エアアジア、2022年にも「空飛ぶタクシー」開始を予定

【クアラルンプール】 格安航空エアアジアは、早ければ2022年にも「空飛ぶタクシー」事業を開始したい考えだ。トニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)が先ごろ開催されたオンライン・フォーラムで明らかにした。
「空飛ぶタクシー」は、実用化が近づいている4つの回転翼を持つ定員4人のクワッドコプター(クワッドローター)を機材として使用する方針。すでにメーカー数社と協力しているという。エアアジアの「空飛ぶタクシー」は法規面などハードルが高いドローンとは異なり、パイロットが操縦するスタイルを採用する。利用者は「空飛ぶタクシー」をエアアジアのアプリを使って呼ぶことになるという。
これに先立ちエアアジアは、都市部におけるドローンを使った配送サービスの実用化に向け、マレーシア・グローバル・イノベーション・アンド・クリエーティビティー・センター(MaGIC)と提携すると発表していた。
フェルナンデスCEOはフォーラムの中で、新型コロナウイルス「Covid-19」で旅行業界が大打撃を受けたことは逆に変革のチャンスだと強調した。
(ブルームバーグ、シンプル・フライング、3月8日)

米ファイザー製ワクチンを追加注文=カイリー科技相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 カイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンを米ファイザーに追加注文し、人口の半分をカバーする合計3,200回分のワクチンを確保すると述べた。すでに確保済みのファイザー製ワクチンはすべて年内に受領する見込みだ。
カイリー氏は、受領が今年第4四半期になるとみられるジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)とのワクチン調達交渉を中止して、早く調達できる中国・康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)に切り替える方向で検討していることを明らかにした。カンシノ製ワクチンもJ&J製ワクチンと同じく1回の接種で済むとされる。
カイリー氏はまた、先ごろマレーシア国家医薬品管理局(NPRA)から仮承認を受けた中国・科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製ワクチンについて、同氏が接種第1号になる予定だと述べた。マレーシア政府は、米ノババックス製ワクチンの購入についても協議を行なっているという。

マレーシアは中所得国の罠に、「脱出には青年起業家が必要」

マレーシアは中所得国の罠に、「脱出には青年起業家が必要」

【ペタリンジャヤ】ムヒディン・ヤシン首相は5日開催の青年経済フォーラムで演説し、マレーシアが中所得国の罠から抜け出すための方策を披歴。青年実業家に奮起を促した。
途上国が中所得国まで経済発展した後、成長が鈍化し所得も停滞する状態が中所得国の罠で、ムヒディン氏によると、生産性の停滞で国民1人当たり所得は10年近く、1万米ドル前後にとどまっている。
この罠から脱出するには、新規の高価値製品を生産するという、高所得になった国と同様の、世界市場で通用する輸出国になる必要があるという。
このために必要な条件としてムヒディン氏は、世界に進出する野心のある起業家の登場、複雑で高度な製品を作るための製造能力の強化、韓国のサムスンや現代のような多国籍で活躍できる企業の育成を挙げた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、3月5日)

シャアラムのペガサスホテル、ネスレが一時隔離施設として運用

【クアラルンプール】ネスレ(マレーシア)は4日、シャアラムにあるペガサスホテルの100室を隔離施設として確保した。新型コロナウイルス感染者と濃厚接触のあった者を短期収容する施設として運用する。
フアン・アラノルス最高経営責任者(CEO)によれば、自宅での隔離生活が困難な人のための滞在施設で、利用は無料。
利用できるのはネスレ職員とその家族、セランゴール州に居住する低所得者、および所得下位40%の層に属する世帯の構成員。
セランゴール州政府と民間の協力による初の隔離施設だ。ペガサスホテルは隔離用施設として当局から指定されている。
チェックインした滞在者にネスレは、同社商品の中から必須品をセットにしたものを提供する。滞在者は当局の監視下に置かれる。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月5日)

