外国資本制限ある業種の規制緩和を検討=投資貿易産業相

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル投資貿易産業相は、米国との貿易交渉の一環として、現在外国資本制限が課せられている業種について規制緩和を検討する可能性があると述べた。ただこの問題については影響を受ける業界と協議する必要があるとし、具体的な対象分野は明らかにしなかった。

マレーシアは、製造業などではほぼ自由化されているが、金融サービスや通信など、戦略的とみなされる分野における外資規制を設けている。米国との交渉ではこうした非関税障壁が重要な争点となっており、ハラル(イスラムの戒律に則った)認証や政府調達など、マレーシアの国益に関わる重要な問題が対立軸論となっている。

ザフルル氏によると、特定分野において外資株主に対する出資制限を設けている問題は、貿易交渉の中で提起された。今月初め、米国はマレーシア産品すべてに25%の輸入関税を課すと発表したが、8月1日の発効前に交渉の余地があることも示唆している。

ザフルル氏は、「多くの機関や省庁が関わる問題なので、時間が必要だ」と述べ、先週の米国貿易代表との会議では新たな条件は提示されなかったものの、非関税障壁が依然として懸念材料であると強調した。
(ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、エッジ、ベルナマ通信、7月15日)

米国製AIチップ、輸出・積み替えなどに許可義務づけ=MITI

【クアラルンプール】 投資貿易産業省(MITI)は14日、米国製高性能人工知能(AI)チップの輸出、積み替え、通過すべてに戦略貿易許可の取得を義務づけ、即時発効した。

新規制は、2010年戦略貿易法(STA2010)第12条(キャッチオール規制条項)に基づくもの。同法は本来、兵器などに転用される恐れがある製品を「戦略物品リスト(SIL)」で管理するものだが、第12条では、リスト以外の製品でも、当局が定めるものに対しては、輸出・積み替え・通過を手がける企業や個人は、少なくとも30日前までに当局に通知し、許可を得る必要があると定めている。AIチップを正式にSILに入れるかどうかも引き続き検討されるという。

今回の規制の背景には、米国の輸出規制対象であるAIチップが、マレーシア経由で中国へ迂回輸出された疑惑がある。この疑惑が米国による関税措置の交渉にも影響する可能性があり、規制強化に踏み切ったとみられる。

マレーシア半導体産業協会(MSIA)のウォン・シューハイ会長も「積み替え問題を抑制するために政府が講じるべき必要な措置」とし、支持を表明している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、7月14日)

関税率25%は最終決定にあらず、首相がルビオ国務長官と会談

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は10日、一連の東南アジア諸国連合(ASEAN)会議のため来訪したルビオ米国務長官の表敬訪問を受け、米政府がマレーシアに送付した、25%関税を盛り込んだ大統領書簡などについて意見を交換。関税について米側は「一般的手段であり、8月1日の施行までまだ交渉期間がある。マレーシアは域内で重要な貿易相手であり、マレーシアの意見を関税率決定に際し考慮する」との姿勢を示したという。

2国間関係全般についてアンワル氏は「マレーシアがすべての国との友好関係、貿易を望んでいることを米国は理解している。マレーシアはどちらかの味方をしなければならない、との意見もあるが、それは違う。米国は極めて重要な貿易相手だが、マレーシアは国民の利益のため、中国、ASEAN、そのほかの国との関係も強化しなければならない」と述べた。

中東ガザ情勢についてアンワル氏は「大虐殺は直ちに停止されなければならない」とルビオ氏に伝えた。ルビオ氏は停戦が実現するとの楽観的見通しを示したという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、ベルナマ通信、7月10日)

マハティール元首相が100歳、「権力で記憶されたくない」

【プトラジャヤ】 マハティール・モハメド元首相が7月10日で100歳を迎え、これに合わせて配信されたポッドキャスト「Dr. M」で政治家人生における過去の出来事を振り返り、現在の心境などを語った。

