中国南方航空、6月20日より広州ーペナン線を週14便に倍増

【ジョージタウン】  中国南方航空は6月20日より、中国・広州ーペナン線を現状の週7便から週14便に倍増させる予定だ。

州観光創造経済委員会のウォン・ホンワイ委員長は、増便はペナンの観光産業や中国との貿易を強化するものだとし、航空会社5社(中国・厦門航空、同吉祥航空、香港・キャセイパシフィック航空、バティックエア、エアアジア)が中国ーペナン線を就航していると述べた。吉祥航空は5月31日から上海ーペナン線の週4便の運航を開始する。

ウォン氏はまた、今後、中国からの観光客の大幅な増加を見込んでいるため、州政府は各種観光商品の提供など、必要な準備を整えていると述べた。2023年12月に始まった中国の観光客対象ビザ免除が観光客の増加の主要な要因だとし、今年1-3月にペナンを訪問した中国人観光客数は2万2,420人となり、前年同期の4,768人から4.7倍に急増したとしている。
(マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、5月3日)

ペナン州、独自のIC設計パークの設立計画を発表

【ジョージタウン】 ペナン州政府は4日、同州バヤンレパス工業団地における総面積42.5万ヘクタールの集積回路(IC)設計・デジタルパークの設立計画を正式発表した。2023年にすでに開発に着手しており、マレーシアの「シリコンバレー」としてのペナンの地位を強化する。

第1期では「GBSバイ・ザ・シー」及び「GBSテック・スペース」のオフィスビル2棟が建設される。総面積は35万平方フィートで、投資額は3億4,700万リンギ。今年第4四半期の完成が見込まれている。また第2期では「GBSテクノプレックス」が3億800万リンギで建設される。面積は50万平方フィート。2027年までの完成を予定している。

チョウ・コンヨウ州首相は「50年にわたる卓越した産業を頼りに、ペナンは東洋のシリコンバレーとしての地位を固めるべく着実に進歩している」と言明。IC設計を推進するために、ICパークのオフィススペースのレンタル料金に補助金を出すほか、さらなるインセンティブ・パッケージを準備していると明らかにした。

IC設計ハブについては先ごろ、セランゴール州プチョンにおける4万5,000平方フィート規模の開発計画が発表された。2024年7月の操業開始を目指しており、▽ソフトバンク傘下の英アーム▽台湾系ファイソン・マレーシア▽スカイチップ▽中国・深セン半導体産業協会ーーの入居が決まっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、ベルナマ通信、5月4日)

クラン港で大混雑、コンテナ船は9時間を超える長時間待機

【クアラルンプール】 セランゴール州クラン港のコンテナターミナルで混雑が発生しており、コンテナ船の待機時間は最長9時間に及んでいる。イスラム組織ハマスとの連帯を掲げるイエメンの反政府勢力、フーシ派による船舶への攻撃で多数の船舶がスエズ運河を避け、アフリカの喜望峰を回るルートへの迂回を余儀なくされているためだ。

クラン港湾局(PKA)のスブラマニアム長官によれば、平均待機時間はウエストポートが9.3時間、ノースポートが1.9時間。ルート変更で航海日数が増え、海運会社は航海日程に遅れないよう一部の港への立ち寄りを省かざるを得ず、このため一部の海運会社はクラン港で降ろす貨物を増やしている。これらの貨物は域内港湾に輸送される。

このためヤードでの混雑が特にウエストポートで増している。ガントリークレーンを増やすなどPKAは港湾運営業者と協力しコンテナ処理の円滑化を図っているという。ウエストポートは水深17.5メートルの大水深ターミナルを有する。

クラン港の1-4月の寄港船舶数は4,575隻で、前年同期より5%少なかった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月5日)

高橋農水政務官とアーサー副農業相が協議、二カ国協力などで

【プトラジャヤ/クアラルンプール】 農業食糧安全省は3日声明を発表し、マレーシアを訪問した高橋光男 農水大臣政務官とアーサー・ジョゼフ・クルップ副農業食糧安全相が二国間貿易協力、農業分野、ハラル(イスラムの戒律に則った)ハブとしてのマレーシアの役割について協議したと明らかにした。

