ヘクスター、スーパーアプリ「マネーエックス」を発表

【クアラルンプール】 物流・技術サービスのヘクスター・テクノロジーズ・ソリューションズは25日、スーパーアプリ「マネーエックス(MoneyX)」を発表。 フィンテック(革新的金融技術)事業に参入する。

「マネーエックス」は、人工知能(AI)支援ツールを備えた個人金融情報管理アプリで、完全子会社であるヘクスター・ビジョンが開発を担当した。金融商品・サービスに関する情報を入手しやすくし、利用者の金融リテラシーを向上させることを目指しており、請求書、保険証書、契約書などの重要書類を保管できる安全なデジタル保管機能も備える。通知機能により、支払期限や更新期限が迫っている場合にアラートを出すことも可能。2024年末までに他機能も統合する予定。

ヘクスターのオン・チューメン最高経営責任者(CEO)は、「マネーエックス」の開発・販促活動に1億リンギを割り当てたとし、1年以内にユーザー数100万人、3年後に1,600万人を達成し、その後海外にも展開する計画だと述べた。
(ザ・サン、ザ・スター、10月26日、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、10月25日)

MASウィングス、サラワク州内でバリオ―ロンバンガ線を就航へ

【クチン】 マレーシア・アビエーション・グループ(MAG)傘下の地域航空会社MASウィングスは、サラワク州バリオ(BBN)と同ロン・バンガ(LBP)を結ぶ新路線を10月29日に就航すると発表した。
機材は、19人乗りの小型旅客機である、デ・ハビランド・カナダ(現ボンバルディア・エアロスペース)の「DHC-6ツイン・オッター」型機を使用。週1回日曜日の運航で、「MH3142」は、BBN発が午前10時30分、LBP着が午前10時55分。「MH3143」は、LBP発が午前11時15分、BBN着が午前11時40分。料金は片道67リンギ、往復134リンギから。
MASウィングスは声明で、クチン―リンバン、ミリ―バリオおよびロン・セリダン、ムカ―クチンといった主要路線も増便すると言明。新規就航や増便により便利な交通手段を提供することで、レジャー旅行や中小企業のビジネス旅行を支援し、地元の観光産業を後押ししていくとしている。
(ボルネオポスト、10月24日、サラワク・トリビューン、10月23日)

タイのミルクティー店「チャトラムー」、1号店がオープン

【クアラルンプール】 スペイン発のフローズンヨーグルト専門店「ラオラオ」をマレーシアで展開するウッドペッカーズ・グループは、タイの老舗ミルクティー店「チャトラムー」のマレーシア1号店をプトラジャヤの「IOIシティモール」にオープンした。

ウッドペッカーズは、チャトラムーを運営するタイ企業チャ・タイ・インターナショナル・カンパニーとの間で、マレーシアにおける20年間の独占フランチャイズ契約を締結しており、来年末までに全国で40店舗を展開する計画だ。チャトラムーにとり、タイ国外でのフランチャイズ展開はマレーシアが初となる。

ウッドペッカーズのタン・カイヨン最高経営責任者(CEO)は、タイでトップの地位にあるミルクティー・ブランドをマレーシアの消費者に紹介できることを嬉しく思うとし、食品・飲料(F&B)業界における豊富な経験と「ラオラオ」を成功させた実績から、チャトラムーでも成功できると確信していると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月24日)

PASが独自のスーパーアプリを発表、国内政党として初

【クアラルンプール】 イスラム原理主義野党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)は21日、国内政党として初めて、党独自のスーパーアプリ「マイワンPAS・マスターカード」を発表した。

PASのタキユディン・ハッサン事務局長は、「スーパーアプリは党のデジタル化に向けた取り組みの一環である」とし、利用者は、アプリを通じて政党に直接寄付できると述べた。寄付機能以外にも、PASが提供している保険「スキムPAS」や、礼拝の時間・方向(キブラ)の通知、ニュース、生活支援サービスなど、既存アプリの機能を統合し提供する。PAS党員以外の一般市民も利用可能。

