ユニファイが5Gダウンロード速度で世界首位に=調査

【クアラルンプール】 調査会社の英オープンシグナルが発表した「2023年度5Gグローバル・モバイル・ネットワーク・エクスペリエンス・アワード」によると、「グループI」の「5Gダウンロード速度」指標でマレーシアのユニファイが、スウェーデンのテレノールと並び首位となった。

同アワードは、「5Gの可用性」、「5Gダウンロード速度」、「5Gゲーム体験」、「5Gビデオ体験」という4つの指標から5G体験についてランキングしたもの。国土の大きさにより5G展開の難易度が異なるため、国土面積が20万平方キロメートルを超える国・地域である「グループI」とそれ以下の「グループII」に大別し、ランク付けを実施した。マレーシアやスウェーデン、日本などは「グループI」に属している。

ユニファイとテレノールの5Gダウンロード速度は、ともに407.4ー421.7メガビット/秒(Mbps)だった。マレーシアのDigiも、384.1Mbpsで4位となった。Digiは「5Gゲーム体験」では日本のソフトバンクと並んで首位に立ち、100点満点で89.7ー90.2点を獲得。セルコムが89.3点で3位、ユーモバイルが88.3点で4位となった。

オープンシグナルは、5Gが本格的に導入されている国・地域では、4Gと比較して平均ダウンロード速度が3ー6倍向上し、動画ストリーミングやゲーム体験も顕著に向上していると説明。ユニファイのダウンロード速度の向上は、5G時代におけるマレーシアの進歩を示しているとした。
(マレー・メイル、10月19日、オープンシグナル発表資料)

プロトン「イゾラ」生産終了か、発売から14年

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスのCセグメント多目的車(MPV)「イゾラ」が、18日で生産終了した模様だ。20日午後4時時点で、プロトンは公式発表を控えている。

工場で撮影されたとみられる、最後の車体の写真がソーシャルメディア上に流出した。最後の車体のボンネットには「14年」、「最後のMPVイゾラ」、「ありがとう、プロトン」などと書かれ、台数を示す番号と日時が書かれている。

「イゾラ」は、プロトンがベースモデルなしに完全独自開発した初のMPVで、2009年4月に発売され、14年間の累計販売台数は19万6,583台に達した。当時子会社だった英ロータスと共同開発した「CamPro」エンジンを搭載。2011年からは「CamPro」CFEターボ・エンジンが搭載されたが、オイルクーラーホース(OCH)のトラブルに度々悩まされ、2016年には大規模リコールに発展した。

2023年式の保険なし価格は、「1.6TエグゼクティブCVT」が6万2,800リンギ、「1.6TプレミアムCVT」が6万9,800リンギだった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月19日、ポールタン、10月18日)

格安航空エアアジアX、経営難銘柄の指定解除ならず

【クアラルンプール】 ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)は18日付けの文書で、キャピタルAグループ傘下のエアアジアXから出されていた、経営難に陥った企業を対象とする「PN17」銘柄指定の解除申請を却下したことを明らかにした。エアアジアXは不服申し立てを検討する。

ブルサは拒否の理由を明らかにしていないが、投資アナリストは、新興格安航空のMYエアラインが12日、運航を開始してからわずか10カ月で資金難を理由に営業を停止した事案を背景に、審査が厳しくなった可能性を指摘した。

新型コロナウイルス「Covid-19」の世界的流行による航空需要の低迷で債務超過に陥ったキャピタルAも「PN17」指定を受けており、再建計画をブルサから拒否されている。

キャピタルAとエアアジアXは、エアアジアXがキャピタルA傘下のマレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンの航空事業を買収・統合する再編を計画しており、同アナリストによると、キャピタルAにとってはまずエアアジアXの「PN17」指定解除が必要だ。

証取はエアアジアXに再建計画提出の期限延長を2度認めており、今回は来年1月17日までの延長を認めた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月20日)

米テスラが「モデル3ハイランド」を発売、新ショールームも開設

【クアラルンプール】 電気自動車(EV)メーカーの米テスラは19日、小型EVセダン「モデル3」のフェイスリフト版「ハイランド」を正式に発売開始した。

「ハイランド」のスタンダードモデルとなる後輪駆動車の価格は18万9,000リンギから、デュアルモーターの全輪駆動車が21万8,000リンギから。納車は年内に開始される予定。

テスラは、クアラルンプールのショッピングモール「パビリオン・ダマンサラ・ハイツ・モール」内に3,000平方フィートの面積を有する旗艦エクスペリエンス・センター(ショールーム)も開設したと発表した。「ハイランド」とクロスオーバー・スポーツ車(SUV)「モデルY」の展示を行うとしている。

テスラ地域ディレクターのイザベル・ファン氏は、「ハイランド」の発売に伴い、パビリオン・クアラルンプールおよびジョホール州のサンウェイ・ビッグボックスに設置している既存の充電設備に加え、さらに多くの急速充電設備の設置を計画していると言明。具体的には、首都圏クランバレーに5カ所、北部に2カ所、南部に2カ所など、国内12カ所に設置する予定だとした。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ポールタン、ベルナマ通信、10月19日)

リンギが最安値を更新、一時的に1ドル=5リンギの可能性も

【クアラルンプール】 マレーシアの通貨リンギは19日、対米ドル為替で1米ドル=4.7703リンギと過去最安値を更新した。前回の最安値は、アジア通貨危機が発生した25年前の1998年で、1米ドル=4.725リンギだった。対米ドル相場で今年、円に次ぐ大幅下落となっている。

リンギ下落はイスラエル・ハマス紛争などを背景に、安全資産としての米ドルに資金が流れているためで、最大の貿易相手国である中国の経済減速もあって、マレーシアの輸出が9月まで7カ月連続して減少したことも要因となっている。

サンウェイ・ビジネス・スクールのイア・キムレン教授は、一層の利上げ観測を背景に米ドルは値上がりを続けており、1米ドル=5リンギまでリンギは下がる可能性があると指摘。ただ米経済の基礎的条件は弱まっており、米ドルが現在の水準を維持することはできず、景気の冷え込みとともに下落し、リンギを含むほかの通貨が米ドルに対し値上がりしていくと述べた。

マレーシア科学技術大学のジェフリー・ウィリアムズ教授も同様に、1米ドル=5リンギまで下落する可能性があるとの意見だが、これは地政学的な不確実性とより安全な市場に投資が向かうための一時的なものだとし、長期的には4.0-4.5リンギの範囲で推移するとみている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、10月19日)