雲南省紅茶生産者の地域本部、ゲンティンハイランドに開設

【クアラルンプール】 不動産開発、接客ビジネスを手掛けるNCTグループは中国雲南省鳳慶県の紅茶生産者組合と提携し、同組合の東南アジア地域本部を高原リゾートのゲンティンハイランドにあるウィンダム・イオン・マジェスティック・ホテル内に開設した。

滇紅(てんこう)と呼称される雲南省の紅茶を広く域内に紹介するための拠点。ウィンダム・ホテルはマレーシアで最も標高が高いホテル。販売店は11月に開設しており、30日から12月2日まで展示会も開催した。地域本部としての活動は2025年第1四半期に開始する。

滇紅は長い歴史を持つ、職人技による発酵茶。NCTのヤップ・ガンチョイ代表は「紅茶製造の伝統を世界各地からの客に紹介する。ウィンダム・ホテルは最適の紹介場所で、ホテルのステータスも高まる」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月9日)

シンガポールとの国境検問所、顔認識のボーダーパスを採用

【ジョホールバル】 マレーシア政府は、シンガポールとの国境検問所におけるバス、オートバイ利用者の身元確認で、顔認識・QRコードシステムを組み入れたMyボーダーパスの採用を決定した。政府は3種のアプリケーションを6月から試験運用していた。

検問所はジョホールバルにある第1連絡橋(コーズウエイ)と、第2リンク(シンガポール側はトゥアス)にあり、ボーダーパスのほかMyレンタスとMyトリップが試験配備された。検問所をバス、またはオートバイで通過するマレーシア人は約30万人。ジョホール州運輸・インフラ委員会のモハマド・ファズリ委員長はボーダーパス採用について「顔認識は極めて効率が良い」と語った。顔認識で問題が生じれば、QRコードでの審査、あるいは窓口での審査になる。

ボーダーパスのシステムはまだすべてのバス、オートバイレーンには配備されておらず、モハマド・ファズリ氏は、システム整備のため連邦政府からの資金援助を希望すると述べた。乗用車、トラックの検問所通過では、QRコードによる審査はまだ概念実証の段階にある。外国人が乗員に含まれているケースがあるからだ。
(ザ・スター、ポールタン、ローヤット・ネット、12月9日)

エプソンプレシジョン(M)、CSRに関するプラチナ認証取得

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 セイコーエプソン(本社・長野県諏訪市)は9日、マレーシアとフィリピンの生産拠点がグローバルサプライチェーンのCSRを推進する「責任ある企業同盟(Responsible Business Alliance=RBA)」が実施するVAP監査でプラチナ認証を取得したと発表した。

プラチナ認証を取得したのは、エプソン・プレシジョン・マレーシア(EPMY)とエプソン・プレシジョン(フィリピン)(EPPI)。EPMYは1974年にクアラルンプール(KL)に設立され、水晶デバイスの製造を手掛ける。従業員数は3月末時点で1,639人。

VAP監査は、RBAが認定した独立した第三者機関により実施されるもので、労働、安全衛生、環境、倫理の各項目について、RBA行動規範の遵守状況を評価し、スコア・認証を付与するというもの。VAP監査を実施したEPMYとEPPIはすべての指摘事項を解決し、満点の200点を獲得した施設に与えられるプラチナ認証をそれぞれ取得した。

エプソンは2019年4月にRBAに加盟し、その行動規範に則って主力生産拠点においてVAP監査を自主的に受審し、CSRの向上に努めている。

MCMCが指針導入、情報セキュリティーを強化

【プトラジャヤ】 マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)は9日、通信マルチメディア産業向け、情報・ネットワークセキュリティーに関する指針(INSG)を導入した。情報とネットワークの安全性を高めるのが狙い。

INSGはサービス事業者がネットワーク・インフラを強化することで、サイバーリスクに対処し、消費者を保護することを目的としており、データ漏えいや個人情報の窃盗、フィッシング、マルウェア、ランサムウェア、いやがらせ、児童性的虐待、偽情報、なりすましなどをオンライン上の害に含めている。

INSGは「最善と思われる慣行」との位置づけで、業界による採用は当面任意とし、適切な時期に順守を義務付ける。適用対象は通信マルチメディア法に基づきサービスを提供するすべての業者だが、MCMCはほかの産業部門の企業にも採用を奨励している。任意の期間を設けることで、サービス提供者は順守義務化までの間に指針を導入する時間的余裕が与えられ、意見を当局に寄せることもできるという。

ガイドラインの策定にあたっては、サイバーセキュリティ企業、セキュリティコンサルタント、サービス事業者、省庁、政府機関、学術界など、さまざまな関係者と連携し、議論したという。
(ザ・スター電子版、マレー・メイル、12月9日)

ユーグレナ、マレーシアのバイオ燃料事業に向け増資

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ユーグレナ(本社・東京都港区)は9日、マレーシアにおける商業規模のバイオ燃料製造プロジェクトに向け、ケイマン諸島の特別目的会社、ユーグレナ・サステナブル・インベストメント(ESIL)の増資を実施すると発表した。

ユーグレナは、国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)子会社及びイタリアの石油企業エニの子会社、エニライブと共同で、マレーシアにおいて商業規模のバイオ燃料製造プラントを建設及び運転するプロジェクトを推進しており、2024年9月21日付で合弁パートナー間で商業プラントの建設・運営を担う合弁会社の設立・運営等について定める株主間契約を締結した。

ユーグレナは、同プロジェクトに係る資金の管理・拠出・調達のための特別目的会社として、2024年4月にESILを設立したが、今回ESILを通じた合弁会社に対する資金コミットメントを目的としてESILへの増資を行うことを決議した。