アーサー副相は研究分野での日本の技術協力を歓迎し、既存の二国間協力を通じて技術交流が合理化されることへの期待を表明。また日本産農林水産物・食品の輸出に取り組む輸出事業者を包括的・専門的・継続的に支援する「農林水産物・食品輸出支援プラットフォーム」について、より多くの日本企業がハラル市場に参入し、ハラル認証を取得する機会を得られることが期待できる」と評価し、同省がこの取り組みを支援する用意があると述べた。同副相は、高橋政務官に対し、マレーシア農産品の品質を向上させるための日本の支援を求めたという。

高橋政務官は、2日に開催された「農林水産物・食品輸出支援プラットフォーム」の立ち上げ式に出席。記者団に対し、日本産品では牛肉や水産物の輸出が伸びており、健康志向の高まりを背景に日本茶や健康食品の人気も高いと述べた。
(ベルナマ通信、5月3日)

エルニーニョ現象による高温は今後2カ月続く=環境相

【コタバル】 ニック・ナズミ天然資源・環境持続可能性相は2日、エルニーニョ現象による高温が今後2カ月間続くという見通しを明らかにした。天然資源・環境持続可能性省と国家災害管理局(NADMA)が天候の推移を監視するとしている。

ニック・ナズミ大臣によると、今年はマレーシアにとって最も暑い年になる可能性がある。前回同様の高温が発生したのは、1998年のペルリス州だった。

州・地域別では、セランゴール州やクアラルンプールと比較すると、ケランタン州、ペルリス州、ケダ州が高温となっている。気象局の報告では、雨の兆しはあるものの、1ー2カ月は依然高温が続く見込み。

また、国内外で泥炭火災の兆候も見られるため、ヘイズ(煙害)にも警戒を強めているとした。

ニック・ナズミ大臣は、エネルギー移行・水利転換省と連携して水位を監視し、人工降雨の実施を検討する可能性があると述べた。人工降雨のコストは高く、天候要因にも左右されるため、州政府とも協議する。また、特に学生に対し、高温が続くため、水分補給や適切な服装を心がけるよう呼びかけた。
(エッジ、ベルナマ通信、5月2日)

コタバル空港の新ターミナル第1期が完成、運用開始

【コタバル】 クランタン州コタバルのスルタン・イスマイル・ペトラ空港(コタバル空港)の新ターミナル第1期が完成し、1日に運用が開始された。同日はアンワル・イブラヒム首相も視察に訪れた。

旅客取扱能力は第1期では年間150万人となり、直ちに建設を開始する第2期の完成後には同400万人に拡大する見込み。新ターミナルの建設は2027年までに完了する予定だ。

同空港の拡張費用は4億4,000 万リンギで、20以上の航空会社カウンター、立体駐車場、タクシーレーン、ターミナル消防救助ステーション、拡大した駐機スペース、追加のエアロブリッジ、利用客の利便性を高めるキャッシュレス運用システムを備える。

空港運営のマレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)のカマルザマン・ラザリ上級ゼネラルマネジャーは、新ターミナルでは1日あたり30ー35便が離着陸し、1日あたりの乗客数は4,000ー4,500人増加する見込みだと述べた。
(ザ・スター、ザ・サン、5月2日、マレー・メイル、ベルナマ通信、5月1日)

三菱モーターズ、昨年度は「エクスパンダー」を1万1384台販売

【クアラルンプール】 三菱モーターズ・マレーシア(MMM)は、7人乗りのクロスオーバーMPV(多目的車)「エクスパンダー」の2023年度(2023年4月ー2024年3月)の販売台数が1万1,384台となり、非国民車MPV部門で1位を維持したと発表した。

マレーシア市場で2020年から販売されている「エクスパンダー」はパハン州ペカンで生産される現地組立(CKD)モデルで、保険なし価格で10万980リンギからとなっている。

一方、ピックアップトラック「トライトン」の販売台数は8,636台で、ダブルキャブ・ピックアップトラック部門で2位を維持した。MMMは今年1月に「トライトン」の上位モデル「ATプレミアム」の限定版を発売している。
(ポールタン、5月2日)

マイクロソフト、今後4年でマレーシアに22億米ドルを投資へ

【クアラルンプール】 米ソフトウェア大手のマイクロソフトは、マレーシアのクラウドと人工知能(AI)インフラに今後4年間で22億米ドル(約105億リンギ)を投資する。マレーシアを訪問中のサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)が2日、発表した。

