リサパートナーズ、投融資先のエバーグリーンがACE市場上場

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 投融資およびアドバイザリー・サービスのリサ・パートナーズ(本社・東京都港区)は、海外投融資先であるマレーシア企業エバーグリーン・マックス・キャッシュ・キャピタル(EMCC)が、9月26日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)のACE市場に新規上場したと発表した。

2012年創業のEMCCは、クアラルンプールに本社を構え、マレーシア国内において「パジャキング」22店舗を展開。金を担保としたマイクロファイナンス事業および金を中心とした卸売販売事業を行っている。リサ・パートナーズは、マレーシアを含む東南アジアにおいて、今後マイクロファイナンス市場の拡大が予想されることや現物所有を好む文化があることから、EMCCの将来性を見込み、成長資金の提供を行った。ACE市場上場後も、EMCCのさらなる成長を支援していく。

リサ・パートナーズは、これまでの約25年にわたる日本国内外における再生、成長支援等の投融資の実績・ノウハウ等を活かしながら、今後も、人口増加に伴い、経済成長が期待される地域である東南アジアでの事業展開を加速させていく方針だ。

丸紅、航空機整備・解体事業の合弁会社を設立

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 丸紅(本社・東京都千代田区)は9月27日、セランゴール州スルタン・アブドル・アジズ・シャー空港(スバン空港)を拠点とする、航空機の重整備・解体事業を手掛ける合弁会社、カーボンMROサービシズを設立したと発表した。

合弁相手先は、航空整備士の訓練や航空機整備を手掛けるディビエーション・ソリューション。丸紅の航空機アフターマーケット市場におけるノウハウと、ディビエーションの航空整備士の訓練や航空機整備に関わる人材開発機能を活用し、独立系の航空機保守、修理、オーバーホール(MRO)事業者として、ビジネスジェット向け重整備を実施するほか、狭胴機向け重整備・機体解体およびエンジン解体分野に新規参入する。航空機のライフサイクルに応じたソリューションを提供するMRO事業者として、機動的かつ柔軟な複合サービスを提供していく。

丸紅は声明の中で、東南アジアの重整備需要が2022年時点での3.8億米ドルから2032年には6.3億米ドルに成長する見通しで、解体需要も東南アジアにおける航空機の退役機数が年平均7.5%増加することが見込まれているとし、重整備・機体解体事業共に需要が高まっているとしている。

日本とペトロナス、日本のCO2のマレーシア貯留に向け協議へ

【東京】 日本政府と国営石油会社ペトロナスは9月27日、日本で排出される二酸化炭素(CO2)について、マレーシアにおける二酸化炭素回収・貯留(CCS)実施を目指し、協力覚書を交わした。

日本の経済産業省、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、ペトロナスの三者間での協力を行い、2028年のCO2輸送開始を目指す。日本のCO2海外貯留としては初の試みとなる。

経済産業省の佐伯徳彦CCS政策室長は、同様の協議がいずれアジアの他の国とも行われる可能性があるとし、輸送するCO2量の数値目標は設定していないと言明。まずは、大気中からCO2を取り除いて地下に貯蔵するCCSについて、民間企業が投資判断を下せるような規制の枠組みが必要だと述べた。

経済産業省では今年3月、CCSの長期ロードマップ検討会の最終とりまとめを発表しており、2030年までに年間600万ー1,200万トンずつCO2貯蔵能力を増強していく必要があるとしている。
(ストレーツ・タイムズ、9月28日、ロイター、9月27日、経済産業省発表資料)

1ドル=4.2リンギ予想も、先行きに不透明感=楽天トレード

【クアラルンプール】 オンライン証券会社の楽天トレードは、リンギ安が継続する状況においても、米国の政策金利引き上げの「緩和傾向」が見られることから、年内に1米ドル=4.2ー4.3リンギ前後までリンギ高に振れるとの予想を示した。