プロドゥアのEV車、「脅威ではない」=プロトン

【クアラルンプール】 ダイハツ系プロドゥアが電気自動車(EV)、「eMO-II」を2025年にも発売する計画であることについて、プロトン・ホールディングスのEV子会社、プロトン・ニューエナジー・テクノロジー(プロネット)は、同社が近く発売するEV「e.MAS7」の脅威ではないとの考えを示した。

「eMO-II」と「e.MAS7」は共にスポーツ車(SUV)タイプのデザイン。「eMO-II」の価格は9万リンギ以下に抑える方針で、月産500台を目標とし、2025年の発売を予定している。一方、開発が先行する「e.MAS7」の価格は12万リンギからで、2025年1月の初納車を予定しているが、販売目標などは明らかにしていない。

プロネットは「ビジネス・トゥデー」に対し「両ブランドは異なる顧客層を対象としており、eMO-IIは脅威とはみなしておらず、むしろ両ブランドが持続可能なモビリティを推進し、マレーシアの自動車産業を発展させるという同じ目標に向かって取り組んでいることは喜ばしいこと」と言明。「両ブランドによる健全な競争は消費者により多くの選択肢を与え、業界を前進させる」と述べた。
(ビジネス・トゥデー、12月6日)

三井不動産の高級コンド、コンレイ来春完成へ

【クアラルンプール】 マレーシア三井不動産は6日、地元の不動産開発会社イースタン・アンド・オリエンタル(E&O)と共同で進めているクアラルンプール(KL)中心部の高級コンドミニアム「コンレイ / THE CONLAY」の上棟式を行った。来年3月に完成予定。

コンレイは51階建てで総戸数491戸。11―34階にある297戸の住宅部分は家具付きで、専有面積743―1,335平方フィート(69―124平方メートル)。E&Oのコック・タックチョン社長によると、2019年から180万リンギ以上で発売され、73%が台湾、中国、韓国などの投資家によりすでに購入済という。35―51階にある194戸は「ブランドレジデンス」として来年3月までに売りに出される予定だ。

そのほか、11階と36階は共有部分として、プールやフィットネス施設、サウナルーム、会議室などを設置。50階はレストランになる予定。マレーシア三井不動産の斉藤正義社長は「コンレイはKLの新たなランドマークとなり、街の将来の成長と活気に貢献すると信じています」とスピーチした。

E&Oは2013年以来、マレーシア三井不動産とKLでコンレイ以外に2つのプロジェクトを手がけている。
(エッジ、12月6日)

データセンター需要増への対応は困難に、マッコーリー見解

【クアラルンプール/シンガポール】 金融サービスグループの豪系マッコーリーは、マレーシアにおけるデータセンター(DC)ブームは続くが、電力供給面でこうした需要増に対応するのは困難との分析を11月29日公表の報告書で示した。

対照的に、タイはDC需要増の恩恵を受け始める見通しで、アマゾン、グーグルによる東部経済回廊への投資はデジタルサービス需要をさらに増大させるという。

マッコーリーのアナリストによると、DCは電力を大量に消費するが、電力が容易に入手できる立地に建設する傾向が強まっており、タイはその恩恵を受けている。データセンター運営業者や投資家は、電力供給がしっかりしている市場を優先投資先とすることが必要になるという。

東南アジアはデータセンター建設増の恩恵を受けており、特にマレーシアでの建設が盛んだ。しかし人工知能(AI)による膨大な計算量を支えるため、DCの消費電力量が急増しており、マレーシアは十分な電力を供給できなくなる恐れがある。

実際、ジョホール州政府は11月、過去5カ月間にDC建設申請のうち30%を不認可にしたと発表した。安易な建設認可は地域社会の水、電力供給をひっ迫させる恐れがあるためだ。
(ビジネス・トゥデー、ビジネス・タイムズ、12月4日)

デジタルプロジェクト2件の遅れ、首相が不満表明

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は国家的デジタル事業のMyデジタルIDと5G(第5世代移動体通信)ネットワーク敷設事業が遅れていることに不満を表明。速やかな解決を当事者に求めた。閣議後の会見でファーミ・ファジル通信相が明らかにした。

MyデジタルID はオンラインユーザーの安全、合法な認証を目的としたアイデンティティー管理とトランザクション(コンピューター処理)署名プラットフォームで、ファーミ氏によると、5日の時点で登録した国民は132万にとどまった。これについてアンワル氏は、国民に登録を促すための方策を2週間以内にまとめるよう、関係者に求めた。5Gネットワーク敷設問題については、第1ネットワークを運営する国営デジタル・ナショナル(DNB)に対し、事業計画の速やかな提出を要請した。

DNB出資協議がまとまらないため、第2ネットワーク工事の入札が遅れているのが遅延の原因。第2ネットワークを敷設・運営するUモバイルは既に事業計画をマレーシア通信マルチメディア委員会に提出したが、DNBは未提出で、1月までの猶予を当局に要請した。しかし首相は月内の提出を求めたという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、12月7日、エッジ、ビジネス・トゥデー、12月6日)

アパレルのyutori、ららぽーとBBCCに海外初の2店舗

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 若者向けアパレルブランドを企画・販売するyutori (東京都世田谷区)は7日、海外初進出としてクアラルンプール(KL)市の「ららぽーとブキ・ビンタンシティセンター(BBCC)」にストリート系の2ブランドをオープンした。

オープンしたのは、原宿に拠点を置く古着ミックスの「9090」と、10ー20代の男女に人気の「Younger Song」。開店初日から多くの若者が詰めかけた。yutoriは2018年創業で、アジア最大のストリートカンパニーへの成長を目標に掲げている。