エアアジアとバティックエア、豪州線を強化

【クアラルンプール】 国内航空会社が豪州線を強化している。エアアジアは21日、初のオーストラリア路線となるパース線を、バティック・エアも同日メルボルン線を就航すると発表した。

エアアジア・マレーシアは声明で、系列航空会社エアアジアX (AAX)によるパースークアラルンプール(KL)間のデイリー運航に追加し、自社でも来年3月11日からパース線をデイリー運航すると発表した。

使用機材はエアバス「A321neo」型機。スケジュールは、「AK604」がKL発14時10分、パース着19時50分。「AK605」がパース発20時40分、KL着翌2時40分。就航を記念し、11月26日までの予約でKL発便を片道559リンギから利用できるキャンペーンを実施する。キャンペーン運賃が適用されるのは2024年10月26日の便までとなる。

バティック・エアは、12月20日から来年2月6日まで、KLーメルボルンへ週4便の直行便を就航すると発表した。使用機材はエアバス「A330」型機。年末年始の旅行需要増加に対応する。

スケジュールは、「OD175」が日・月・水・金曜日の運航で、KL発が18時20分、メルボルン着が翌5時15分。「OD176」が月・火・木・土曜日の運航で、メルボルン発が6時45分、KL着が12時10分。就航を記念した期間限定キャンペーンとして、エコノミークラスが片道899リンギから、ビジネスクラスが同5,299リンギから利用できる特別運賃を提供する。12月20ー30日の便を12月10日までに予約すると特別運賃が適用される。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、11月21日、エアアジア発表資料、バティック・エア発表資料)

越境運送の円滑化を来年開始、500台に許可証発行へ=運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は21日、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国における貨物の移動を促進する「物品の越境の円滑化に関する枠組協定(AFAFGIT)」について、マレー半島部で2024年1月1日から実施すると発表した。

AFAFGITの運用に向け、ASEAN税関通過システム(ACTS)を導入する。ACTSの導入により、原産国、経由国、目的国まで、途中での再申告や車両乗り換えの必要がなくなる。ASEAN加盟各国は、ASEAN物品輸送車(AGVCB)許可証を500件発行する資格を有し、全加盟国の同意により発行数を増やすことも可能。

ローク運輸相は、国内では公共陸運局(APAD)がAGVCB許可証を発行し、関税局がACTSの運営を担当すると述べた。2024年1月1日以降、条件を満たした貨物自動車運行会社は、APADにオンライン申請書を提出することができる。また、東マレーシア(サバ、サラワク、ラブアン)では、ブルネイ、インドネシア、フィリピンのACTS導入後に運用を開始するとした。

AFAFGITは、ASEAN自由貿易地域(AFTA)の実施に向け、輸送・貿易を促進する目的で1998年12月に締結されている。
(エッジ、ベルナマ通信、マレーシアン・リザーブ、11月21日)

エアアジアX、注意市場銘柄「PN17」の指定が解除

【クアラルンプール】 中・長距離格安航空会社のエアアジアXは21日、早急な財務改善が求められる注意市場銘柄「PN17」の指定について、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)がエアアジアXによる解除要請を受け入れて、22日午前9時付けで解除すると発表した。

エアアジアXによると、ブルサはエアアジアXグループが2023年度第3四半期(7ー9月期)の純利益を計上することを条件に、同グループの「PN17」指定解除の訴えを許可し、正常化計画の実施免除を決めた。

エアアジアXの7ー9月期の売り上げは、海外旅行の回復を背景に前年同期の約6倍に当たる6億4,836万リンギとなり、純利益は556万リンギだった。

エアアジアXは2021年11月、監査法人、アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)が財務監査において意見不表明を決めたことから「PN17」指定を受け、債務再編と資金調達を進めていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月22日、エッジ、11月21日)

インターナショナルスクール19カ所に爆破予告

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア警察は、21日にマレーシア国内の私立・インターナショナル・スクール、合計19カ所に爆破予告メールが届いたことを公表。ただ現時点では爆発物などは発見されておらずデマだったとの見方を示しており、脅迫罪で捜査を続ける方針だ。

爆破予告があったのは、セランゴール州で7カ所、クアラルンプール(KL)で5カ所、ジョホール州で3カ所、ペナン州で2カ所、ペラ州で1カ所、ネグリ・センビラン州で1カ所。日本人学校も含まれている。爆破予告を受けた学校では生徒を早退させ、警察による爆発物の捜索が行われたが、いずれも爆発物は発見されなかった。

ラザルディン・フサイン監察官によると、脅迫メールは いずれも電子メールプロバイダー「beeble.com」を使用して、“破壊者”を意味する「Takstorer」というIDを用いたアドレスから送られていた。アドレスは脅迫のために新たに作成されており、英文原稿を翻訳アプリを使ってマレー語に翻訳し送信したと見られている。「beeble.com」のアドレスを使った同様の学校を狙った脅迫メールは中米ジャマイカでも70カ所の学校に送られており、警察ではこれらの関連について捜査を行っている。

KDDI、コメ栽培の脱炭素化でNCIAやアグロクラウドを支援

【クアラルンプール】 KDDI(本社・東京都千代田区)は、マレーシア現地法人KDDIマレーシアを通じ、マレーシアにおけるコメ栽培の脱炭素化を支援すると発表した。

具体的には、アグリテック(革新的農業技術)企業のアグロクラウドおよび北部回廊経済圏(NCER)の推進母体であるマレーシア北部回廊実行庁(NCIA)と協力し、新たなコメ栽培手法を取り入れることで、水田からのメタン放出量削減を目指す。

アグロクラウドはクラウドサービスのキーアライアンスグループの子会社で、2017年に設立。IoT(モノのインターネット)、衛星、ドローンなどを統合した作物別意思決定支援システム(DSS)を開発している。

KDDIマレーシアは、本プロジェクトでアドバイザーの役割を担い、マレーシアおよび地域全体でプロジェクトを拡大するために必要なソフトウェア開発に対し、技術知識を提供する。プロジェクト期間は1年半の予定。

KDDIマレーシアの松浦真樹社長は、マレーシアの低炭素経済への移行を支援しているとし、本プロジェクトでは、農作業で排出される温室効果ガスを削減する技術の開発・実施を目指すと述べた。具体的には、代替湿潤乾燥技術や直接播種米の採用、バイオ炭の使用、メタン集約度の低い新品種の導入などだとしている。

アグロクラウドのヴィシュヌ・ナイール社長は、脱炭素化は国の持続可能な開発目標の達成に向けた重要なステップであるとし、本プロジェクトは、温室効果ガスの排出を削減するだけでなく、炭素クレジットの販売により、コメ農家に新たな収入の道を開くことになると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月22日)