TMGが飲食店チェーン2社を買収、フランチャイズ展開目指す

【クアラルンプール】 飲食店経営のTMGベンチャーズは、米国風ピザチェーン「ミッキーズ・オリジナル・ニューヨーク・ピザ」および米国風ハンバーガーチェーン「NYバーガー・コー」を買収したと発表した。両店とも首都圏にそれぞれ10店舗を展開している。
TMGは、財務省傘下企業でフランチャイズ支援を行っているペルバダン・ナショナル(ペルナス)社と国内の飲食フランチャイズ業界の活性化およびアジア太平洋地域への参入支援を目的として提携しており、今回の買収はそれを受けてのもの。
TMGのスバハン・カマル会長は、ペルナスとの提携は、国内でフランチャイズ化可能なレストランブランドをより大きな成功に導くためのものであり、グローバル基準のフランチャイズを作り上げ、国内外に展開することを目指すと述べた。
TMGのマニシェル・スブラ取締役は、買収した両レストランのフランチャイズ加盟希望者には、手頃な価格で始められるプランを用意していると言明。フランチャイズは参入が容易で、収益性が高く、ブランドが直面する成長課題にも対応できるとし、TMGのビジネスモデルは、政府の「マレーシアをASEAN(東南アジア諸国連合)のフランチャイズハブにする」という目標にも合致していると述べた。
TMGは、これまでに東南アジア料理の「マジャパヒット」、和食フュージョン料理の「テイル・アンド・フィン」、チキン料理の「ウィングス・オブ・ザ・ワールド」などのレストランブランドを買収している。
(ザ・サン、ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月1日、フリー・マレーシア・トゥデー、6月30日)

コタキナバル国際空港、移転に向け実現可能性調査開始へ

【クアラルンプール】 サバ州投資会社のカザナ・サバは6月30日、コタキナバル国際空港 (KKIA) 移転の実現可能性調査に向け、不動産開発のベルジャヤ・ランドとの間で覚書 (MoU) を締結した。移転先候補は、約60キロメートル離れた同州キマニス。
カザナ・サバのアハマド・リザル・ダーリ最高経営責任者(CEO)は、KKIAの移転は10年以上前から検討されてきたが、今回のMoU締結によって経済的な実現可能性、社会的な影響評価についてより詳細に検討することができるようになったと言明。ただ今はまだ検討段階であり、正式決定には全ての利害関係者の意見を考慮し同意を得ることが必要だと述べた。
アハマドCEOによると、KKIAは、市街地に近く土地面積が限られていることからターミナルビルや滑走路などの施設拡張が難しく、増大する需要に対応できないと見られている。空港に近いことから市街地にも規制や制限が設定されており、それがコタキナバルの市街地開発を遅らせる要因にもなっているという。
 キマニスへの移転によって複数のターミナルビルや滑走路が設置可能となるため、サバ州は東南アジアの地理的中心地という立地条件を活かして航空ハブになれる可能性がある。また、今回締結されたMoUには、空港移転に加え、キマニスでの新国際空港建設の可能性や、空港近隣での持続可能な開発計画の検討といった内容も含まれているという。

鶏肉上限価格、7月1日以降1キロ9.4リンギに

【クアラルンプール】 ロナルド・キアンディ農業・食品産業相は6月29日、7月1日付けで半島部の鶏肉価格の上限を1キログラム当たり9.40リンギに設定すると発表した。
政府は当初、6月末で鶏肉価格を1キログラム当たり8.90リンギに抑える上限価格制を撤廃し、価格を市場原理に任せる方針だったが、上限価格撤廃後の価格が10ー12リンギまで高騰すると予想されたため、24日にイスマイル・サブリ・ヤアコブ首相が方針を撤回。7月1日以降の新しい上限価格を設定すると発表していた。
ロナルド大臣によると、22日に発表された、下から40%を占める低所得者(B40)世帯への給付制度「マレーシア家族支援(BKM)」に基づく追加給付を考慮の上、新価格が決定されたという。
BKMでは当初B40世帯へ100リンギ(単身世帯には50リンギ)を追加給付するとしていたが、中所得層(M40)の一部も加え、1世帯あたり最大500リンギを追加支給することになる。対象は860万人となり、年内に1世帯当たり上限2,600リンギまで支給される。現金支援のために3億6,950万リンギを割り当てる。今年2月以来、助成金の総額は11億リンギに達したという。
鶏卵については、7月1日付けで半島部の上限価格を1個当たりグレードAが45セン、グレードBが43セン、グレードCが31センに設定する。6月30日までの価格よりそれぞれ2センずつのアップとなる。鶏肉、鶏卵とも新上限価格は8月31日まで有効となっている。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月30日、エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、6月29日)

