観光産業は改善の兆しを見せている=観光芸術文化相

【クアラルンプール】 ナンシー・シュクリ観光芸術文化相は、6月10日に復興のための行動制限令(RMCO)が施行され、観光事業の営業が再開されたことから、国内の観光産業は改善の兆しを見せていると明らかにした。
国会の質疑で、新型コロナウイルスの感染拡大後の国内の観光促進キャンペーンについて質問を受けたシュクリ大臣は、複数のシティホテルやリゾートの平均宿泊率は改善しているとした。特に島やビーチ、高原など自然に特化した場所で回復していると言明。週ごとの宿泊率も前の週に比べて増加を示しており、大幅ではないものの前向きな傾向を見せていると強調した。一方で、格安航空会社エアアジアが6月10ー28日の間に実施した国内旅行促進キャンペーンでは7月ー9月の航空券が18万枚売れたと言及。ホテルや航空券、旅行パッケージ、入場券など、魅力的なキャンペーンを実施したことで結果は出ていると説明した。
一方で、インバウンド旅行促進キャンペーン「ビジットマレーシア2020(VM2020)」については、中止となったため次のキャンペーンには9,000万リンギを割り当てる予定だと言明。対象としては、グリーンゾーンを考えているとし、状況を見守っているとした。
(ベルナマ通信、7月27日)

日本M&Aセンター、マレーシアに駐在員事務所を開設

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 大手合併・買収(M&A)仲介会社の日本M&Aセンター(本社・東京都千代田区)は27日、近年増加しているクロスボーダーM&Aの中でも特にニーズが強い東南アジアへの対応強化を目的として、3月10日にマレーシア駐在員事務所を開設したと発表した。
東南アジア諸国連合(ASEAN)でのカバー率を上げることで、日本とASEANのクロスボーダーM&A案件の情報量・成約件数の増加を図る。事務所は、所長1人と現地スタッフ1人の2人体制で運営する。
同社は、日本企業の海外進出および海外子会社の売却などに伴うクロスボーダーM&A案件の需要増加に対応するため2013年4月に海外支援室を設置、2016年4月には中小企業(SME)のM&Aで強いニーズのあるASEAN向けにシンガポール・オフィスを開設した。その後インドネシア駐在員事務所とベトナム現地法人をそれぞれ2019年10月と2020年2月に設立した。

道路交通法改正案が国会提出、飲酒運転などの罰則強化

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 運輸省は27日、飲酒及び薬物摂取を伴う運転に対する罰則強化を盛り込んだ「2020年道路交通法(改正)」法案を下院議会に提出した。
既存の「1987年道路交通法」を大幅に見直すもので、これによると飲酒運転の定義はこれまでの呼気中のアルコール濃度が0.35mg/L、血中が同0.8mg/ml(0.08%)だったが、それぞれ0.22mg/L、0.5mg/mlに厳格化される。
飲酒運転の罰則(初犯)はこれまでの罰金1,000リンギ以下から罰金1,000—5,000リンギとなる。また飲酒運転時に死亡事故を起こした場合の罰則は、これまでの罰金8,000—2万リンギ、禁固3—10年、免許取り消し5年以下から罰金5—10万リンギ、禁固10—15年、免許取り消し10年以下に強化される。
ウィー・カション運輸相によると、運転していなくても飲酒状態で運転席に座っていた場合には路肩であれば飲酒運転とみなされる。ウィー氏は「酔いを醒ます場合は助手席に座るか、路上以外の場所に停めるべき」とした。

中国公船の侵犯絶えず、与党内部からも対中強硬意見

 先ごろマレーシア会計検査院が、2016年から2019年にかけて中国公船によるマレーシアの領海侵犯が89回に及んでいることを明らかにした。中国に抗議したのはわずか5回のみだったという。

