アクセルビット、マレーシア拠点開設でアジア戦略を加速へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 KDDI関連会社でビジネス支援ソフトウェアを開発・提供するアクセルビット(AXLBIT、本社・東京都港区)は17日、同社初となる海外拠点「アクセルビット・アジア」を1日付けでクアラルンプールに開設したと発表した。

アクセルビットは「サブスクリプションで世の中をもっと豊かに便利に」をテーマにサブスクリプション(定期購入)型ビジネス支援ソフトウェア「アクセルギア(AXLGEAR)」の開発・提供、エンタープライズ向けプラットフォーム「アクセルボックス(AXLBOX)」の運営に携わっている。

東南アジアを中心とした新興国では、人口増加と経済成長によりIT化も急激に進んでおり、サブスクリプションモデルの自動化に特化した同社サービスはニーズが強まるものと期待されている。また英語圏であるという言語面やASEAN(東南アジア諸国連合)地域のどこにでもアクセスしやすいという立地面を鑑み、今後のアジア進出のハブになることを期待してマレーシアでの拠点設立を決定した。当面はグローバル人材が勤務する開発拠点としての運用を行うが、中長期的にはアジアにおける協業先の開拓やサービスのグローバル展開の拠点としてのリメイクを目指す。

アクセルビットは今後、同拠点を足場としてこれまで日本国内で培ってきたサブスクビジネスの知見をもとに、東南アジア地域への事業拡大や地域人材の雇用創出など、社会貢献を図っていく方針だ。

ファミリーマート、115店にリンギ対応の外貨両替機を設置

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ファミリーマート(本社・東京都港区)は17日、2019年から進めてきた日本国内店舗への外貨両替機の設置について、2023年12月末時点でコンビニ最多の115店舗に設置を完了したと発表した。

自動外貨両替機の開発に携わるエクステック(本社・東京都港区)の協力を得て展開しており、14通貨(紙幣)を日本円に両替することが可能。外国人が両替できるだけではなく、日本人も海外旅行からの持ち帰り外貨の両替に利用できる。

対応通貨は、▽マレーシアリンギ▽米ドル▽ユーロ▽英ポンド▽中国元▽韓国ウォン▽香港ドル▽台湾ドル▽豪ドル▽カナダドル▽シンガポールドル▽タイバーツ▽フィリピンペソ▽インドネシアルピアーー。24時間稼働し、対応言語は、日本語、英語、中国語、韓国語、ドイツ語など15カ国語。外貨(紙幣)から円への両替のみに対応している(1万円紙幣、1,000円紙幣、100円硬貨での受け取りとなる)。現時点では、東京、大阪、京都、福岡、北海道の店舗に設置されている。

ファミリーマートによると、14通貨で訪日外国人の95%を網羅し、1台あたりの月間両替額は、インバウンド需要の回復によりコロナ前の2019年に対して120%にまで増加した。

ファミリーマートは、今後も設置を推進し、より多くの顧客に対して外貨両替機サービスを提供していく方針だ。

中古車サブスクサービス、タイガー商事が27日に開始

【スバンジャヤ=マレーシアBIZナビ】 自動車整備などを手掛けるタイガー商事は、会員制の中古車レンタル・サービス「サブスクハリマオ」を1月27日より開始すると発表した。

同社が運営している車の個人間売買支援サイト「フリマハリマオ」を活用したもので、自動車の名義は元の所有者のままであることから、借り主は、通常の中古車売買であれば必要となる売買交渉の手間が省けるほか、初期費用やローンの心配、市場の価格調査、中古車業者との交渉、自動車保険、自動車税、メンテナンスなどの手間が不要となる。

借り主は名義変更や売り先を探す手間がないため、車両を帰任・帰国のギリギリまで車を使用することができる。またタイガー商事が窓口となって車両を管理・選定しメンテナンスや修理もサポートするため、貸し手との直接交渉なしに安心して借りることができる。貸し主としても、売買契約が成立しなくても、賃借料収入が得られるメリットがある。

借り主は、申し込んでから最短1週間ほどで借りることができる。賃貸期間については12カ月、24カ月、36カ月の3つの期間を設定している。賃貸料は貸し主の設定によるが、2020年式「プロドゥア・マイヴィ」の場合で月々1,300ー1,500リンギ程度で借りることができる(初月のみ月額賃貸料の50―60%の準備金が別途必要)

