政府向け書簡のマレー語限定方針、外国企業は対象外=首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相(兼財務相)は、政府機関に出す公式書簡における使用言語をマレー語に限定する方針については、外国企業には適用しないと言明した。

2日に行われた下院議会予算審議の締めくくりの演説の中でアンワル首相は、「すべての政府機関と地元企業に、(政務に関する公文書を)英語やその他の言語で書かないよう指示した。これらの文書はマレー語で書かれるべきだ」と述べた上で、この指示については誤解があると指摘。マレー語に限定するとの指示は政府機関と地元企業にのみ適用されるとし、「外国企業はマレー語以外の言語で公式書簡を政府に送ることができる」と述べた。

アンワル首相は10月25日、「国語の十年」カーニバルおよび「国民読書の十年」の開会式で行ったスピーチの中で、マレー語を守るため、マレー語以外の言語で書かれた文書については送り返すよう政府機関に指示したことを明らかにしていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、11月2日)

 

カルピス、AIラジオDJをマレーシアでのアンバサダーに任命

【クアラルンプール】 カルピスは、人工知能(AI)が作り出したバーチャルDJのアイナ・サブリナを、マレーシアでのブランド・アンバサダーに起用した。
アイナはマレーシア初のAIラジオDJで、FM英語ラジオ局「Fly FM」 の制作エンジニアによって開発された。膨大な音楽データベースを備え、若いマレー女性のバーチャルイメージを有している。カルピスがスポンサーとなっている番組に出演している。

カルピスのマレーシア販売に携わるエティカ社のエイミー・ガン副社長は、カルピスは常にイノベーションの最前線に立っているとし、アイナは単なるバーチャルな存在ではなく、カルピス・ブランドを代表するパーソナリティであり、顧客にブランドへの好奇心をもたらしてくれると述べた。

アイナのアンバサダー就任を記念し、カルピスはナタデココ入り新フレーバー「カルピス・チューイー・グレープ」を発売。また、マレーシアの新記録をまとめている「マレーシア・ブック・オブ・レコード」からも国内初のAIアンバサダーとして認定された。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、11月2日)

マレーシア航空、11月15日に機内食を完全再開

【クアラルンプール】 マレーシア航空の親会社であるマレーシア・アビエーション・グループ(MAG)は11月2日、マレーシア航空(MAB)の機内食サービスを11月15日に完全再開すると発表した。

MABは8月31日付の機内食サービスのブラヒムズ・フード・サービシズ(BFS)との契約打ち切りに伴い、一部で暖かい機内食の提供を中止していた。

「アビエーション・センター(CAPA)アジア航空サミット・アンド・サステナビリティ・アワーズ2023」に出席したイザム・イスマイル最高経営責任者(CEO)はインタビューにおいて、機内食サービスの復旧率は現時点で97%に上っており、ケータリング業者8社から機内食の提供を受けていると言明。安全を維持しつつ、適切な温度を保ったまま機内食を航空機に積み込むことができる「ハイリフト・トラック」24台の納入を受けたことから、機内食サービスを通常通りに戻すことができると説明した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、ベルナマ通信、11月2日)

グラブ、プラスチック食品容器の自動回収機を首都圏に設置

【クアラルンプール】 配車サービス大手のグラブ・マレーシアは、プラスチックのリサイクル促進に向け、人工知能(AI)を搭載した18台の自動回収機(RVM)を首都圏全域に設置した。

RVMの開発会社クリーン、飲料大手のシンガポール系フレーザー・アンド・ニーブ・ホールディングス(F&N)、マレーシア技術革新研究加速機関(MRANTI)との協業で実現した。グラブは、「2040年までに自然界における包装廃棄物ゼロ」という目標を掲げており、この目標の達成に向けた6カ月間の実験的な試みだとしている。

グラブによると、RVMは、使用後のアルミ缶やPETボトル、プラスチック製食品容器を回収する。回収された廃棄物は、プラスチック樹脂メーカーのアサスラマによって処理され、PPパレットやPETパレットなどの原料となり、最終的には衣料やプラスチック家具・箱などの新製品に生まれ変わるという。利用者は容器を水洗いした後にRVMに投入し、その後QRコードをスキャンすると、ポイントが獲得できる。ポイントを集めるとクーポン券に引き換えが可能となる。

今回の取り組みは、グラブが2019年から実施している使い捨てプラスチック削減の取り組みに続くもので、この取り組みにより、2022年には8億9,800万セットのナイフ・フォーク・スプーン(2万3,800トン相当)を削減できたという。
(マーケティング・インタラクティブ、11月1日、グラブ発表資料)

三井物産、アシアタ傘下のデジタルマーケ企業に追加投資へ

【クアラルンプール】 三井物産(本社・東京都千代田区)は2日、通信大手アシアタ傘下でアジア12カ国でデジタルマーケティング事業を展開するアシアタ・デジタル・アナリティクス(ADA)の持株会社アシアタ・デジタル・サービシーズ(ADS)の株式16.7%を約5,800万米ドルで追加取得すると発表した。

これに伴い、三井物産のADS株式持分比率は従来の3.3%から20%まで増加し、ADSは持分法適用会社となる。また、ADAへの実質的な出資比率は12.69%となる。
ADAは豊富な保有データおよび人工知能(AI)によるデータ分析に基づき、潜在顧客分析から顧客獲得、維持、ライフタイムバリューの最大化まで、一貫サービスを提供するデジタルマーケティング事業会社。三井物産は、2017年にアシアタ傘下であるカンボジアの携帯通信企業スマートアシアタに出資し、2019年にはADSに初出資していた。

三井物産は、今回の追加投資後、出資先・取引先にADAのデジタルマーケティングサービスを提供し、顧客企業のマーケティングDXを一層支援し、ADAの更なる成長戦略を推進する。今後もさらなる成長が見込まれるアジアにおけるデジタルマーケティング事業を通じて、必要な人々に必要な情報・サービスを届けることができる世界を下支えし、豊かな暮らしづくりに貢献していく方針だ。