 南シナ海での中国船の侵犯行為に対しては、多くのケースでマレーシアで発表されず報道もされてこなかった。マレーシアに多額の投資を行い、多数の観光客を送り込んでくる中国への配慮があったと考えられるが、このショッキングな報告を受けて与党内からも政府の対応に批判の声が上がっている。

 会計検査院の発表を受けたヒシャムディン・フセインディン外相は15日、最近ではマレーシア領海への中国公船の侵犯は起きていないと主張。3月の外相就任以来、中国やその他の国との関係改善に取り組んできたと強調し、南シナ海問題については我が国の主権に対して妥協はしないと述べた。その上で「海洋での突発事態は最も懸念されることであり、最終的には戦争につながる可能性がある。軍事は問題解決に役立たないことをすべての東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国が同意する必要がある」とした。

 これに対し身内であるアニファ・アマン元外相は、中国公船の侵犯がその後も続いているとし、ヒシャムディン外相に対し「現実を意図的に無視しているか、もしくは無知であり、失望している」と痛烈に批判。海洋及び戦略的利益を政治的に弄んでいると指摘し、継続的な中国の領海侵犯に対してマレーシアの主権をより積極的に擁護しなければならないと述べた。

 アニファ氏によると、4月には中国の調査船が国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)の探査船を追尾する事件が発生したが、政府は何ら声明を発表することはなかった。中国海警局の船舶は5、6、7月にも目撃されている。

 アニファ氏は、「マレーシアが南シナ海の海域に対する中国の主張を認めたことは一度もなく、マレーシア政府はマレーシアの海事と戦略的利益が危険に晒されないよう断固とした立場を維持する必要があると述べた。

 リベラル系の「サラワク・リポート」は、ヒシャムディン外相の発言や対応について、従兄弟であるナジブ・ラザク元首相の中国との深い関係が影響していると指摘している。1MDBによる巨額損失を隠蔽するために中国国営企業から多額のバックマージンがナジブ氏にわたっており、中国にもの申せない立場になってしまったというわけだ。

 シンクタンク、エミル・リサーチのジェイスン・ロー氏は、南シナ海問題に関する限り、中国とは「友」であると同時に「敵」でもあるという現実を受け入れて実在的な緊張(フレネミー)を維持する必要があると指摘。具体的には▽中国軍艦の寄港拒否▽EEZ内にある中国民間船への中国公船同行の中止を要求▽調査・研究目的で派遣された中国民間船の監視▽EEZ内での漁業禁止——などを実施すべきだとし、一方で国防体制を強化し、ASEAN各国と安全保障協力を強化すべきだとした。

 ロー氏は、「これまでの中立策と緩和策の慣行から脱却するしかない」と、過去のマレーシア政府がとり続けていた対中国政策が機能していないと批判。外交的な対立や武力衝突のリスクを恐れず、国益に則って主張・抗議を地道に続けていかなければならないとしている。

 先ごろマレーシア会計検査院が、2016年から2019年にかけて中国公船によるマレーシアの領海侵犯が89回に及んでいることを明らかにした。中国に抗議したのはわずか5回のみだったという。

 南シナ海での中国船の侵犯行為に対しては、多くのケースでマレーシアで発表されず報道もされてこなかった。マレーシアに多額の投資を行い、多数の観光客を送り込んでくる中国への配慮があったと考えられるが、このショッキングな報告を受けて与党内からも政府の対応に批判の声が上がっている。

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 会計検査院の発表を受けたヒシャムディン・フセインディン外相は15日、最近ではマレーシア領海への中国公船の侵犯は起きていないと主張。3月の外相就任以来、中国やその他の国との関係改善に取り組んできたと強調し、南シナ海問題については我が国の主権に対して妥協はしないと述べた。その上で「海洋での突発事態は最も懸念されることであり、最終的には戦争につながる可能性がある。軍事は問題解決に役立たないことをすべての東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国が同意する必要がある」とした。