リサーチ責任者であるイー・シーフィン氏は、世界的なインフレが続く中、米国は依然として世界市場変動の震源地であるとし、米連邦準備制度理事会(FRB)が9兆ドル近い量的緩和策を打ち出した影響は大きく、その後毎月950億米ドルの量的緩和の縮小を続けているが、ペースが遅すぎてインパクトがないとした。また、2023年初頭に米国のテクノロジー企業が大規模なレイオフ(一時解雇)を実施したが、現在もその動きが継続中で、米国の現在の失業率が3.8%であることから、インフレ率を低下させられなかったと述べた。今年3月に銀行破綻が再燃したことで、世界金融危機の際に起こったような金融セクター崩壊の懸念も再燃しており、S&Pによる8月の一部銀行の格下げが、警告のサインとして銀行セクターを揺るがしたとしている。

その上で同氏は、「2023年の最終四半期に入り、米国のさらなる利上げが予想されるが、米国が経済調整を成功させられるかどうかは依然として不透明だ」と結論づけた。
(ザ・サン、ザ・スター、9月27日、ベルナマ通信、9月26日)

ジェトロ、日・マ企業によるピッチイベントを10月3日に開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所と経済産業省は、日本・マレーシア企業によるピッチイベント「マレーシア・日本デジタル・エクスチェンジ・ピッチ2023」を10月3日に開催すると発表した。

日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)双方のスタートアップと大企業との協業によるオープンイノベーション創出を後押しするのが狙いで、マレーシア投資貿易産業省(MITI)、マレーシア・デジタル経済公社(MDEC)、マレーシア投資開発庁(MIDA)が共催する。

日本・マレーシアの大手企業計5社が自社の課題や協業連携ニーズをチャレンジとして公開し、そのチャレンジに対する提案を日・ASEANのスタートアップから募集しマッチングを図る。3日のイベントではマレーシア味の素、JR東日本、荏原製作所、サイバービュー、サイムダービーがチャレンジオーナーとなり、多数の提案の中からファイナリストに選ばれたスタートアップ14社が最終プレゼンを行う。

また会場では登壇スタートアップ、チャレンジオーナー、コミュニティパートナー(ベンチャーキャピタル=VCなどのビジネス支援機関)も含めたネットワーキングも予定している。イベント詳細・参加申込は(https://www.jetro.go.jp/malaysia/dx/pitch_my23)で受け付ける。

IHI、燃料ペレット工場のデジタル化に向けた実証事業を開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 IHI(本社・東京都江東区)は、パームヤシ空果房(EFB)から燃料用ペレットを製造する工場において、製造時の二酸化炭素(CO2)排出量と設備稼働率を、デジタル技術により可視化する実証事業を開始した。2025年1月まで実施する。

日本貿易振興機構(ジェトロ)の「日ASEAN(東南アジア諸国連合)におけるアジアDX促進事業」で本事業が採択されため、実施を決定した。「日ASEANにおけるアジアDX促進事業」は、ASEANの企業・機関と連携し、デジタル技術を活用して経済・社会課題の解決を目指す取組みを支援するもの。

IHIは2018年にマレーシアにIHIソリッド・バイオマス・マレーシア(ISBM)を設立し、搾油会社であるLKPPドミニオンスクエア社から提供を受けたEFBを原料として燃料用ペレットを製造する事業を行い、腐敗したEFBから発生する、温室効果ガス(GHG)となるメタンガスの削減に取り組んでいる。

今回の実証事業では、GHG排出量のさらなる削減を目指し、デジタル技術を活用して燃料用ペレットの製造時に排出されるCO2排出量と工場内の各設備の稼働状況を可視化する。稼働状況を分析することにより設備稼働率と生産性を向上させ、ペレット製造時のCO2排出量を削減していく。本事業の実証後には、LKPPドミニオンスクエア社に本技術を適用し、搾油工程におけるCO2削減も目指す。

IHIは、本事業で得られた技術や知見をASEAN諸国の様々な工場へ展開していくほか、顧客ニーズに適した様々なソリューションを提供することで、2050年までのサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現に貢献していく方針だ。

デジタル分野で374億リンギの投資を確保=通信相

【ペタリンジャヤ=マレーシアBIZナビ】 ファーミ・ファジル通信デジタル相は25日、デジタル・テクノロジー分野では8月時点で374億リンギを超える投資を確保し、1万5,895人以上の高付加価値雇用機会も創出されたと明らかにした。