いすゞ「D-Max」、昨年の販売台数は過去最高の9650台

【クアラルンプール】 いすゞマレーシアは、ピックアップトラック「D-Max」の2023年通年の販売台数が9,650台となったと発表した。2022年の9,211台を上回り、2年連続で過去最高を記録した。

排気量1.9リットルのスタンダードモデルが最も人気で、総販売台数の28%を占めた。フラッグシップモデルの「X-テレイン」の販売も好調で前年比24.5%増となった。D-Maxのピックアップトラック部門での市場シェアは推定16.6%となり、販売台数第3位に浮上。サバ州、ケダ州、パハン州で第2位となったことが貢献した。

岡添俊介 最高経営責任者(CEO)は、2021年に第3世代「D-Max」がマレーシア市場に投入されて以来、優れた機能や走行特性、汎用性、コストパフォーマンスのために、高く評価されてきたと説明。人間工学に基づき設計された「D-Max」はいすゞブランドにとって革新的なモデルで、あらゆるユーザーのニーズを満たせるとし、2023年は既存顧客を維持しつつ、新規顧客への販売を185%増加させることで、顧客基盤を拡大したと述べた。
(ポールタン、1月15日)

UXのビービット、マレーシア企業買収で東南アジアに事業を拡大

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ユーザーエクスペリエンス(UX)コンサルのビービット(本社・東京都千代田区)は16日、マレーシアのスタートアップ企業「つなごう(TSUNAGO)」の全株式を取得し、東南アジア市場に進出すると発表した。ビービットは2022年より台湾に進出しており、グローバルでの事業拡大を目指している。

「つなごう」は、クアラルンプールに拠点を構え、シンガポール・マレーシアを中心にOMO(オンラインとオフラインの統合)ソリューションを提供している。2017年の設立以降、三越伊勢丹、通信のセルコム、バー・チェーンのソーシャルなど大手企業の支援を行っている。また、日本人起業家がアドバイザーとして参加しており、日本と東南アジアをつなぐチームも形成している。

ビービットは今回の買収により、OMOの顧客体験設計力、データ駆動による顧客理解力をより強化し、シンガポール・マレーシアを中心に東南アジア全域に進出する。親和性の高い既存サービス群との融合も視野に入れながら、コンサルティング・SaaS一体型のUXビジネスのグローバル拡大を加速する計画だ。

フェローテック、ケダ新工場の開所式を開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 フェローテックホールディングス(本社・東京都中央区)は15日にケダ州クリム・ハイテクパーク内で建設中だった新工場の開所式を開催したと発表した。

マレーシア投資開発庁(MIDA)とフェローテックの共同声明によると、ケダ新工場では半導体装置の電気機械の組み立てと先端材料の加工を行う。投資額は約8億5,000万リンギで、800人以上の雇用機会を創出した。

フェローテックの副社長であり、製造子会社のフェローテック・マニファクチャリング・マレーシア(FTMM) の最高経営責任者(CEO)でもある山村丈氏は、ケダ工場の最新鋭の生産施設は、急成長を遂げるアジア市場における同社製品・サービスに対する需要の高まりに対応できるよう、戦略的に設計されていると言明。同社にとり東南アジア初の生産拠点となるケダ工場には、米国、欧州、中国、日本の事業で培われた、44年にわたるエンジニアリングの専門知識が集約されていると述べた。

フェローテックは昨年7月にも、パワー半導体用絶縁放熱基板製造子会社である江蘇富楽華半導体科技股?(FLH)が、ジョホール州ジョホールバルに新工場を建設すると発表していた。2024年9月の操業開始を予定している。

セルコムDigi、技術開発でソフトバンク、住友子会社と提携

【クアラルンプール】 通信のセルコムDigiは15日、同業のソフトバンク(本社・東京都港区)および住友商事(本社・東京都千代田区)のシンガポール子会社SC-NEXと提携し、マレーシア企業にインダストリー4.0(IR4.0)ソリューションを提供すると発表した。

SC-NEXはデジタルトランスフォーメーション(DX)の専門企業。ソフトバンク、SC-NEXの人工知能(AI)、ロボット工学、分析ソリューションに関する専門知識とセルコムDigiが運営する4G LTE網および5G網を活用し、アグリテック(農業技術)やスマートシティ向けのIR4.0ソリューションの共創を模索する。

