iシティのテーマパーク、1千万リンギ投じメタバース技術導入へ

【クアラルンプール】 セランゴール州シャアラムで「iシティー」の開発を行うアイは10日、1,000万リンギを投じてテーマパークに仮想共有空間「メタバース」技術を導入すると発表した。
iシティのレジャー部門責任者によると、先ごろ提携を発表したチャイナ・モバイル・インターナショナル(マレーシア)(中国移動国際有限公司、CMIM)の協力の下で、LED技術を利用したデジタルアート「シティ・オブ・デジタル・アート」と、雪を体験できる「スノーウォーク」に3Dの「メタバース」を導入する。2023年の新年カウントダウン時に発表する予定だ。「メタバース」を導入することで、2023年のテーマパーク来場者数は1,000万人となると期待されている。
iシティは、2009年にテーマパークにLED技術を投入。CNNのトラベル情報サイト「CNNトラベル」で「明るくカラフルな場所ランキング」で21位にランクインしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、ザ・サン、2月11日)

不動産開発のSPセティア、外来診療センター開設へ

【シャアラム】 不動産開発のSPセティアは9日、外来診療センター(ACC)の開発・運営を目指し、子会社セティアHCベンチャーズを通じて、ヘルスケアのクオリタス・メディカル・グループと提携契約を締結した。ヘルスケア分野への初参入となる。
まずは、セランゴール州シャアラムのセティア・アラムでSPセティアが手がけるタワー型複合タウンシップ開発「セティア・シティ・レジデンス」内に開設する。その後、セティア・アラム以外のタウンシップへのACC展開も検討する。
SPセティアのチョン・カイワイ最高経営責任者(CEO)兼社長は、ACCは健康管理、診断、治療、リハビリテーションなど、専門医や外科医による総合的なサービスを提供する外来センターであり、本格的な医療センターと一般診療所との橋渡しをする役割を担っていると言明。高齢化が進む中、セティア・アラムのような多世代の家族が住む地域では、このようなサービスの価値があると述べた。また、収入源の多様化を図り新規事業を模索してきたが、比較的少額な設備投資で済むACCに可能性があるとし、専門知識や運用経験、実績を持つクオリタスのような戦略的パートナーと協力していくという。
世界銀行の直近の報告書によると、マレーシアでは2020年には65歳以上の高齢者が人口の7%以上を占めた。2044年には2倍の14%になり高齢化社会に突入、2056年には20%になり超高齢社会に入ると予測されている。
また、フィッチ・ソリューションズのマクロリサーチによると、マレーシアの医療市場は、公的医療費の増加に伴い、2017年の563億リンギから2027年には127%成長する見通しだ。ヘルスケア需要の増加と新しい医療モデルの出現により促進されるという。
(ザ・スター、2月10日)

ファストフードの「ジョリビー」、半島部1号店をオープン

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 フィリピンのファストフード・チェーン「ジョリビー」が2月8日、セランゴール州ペタリンジャヤのショッピングモール「サンウェイ・ピラミッド」内にマレーシア半島部1号店をオープンした。
店舗の立地は地下2階の飲食店街で、ジョリビー・フーズ・コーポレーションズ(JFC)完全子会社であるゴールデン・プレート(GPPL)とビーワークス・インベストメント(BIPL)による合弁企業(JV)が、半島部において「ジョリビー」を所有・運営する。
半島部2号店は新たにオープンした「パビリオン・ブキジャリル」での出店を予定しており、その後ペナンやジョホール、マラッカ州での展開を計画している。マレーシア全体では5年間をかけて50店舗を開設する計画で、3,800人分の雇用創出を見込んでいる。
「ジョリビー」のマレーシア1号店は、サバ州コタキナバルに2018年にオープン。2019年にはマレーシア・イスラム開発局(JAKIM)よりハラル認証を取得した。フライドチキンやスパゲッティ、フライドチキンサンドイッチ、ハンバーガー、ホットドッグ、フライドポテト、ソフトドリンクなどを提供している。

