。

顧客は最寄りの支店やATM、テレフォンバンキング、「HSBCマレーシア・モバイル・バンキング・アプリ」や「HSBCオンラインバンキング」などのデジタルバンキングを利用することで、継続してサービスを利用することができる。HSBCは閉鎖予定の支店の利用者には、最寄りの支店に関して通知すると説明。口座番号などは変更しないとした。

銀行員労働組合(NUBE)は3日、HSBCが過去6年間で3回目となる自主的分離スキーム(VSS)および相互分離スキーム(MSS)の実施を計画していると主張。約600人が職を失うとして懸念を表明していた。

(フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、6月15日)

不動産のヨンタイ、新型コロナの不活性ワクチンを受け取り

【クアラルンプール】不動産開発のヨン・タイは、子会社のYTBヘルスケア(YTBH)が11日に、中国のバイオテクノロジー会社、深セン康泰生物製品(SZKT)が開発した新型コロナウイルス「Covid-19」の不活化ワクチンの第1弾を受け取ったと発表した。

国家医薬品規制庁(NPRA)は3日、同ワクチンの輸入臨床試験を承認しており、マレーシアで第3相臨床試験をすることが可能となっている。YTBHは第3相臨床試験を実施し、数カ月データを取った後、当局にワクチン承認に向けて登録申請をする予定だ。

ヨンタイは、SZKTとの間で今後5年間(延長可能)のワクチン独占販売契約を交わしており、年間2,000万回分のワクチンをマレーシア国内で提供する計画だ。政府はSZKTのワクチンの生産工場と研究センターを設立することを希望しているという。

SZKTのワクチンの臨床試験はコロンビアやアルゼンチン、パキスタン、フィリピン、ウクライナなどでも実施されている。 (エッジ、6月11日)