Digiとセルコムの合併計画、MCMCが承認

【クアラルンプール】 通信大手のDigiドットコムとセルコム・アシアタは29日、両社の合併計画についてマレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)から承認を得たことを明らかにした。
DigiはノルウェーのテレノールASA、セルコムは政府系アシアタ・グループがそれぞれ出資する移動体通信大手で、それぞれ国内2位、3位。合併が実現すれば、最大手のマキシス・テレコミュニケーションズを凌ぐ国内最大の移動体通信会社となる
両社は同日共同声明を発表し、合併に向けて両社が設立する新会社はスケールメリットを活かして、コアディストリビューションの強化、ネットワークオペレーションの改善、効率性の向上を通じて、顧客サービスの向上を図るとしている。また世界のデジタル進化の最前線に位置し続けられるよう、向こう5年間で最大2億5,000万リンギを投資してクアラルンプール(KL)に世界クラスのイノベーションセンターを建設するとしている。
両社の親会社であるテレノールとアシアタは2021年4月、合併に向けた新会社を設立すると発表。合併後の新会社名をセルコムDigiとし2022年半ばまでの合併完了を目指すとしていた。
合併申請は2021年7月にMCMCに出されたが、MCMCは今年4月になって競争を阻害する懸念があるとして、両社に対して解決策を提出するよう命令。これを受けて両社は合併契約の完了期限を6月21日から12月31日へ延長すると発表していた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、6月29日)

 

ファストフードのタコベル、10・11号店をオープン

【クアラルンプール】 メキシコ風ファストフード・チェーン「タコベル」マレーシア10、11号店が、クアラルンプール(KL)のタマン・トゥン・ドクター・イスマイル(TTDI)とネグリ・センビラン州ニライのプトラ・ニライにそれぞれオープンした。
27日にオープンしたTTDI店の店舗面積は2,400平方フィートで、象徴的なレインボー天井と「タコベル」の特徴であるクールなカリフォルニアの雰囲気が漂うインテリアとなっている。28日にオープンしたニライ店は「タコベル」として初の首都圏クランバレー外の店舗となる。
タコベル・アジアパシフィックによると、2021年4月のサイバージャヤのマレーシア1号店開業を皮切りに▽サンウェイ・ピラミッド▽プチョンIOIブールバード▽USJタイパン▽トロピカナ・ガーデンズ・モール▽プラザ・シャアラム▽ワングサ・マジュ▽セティアワングサ▽バンダル・スリ・ぺルマイスリ――に出店。今後はセランゴール州クランの「イオン・ブキ・ティンギ店」、同州シャアラムの「セティア・シティモール」に出店する計画だ。
(ザ・サン、6月29日、タコベル・ウエブサイト)

メガストア「ミスターDIYプラス」、2年内に10店舗開設へ

【クアラルンプール】 ホームセンターのミスターDIYは、2年内にメガストア「ミスターDIYプラス」を10店舗オープンする計画だ。
5月には同社初となる売場面積3万平方フィートのメガストア「ミスターDIYプラス」をクアラルンプール(KL)の「ミッドバレー・メガモール」内にオープンした。5月だけで20万人以上が来店したという。
「ミスターDIYプラス」は「ミスターDIY」と、玩具店「ミスター・トイ」、均一価格販売の「ミスター・ダラー」を一つにまとめたもので、日用品、家庭用品&家具、電器、文房具、スポーツ用品、玩具、カーアクセサリー、宝飾品、化粧品、食品・飲料、ヘルスケア・パーソナルケア製品を扱っており、イベントスペースも設置した。
「ミスターDIY」については、今年に入ってすでに47店舗を新規開店。今後133店舗の開業を予定しており、通年では180店舗の新規開店を目標に掲げている。
エイドリアン・オン最高経営責任者(CEO)は、年末に業績評価を行い今後の投資計画を策定するとコメント。ホームセンター部門が内需に牽引されて、今後数年間で毎年10%の成長が見込まれると述べた。
(ザ・スター、6月28日)

ベルマツ子会社、起亜の電気自動車「EV6」を発売

【クアラルンプール】 マツダ車の組立販売を手掛けるベルマツ・オートの子会社であり、韓国・起亜自動車のマレーシア公式販売代理店であるディナミクジャヤ・モーターズは、起亜にとって初の電気自動車(EV)「EV6」の販売を開始した。
「EV6」は韓国からの輸入完成車(CBU)で、価格は30万688リンギから。デュアルモーターの全輪駆動車で、77.4キロワット時(kWh)のバッテリーを搭載。フル充電での走行可能距離は推定最長506キロメートル(km)。最大トルク605Nm、最高速度時速185km。時速100kmまでの加速に要する時間は5.2秒。車載バッテリーから電気機器に最大3.6kWhの電力が供給できるV2L機能も有する。車体カラーは全5色。7年または15万kmのバッテリー保証が付属する。
ディナミクジャヤのウォン・キンフー社長は、昨年の「EV6」の世界販売台数は1万台以上で好調だとし、「EV6」は起亜の設計・技術哲学の未来を示すものだと言明。一方でセランゴール州シャアラムのグレンマリーにある起亜の3S(販売、サービス、部品交換)センターを新装したとして、ショールームと1階の展示ギャラリーでそれぞれ4台まで起亜車が展示できるようになったと述べた。
起亜アジア・パシフィックのテッド・リー社長兼最高経営責任者(CEO)は、「EV6」は「欧州カー・オブ・ザ・イヤー2022」を受賞したとし、マレーシアでの「EV6」普及に自信を持っていると言明。「EV6」は、「マレーシアで業界のリーダーになる」という長期的なビジョンの始まりに過ぎず、ベルマツおよびディナミクジャヤと密接に協力の上商品ラインナップを拡大し、より良い顧客体験のためのアフター・サービスを向上させていくと述べた。