施設立ち入りの際の体温測定、11日付けで廃止

【ペタリンジャヤ】 ヒシャムディン・フセイン上級相(兼国防相)は8日、11日付けで新型コロナウイルス「Covid-19」の標準的運用手順(SOP)を変更し、公共施設に立ち入る際に義務付けられていた体温測定を不要にすると発表した。
同時に手書きの登録簿も廃止する。コロナ情報・追跡アプリ「MySejahtera」でのチェックインは引き続き必要となる。また、小巡礼(ウムラ)に関する新しいSOPも14日より実施を開始する。追加(ブースター)接種の義務化や自宅隔離の許可などが含まれるという。
ヒシャムディン上級相は、現状では、新規感染者数は増加しているが、入院者数や集中治療室(ICU)の病床使用率は低く抑えられているため、医療システムはコントロールできていると言明。また、全州・地域が国家復興計画のフェーズ4に移行したことで、次のステップはエンデミック(風土病化)への移行だとする一方、先送りされているエンデミック移行スケジュールについては検討中だと述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、ザ・スター、2月8日)

シャアラムで「SMARTトンネル」建設を検討へ

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、昨年末に各地で61億リンギもの被害をもたらした大規模洪水の教訓から、地下道と排水路を兼ねる「SMARTトンネル」をセランゴール州シャアラムなど人口密度の高い都市に整備する方向で検討する考えを明らかにした。
「SMARTトンネル」建設はイスマイル首相が議長となって3日に行われた中央災害管理委員会(CDMC)会議で合意したものの一つ。トンネル構造は階層状となっており通常は最上層部が高速道路として利用されるが、洪水の懸念が高まった場合には一時的に巨大な排水溝となり、都市部への被害を軽減する。マレーシアでは現在、ジャラン・トゥン・ラザクの地下に設置されている。
CDMC会議ではまた、災害対策の取り組みのために関連の省庁が経常予算および開発予算の5%を確保すること、環境水省が提案した17の短・長期的対策についても原則的に合意した。合意された対策案には、恒久的な避難所整備や必需品の備蓄、排水灌漑局における洪水警戒システム整備などが盛り込まれた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、2月4日)

プロトン、今年の自動車販売台数目標は15万台

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスのリー・チュンロン(李春栄)最高経営責任者(CEO)は1日、2022年には15万台の販売を計画していることをフェイスブック上で明らかにした。
2021年のプロトンの販売台数は11万4,708台(うち輸出台数3,108台)だったため、30%以上の増加となる。プロトンは、2018年に過去最低の6万4,744台を記録して以来、販売台数は上昇を続け、毎年10万台を突破しているものの、2021年の販売台数は前年比4.5%増にとどまっている。パンデミックによる長期の行動制限や12月の豪雨被害によるスポーツ用多目的車(SUV)の生産停止などが要因だという。
2022年の販売台数計画は新製品の投入に基づくものではないかと憶測されており、中国・吉利汽車のクロスオーバーSUV「Haoyue(豪越)」(海外名「オカバンゴ」)をベースとした「X90」と呼ばれるモデルがここ数カ月の間に国内で頻繁に目撃されていることから、間もなく発売されるのではないかという噂を呼んでいる。また、Aセグメントセダン「サガ」改良版の投入も予想され、さらに昨年フェイスリフトされたBセグメントハッチバック「アイリス」およびBセグメントセダン「ペルソナ」も通年販売されることから、販売台数の増加が見込まれるという。
プロトンはまた、東南アジア最大の市場であるタイとインドネシアでの販売に乗り出すなど、輸出台数増加にも取り組む予定で、1月には小型電気自動車のスマートと販売代理店契約を結び、スマート車をマレーシア・タイで販売すると発表した。タイでのディーラーネットワークを構築することで、プロトン車の販売も促進していく模様だ。
(ポールタン、2月3日)

政府・産業間のTVET調整機関を設立

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は3日、政府・産業間TVET(技術職業教育訓練)調整機関(GITC)を設立したと発表した。
GITCは、TVETにおける人的資源の開発、特に国にとって必要なスキルや人材の増強に直接関与する。GITCの構成メンバーは、▽自動車▽半導体▽海洋▽空調▽航空宇宙▽ロボット▽鉄道▽通信▽観光・ホスピタリティ▽食品技術ーーなどの12の業界団体。労働力の需要と供給のギャップを埋めることを目的とする。
イスマイル首相によると、政府は2022年の国家予算においてTVET強化のために66億リンギを計上しており、TVET校の質向上、産業界向けプログラムの提供、産業界の積極的な関与などにより、産業界からの要求に応えられるTVET卒業生を世に送り出すことを目指しているという。TVETには起業家を輩出する力があるため、若者にとってTVETが一番の選択肢となるべきであり、二流だという現状の認識を払拭するために、キャンペーンやプロモーション、ブランド再開発の取り組みを行なっていく。子供たちにTVET教育システムを早期体験させ、適性に応じてプログラムを選択できるようにするなど、TVETが大学などの教育機関と同等の選択肢となり、先進国と同様にキャリア選択ができるようになることを期待しているとした。
国内には技術・職業教育訓練を提供するTVET校が官民合わせて1,295校あり、そのうち州政府所有校は22校。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、2月3日)

