ディスカウント店のエコショップが20周年、店舗網拡大目指す

【クアラルンプール】 ジョホール州を本拠に全商品2.40リンギ均一の雑貨店を展開するエコショップ・マレーシアは、現在240店舗を展開している店舗網のさらなる拡大を計画している。

ジェシカ・ン最高執行責任者(COO)は、1万アイテム以上の商品を取り扱っているが、さらに商品の提供を強化し、消費者により幅広い選択肢を提供するため、店舗の開設先の選定を行っているとコメント。ショッピングモールに行くと駐車場料金やガソリンなどのお金がかかることから、同社の戦略の下で、顧客により便利な場所に出店できるように努めているとした。

同社は2.40リンギと低価格で商品を販売しているが、ンCEOは今後5年間は現在の価格を維持すると言明。世界的に商品の価格は上昇しているが、エコショップは、幅広い商品を、誰もが手に入れやすい手頃な価格で提供することを目指しているため値上げはしないと説明した。

今年創立20周年を迎えるエコショップは5日、「ショッピング・ギラギラ」キャンペーンの実施と、購入によってポイントが貯まるアプリの導入を発表した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月6日、プレビウ、7月5日)

ホンダ、「HR-V」「シビック」「シティハッチバック」を値上げ

【クアラルンプール】 ホンダ・マレーシアは、5日付けでコンパクトスポーツ多目的車(SUV)「HR-V」、Cセグメントセダン「シビック」、Bセグメント・ハッチバック「シティ・ハッチバック」の値上げを発表した。

2023年初頭に各社が値上げを発表する中、同社は1月、自動車関連ポータルサイト「ポールタン」の取材に対し、当面の間値上げは行わないと述べていた。
「HR-V」は、全バリアントが1,100リンギの値上げとなる。新価格は、「1.5L S」 が11万5,900リンギ、「1.5T E」 が13万900リンギ、「1.5T V」が13万5,900リンギ、ハイブリッド車の「1.5L e:HEV RS」 が14万1,900リンギ。

「シビック」は、ハイブリッド車の「e:HEV 2.0L RS」 のみ16万6,500リンギで据え置くが、他は1,200リンギの値上げとなり、「E」 が13万1,900リンギ、「V」が14万4,900リンギ、「RS」が 15万1,900リンギとなる。

「シティ・ハッチバック」もハイブリッド車の「e:HEV RS」 のみ10万9,800リンギで据え置き、他は300リンギの値上げとなる。「S」 が7万8,900リンギ、「E」が8万6,900リンギ、「V」が9万1,900リンギ、「Vセンシング」が9万5,900リンギとなる。
(ポールタン、7月5日)

石油輸出国機構、マレーシアなど4カ国に加盟を打診

【クアラルンプール】 石油輸出国機構(OPEC)のハイサム・アル・ガイス事務局長は、OPEC加盟に向けて協議が行われている4カ国の中にマレーシアも含まれていることを明らかにした。OPEC加盟国は世界の石油生産量の約30%を占めている。

マレーシアと共に加盟に向けた協議が行われているのは▽アゼルバイジャン▽ブルネイ▽メキシコーーの3カ国。マレーシアを加えたこれら4カ国は、自主的な生産量削減といったOPECが打ち出すイニシアティブに参加する23カ国からなる緩やかなグループであるOPEC+のメンバー国となっている。

ハイサム事務局長によると、OPECは石油市場の維持と安定化という同じ戦略目標を持つ国々をメンバーに加えるため、加盟国の数を増やすことを検討しているとした上で、4カ国は2017年以来OPECと連帯しているため加盟を打診されているという。

ハイサム事務局長は、「彼らは2020年の市場崩壊と新型コロナのパンデミックにより困難を経験しており、石油市場の安定化という共通の目標を持っている」と述べた。

1960年に設立されたOPECは、産油国間の石油政策に関する調整を図り、公平で安定した価格を確保することを目指している。現在13カ国が加盟しており、そのほとんどが中東とアフリカ諸国で占められている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、7月6日)

汚職事件の6割に政治家が関与=汚職摘発委

【プトラジャヤ】 マレーシア汚職摘発委員会(MACC)の特殊作戦部(BOK)は、2020年から今年6月8日までの約3年半の間にBOKが捜査を手掛けた汚職事件156件のうち、60%以上に政治家が関与していたことを明らかにした。

BOKのタン・カンサイ上級部長は、同期間に211人を逮捕し、91人を454件の罪状で起訴したと言明。現金だけで1,047万リンギ、家財・財産を含めて5,113万リンギ相当を押収し、合計1億2,897万リンギの罰金を科したと明らかにした。

タン上級部長は、特に銀行や外国金融機関が関与する金融取引に関わる公金横領の捜査に課題があると指摘。関係する資金が海外の口座に送金された場合、各国の銀行システムを保護する法律が異なるため資金追跡の調査が困難になり、また銀行や金融機関には捜査に協力しない権利や情報提供を拒否する権利があるとし、「そのため裁判に持ち込まれた案件における資金追跡に関わる証拠のほとんどは、国内銀行と金融機関のみに限定されている」と述べた。

タン氏によると、BOKが捜査した事件の中には、インド人コミュニティ、労働者、自動車産業の発展のために政府から提供された数億リンギに及ぶ資金の不正流用が含まれているという。

またタン氏は、捜査当局が直面するもう一つの課題は事件がメディアや政治家によってセンセーショナルに報じられることだと指摘。「関係者に金融取引などの重要文書の破棄や逃亡の機会を与えてしまう」と述べた。テクノロジーの進歩に伴い国内だけでなく外国の金融機関が関与する金融取引でさえ携帯電話だけで簡単に行えることが捜査の障害になっているという。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、7月5日)

中銀バンクネガラ、政策金利を3%で維持

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は、5、6日の2日にわたって定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を3.00%で維持することを決定した。BNMは2022年5月以降、段階的に金利を2.75%まで引き上げた後、据え置いていたが、今年5月に0.25ポイント引き上げて3.00%としていた。

BNMは声明の中で、金融政策のスタンスにおいて現在の金利水準はやや緩和的であり、依然として経済成長を下支えし続けていると説明。金融不均衡のリスクは限定的であるとして、今後も引き続き情勢を監視し、金融政策が物価安定の下で持続的な経済成長を確保するとした。

国内経済については、今年第1四半期は力強い成長を遂げたが、第2四半期は外需鈍化の影響で輸出が減少したことにより成長は緩やかなペースとなったと指摘。しかし、年末までは引き続き底堅い内需が成長を牽引すると予想した。また、良好な労働市場が家計支出を下支えし、外国人観光客増加による観光産業の成長、複数年にまたがる大型インフラプロジェクトによる投資活動の下支えが上振れ圧力となる一方、世界経済の成長が予想を下回る可能性などが成長リスクとなるとした。なおインフレ率は、概ね予想の範囲内で低下していくことが見込まれるという。

世界経済については、力強い労働市場に支えられた底堅い内需や中国経済の活動再開が経済成長を牽引したが、インフレや金利の上昇により圧迫されていると指摘。インフレ率の上昇率は緩やかになってきているものの依然高い水準にあり、今後も金融引き締めが行われると予想し、今後も予想を上回るインフレ率の上昇、地政学的緊張の高まり、急激な金融引き締めなどが景気の下振れリスクとなるとした。