マイクロソフトの32年間のマレーシア投資の中でも最高額となる。同社は2021年にも5年間で41億2,000万リンギを投資し、超大規模データセンターを建設し、クラウドサービスを提供すると発表していた。サイバーセキュリティ強化に向け、 マレーシア政府との連携を強化し、「国家AIセンター・オブ・エクセレンス」を設立する。

アンワル・イブラヒム首相は発表を受け、マレーシアはマイクロソフトの投資を歓迎するとし、今回の投資では、システムやインフラを構築するのみではなく、30万人がAIスキルの習得機会を得られ、サイバーセキュリティの強化やシステム開発者コミュニティの成長にもつながるとした。

マイクロソフトは東南アジアへの投資を強化しており、タイでは初となる地域データセンターを開設し、インドネシアではAIとクラウド設備に対する17億米ドル相当の投資を行うということも発表している。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、5月2日、マイクロソフト発表資料)

日本産食品輸出支援プラットフォーム、マレーシアに設置

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本産農林水産物・食品の輸出に取り組む輸出事業者を包括的・専門的・継続的に支援する「農林水産物・食品輸出支援プラットフォーム」がマレーシアに設置され、2日、関係者らをクアラルンプール(KL)の大使公邸に招いて立ち上げ式が開催された。

同プラットフォームは農林水産省、在外公館、日本貿易振興機構(ジェトロ)海外事務所、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)が共同で開設しているもので、マレーシアは9カ国・地域目。イスラム圏では初めてとなる。まずは6月をめどにポータル・サイトを立ち上げる。

▽事業者や地方公共団体からの様々な相談対応および現地発の情報発信▽オールジャパンでのプロモーション活動への支援▽新たな商流の開拓▽現地事業者との連携の強化――が主な活動で、▽ローカルスタッフによる長期的な取り組みや人脈構築の実施(継続性の確保)▽専門人材の登用促進や人材育成の強化(専門性の確保)▽関係部局が共同して輸出拡大に向けた調査を実施(連携の確保)▽地域の実態に即した活動を積極的に実施(地域の主体性の確保)――を図る。

今後の活動についてジェトロKL事務所の高野光一所長は、▽高所得者層だけでなく中間層にもアプローチ。市場調査やハラル(イスラムの戒律に則った)を含む規制などの調査を行う▽商流拡大をめざし、地方・東マレーシアにも範囲を広げる。高級食材を扱う日系以外の飲食店・バイヤーへのアプローチを強化する▽マレーシアの関係者の日本への招聘。生産現場を視察してもらう――といった3点を中心に行っていく考えを表明。また在マレーシア日本大使館と連携して、関係者を集めて不定期に会合を開いて情報交換を行う考えを示した。

同プラットフォームはこれまでに▽米国(ロサンゼルス、ニューヨーク、ヒューストン)▽タイ(バンコク)▽シンガポール▽欧州連合(パリ)▽ベトナム(ホーチミン)▽香港▽中国(上海、北京、広州、成都)▽台湾(台北)ーーの8カ国・地域に設立されている。

ランカウイ島でリニアモーター式軽便鉄道計画、韓国企業と覚書

【アロースター】 ケダ州営企業のペルモダラン・ケダ(PKB)は29日、ランカウイ島におけるリニアモーター(超電導磁気浮上)方式の軽便鉄道(LRT)開発に向けた事業化調査に関し、韓国のロイヤル・エコ・トレイン・デベロップメント(RETD)と覚書を交わした。

RETDとRETDのマレーシア側パートナーであるキュープレックスは技術面の課題、地理、現地経済への影響を調査する。調査は3-6カ月を要するという。
PKBのモハマド・アザド最高経営責任者(CEO)は「輸送インフラに革命を起こし、ランカウイ島の潜在性を100%開放する」と述べた。

RETDのイ・チャンウーCEOによれば、同社が扱うリニアモーターカーはランカウイの自然環境と調和するよう設計され、環境への影響が少なく、鉄道周辺の自然を本来の姿のまま維持することができるという。

リニアモーターカー計画に対し、国民信任党(Amanah)のマーフズ・オマル党首補は水不足問題を挙げ、ムハンマド・サヌシ州首相は5つの浄水場の改善と自動車レース・サーキットの完成を優先すべきと批判。狭いランカウイ島に鉄道は不要とした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月1日、エッジ、4月29日)