マハティール氏は首相になることを夢見たことは一度もなく、首相就任はタイミングと状況によるものだと説明。首相在任中、常に国民に奉仕し権力の濫用を避けることに尽力してきたと強調し、「国民に私の強大な権力で記憶されたくない。ただ国民により良い生活を与えたいとだけ希望している」と述べた。

また1998年のアジア金融危機の際に通貨リンギのペッグ制を敷いたことに触れ、国際的な批判をものともせず大胆な措置を取ったことは国を救うために必要だと判断したからだと説明。「国家危機においては、たとえ国際社会の意見に反することになっても迅速な行動を取らなければならない」とリーダーの心構えを示した。

さらに学生時代を振り返り、常にクラスでトップを目指し他の優秀な生徒と熾烈な競争を繰り広げていたと強調。「勉強で遅れを取っても諦めてはいけない。何度も復習しさらに努力しなさい」と若者にアドバイスした。

最後にマハティール氏は、国民からの祝福や贈り物に感謝の意を表し、生涯を通じて真実を語り続けると述べ、アンワル・イブラヒム首相からも100歳の誕生日を祝う手紙が届いたことを明らかにした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月10日)

関税措置はマレーシア経済に悪影響、外相会議でアンワル首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は9日、ASEAN(東南アジア諸国連合)外相会合の開幕式に出席後の会見で、米政権が発表したマレーシアに対する関税について「交渉団を米国に派遣し、貿易国であるマレーシアは関税でマイナスの影響を受けると説明した。米国との関係は維持しなければならないが、貿易国としてのマレーシアの立場も守る。このため関税率の再考を要請する」と述べた。

米国のルビオ国務長官がASEAN関連会議でマレーシアに来訪するため、10日に会談を持つという。

外相会議開幕式でアンワル氏は「大国が常に貿易を形作ってきたが、今や貿易を規定する力をますます強めている」と述べた。

米国はハラル(イスラムの戒律に則った)とブミプトラ(マレー人と先住民の総称)をかねてから問題にしており、マレーシアのハラル基準は国際基準と比べ厳しすぎると主張している。マレーシアは米国からの牛肉と鶏肉の輸入を禁止している。

外資系企業に対し、ブミプトラによる株式保有(30%)を義務付けた規定も米国は障壁とみなしている。
(ベルナマ通信、アルジャジーラ、フリー・マレーシア・トゥデー、7月9日)

サバ州議会が閉幕、州首相が近い時期の解散を示唆

【コタキナバル】 サバ州のハジジ・ノール首相は8日、同日に閉幕した州議会(第16期)が任期最後の会期になることを確認し、解散が近いことを示唆した。ただ具体的な解散日については明言を避け、「適切な時期に発表する」と述べるにとどまった。議会の任期は11月11日まで。

ハジジ氏は、解散の具体的な日程について「今は言えない。ただ時期は近いということしか言えない。然るべき時期がくればメディアに発表する」と回答。その上で与党連合・サバ国民連合(GRS)の5年間の政権運営について、「政権運営は良好で、州民に大きな発展をもたらした」と評価し、「水道や電力供給の問題は依然として残るものの、これらの問題は前政権から引き継いだものであり、現政権は解決に向けて最善を尽くしている」と説明した。

サバ州議会は、州首相が解散権を行使しない限り、11月11日をもって自動的に解散となる。州議会の5年の任期は初会期が開かれた2020年11月12日から起算されるため、2025年11月11日をもって任期満了となる。選挙は州議会解散から60日以内に実施されなければならない。

第16期サバ州議会は、2020年9月の州選挙を受けて成立し、同年11月12日に初議会が開催された。5年の任期終了が近づくなか、政治的な駆け引きや解散のタイミングに関する注目が高まっている
(マレー・メイル、7月8日、ビジネス・トゥデー、7月6日)