料金収受システムのマネージペイ・システムズ(MPay)および国際クレジットカードであるマスターカードと提携し、電子ウォレットなどの決済機能も提供する。QRコード決済やマスターカードが発行するデビットカードの登録が可能。取引上限額は、電子ウォレットが2万5,000リンギ、マスターカードが1万リンギ。現時点ではアンドロイド版のみリリースされており、アイフォン版については近日利用可能となる。11月24日までにアプリの申請手続きや既存アプリの統合プロセスを完了させる予定だ。
(マレー・メイル、ワールドオブバズ、10月21日)

プロトン「イゾラ」生産終了か、発売から14年

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスのCセグメント多目的車(MPV)「イゾラ」が、18日で生産終了した模様だ。20日午後4時時点で、プロトンは公式発表を控えている。

工場で撮影されたとみられる、最後の車体の写真がソーシャルメディア上に流出した。最後の車体のボンネットには「14年」、「最後のMPVイゾラ」、「ありがとう、プロトン」などと書かれ、台数を示す番号と日時が書かれている。

「イゾラ」は、プロトンがベースモデルなしに完全独自開発した初のMPVで、2009年4月に発売され、14年間の累計販売台数は19万6,583台に達した。当時子会社だった英ロータスと共同開発した「CamPro」エンジンを搭載。2011年からは「CamPro」CFEターボ・エンジンが搭載されたが、オイルクーラーホース(OCH)のトラブルに度々悩まされ、2016年には大規模リコールに発展した。

2023年式の保険なし価格は、「1.6TエグゼクティブCVT」が6万2,800リンギ、「1.6TプレミアムCVT」が6万9,800リンギだった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月19日、ポールタン、10月18日)

格安航空エアアジアX、経営難銘柄の指定解除ならず

【クアラルンプール】 ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)は18日付けの文書で、キャピタルAグループ傘下のエアアジアXから出されていた、経営難に陥った企業を対象とする「PN17」銘柄指定の解除申請を却下したことを明らかにした。エアアジアXは不服申し立てを検討する。

ブルサは拒否の理由を明らかにしていないが、投資アナリストは、新興格安航空のMYエアラインが12日、運航を開始してからわずか10カ月で資金難を理由に営業を停止した事案を背景に、審査が厳しくなった可能性を指摘した。

新型コロナウイルス「Covid-19」の世界的流行による航空需要の低迷で債務超過に陥ったキャピタルAも「PN17」指定を受けており、再建計画をブルサから拒否されている。

キャピタルAとエアアジアXは、エアアジアXがキャピタルA傘下のマレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンの航空事業を買収・統合する再編を計画しており、同アナリストによると、キャピタルAにとってはまずエアアジアXの「PN17」指定解除が必要だ。

証取はエアアジアXに再建計画提出の期限延長を2度認めており、今回は来年1月17日までの延長を認めた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月20日)

米テスラが「モデル3ハイランド」を発売、新ショールームも開設

【クアラルンプール】 電気自動車(EV)メーカーの米テスラは19日、小型EVセダン「モデル3」のフェイスリフト版「ハイランド」を正式に発売開始した。

「ハイランド」のスタンダードモデルとなる後輪駆動車の価格は18万9,000リンギから、デュアルモーターの全輪駆動車が21万8,000リンギから。納車は年内に開始される予定。

テスラは、クアラルンプールのショッピングモール「パビリオン・ダマンサラ・ハイツ・モール」内に3,000平方フィートの面積を有する旗艦エクスペリエンス・センター(ショールーム)も開設したと発表した。「ハイランド」とクロスオーバー・スポーツ車(SUV)「モデルY」の展示を行うとしている。

テスラ地域ディレクターのイザベル・ファン氏は、「ハイランド」の発売に伴い、パビリオン・クアラルンプールおよびジョホール州のサンウェイ・ビッグボックスに設置している既存の充電設備に加え、さらに多くの急速充電設備の設置を計画していると言明。具体的には、首都圏クランバレーに5カ所、北部に2カ所、南部に2カ所など、国内12カ所に設置する予定だとした。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ポールタン、ベルナマ通信、10月19日)

