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食品包装材の製造を手掛けるヒロフード・パッケージズ・マニュファクチャリングや食品輸入及び飲食店経営を手掛けるDOKAなど幅広くビジネスを手掛ける鈴木一郎さん。昨今の新型コロナウイルス「Covid-19」対策を中心にお話を伺った。

コロナ禍、主力の包装事業は大打撃

——鈴木さんは食品包装材製造や食品輸入、飲食店経営、ゴルフ練習場経営などいくつかのビジネスを手掛けておられます。新型コロナウイルスの影響はどうだったのでしょうか?

鈴木:感染拡大防止に向けて行動制限令(MCO)が3月18日に発令されてから、食品輸入部門と飲食、ゴルフ練習場のすべてが操業ストップしました。包装材部門については、政府が発表した必需品・サービスに対する規制除外措置を受けて操業が認められました。包装資材がないと食品などを消費者に届けられないといった流通面の問題があるので、政府が製造を認めています。

——当初の規制除外申請は、MIDA(投資開発庁)に申請して許可を得るという形でスタートしました。

鈴木:除外項目について政府からガイドラインが出ていたのですが、いろいろな業種がダメモトで申請に押し掛けたみたいで、それでMIDA(投資開発庁)の受け付けサイトがパンクしたんですね。弊社はパンクする直前に申請したのでサイトに入れましたので、申請に間に合いました。MIDA(投資開発庁)は締め切った後は一切許可を出さなかったので、中には資格があるのに申請が間に合わずに認可を受けられなかった会社もあったようです。

——包装材製造に関する稼動許可はおりても稼働率が制限されました。

鈴木:生産は当初は半分以下に落ち込みました。飲食店のイート・インはダメですがテイク・アウェイが認められたので、国内におけるテイク・アウェイ用包装材の需要は増えましたが、弊社の包装材の約80%が海外向けでしたので、海外向け輸出が落ち込んだために大きな影響を受けました。米国市場はそれほどではなかったのですが、豪州、欧州向けは一時ほとんどゼロになってしまいました。それが足を引っ張って全体の売り上げが落ちました。

製品あってもダンボールがない

——サプライチェーンの関係でプラスチック素材原料が滞ったり、完成した製品の配送が滞ったりするという問題があったと聞きます。

 鈴木:当初は問題が起きました。原料は海外から一部入れていますが、それ以外はほとんど国内で調達していますので原料調達に関する問題はありませんでしたが、製品が出来てもそれを入れるカートンボックスが無いという状況が起きました。カートンボックス業者の中には必需品の申請をしていないところもあったので需要がパンクする状態となりました。弊社では5社くらいのカートンボックス業者にお願いをしているのですが、申請したのは1社ぐらいだったのではないでしょうか。スペックに応じて分けて発注していましたので、製品に合うカートボックスが足りないという事態が起きました。

——物流はどうでしたか?

鈴木:物流は概ね良好でした。他社も使っていますが自社で配送トラックを何台かもっているので、それで配送を賄ったので大きな問題はありませんでした。

——半分以下しか人員が使えませんでしたが、どのように対策されましたか?

鈴木:管理部門を中心に基本は在宅勤務にしました。出社する従業員を通常の半分以下にしなければならないということだったので、なるべく人員を製造部門に割り当てました。外国人労働者を在宅にしてローカルスタッフを出すという形です。ローカルの幹部スタッフは全員出勤にしました。有給休暇をとらせるとか無給休暇をとらせるというとことは一切していません。ただし稼動時間も短くなったのもあって、残業はなくなりました。残業がなくなった以外、手当てはカットしていません。

新たなビジネスの兆し

——規制はかなり緩和されましたが、いちおう8月末までが復興のための行動制限令(RMCO)となっていますが。

鈴木:売り上げが減少したままの状態が続けば厳しくなりますね。今は内部留保から出して凌いでいますが、この先数カ月が大変になると思います。我々中小企業はそれほど余裕がないので、8月末というラインがさらに伸びるようなことになると厳しいですね。どれだけ市況が戻ってくるか。売り上げの大半を占める輸出については、最悪の時に比べると多少は戻ってきていますが、回復の角度がどの程度かによりますね。

——国内需要はどの程度戻ってきているのでしょうか? 鈴木:国内需要については通常に戻ってきていますね。飲食業界ではコロナの関係で社会的距離をとることが求められる中、新しいビジネスが産まれてきています。MCO発令当初はつぶれてしまった飲食店も多かったですが、もし生き残ろうと思えば規模を縮小するか、新たな形態のビジネスに乗り出す必要があります。イート・インができないのでテイクアウェイをやるようになっています。マーケットが広がっているなと感じる部分でもあります。

 やっぱり現場の人間関係

——DOKAでは日本酒輸入に力を入れておられますが、アルコール飲料については輸入規制が厳しくなっていると聞いています。ビジネスの上で何かと規制が問題になります。

鈴木:輸入車の輸入許可証(AP)と同じような輸入枠があるんですね。またライセンスをとってもいくらでも輸入できるわけでもない。ちょっとでも以前のものと違うとはねられてしまいます。ボトルサイズやラベルデザインが変わると新たに申請しないといけない。

——マレーシアでは許認可などで大変な時もあるかと思いますが、企業トップとして何か政治的な働きかけはされることはあるのでしょうか?

鈴木:ビジネスマンとして努めて政治には関わらないようにしています。特に根回しのようなことはしません。実際ライセンス取得手続きなどはなかなか進まないですが、時間をかけてもいいから現場レベルで人間関係をつくっていく。それが僕の基本です。日本人は勘違いをしがちですが、我々は外国人であり、軒先を貸してもらってビジネスをやらせていただいているという意識を持ち続けることが必要だと思います。

 

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