ミシュランガイドで「デワカン」が国内初の二つ星を獲得

【クアラルンプール】 仏ミシュラン社は17日、レストランの評価を星の数で表す「ミシュランガイド」のマレーシア2024年版を発表。クアラルンプール(KL)のマレー料理店「デワカン」をマレーシア初の二つ星レストランに認定した。二つ星は、「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理店」であることを示している。

「デワカン」は昨年、「近くに訪れたら行く価値のある優れた料理店」である一つ星を獲得していた。今年新しく一つ星を獲得したのは、KLのマレー料理店「ベータ」。国内各地の人気料理を、モダンなテクニックと洗練された盛り付けでアレンジしている。

また、KLとペナンの25店舗が新たにミシュラン・ガイドに掲載された。KLの「タンリン(ブキ・ダマンサラ)」が国民食ナシレマのレストランとして初めて選出されている。和食では銀座の「鮨 石橋正和」のKL店舗である「鮨正(スシマサ)」や麻布十番の鉄板焼「石垣吉田」が昨年KLに開設した「和牛割烹吉田」が掲載された。
(ザ・スター電子版、マレー・メイル、11月17日、ミシュラン発表資料)

水産庁がマレーシアなどの輸入業者を招待、三陸・常磐を視察

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本の水産庁は、三陸・常磐6県(青森・岩手・宮城・福島・茨城・千葉)の水産業の本格的な復興を目指し、11月19―26日の日程でマレーシアを含むアジア・中東・米国9カ国の有力輸入業者39社、53人を招いて、日本の生産現場を視察するための招待ツアーを実施している。

「三陸・常磐水産加工品輸出促進商談会」と題する今回の招待ツアーには、マレーシアからは日本産水産物の輸入実績のある有力な水産物輸入業者5社と、乾物の買付先を模索している漢方薬輸入業者1社から合計7人が参加。

20日には仙台市内のホテルにて、他のアジア・中東・米国からの招待者と合同で、終日商談会を行い、21日からはマレーシアからの招待者は、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の水産加工品会社や物産センターを視察する予定。福島県双葉町の「東日本大震災・原子力災害伝承館」も訪問する。

神戸製鋼所、マレーシアのFLNG向け熱交換器を日揮から受注

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 神戸製鋼所(本社・兵庫県神戸市)は17日、日揮グローバル(本社・神奈川県横浜市)から、マレーシアに新規設置される浮体式液化天然ガス生産プラント(FLNG)向けに、同社のマイクロチャネル熱交換器(製品名・DCHE)を受注したと発表した。

DCHEは、神戸製鋼所の50年以上にわたる熱交換器の設計・製造に関する知見を活かし、2012年に製品化されたもの。ステンレスのプレートに幅1ー2ミリメートル(mm)の微細な流路を加工・積層し、拡散接合(材料同士を密着させ、高温で加熱しながら加圧し、原子レベルで結びつける接合)を行うことで、一般的なシェルアンドチューブ構造(2重管式)のものと比較し、広い伝熱面積、コンパクト性、超高圧への耐性を有しているのが特長。その特長から水素ステーション向けの熱交換器として、世界で高いシェアを有している。

今回はFLNG用途として、大型プラント向けDCHEを受注した。神戸製鋼所は洋上浮体式設備向けにDCHEの拡販を進めていく予定で、今後も個性と技術を活かし合い、社会課題の解決に挑みつづける方針だ。

オタフクソース、マレーシア新工場の着工式を開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 オタフクソース(本社・広島市)は17日、マレーシアのグループ企業であるオタフクソースマレーシアが新工場の着工式を10日に行ったと発表した。今後の市場拡大に対応をするため生産体制を強化する。

新工場の立地はネグリ・センビラン州セレンバンにあるセンダヤン・テックバレーで、敷地面積は9,066平方メートル。投資総額は約15億円で、2024年10月にテスト稼働、2025年稼働開始を予定している。

生産品目はお好みソース、焼そばソース、たこ焼ソース、たれなどのハラル(イスラムの戒律に則った)調味料で、年産量は1,200キロリットル。新たに半自動充填設備や小袋充填機を導入し、効率的かつ、より高品質な生産体制を整え、現状の生産能力を約10倍に拡充する。

またお好み焼文化・日本食文化の発信を図るため、見学スペースやハラル調味料を使用した日本食を提案できる設備を備えた鉄板ルームを設置する。なお新工場稼働後には、セランゴール州クランにある本社は新工場に移転する予定だ。

オタフクソースマレーシアは、マレーシア国内を中心に、お好みソースなど鉄板粉ものメニューの調味料、酢やたれなどを、ハラル日本食レストランや量販店へ販売し、近年は日本市場への輸出や近隣国 のムスリム市場へ販路を拡大している。

下関市、「ふく・寿司・酒」の商談会をKLで開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 山口県下関市は20日、下関市特産品のふく(フグ)、水産品、日本酒の販路開拓を図るため、現地レストランシェフ・バイヤー向け試食商談会「下関市ふく・寿司・酒のビジネスミーティングinマレーシア2023」をクアラルンプール(KL)市内で開催した。

下関市が日本貿易振興機構(ジェトロ)と共催したもので、出展したのは▽FU▽吉田水産▽永野商店▽下関酒造ーーの4社。下関産フグについては、フグ刺身(イーサン向け)、フグみがき、フグフィレ、フグ唐揚げ、フグ干しヒレ、冷凍寿司ネタとしては、フグ、タイ、ヒラメ、タチウオ、クエなど、日本酒では、フグヒレ酒(リキュール)、フグ専用日本酒、サーモン専用日本酒が出品された。

下関市の北島洋平副市長が、下関の歴史や地理、フグに関する歴史や厳格な調理管理について解説。試食会ではフグの捌き方の実演も行われ、フグ刺しや寿司、唐揚げが出された。

国際ふぐ協会によると、日本産フグの輸出可能国は、マレーシア・シンガポール・米国・オーストラリア・ロシアの5カ国だけで、マレーシアは世界で唯一の日本産フグの自由貿易国(全ての部位を、証明書類取得等の特別手続き無しで輸出可能)となっている。ジェトロは「マレーシアでは他国産フグの輸入や食中毒も発生していることから、日本産ふぐ市場拡大に向けては、おいしさや安全性を根付かせることも必要」としている。