KLIAでの入国禁止旅行者の管理、第三者への委託を禁止

【プトラジャヤ=マレーシアBIZナビ】 内閣は、クアラルンプール国際空港(KLIA)で出入国管理局から入国禁止(NTL)を通知された旅行者が国外退去するまでの管理をいかなる民間会社にも委託することを許可しないと決めた。サイフディン・ナスティオン内務相が明らかにした。

国際民間航空機関(ICAO)の規則では、海外からの航空旅客に関する責任は航空会社が負っており、入国を拒否された旅行者に対する食事や国外退去のための航空便の手配も航空会社が行わなければならないとされているが、2015年2月以来、モノ・サークル社がこうした業務を各航空会社から請け負っていた。

アンソニー・ローク運輸相によると、KLIAに乗り入れている航空会社40社と関連会社26社からなる委員会が入国を禁止された旅行者の世話を行う代行業者としてモノ・サークル社を指名していた。

KLIAでは先ごろ、中国人旅行者が入国に必要な書類を所持していたにも関わらず、「入管職員に入国を拒否された上にワイロを要求された」と訴える事件が発生。通報を受けたティオン・キンシン観光芸術文化相が現場に乗り込んで介入する騒ぎとなり、マレーシア汚職摘発委員会(MACC)が捜査を開始していた。

ワイロ事件については、入管を管轄するサイフディン内相は先ごろ、「入国禁止された旅行者が退去するための航空券を購入するための支払いを求められた際に混乱が生じ、入管職員が金を要求したと誤解された可能性がある」とコメント。MACCのアザム・バキ議長は、中国人旅行客にワイロを要求した疑いのある「仲介人」はKLIA内で業務を行っていたある会社の社員だと述べていた。

KLの2駅で、線路工事のためETSホームを一時変更=KTMB

【クアラルンプール】 マレーシア国鉄(KTMB)は22日より、線路改良工事のため、クアラルンプールのKLセントラル駅とクアラルンプール駅の高速電車(ETS)ホームを一時変更すると発表した。

クアラルンプール駅では、ETS列車は1番線ではなく2番線に停車する。KLセントラル駅では、ETSのプラットフォームおよび出発ゲートが2階のBゲートから1階のC・Dゲートに移動する。KTMBは、スムーズに乗車できるよう、早めの駅到着を奨励するとしている。

KTMBはまた、7月中にマレーシア人を対象としたチケット料金半額セールを実施すると発表(外国人は対象外)。毎週火、水、木曜日(7月11ー13日、18ー20日、25ー27日)に、パダン・ベサルからジェマスまでのETS全路線が対象となり、高齢者はさらに5リンギ割引となる。割引適用にはオンライン購入用のプロモーションコード入力が必要となっている。
(ポールタン、7月11日)

ブロードバンド接続の小売価格値下げは9月以降=MCMC

【クアラルンプール】 マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)は11日、固定ブロードバンド接続の小売価格引き下げは、9月以降に実施されると発表した。

MCMCによると、政府系通信企業テレコム・マレーシア(TM)から各通信業者への回線卸売価格を規定するアクセス価格強制基準(MSAP)の新基準が今年3月に設定され、価格が引き下げられたが、実際に小売価格に反映されるのは通信事業者間の協定が締結された後となる。協定締結は9月末までに完了すると見込まれているため、値下げ実施はその後になるという。

MCMCの発表は、オンラインメディア「ソヤチンチャウ」が10日、3月に発効したとされるブロードバンド接続価格改定案について疑問を呈したことを受けてのもの。同サイトは、発表から4カ月経っても値下げが実施されていないため、通信業者への強制力がないようだと指摘していた。

MCMCはまた、B40(下から40%の低所得者層)、退役軍人、障害者、高齢者については、3月に開始された低価格の固定ブロードバンド接続プランが利用可能だとし、これまでに6,066人が利用していると述べた。本プランは、月額69リンギ、回線速度は30メガビット/秒(Mbps)で、データ量は無制限。料金は固定価格で、契約期間は2年間となっている。
(マレー・メイル、7月11日、ソヤチンチャウ、7月10日)

サウジのバーンズコーヒー、マレーシア進出に向け現地企業と提携

【クアラルンプール】 サウジアラビアのコーヒーチェーン「バーンズ・コーヒー」は、マレーシア進出に向け、外食・小売のプレミア・ファイン・フーズとの間でフランチャイズ契約を締結した。

プレミア・ファイン・フーズの発表によると、クアラルンプール(KL)で「バーンズ・コーヒー」25店舗をオープンし、その後10年以内に東南アジア全域(カンボジア、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)で300店舗まで拡大する。

