プロトン「イゾラ」生産終了か、発売から14年

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスのCセグメント多目的車(MPV)「イゾラ」が、18日で生産終了した模様だ。20日午後4時時点で、プロトンは公式発表を控えている。

工場で撮影されたとみられる、最後の車体の写真がソーシャルメディア上に流出した。最後の車体のボンネットには「14年」、「最後のMPVイゾラ」、「ありがとう、プロトン」などと書かれ、台数を示す番号と日時が書かれている。

「イゾラ」は、プロトンがベースモデルなしに完全独自開発した初のMPVで、2009年4月に発売され、14年間の累計販売台数は19万6,583台に達した。当時子会社だった英ロータスと共同開発した「CamPro」エンジンを搭載。2011年からは「CamPro」CFEターボ・エンジンが搭載されたが、オイルクーラーホース(OCH)のトラブルに度々悩まされ、2016年には大規模リコールに発展した。

2023年式の保険なし価格は、「1.6TエグゼクティブCVT」が6万2,800リンギ、「1.6TプレミアムCVT」が6万9,800リンギだった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月19日、ポールタン、10月18日)

格安航空エアアジアX、経営難銘柄の指定解除ならず

【クアラルンプール】 ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)は18日付けの文書で、キャピタルAグループ傘下のエアアジアXから出されていた、経営難に陥った企業を対象とする「PN17」銘柄指定の解除申請を却下したことを明らかにした。エアアジアXは不服申し立てを検討する。

ブルサは拒否の理由を明らかにしていないが、投資アナリストは、新興格安航空のMYエアラインが12日、運航を開始してからわずか10カ月で資金難を理由に営業を停止した事案を背景に、審査が厳しくなった可能性を指摘した。

新型コロナウイルス「Covid-19」の世界的流行による航空需要の低迷で債務超過に陥ったキャピタルAも「PN17」指定を受けており、再建計画をブルサから拒否されている。

キャピタルAとエアアジアXは、エアアジアXがキャピタルA傘下のマレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンの航空事業を買収・統合する再編を計画しており、同アナリストによると、キャピタルAにとってはまずエアアジアXの「PN17」指定解除が必要だ。

証取はエアアジアXに再建計画提出の期限延長を2度認めており、今回は来年1月17日までの延長を認めた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月20日)

米テスラが「モデル3ハイランド」を発売、新ショールームも開設

【クアラルンプール】 電気自動車(EV)メーカーの米テスラは19日、小型EVセダン「モデル3」のフェイスリフト版「ハイランド」を正式に発売開始した。

「ハイランド」のスタンダードモデルとなる後輪駆動車の価格は18万9,000リンギから、デュアルモーターの全輪駆動車が21万8,000リンギから。納車は年内に開始される予定。

テスラは、クアラルンプールのショッピングモール「パビリオン・ダマンサラ・ハイツ・モール」内に3,000平方フィートの面積を有する旗艦エクスペリエンス・センター(ショールーム)も開設したと発表した。「ハイランド」とクロスオーバー・スポーツ車(SUV)「モデルY」の展示を行うとしている。

テスラ地域ディレクターのイザベル・ファン氏は、「ハイランド」の発売に伴い、パビリオン・クアラルンプールおよびジョホール州のサンウェイ・ビッグボックスに設置している既存の充電設備に加え、さらに多くの急速充電設備の設置を計画していると言明。具体的には、首都圏クランバレーに5カ所、北部に2カ所、南部に2カ所など、国内12カ所に設置する予定だとした。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ポールタン、ベルナマ通信、10月19日)

イポー市が固形廃棄物を100%再利用へ、アジア都市としては初

【イポー】 イポー市は、廃棄物を100%リサイクルするサーモウェイスト・システムを導入する。アジアの都市では初の試みとなるという。

イポー市議会は、同システムを運営するサーモウェイスト・マンキューソ・エナジーおよびごみ収集のセレクタ・スペクトラとの間で、17日付けで覚書を締結した。

ルマイジ・バハリン市長は声明で、サーモウェイスト・システムでは、固形廃棄物を30分間殺菌・洗浄し、熱、蒸気、圧力を加えるため、事前のごみ分別が必要なくなると説明。その後バイオマス、プラスチック、金属、不活性廃棄物の4種類に分別し、バイオマスは産業向け石炭の代替燃料として販売されるとした。固形廃棄物すべてがリサイクルされるため、広大なごみ埋立地の必要がなくなるという。
(ザ・サン、10月19日、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、10月18日)