 これに対し身内であるアニファ・アマン元外相は、中国公船の侵犯がその後も続いているとし、ヒシャムディン外相に対し「現実を意図的に無視しているか、もしくは無知であり、失望している」と痛烈に批判。海洋及び戦略的利益を政治的に弄んでいると指摘し、継続的な中国の領海侵犯に対してマレーシアの主権をより積極的に擁護しなければならないと述べた。

 アニファ氏によると、4月には中国の調査船が国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)の探査船を追尾する事件が発生したが、政府は何ら声明を発表することはなかった。中国海警局の船舶は5、6、7月にも目撃されている。

 アニファ氏は、「マレーシアが南シナ海の海域に対する中国の主張を認めたことは一度もなく、マレーシア政府はマレーシアの海事と戦略的利益が危険に晒されないよう断固とした立場を維持する必要があると述べた。

 リベラル系の「サラワク・リポート」は、ヒシャムディン外相の発言や対応について、従兄弟であるナジブ•ラザク元首相の中国との深い関係が影響していると指摘している。1MDBによる巨額損失を隠蔽するために中国国営企業から多額のバックマージンがナジブ氏にわたっており、中国にもの申せない立場になってしまったというわけだ。

 シンクタンク、エミル・リサーチのジェイスン・ロー氏は、南シナ海問題に関する限り、中国とは「友」であると同時に「敵」でもあるという現実を受け入れて実在的な緊張(フレネミー)を維持する必要があると指摘。具体的には▽中国軍艦の寄港拒否▽EEZ内にある中国民間船への中国公船同行の中止を要求▽調査・研究目的で派遣された中国民間船の監視▽EEZ内での漁業禁止——などを実施すべきだとし、一方で国防体制を強化し、ASEAN各国と安全保障協力を強化すべきだとした。

 ロー氏は、「これまでの中立策と緩和策の慣行から脱却するしかない」と、過去のマレーシア政府がとり続けていた対中国政策が機能していないと批判。外交的な対立や武力衝突のリスクを恐れず、国益に則って主張・抗議を地道に続けていかなければならないとしている。

 先ごろマレーシア会計検査院が、2016年から2019年にかけて中国公船によるマレーシアの領海侵犯が89回に及んでいることを明らかにした。中国に抗議したのはわずか5回のみだったという。

 南シナ海での中国船の侵犯行為に対しては、多くのケースでマレーシアで発表されず報道もされてこなかった。マレーシアに多額の投資を行い、多数の観光客を送り込んでくる中国への配慮があったと考えられるが、このショッキングな報告を受けて与党内からも政府の対応に批判の声が上がっている。

 会計検査院の発表を受けたヒシャムディン・フセインディン外相は15日、最近ではマレーシア領海への中国公船の侵犯は起きていないと主張。3月の外相就任以来、中国やその他の国との関係改善に取り組んできたと強調し、南シナ海問題については我が国の主権に対して妥協はしないと述べた。その上で「海洋での突発事態は最も懸念されることであり、最終的には戦争につながる可能性がある。軍事は問題解決に役立たないことをすべての東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国が同意する必要がある」とした。

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 これに対し身内であるアニファ・アマン元外相は、中国公船の侵犯がその後も続いているとし、ヒシャムディン外相に対し「現実を意図的に無視しているか、もしくは無知であり、失望している」と痛烈に批判。海洋及び戦略的利益を政治的に弄んでいると指摘し、継続的な中国の領海侵犯に対してマレーシアの主権をより積極的に擁護しなければならないと述べた。

 アニファ氏によると、4月には中国の調査船が国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)の探査船を追尾する事件が発生したが、政府は何ら声明を発表することはなかった。中国海警局の船舶は5、6、7月にも目撃されている。

 アニファ氏は、「マレーシアが南シナ海の海域に対する中国の主張を認めたことは一度もなく、マレーシア政府はマレーシアの海事と戦略的利益が危険に晒されないよう断固とした立場を維持する必要があると述べた。