バーンズ・コーヒーを所有するアル・アムジャド・グループのモハメド・アル・ザイン最高経営責任者(CEO)は、「2030年までに1,000店舗を開設する」という目標を達成するため、アジア市場で店舗を拡大することを嬉しく思うとし、プレミア・ファイン・フーズとの提携は、アジア市場におけるバーンズ・コーヒーの存在感を高めるだろうと述べた。

「バーンズ・コーヒー」は、ジッダを拠点にサウジアラビア国内に約600店舗を展開。東南アジアと並び、イギリスも重要な成長市場としており、5月には、今後数年間でロンドンに10店舗をオープンする計画を発表している。
KLに本社を置くプレミア・ファイン・フーズは、感染制御およびエネルギーサービスを専門とする施設管理業者ハルタ・グループの傘下にある。
(ワールド・コーヒー・ポータル、7月11日)

年内に生活必需品の大幅な値上げはない=国内取引物価相

【クアラルンプール】 サラフディン・アユブ国内取引物価相は、約30の団体の業界関係者と物価上昇に関する協議を行い、年内に大幅な値上げを行わないとの確約を得たと言明。値上げが行われたとしても価格を見直すよう業界関係者と交渉するとして、年内に生活必需品の大幅な値上げはないとの見解を表明した。

11日にスーパーマーケットで価格チェックを行ったサラフディン大臣は、商品の供給不足による価格上昇を危惧する声などが上がっていることに触れ、同省が実施した調査では鶏肉や鶏卵、燃料など補助金対象商品の価格は上昇しておらず、商品によっては設定価格よりも安く販売されており、市場でも商品不足は起きていないことがわかったと指摘。しかし、国民に対して、スーパーマーケットや食料品店で必需品の価格が上昇した場合は、直ちに同省に報告するよう呼びかけた。
その上で、今後も価格の監視を継続し企業が適正な価格で販売するよう、政府は食品の価格を規制するとした。

物価については、9日にクアラルンプール・セランゴール・インド商工会議所 (KLSICCI)のニバス・ラガンバン会長が、会員企業の事業コストと生産コストが今年1月から20%上昇しており、様々な商品の価格が10月までに20%上昇する可能性があると発言。また10日には野党連合・国民同盟(PN)のムヒディン・ヤシン会長(元首相)が鶏卵が供給不足であるため、自身の農場で鶏の飼育を開始したと発言。露店主からも物価上昇に関する苦情を受けたと述べていた。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月12日、フリー・マレーシア・トゥデー、7月11日)

ペナンフェリーが8月から新フェリーで運航開始、1カ月は運賃無料

【ジョージタウン】 ペナン島ジョージタウンとマレー半島のバターワースを結ぶペナン・フェリーは、新型のフェリー4隻を8月7日から運航すると発表した。就航を記念し、最初の1カ月間は無料で乗船できる。

新型フェリーの定員は250人、二輪車は50台まで輸送可能。総建造費は7,200万リンギ。最高速度は12ノット(時速22.2キロ)、通常運航速度は11ノットで、ジョージタウンとバターワース間を10分で結ぶ。安全を図り従来より高いクローズド・デッキを採用し、大型客船のような横旋回も可能。船首と船尾に2基のディーゼルエンジンを搭載し、どちらの方向にも接岸できる。座席エリアにはエアコンも完備し、安全装置、火災報知器、両端の二重スロープなども装備。午前6時から午後8時半まで、30分間隔で運航する。無料乗船期間後の運賃については後日発表の予定。
新型フェリーの試乗会に参加したアンソニー・ローク運輸相は、現在毎日約3,000人がフェリーを利用しているが、最新鋭フェリーはより多くの通勤客を惹きつけられるとし、毎月約10万人の利用を期待していると述べた。新運賃についても手頃な価格に抑えるとしている。

129年以上にわたり運航しているペナン・フェリーはペナンのシンボルともなっているが、老朽化で故障が相次いだため2020年に3隻のフェリーの利用を廃止。1隻だけ残されたフェリーが現在、自転車やオートバイの輸送に使われており、旅客用には暫定的な代替手段としてスピードボート・フェリーが使われている。2022年のフェリー利用者数は120万人だったが、今年は5月時点での利用者数が10%増加している。
(ザ・スター、7月9日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、7月8日)

エルニーニョ現象、年末以降再び発生の可能性=気象局

【クアラルンプール】 マレーシア気象局は、エルニーニョ現象について、90%を超える確率で2023年末から2024年初頭にかけて再び発生する可能性があるとの予報を発表した。

マレーシア気象局の発表によると、世界気象機関(WMO)の最新情報では、エルニーニョ現象は、熱帯太平洋の中部および東部の海面水温の上昇に関係して自然に発生する気候現象とされており、平均2ー7年ごとに発生し、通常9ー12カ月程度続く。エルニーニョ現象は2024年初頭にピークに達することが見込まれることから、マレーシアでは長期的に高温で、乾燥した天候が長期的に続くことが予想されている。