糖尿病対策で砂糖税を10セン引き上げ、来年度予算案

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は13日に発表した2024年度予算案で、砂糖入り飲料に課す物品税(砂糖税)を1リットルあたり40センから50センに10セン引き上げると述べた。

砂糖税は2019年より導入されているが、現在も砂糖の摂りすぎが糖尿病や肥満などの原因になっているため、課税を強化した。砂糖税で得られた収入は、透析センターへの支援など、糖尿病対策や治療のために用いられるとしている。
発表を受け医療専門家は、一定の評価はできるとする一方、政府に対しさらに踏み込んだ対策を求めている。

マレーシア医師会(MMA)のアジザン・アブドル・アジズ会長は声明で、砂糖税の引き上げは、砂糖の大量消費を抑制するための第一歩となるが、政府はそれに加え、不健康なライフスタイルから引き起こされる慢性疾患の増加に対して包括的に取り組み、政策を通じて健康的なライフスタイルを奨励すべきだと述べた。

独立系シンクタンク、ガレン健康・社会政策センターのアズルル・モハマド・カリブ最高責任者も同意見で、砂糖税で得られた収入は、病気の治療ではなく予防に集中的に振り向けられるべきだとしている。

リー・ブンチェ元副保健相は、健康的な生活習慣を国民に教育する必要性を強調。課税による価格上昇で砂糖入り缶飲料の摂取を控えるようになっても、ビスケットなどのお菓子やテー・タレ(甘いミルクティー)に切り替えるようならば効果が台無しになるとし、保健省が地方自治体の診療所や住民団体と協力し、国民の健康状態を把握する取り組みを行うことを提案した。保健所の指導のもと、ライフスタイルの修正を提案できるようになるとしている。
(マレー・メイル、10月14日、13日、フリー・マレーシア・トゥデー、9月21日)

経営危機のMYエアライン、90日間の事業許可停止処分に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新興格安航空会社のMYエアラインが12日に突如、「深刻な財務問題」を理由に運航を停止すると発表した問題で、マレーシア民間航空局(CAAM)は16日、MYエアラインに対する航空運送事業許可(AOC)を90日間停止したことを明らかにした。

CAAMは声明の中で、CAAMへの事前通知なしに運航を突然停止したことは、マレーシアにおける公共の安全と民間航空運航の健全性に重大な懸念を引き起こしたと指摘。「MYエアラインの運航能力を再評価するため、AOCの一時停止期間中に詳細な安全監査が実施される」と述べた。

MYエアラインは運航を停止する直前に2年間のAOCの更新が認められていたが、これについてCAAMは、2023年5月29日から2023年6月1日までMYエアラインに対する安全監査を実施したが、その際には経済的困窮を示す所見はなかったと釈明している。

MYエアラインの暫定責任者、アズハルディン・アブドル・ラーマン取締役は、運航停止の影響を受けた航空券購入者は約12万5,000人で、返金額は最大で2,200万リンギに上ると述べた上で、返金作業は新たな出資者が見つかって入金が行われた後になるとの考えを示した。アズハルディン氏によると、出資予定者が直前になって突然出資を取り止めたため、運航停止せざるを得なかったという。

MYエアラインは再建に向けて出資者を模索しており、オーナーである実業家のゴー・ファンファ氏は全株式を手放す用意があるとされる。MYエアラインが昨年10月に発表したリポートによると、ジリオン・ウェルスとトリリオン・コーブ・ホールディングス(どちらもゴー氏が所有)が株式のほとんどを保有している。

国内3軒目のハードロックホテル、ゲンティンハイランドに開設へ

【クアラルンプール】 アジア最大規模となる客室数1,001室のハードロック・ホテルが、2027年にパハン州ゲンティン・ハイランドの複合開発「キングス・パーク」にオープンする。ペナン州バトゥフェリンギおよびジョホール州デサルに続く国内3軒目のハードロック・ホテルとなる。