テーマパーク、映画館などが営業再開へ、準備は万全

【クアラルンプール】行動制限令(MCO)から条件付きMCOまたは復興のためのMCOへの移行に伴い、映画館やテーマパーク、動物園が営業再開を認められたため、これらの娯楽施設は清掃、消毒など客を迎えるための準備を行なっている。
レゴランドなどを運営するサンウェイ・テーマ・パークスでは当局が定めた以上の厳格さで清潔を維持し、客数も収容能力の30%に抑えて再開する。乗り物は1回の利用ごとに消毒する。客同士のソーシャルディスタンシング確保のためマークを設置する。レゴランドでは支払いをキャッシュレス化する。
動物園のズー・ネガラは5日に営業を再開した。ソーシャルディスタンシングなど標準的運用手順(SOP)の順守を入場者に求める。
映画館は昨年3月以降、ほぼ1年にわたり全面、または部分閉鎖を余儀なくされ、大手ゴールデン・スクリーン・シネマズ(GSC)によると、全国のスクリーンのうち25%が閉じられた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月5日、マレーシアン・リザーブ、3月4日)

食品栄養表示ラベル、来年7月から塩分量記載も必須に

【プトラジャヤ】 加工食品のラベルにある栄養表示について、ナトリウム含有量を記載することが2022年7月から義務づけられる。ノール・アズミ・ガザリ副保健相が明らかにした。
国民の塩分摂取量の削減を奨励する保健省の政策の一環で、表示規定の変更は2020年7月にすでに官報に掲載されている。ラベル変更のための2年間の猶予期間を食品業界に与えているという。現在の食品ラベル規定では、▽熱量▽炭水化物▽糖質▽たんぱく質▽脂質——の含有量の記載のみが義務づけられている。
ノール・アズミ副大臣は、「国民が食品中のナトリウム含有量についてより多くの情報を得ることでより良い選択をし、非感染性疾患(NCD)予防に役立つ」と述べた。
(ベルナマ通信、3月3日)

プロドゥア、コンパクトSUV「アティバ」を発売

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ダイハツ工業(本社・大阪府池田市)は3日、「DNGA」 (ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー) の海外展開の第1弾として、マレーシアにおける自動車生産・販売の現地合弁会社、プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)がコンパクトSUV、新型「アティバ」を発売したと発表した。
「アティバ」は、ダイハツが2019年に日本で発売したコンパクトSUV「ロッキー」をベースに、プロドゥアと協力によりマレーシア市場に最適な形に作り上げた新商品。排気量は1リットル。定員数は5人。▽SUVらしい力強くアクティブなデザイン▽小回りの利くAセグメントのコンパクトサイズと広い室内空間の両立▽マレーシア専用に設定した衝突回避支援システム「スマートアシスト(現地名・アドバンスド・セーフティ・アシスト)」▽「DNGA」新プラットフォームや新ユニット(ターボエンジン+D CVT)による、快適な走りや乗り心地などの高い基本性能▽国民車に相応しい求めやすい価格ーーが主な特徴となっている。価格は6万1,500リンギー7万2,000リンギ。マレーシア政府が国内で組み立てた新車の販売に対して売上税を免除する措置が終了する6月30日以降は、6万2,500リンギー7万3,400リンギとなる。目標の販売台数は月間3,000台。これまでに5,000件の予約を受け付けており、4日より納車を開始した。
「DNGA」は、軽自動車を基点に小型車まで、設計思想を共通化した「一括企画開発」を採用しており、ダイハツは日本および東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心とした新興国において、グローバル商品としてベースを共通化しながら、現地ニーズに最適に応える商品として市場投入できるクルマづくりを進めてきた。今後も「DNGA」商品の海外展開を予定しており、競争力の高い「DNGA」商品を投入することで、より多くの顧客ニーズに応えていく方針だ。またASEANを中心とした新興国へ展開することで、各地域での自動車の普及および産業、人材育成に貢献し、顧客の生活に寄り添った企業を目指す。
プロドゥアは、1993年に創業した小型車を中心としたマレーシア第二の国民車メーカーであり、2006年から2020まで15年連続でマレーシア国内販売シェアトップを獲得している。近年世界的に人気の高まっているSUVタイプの新商品である「アティバ」を皮切りに、今後も「良品廉価」「最小単位を極める」「先進技術をみんなのものに」の3つの価値を提供する「DNGA」商品を順次ラインナップに加えることで、より幅広い顧客の要望に応えていく方針だ。