 リベラル系の「サラワク・リポート」は、ヒシャムディン外相の発言や対応について、従兄弟であるナジブ•ラザク元首相の中国との深い関係が影響していると指摘している。1MDBによる巨額損失を隠蔽するために中国国営企業から多額のバックマージンがナジブ氏にわたっており、中国にもの申せない立場になってしまったというわけだ。

 シンクタンク、エミル・リサーチのジェイスン・ロー氏は、南シナ海問題に関する限り、中国とは「友」であると同時に「敵」でもあるという現実を受け入れて実在的な緊張(フレネミー)を維持する必要があると指摘。具体的には▽中国軍艦の寄港拒否▽EEZ内にある中国民間船への中国公船同行の中止を要求▽調査・研究目的で派遣された中国民間船の監視▽EEZ内での漁業禁止——などを実施すべきだとし、一方で国防体制を強化し、ASEAN各国と安全保障協力を強化すべきだとした。

 ロー氏は、「これまでの中立策と緩和策の慣行から脱却するしかない」と、過去のマレーシア政府がとり続けていた対中国政策が機能していないと批判。外交的な対立や武力衝突のリスクを恐れず、国益に則って主張・抗議を地道に続けていかなければならないとしている。

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ナジブ元首相に有罪判決、1MDB裁判最初の7件で

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国営投資ファンド、ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)の巨額資金不正流用を巡る一連の裁判で28日に最初の判決があり、クアラルンプール(KL)高等裁判所は7件の罪状についてナジブ・ラザク被告(元首相)に有罪を言い渡した。

 判決があったのは、1MDBの元子会社だったSRCインターナショナルからナジブ氏の口座に4,200万リンギが振り込まれた件に関連する、3件の背任(CBT)と3件のマネーロンダリング(資金洗浄)、1件の職権濫用の罪状に関するもの。有罪が確定すればそれぞれの罪状で15—20年の禁固刑のほか多額の罰金が科されることになる。
ナジブ氏の弁護団は、証拠とされる文書にあるナジブ氏の署名については偽造されたものだとし、送金についてはサウジアラビア王族からの寄付であると国外逃亡中のロー・テックジョー(通称ジョン・ロー)容疑者から説明を受けていたがナジブ氏自身は関与していないとして無罪を主張。ロー容疑者が1MDB事件の主犯だとしていた。
ナジブ被告は控訴する方針を示しており、裁判は控訴審、連邦裁判所までいくとみられる。ナジブ被告は下院議席を有罪が確定するまで維持できるが、それまでに解散・総選挙となった場合には出馬することはできない。
同被告は1MDBに関連する合計5つの裁判で合計42件の罪状に問われている。
一連の1MDBを巡る裁判では、ナジブ被告の義理の息子で映画プロデューサーのリザ・アジズ氏も、1MDB資金の一部を流用したマネーロンダリングの罪で起訴されたが、今年5月に1億730万米ドルを返還することを条件に起訴が突然取り下げられている。このため司法の中立性に対する疑問からナジブ氏の裁判が公正に行なわれるか危ぶむ声も上がっていた。

新型コロナ感染者が新たに39人、うち28人は国内感染者

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は28日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から39人増えて8,943人になったと発表した。

新規感染者のうち11人は海外で感染した帰国者で、28人がサラワク州(21人)、ケダ州(5人)、サバ州(2人)で感染した国内感染者だった。また新たに6人が退院し回復者数は8,607人に増加した。死者数は3日連続ゼロで、124人を維持した。

8月1日から施行される外出時のフェイスマスク着用の義務付けについて保健省のノール・ヒシャム事務次官は27日、最初の焦点はバスや電車などの公共交通機関に当てられると言明。交通機関のフル稼働により社会的距離の確保が難しいとし、個人間のコンプライアンスが重要だとした。フェイスマスク着用により新型コロナの感染拡大を60%抑えることができるという。また今回の発令は「1988年感染症予防管理法(342法)」に基いたものであり、違反がみつかった場合には1,000リンギの罰金が科される場合があると強調した。