ファーミ大臣は、マレーシア・デジタル経済公社(MDEC)主催の「マレーシア・デジタル・エキスポ(MDX)2023」の開会式で、デジタル分野での成果は、デジタル経済成長に向けた戦略「マレーシア・デジタル(MD)」への外国人投資家の信頼を反映したものだと言明。また、「MDX2023」は、マレーシアを東南アジア諸国連合(ASEAN)地域における主要なデジタル国家として位置づけることを目的とした、MDの取り組みの一環だとした。

「MDX2023」は、9月25日から11月8日まで、会議、ワークショップ、展示会、ネットワーキング・セッションなどのイベントを全国で開催するもので、投資家、起業家、技術系新興企業、業界団体、政策立案者、デジタル専門家など、世界中から15万人以上の参加者が見込まれている。その中でも、10月3日に行われる「マレーシア・日本デジタル・エクスチェンジ・ピッチ2023」では、日系企業の味の素(マレーシア)、荏原製作所、JR東日本、マレーシア企業の財務省傘下企業サイバービュー、サイムダービー・モビリティが課題を提供し、ASEANや日本の新興企業が課題解決に向けた提案の発表を行うという。

家電のセンヘン、セランゴールの倉庫を7580万リンギで買収

【クアラルンプール】 家電量販店チェーンを展開するセンヘン・ニュー・リテールは、セランゴール州クランで、現在中央流通センター(CDC)として使用している建物と土地を現金7,580万リンギで買収すると発表した。同社グループのサプライチェーンを強化する。

センヘン・ニュー・リテールがブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、同社の完全子会社であるセンヘン・エレクトリック(KL)が、サイムダービー ・プロパティ、三井物産(本社・東京都千代田区)、三菱地所(本社・東京都千代田区)が共同設立した合弁会社、サイムダービー ・プロパティMITデベロップメントの完全子会社であるSDMアセッツⅢとの間で、倉庫と事務所スペース、付属施設、外構、土地の売買契約を締結した。倉庫は現在センヘンおよび子会社のCDCとして利用されており、同社にとり主要な流通拠点となっている。買収により、センヘンは賃貸費用を年間420万リンギ削減することができるという。買収手続きは今年第4四半期に完了する見込みだ。
(ザ・スター、9月26日、エッジ、9月25日)

物流のトランコム、マレーシア子会社を10月に設立

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 物流のトランコム(本社・愛知県名古屋市)は25日、 マレーシアに全額出資子会社を10月1日付けで設立すると明らかにした。同日の取締役会で決議した。

マレーシア子会社名はトランコム(マレーシア)で、クアラルンプール(KL)のKLセントラルに所在。2024年1月1日の営業開始を予定している。事業内容は、物流コンサルティング、物流センター構築運営、国内・国際輸送サービスとなっている。

トランコムは声明の中でマレーシア法人設立について、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域での成長強化を主要戦略とした中期経営計画に基づいたものと説明。すでに拠点のあるシンガポールに隣接するジョホール州タンジョン・プルパス港に倉庫を構え、マレーシア国内物流だけでなくマレーシア発の国際物流を展開し、ASEAN地域における物流機能の拡大を実現していくとしている

「MD2」パイナップル、大阪への輸出を開始

【ロンピン】 マレーシア・パイナップル産業委員会(MPIB)のシェイク・ウマル会長は、高糖度のパイナップル「MD2」について、大阪への輸出を開始したと明らかにした。

マレーシアのアキナ・フルーツ社のプランテーションで収穫された4,355個の「MD2」パイナップルが18日、日本に向けて出荷された。日本はマレーシアからパイナップルを輸入しており、これまでは東京に出荷されていた。MPIBなどの取り組みにより、新たに大阪への出荷が実現した。

アキナ・グループのウェスリー・タン社長は、1カ月当たり日本へコンテナ10個のパイナップルを輸出することを目標としているとした。

マレーシアのパイナップル輸出額は2021年に11億600万リンギだったが、2022年には11億4,800万リンギに増加した。輸出先は日本の他、シンガポール、エジプト、中国などおよそ20カ国となっている。
(ベルナマ通信、9月18日)