ハードロック・ホテルを運営するハードロック・インターナショナルとHRホテルズ・アンド・レジデンシーズが14日、新ホテル建設に向けた契約を締結した。

「キングス・パーク」は総開発価値(GDV)100億リンギのプロジェクトで、今年6月に正式に開発がスタート。21エーカーの面積を有し、商業・レジャー施設を建設する。ホテルチェーンの仏アコーホテルズも4月に、マレーシア初となる5つ星ホテル「スイスホテル」を同地に2028年第3四半期に開業すると発表していた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月16日)

外国人の住宅購入に対する印紙税導入、開発業界は懸念を表明

【クアラルンプール】 2024年度予算案で発表された、外国人(永住者を除く)、外資企業による住宅購入に対する4%の印紙税賦課について、不動産・住宅開発業者協会(Rehda)のNKトン会長は、住宅購入意欲をそぎ、外国人の長期滞在を可能にするマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)への申請に悪影響を与えると懸念を表明した。住宅価格の抑制が印紙税導入の意図だ。

一方で政府はMM2Hの申請要件を緩和する方針で、トン会長は「詳細情報の提供を待ち望む」と歓迎を表明した。

住宅融資保障スキームの保証枠を100億リンギに拡大する計画について、4万人の国民の住宅所有を可能にするもので、非正規労働者の住宅所有を後押しすることが期待されると述べた。

マンションなど集合住宅の売却の条件を、区分所有者100%の同意から、シンガポール並みの80 90%の同意に緩和することについて、住民の意思をより反映したものになると賛意を示した。

オンライン不動産仲介サイト大手のプロパティーグルは、国民住宅プログラムの継続に対する予算(5億4,600万リンギ)について、手頃な価格の住宅供給を増やすことは不動産市場の安定につながるとした。
(マレーシアン・リザーブ、10月14日、エッジ、10月13日)

売上サービス税率引き上げ、現時点で影響判断は困難=小売業界

【クアラルンプール】 13日に発表された2024年度予算案の中に売上・サービス税(SST)税率を6%から8%に引き上げる内容が盛り込まれたことについて、小売業団体のリテール・グループ・マレーシア(RGM)は、実施に関する詳細が明らかにされていないことから現時点で影響を判断するのは難しいとの考えを示した。

RGMのタン・ハイシン代表は、一度に2%引き上げられるのか、それとも段階的に少しずつ引き上げられるのか分からないため、現時点では影響について判断できないとした上で、SSTの上昇は間違いなく小売支出に影響を与えるだろうと言明。

「食品、飲料、通信セクターは税率引き上げの影響を受けないが、飲食店の小売価格は税率アップに伴って上昇し、この値上がりは輸入業者、流通業者、物流会社、不動産所有者を含む食品サプライチェーン全体に影響を与えるだろう」と述べた。

一方、贅沢税については、「高級ブランドにお金を払う用意がある富裕層の消費者は、税率がアップしても喜んで支払う。売り上げに影響が出るとは考えていない」と指摘。ただ何が対象となる高額商品に当たるのか明らかにされていないとし、具体的な定義に欠けていると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、10月15日)

MYエアライン運航停止、12.5万人に影響か

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新興格安航空会社のMYエアラインが12日に突如、「深刻な財務問題」を理由に運航を停止すると発表した問題で、同日だけで5,000人の利用者に影響が出たことが分かった。

空港運営会社、マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)によると、MYエアラインの事業停止発表により12日は国内線39便とバンコク線が運休となり、5,000人が影響を受けた。

アンソニー・ローク運輸相は、MYエアラインから提供された来年3月までの航空券販売情報に基づくと、影響を受けている航空券購入者は12万5,000人と推定され、被害額は推定2,000万リンギに上ると指摘。「MYエアラインはマレーシア航空委員会(Mavcom)に対して払戻しを約束している」とした上で、Mavcomに対しては対策本部を設置するよう求め、中央銀行バンク・ネガラにはすべての購入者が確実に払い戻しを受けられる仕組みを模索するよう促す方針だと述べた。

ローク氏はまた、MYエアラインの航空運送事業サービス許可(ASL)のステータスを決定するための会議を、Mavcomが早急に開催する方針だと述べた。