トランプ大統領が新たに課税措置通知、マレーシアは25%

【ワシントン】トランプ米大統領は7日、書簡をもって貿易相手国に新たな課税措置を通知し始めた。マレーシアからの輸入品については8月1日から25%の関税を課す。

書簡を送付されたのは14カ国で、4月発表の相互関税率から引き上げられたのはマレーシアと日本のみ。通知された関税率は、ミャンマーが40%、カンボジアとタイが36%、インドネシアが32%、韓国が25%

書簡はいずれも英文2ページの文書で、関税率は国ごとに異なるが、ほかの記述は宛先を除き同じ内容だった。

トランプ氏は書簡で、14カ国との貿易赤字を修正するために必要な措置だとした。米国はマレーシアからは電子部品を主に輸入している。

書簡では、相手国が関税を取り払い、非関税障壁をなくせば、内容の見直しを考慮する可能性があるとしている。しかし相手国が関税引き上げの報復に出れば、同率の追加関税を課すとした。
(CNBC、7月7日)

アンワル首相がフランス入り、産業界首脳と会談

【パリ】 イタリア訪問を終えたアンワル・イブラヒム首相一行は3日、フランスを2日間の日程で訪問した。4日にはマレーシアに投資している主要企業の首脳と会談した。またバイル首相、マクロン大統領とも会談の予定で、再生可能エネルギー、半導体、国防、デジタル経済、ガザ情勢などについて意見交換する。

円卓会議にはエア・リキード、ロレアル、アクセンス、シュナイダーエレクトリック、タレスなどの経営首脳40人が参加。アンワル氏は自身のエックスアカウントに「マレーシアは東南アジア市場参入の玄関口で、クリーンエネルギー、半導体の領域で今やハブの役割を担っていることを強調した」と投稿した。

その上で、特区やハラル団地への進出、二酸化炭素回収・貯留などの領域でのマレーシア企業との協業を模索するよう求めたという。

フランスの後は5日から7日にかけブラジルのリオデジャネイロで開催される新興国BRICS首脳会議に、ルラ・ダシルバ・ブラジル大統領の招きで参加する。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、7月4日)

拡大サービス税の所得申告、窓口申請を3カ月間許容

【クアラルンプール】 財務省は、7月1日に施行された売上・サービス税の適用対象拡大で新たに課税対象となったサービスについて、7月1日から9月30日までの3カ月間を猶予期間として、事業者に窓口での所得申告を許容する。システムのグレードアップに時間がかかるため直ちに順守するのは困難との業界の意見を考慮した。しかしこの期間も事業者は、政府に代わりサービス税を客から徴収しなければならない。

一方、マレーシア税関は施行前の任意登録を受理する措置を講じたが、これに応じ登録した製造業者は、売上税の課税対象品の原料について課税免除を申請できる。

マレーシア投資開発庁(MIDA)から7月1日以前に免除を許可された事業者は、引き続き免除を受けられる。

7月1日以降に課税対象の工業品を製造し、一定の条件を満たした事業者は、ポータルサイトのMySSTを通じ登録し、免除を申請できる。
(エッジ、ザ・スター電子版、マレー・メール、7月4日)

 

セランゴール州が認可手続きに優先審査を導入、10月から

【サイバージャヤ】 セランゴール州政府は10月に「スピード・セランゴール」政策を開始する。事業・投資関連認可の手続きを簡素化し、これまでより短期間で申請を承認するファストラック(優先審査)方式の導入だ。

アミルディン・シャリ州首相によると、すでに複数の地方政府がファストトラックを導入しているが、これを統合・整理し、州全体として実施する。

ファストトラックの対象は6-7種の認可事業で、まず開発・投資認可から適用する。通常、認可手続きは2カ月かかるが、これを1カ月に短縮する。
州政府はまた、苦情処理、住宅リフォーム認可手続きなど一般市民にかかわる案件も審査迅速化の対象にする意向だ。

アミルディン氏は廃棄物の不法投棄にも言及し、地主や管理業者に対する厳罰など厳しい姿勢で臨むには相応の法律条項が必要とし、法改正を目指す意向を示した。
(エッジ、マレー・メール、7月3日)