イポー市が固形廃棄物を100%再利用へ、アジア都市としては初

【イポー】 イポー市は、廃棄物を100%リサイクルするサーモウェイスト・システムを導入する。アジアの都市では初の試みとなるという。

イポー市議会は、同システムを運営するサーモウェイスト・マンキューソ・エナジーおよびごみ収集のセレクタ・スペクトラとの間で、17日付けで覚書を締結した。

ルマイジ・バハリン市長は声明で、サーモウェイスト・システムでは、固形廃棄物を30分間殺菌・洗浄し、熱、蒸気、圧力を加えるため、事前のごみ分別が必要なくなると説明。その後バイオマス、プラスチック、金属、不活性廃棄物の4種類に分別し、バイオマスは産業向け石炭の代替燃料として販売されるとした。固形廃棄物すべてがリサイクルされるため、広大なごみ埋立地の必要がなくなるという。
(ザ・サン、10月19日、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、10月18日)

糖尿病対策で砂糖税を10セン引き上げ、来年度予算案

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は13日に発表した2024年度予算案で、砂糖入り飲料に課す物品税(砂糖税)を1リットルあたり40センから50センに10セン引き上げると述べた。

砂糖税は2019年より導入されているが、現在も砂糖の摂りすぎが糖尿病や肥満などの原因になっているため、課税を強化した。砂糖税で得られた収入は、透析センターへの支援など、糖尿病対策や治療のために用いられるとしている。
発表を受け医療専門家は、一定の評価はできるとする一方、政府に対しさらに踏み込んだ対策を求めている。

マレーシア医師会(MMA)のアジザン・アブドル・アジズ会長は声明で、砂糖税の引き上げは、砂糖の大量消費を抑制するための第一歩となるが、政府はそれに加え、不健康なライフスタイルから引き起こされる慢性疾患の増加に対して包括的に取り組み、政策を通じて健康的なライフスタイルを奨励すべきだと述べた。

独立系シンクタンク、ガレン健康・社会政策センターのアズルル・モハマド・カリブ最高責任者も同意見で、砂糖税で得られた収入は、病気の治療ではなく予防に集中的に振り向けられるべきだとしている。

リー・ブンチェ元副保健相は、健康的な生活習慣を国民に教育する必要性を強調。課税による価格上昇で砂糖入り缶飲料の摂取を控えるようになっても、ビスケットなどのお菓子やテー・タレ(甘いミルクティー)に切り替えるようならば効果が台無しになるとし、保健省が地方自治体の診療所や住民団体と協力し、国民の健康状態を把握する取り組みを行うことを提案した。保健所の指導のもと、ライフスタイルの修正を提案できるようになるとしている。
(マレー・メイル、10月14日、13日、フリー・マレーシア・トゥデー、9月21日)

経営危機のMYエアライン、90日間の事業許可停止処分に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新興格安航空会社のMYエアラインが12日に突如、「深刻な財務問題」を理由に運航を停止すると発表した問題で、マレーシア民間航空局(CAAM)は16日、MYエアラインに対する航空運送事業許可(AOC)を90日間停止したことを明らかにした。

CAAMは声明の中で、CAAMへの事前通知なしに運航を突然停止したことは、マレーシアにおける公共の安全と民間航空運航の健全性に重大な懸念を引き起こしたと指摘。「MYエアラインの運航能力を再評価するため、AOCの一時停止期間中に詳細な安全監査が実施される」と述べた。

MYエアラインは運航を停止する直前に2年間のAOCの更新が認められていたが、これについてCAAMは、2023年5月29日から2023年6月1日までMYエアラインに対する安全監査を実施したが、その際には経済的困窮を示す所見はなかったと釈明している。

MYエアラインの暫定責任者、アズハルディン・アブドル・ラーマン取締役は、運航停止の影響を受けた航空券購入者は約12万5,000人で、返金額は最大で2,200万リンギに上ると述べた上で、返金作業は新たな出資者が見つかって入金が行われた後になるとの考えを示した。アズハルディン氏によると、出資予定者が直前になって突然出資を取り止めたため、運航停止せざるを得なかったという。

MYエアラインは再建に向けて出資者を模索しており、オーナーである実業家のゴー・ファンファ氏は全株式を手放す用意があるとされる。MYエアラインが昨年10月に発表したリポートによると、ジリオン・ウェルスとトリリオン・コーブ・ホールディングス(どちらもゴー氏が所有)が株式のほとんどを保有している。