マレーシア気象局は、森林や泥炭地の火災を制御できなければ、気温上昇や降雨量減少、国境を越えたヘイズ(煙害)の悪化が起きる可能性があるとし、国民に対して、野焼きを止め、屋外活動を制限した上で、最新の気象情報を確認するように呼びかけた。また気象局は常に気象状況を監視するとし、最高気温が3日連続で37度を超える場合には熱波注意報を発令するとした。
(ベルナマ通信、マレーシアン・リザーブ、7月7日)

奇瑞汽車がマレーシア市場に再参入、24年にはEVの発表を計画

【ペタリンジャヤ】 中国・奇瑞汽車(チェリー自動車)は6日、主力モデルであるスポーツ車(SUV)「瑞虎(ティゴ)8プロ」および「欧萌達(オモダ)5」を正式発表し、マレーシア市場に正式に再参入した。2024年には電気自動車(EV)を発表する予定だ。

両モデルともにケダ州クリムのイノコム工場で組み立て生産されたもの。「ティゴ8プロ」は7人乗りで、排気量2.0リットルのターボチャージャーを装着した4気筒ガソリンエンジンが搭載されている。価格は15万9,800リンギ。一方で「オモダ5」は5人乗りで、排気量1.5リットルのターボチャージャーを装着した直列4気筒エンジンが搭載されており、価格は10万8,800リンギからとなっている。

マレーシア子会社、チェリー・マレーシアのショーン・シュー社長は、マレーシアの自動車市場の将来性の高さを強く信じているとし、マレーシアの自動車産業と共に成長するために取り組むとコメントマレーシアは有利な地理的位置にあり経済環境も備わっている戦略的な市場であり、非常に重視していると述べた。

「ティゴ8プロ」および「オモダ5」の正式発表に臨席したテンク・ザフルル投資貿易産業相は、チェリー自動車が1億7,000万リンギの初期投資を表明していると言明。これにより今後5年間で4,000人分の高収入かつ高度の専門的知識を有する雇用機会の創出に繋がるとの見解を示した。
(ザ・サン、7月10日、ジグ・ホイールズ、7月7日、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、7月6日)

豪スーパーのコールス、ジャヤグローサーと提携

【クアラルンプール】 豪州スーパーマーケット・チェーンのコールス・スーパーマーケッツは6日、現地スーパー・チェーンのジャヤ・グローサーと提携し、マレーシア市場に参入すると発表した。同日、ジャヤ・グローサー店舗でのコールス商品200種類の販売を開始している

提携発表会に参加した、ジャヤ・グローサーのダニエル・テン副最高経営責任者(CEO)は、ジャヤ・グローサーは、9日まで全国の43店舗で豪州フェアを実施しており、これに合わせてコールスとの提携を開始したと述べた。フェア期間中のみではなく、5ー10年の長期にわたりコールス商品を扱い、商品数も増加させていくとしている。

コールスのウィル・マルホランド輸出・生鮮担当部長は、同社は現在世界30カ国以上に輸出しており、高品質な商品に対する需要が高いマレーシア市場にサービスを提供できることを誇りに思うとし、今後もオーストラリアの生産者を支援し、自社ブランド事業をグローバルに展開していくと述べた。

コールスは豪州で800店舗以上を展開。生鮮食品、食料品、酒類などを店舗やオンラインで販売している。
(ザ・スター、7月7日、エッジ、7月6日)

ジャヤグローサーとグラブ、慈悲プログラム参加で低価格商品提供

【クアラルンプール】 スーパーマーケット・チェーンを展開するジャヤ・グローサーとその親会社である 配車・宅配サービス大手のグラブは6日、低価格商品を提供する「慈悲(ラーマ)プログラム」に参加すると発表した。

グラブは、食品配達サービスで、限定メニュー3食分をまとめて18リンギで購入できる「慈悲パッケージ」を提供する。ジャヤ・グローサーはグラブアプリ上で日用品や限定商品を最大40%割引する「慈悲セール」を実施する。また、障害を持つ運転手に対し生活必需品ボックスを定期的に贈るという

慈悲プログラムは、食品価格の高騰に対する短期的な解決策として今年1月から始まったものだが、現在では、食品以外にも低価格商品を提供する動きが全国に広がっており、国内取引物価省が支援している。

プログラム発表会に参加したサラフディン・アユブ国内取引物価相は、慈悲プログラムは生活費上昇に苦しむ庶民の負担軽減を目的としており、国内取引物価省はこのような取り組みにより支出を促進する小売セクターについても支援を行っていくと述べた。同省は慈悲プログラムの発展形として慈悲経済イニシアチブも計画しており、アンワル首相が掲げている「年内に極貧層を撲滅する」という目標に沿い、国家経済政策の目標達成を支援し、国内総生産(GDP)にも貢献していくと述べた。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、7月6日)