エアインディアエクスプレス、マレーシア便を再開

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 インドの国営航空会社エア・インディアの格安航空会社エア・インディア・エクスプレス(AIXL)は1日、マレーシアへの運航を再開した。
インド政府は、2020年3月23日に国際線の運航を停止する事を決定。同年7月よりマレーシアーインド間では特別便のみ運航を行っていたが、今回マレーシア人および、ワクチン接種済みで有効なビザを所有している人のみを対象としたフライトを再開した。ビザを持っていない場合は、出入国申請システム「マイトラベルパス」での申請が必要となっている。
運航を再開するのはティルチラーパッリ、デリー、チェンナイ、コーチ、ハイデラバードとクアラルンプール(KL)結ぶ直行便。KLからは、ティルチラーパッリ、デリー、チェンナイ、コーチ、ハイデラバード、ヴィジャヤワーダ、バンガロール線を運航するが、ハイデラバード線はヴィジャヤワーダ経由、コーチ線はバンガロール経由となる。

サイムダービー、独ボッシュと提携で中古車サービスセンター強化

【クアラルンプール】 サイム・ダービー・モーターズの中古車部門であるサイム・ダービー・オート・セレクション(SDAS)は、独系ボッシュと提携し、シャアラムのグレンマリーにある同社サービスセンターにボッシュの作業設備を導入すると発表した。
SDASのサービスセンターでは、保証期間終了後の自動車に対し、正規サービスセンターと同じ品質のアフターサービスを受けることができる。熟練した技術者が常駐し、ハイブリッド車や電気自動車を含むすべての車種に対応。メンテナンスや修理の他、車検やクリーニングなどのサービスも提供する。営業時間は日曜を除き、月から金は9時-17時、土は9時-12時30分。
SDASのヴィ・ティムファン社長は、ボッシュとの提携により、世界水準の診断・修理ソリューションや優れた自動車部品・アクセサリーを包括的に提供できるようになるとし、ボッシュのシステムや自動車部品を導入後も競争力のある価格でサービスの提供を続けるため、顧客はお金をかけずに高品質の修理やサービスを受けられると述べた。
(ポールタン、1月28日、サイム・ダービー・モーターズ発表資料)

エアアジア、正式に「キャピタルA」へ社名変更

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 格安航空大手エアアジア・グループは1月28日、事業多角化に伴い、正式に社名を「キャピタルA」に変更したと発表した。グループ内の航空事業では引き続き「エアアジア」ブランドを使用する。
中核事業である航空事業がパンデミックによる打撃を受ける中、エアアジアは、収益源を多角化するために、決済ビジネスのビッグペイ、物流のテレポート、配送・配車サービスのエアアジア・スーパー・アプリなどに投資を行なっている。
トニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は、過去2年間、航空事業の低迷期の中で航空運賃だけに頼らない強固な基盤を築いてきたとし、国内旅行はすでに回復傾向にあるが、今年中には国境が徐々に再開され、下半期あるいは第3四半期以降には国際線も回復することを期待していると述べた。
エアアジアはまた、2021年第4四半期にパンデミック以降最高となる搭乗率80%を達成したと発表した。航空輸送能力が前年同期比70%増の340万席にまで増加したが、旅客数が前年同期比103%の270万人とそれ以上の伸びを示したことで搭乗率が向上した。地域別の搭乗率は、マレーシアで80%、インドネシアで81%、フィリピンで85%、タイで76%だった。なお2021年通年でのグループ全体の搭乗率は74%となった。
エアアジアは、旅客数および輸送能力の増加は、2021年を通して航空需要がV字回復する傾向にあることを示しているとし、タイが2月1日からワクチン接種完了者対象の隔離免除措置(TEST&GO)を再開し、マレーシアも1月24日からマレーシア・シンガポール間の「ワクチン接種完了者向けトラベル・レーン(VTL)」を再開したことを受け、さらなる航空需要の急増を期待しているとした。