セルコムDigiのイダム・ナワウィ最高経営責任者(CEO)は声明で、2社との提携により、国内企業が革新的なテクノロジーに迅速にアクセスできるようになり、ビジネスの真の可能性を引き出すことが可能になると言明。セルコムDigiは、より多くの企業のDX化を支援し、持続可能な経営環境を構築することを目指すと述べた。
SC-NEXの大河原淳 最高経営責任者(CEO)は、住友商事の幅広い経験や知識を活用し、三者間協業を強化していくと述べた。

ソフトバンクの工藤公正 法人事業統括グローバル事業本部本部長は、「ソフトバンクでは入退室管理ソリューションやロボティクス・ソリューションなどで構成される先進的なスマートビル・ソリューションを開発しており、そのノウハウを活用できることを楽しみにしている」と述べた。マレーシア企業の持続可能な成長に向け、他の技術分野でも協力していきたいとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、1月15日)

「業務スーパー」マレーシア2号店、KLにオープン

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 神戸物産(本社・兵庫県加古川市)が展開する「業務スーパー」のマレーシア2号店が、12日にクアラルンプールの「ピナクル・スリ・ペタリン・モール」にオープンした。

2022年9月にセランゴール州ペタリンジャヤ(PJ)のシェラトンホテルに隣接する「ピナクルPJ」に正式オープンした1号店に続くもの。神戸物産では、海外店舗でもローカライズすることなしに日本の商品をそのまま販売する方針をとっている。イスラム教徒の顧客も安心して購入ができるよう、禁忌とされる豚肉、アルコールの含有情報を成分表示レベルで明示しているという。

オープン日には50リンギ以上購入の先着100人にエコバッグをプレゼントするキャンペーンを実施。マレーシア在住の日本人のみではなく、現地の人々も詰めかけた。

東京オートサロン、11月にKLのMITECで第2回を開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 東京オートサロン事務局は、11月8ー10日に、カスタムカー・ショーである「東京オートサロン」のマレーシア版第2回をクアラルンプールで開催すると発表した。

第1回は2023年6月9ー11日にマレーシア国際貿易展示センター(MITEC)のホール2ー4で開催され、若者を中心に9.1万人以上が来場した。第2回はMITECのホール6ー8で午前10時から午後10時まで開催。イベント運営のエレメントXと広告代理店のMUSEグループが共催する。

第2回では、人気コミックスでゲーム化もされた「湾岸ミッドナイト」に登場する車両の展示、屋外でのドリフトカーデモ走行、カーオークション、二輪車の出展、日本の著名チューナーやレースクイーンとの交流イベントなど、新たなコンテンツも予定されている。

MUSEグループのリドゥワン・マトニ最高経営責任者(CEO)は、「第1回は東南アジア諸国から多くのファンが訪れ、本イベントがマレーシア周辺地域の自動車ファンにとって魅力的であることが認識できた」と言明。第2回の開催までは十分な準備期間があり、効果的なプロモーションができるため、周辺地域からより多くの来場者を見込んでいると述べた。

京都の豆乳ラーメン専門店「豆禅」、KLにマレーシア1号店を開店

【クアラルンプール】 京都の豆乳ラーメン専門店「豆禅(Towzen)」がクアラルンプール(KL)にマレーシア1号店をオープンした。

「豆禅」は、湯豆腐料理店の店長を務めていた米川実氏が2004年7月に京都市左京区下鴨で創業した店舗で、豚骨、鶏がらを使わず、ヴィーガン(完全菜食主義)に対応した豆乳ラーメンを提供している。京都の店舗はベジタリアンの外国人などが集まる人気店となっている。

KL店は和モダンなインテリアデザインが特徴で、座席数は30席以上。農場を所有する現地パートナーの協力を受け、野菜・果物などの食材を仕入れている。豆乳ラーメンに加え、うどん、丼物、おにぎり、お茶漬け、サイドメニュー、デザートなど、豊富なメニューを提供している。鶏の唐揚げに模したヤマブシタケの唐揚げやうなぎの押し寿司にしか見えない焼き茄子寿司、トンカツに似せた揚げ豆腐カツ、焼き餃子(野菜、豆腐、キノコ入り)なども名物となっている。
(マレー・メイル、1月12日)