シノバックとアストラゼネカのワクチンを仮承認

【プトラジャヤ】マレーシア国家医薬品管理局(NPRA)は中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)と英アストラゼネカが開発したコロナウイルス「Covid-19」感染症のワクチンを仮承認した。
ノール・ヒシャム保健事務次官の発表によると、製薬企業が資料全体の完成を待たず、完成したセクションから順次提出し審査を受ける逐次審査方式での承認であり、両製薬会社は最新の治験結果を継続的に提出しなければならない。
マレーシアで既に承認されたワクチンはファイザー・ビオンテックの製品で、ベルギーで生産されたもの以外に、ドイツで生産されたワクチンの使用も許可された。ロシア製スプートニクVワクチンはまだ審査段階にある。
アストラゼネカのワクチンは保管温度が2ー8度と一般的な冷蔵温度で、接種に特別な設備は不要。マレーシアは640万回分を購入する。
(ザ・スター、3月3日、ベルナマ通信、3月2日)

保健次官発言に産業界が反発、州間移動禁止の解除要求

【クアラルンプール】州間・地域間移動の禁止解除は人口の70%がウイルスワクチンの接種を終えてから、とのノール・ヒシャム保健事務次官の発言に対し、産業界が、経済に深刻な打撃を与え多数の国民の生活を破壊すると反発している。
商工会など262の業界団体がビジネス・サバイバル・グループを結成。議長に選任されたアブドゥル・マリク氏は「次官発言はバランスを欠く。長期にわたる移動禁止が経済に与える影響はどんなに強調しても強調しすぎることはない」と州間・地域間移動禁止の即時解除を要求した。
アブドル・マリク氏は全面的移動禁止ではなく、感染率が低い地域と高い地域との移動規制など、的を絞った行動制限令(MCO)が望ましいとした。
グループ顧問のアミール・アリ氏は「ノール・ヒシャム氏の発言はわれわれを落胆させた」と指摘「今でさえ経営は厳しい。過度の警戒はビジネスを殺し、人民を殺す」と延べた。
グループは要望書をムヒディン・ヤシン首相に提出しており、また複数の閣僚と会い、要望を伝える。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月2日)

バーガーキング、3千万リンギを投じて今年は25店舗開設

【クアラルンプール】 米系ハンバーガー・チェーン「バーガーキング」レストランのフランチャイジー、コスモ・レストランツは今年、3,000万リンギを投資して新たに25店舗をオープンする計画だ。また20年ぶりにブランドの再構築を実施する。
ン・リーティエン最高経営責任者(CEO)によると、新たなビジュアル・デザインはバーガーキングの商品の味や品質、着色料や防腐剤などを使わないことを感じさせるもので、ロゴや商品パッケージ、従業員の制服、看板や装飾などを変更する。また新たなビジュアル・デザインの下で開設した店舗にはドライブインやQRコードの注文システム、アプリなどが利用できるようになり、ソーシャルディスタンスを保ったり、新型コロナウイルス「Covid-19」の陽性患者との接触通知を行うことができるという。
同社は昨年、2,200万リンギを投じて、新たに18店舗を開設した。そのうち8店舗は12月にオープンしたもので、新たなビジュアル・デザインを採用した。また新型コロナが流行に伴い昨年3月より、全レストランでの消毒や従業員が着用する手袋、フェイスマスクなどの感染対策として100万リンギを割り当てたという。
マレーシア国内の「バーガーキング」の店舗数は、120カ所以上となっている。
(ベルナマ通信、2月25日)