インペリアルレクシスKLとレジデンス、来年3月にオープン

【クアラルンプール】 クアラルンプール(KL) メトロ・グループと中国建築集団の子会社である中国建築は、5つ星ホテルとアパート「インペリアル・レクシスKL」と「グランド・ビュー・レジデンス」を来年3月にオープンすると発表した。
両社は高さ231メートルの53階建てのタワーを1棟をジャラン・キア・ペンに建設中で、22日に上棟式が行われた。工事の進捗率は85%で、そこに「インペリアル・レクシス」と「グランド・ビュー・レジデンス」が入居する。
「インペリアル・レクシス」は13階以上に入居する。客室数は275部屋で、客室にプライベート・プールも併設される。「グランド・ビュー・レジデンス」は36ー49階に入り、戸数は164ユニット。そのほか、スイミングプールやジム、スパ、ルーフトップバー、スカイデッキ、多目的ホール、会議室なども併設される。
「インペリアル・レクシス」と「グランド・ビュー・レジデンス」ともに、ポートディクソンで3軒のホテルやヴィラを運営するレクシス・ホテル・グループが運営、管理する。同社のマンディ・チュウ社長によると、オープンに向けて200人を雇用する予定だ。
(エッジ、6月24日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、6月22日)

半島部の水道・電気料金は維持、鶏肉は新上限価格設定

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は24日、生活費高騰対策として、マレー半島の電気・水道料金を値上げせず、当面現状を維持すると発表した。電気・水道への補助金として58億リンギを支出する。
電気料金は、石炭やガスなどの燃料価格を考慮した上で電力の基本価格(BT)を設定する「不均衡価格転嫁(ICPT)」メカニズムを採用していることから、石炭価格が高騰している現在、今年下半期の電気料金の値上げが予想されていた。
電力会社の政府系テナガ・ナショナル(TNB)のデータによると、今年第1四半期の産業用発電に占める石炭の割合は54.1%。TNBや独立系電力会社のマレー半島向け石炭コストは、2022年第1四半期には前年同期の26億2000万リンギから49億8,000万リンギまで約90%アップしている。TNBは2022年第1四半期に35億リンギのICPT回収不足を計上しているという。
イスマイル首相は、今回の決定は、国民の利益を保護し、物価上昇や生活費による負担がないようにするものだと言明。6月末で鶏肉価格を1キログラム当たり8.90リンギに抑える上限価格制を撤廃する件についても、市場原理に任せるという方針を撤回し、7月1日以降新しい上限価格を設定するとした。新上限価格についてはロナルド・キアンディ農業・食品産業相により追って発表されるという。
上限価格制が撤廃された後、鶏肉価格は10ー12リンギまで上昇すると予想されていた。
(ザ・スター、6月26日、エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、6月24日)

国内最大の「セブンカフェ」、プチョンにオープン

【クアラルンプール】 セブン・イレブン・マレーシア・ホールディングスは、セランゴール州バンダル・プテリ・プチョンに2階建ての「セブンカフェ」旗艦店をオープンした。
投資額は180万リンギ。書店チェーンのブックエクセス、抹茶カフェのニコネコ・マッチャと提携。通常店舗の面積の4倍に相当する、国内最大の6,000平方フィートの面積を有する。店内にはミニブックストアを併設。セブン・イレブンのフードに加え、ニコネコ・マッチャのケーキなどのデザートや美容・パーソナルケア用品なども販売する。
ウォン・ワイケオン共同最高経営責任者(CEO)は、セブン・イレブンのホットスナックは、アメリカンでありつつローカルのテイストも加えており、クロワッサンとワッフルを組み合わせた「クロッフル」は甘い味としょっぱい味を選べるため人気があると述べた。冷蔵コーナーでは、惣菜、おにぎり、サンドイッチ、デザートなど、幅広い商品を取り揃えており、顧客に何度も足を運んでもらえるようにしていると言明。今回オープンした旗艦店はスペースが大きく、より多くの商品や座席数を提供でき、雰囲気やBGMなどにも工夫を凝らしているとした。他の戦略的パートナーとの協業も歓迎するという。
タン・ユーミン共同CEOは、セブンカフェが表現するライフスタイルに合ったローカル企業と協業したいと考えているとし、ユニークな書店づくりで知られるブックエクセスはセブンカフェにうまくマッチしていると言明。昨年は反省の多い年で、経営陣と深夜まで話し合うこともあったが、その努力の結晶として旗艦店が生まれたと述べた。
セブンカフェは首都圏で全28店舗を展開。プチョンの旗艦店は25店舗目で、まもなく他店舗もオープン予定。首都圏以外への出店も検討しているという。
(ベルナマ通信、マレーシアン・リザーブ、6月23日)