JB—星間RTS、建設費37億リンギをマレーシアが負担

【ジョホールバル】 2021年初に着工、2026年末までに開業を予定しているジョホールバル(JB)—シンガポール間の高速鉄道輸送システム(RTS)について、ウィー・カション運輸相は、総建設費約100億リンギのうち37億リンギ(39%)をマレーシアが負担すると明らかにした。
全長4キロメートル(Km)のうちマレーシアは2.7km、シンガポールは1.3kmとなる。1時間あたり片道1万人の輸送能力を持ち、1日あたり最大28万8,000人乗客輸送が可能だ。運賃については、プロジェクトがほぼ完了した時点で発表される予定で、40%の低所得者層(B40)を含むすべての人々が考慮されるという。
また、JBのブキ・チャガルとシンガポールのウッドランズにそれぞれ税関、税関・出入国管理局・検疫(CIQ)施設を建設する予定で、ブキ・チャガルのCIQには商業用スペースや1,500台が収容できる公共用駐車場を設ける。両当局が共同で管理するメンテナンスおよび運転施設は、JBのワディハナに設立する。これらの施設において少なくとも1,500人の雇用機会の創出および、プロジェクト全体で少なくとも150の裾野産業に利益をもたらすことが見込まれている。
両政府間において、▽シンガポールの首都圏大量高速輸送(MRT)トムソン・イーストコースト線(TEL)システムから軽便鉄道(LRT)システムへの変更▽マレーシア側のインフラ会社を、プラサラナからマス・ラピッド・トランジット・コーポレーションの子会社であるマレーシア・ラピッド・トランジット・システムに変更ーーの2件の変更が同意された。またシンガポールSMRT RTSープラサラナRTSオペレーション間における合弁契約の締結および二国間協定の修正の下で両国は、30年間の運転をRTSオペレーションズに指名することでコンセッション契約に合意した。
RTSについてウィー運輸相は、両国を結ぶ連絡道(コーズウェイ)の交通渋滞を緩和するために不可欠であると言明。プロジェクトが予定通りに実行されることを保証するためのコミットメントを両政府が表明したと明らかにした。
(ザ・スター、7月31日、マレー・メイル、7月30日)

ナジブ元首相有罪判決、野党連合「国民の大きな勝利」

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ナジブ・ラザク元首相が28日、国営投資会社ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)巨額資金不正流用事件に関連して高裁で禁固12年、罰金2.1億リンギの有罪判決を受けたことについて、各方面から様々な反応が上がっている。
ナジブ氏の汚職を追及してきた野党連合・希望同盟(PH)の構成党党首会議は、公正な裁判を評価した上で、国民にとって大きな勝利と宣言。国民戦線(BN)政権時期の政治的堕落を繰り返さないために包括的な制度改革が行われなければならないとした。
ナジブ氏の部下であった与党・国民連盟(PN)構成党・統一マレー国民組織(UMNO)のアハマド・ザヒド・ハミディ総裁(元副首相)は、判決後にナジブ氏から「これで終わった訳ではない」と上訴の意向を示されたことを明らかにし、党として近く何らかの重大決定を行なう方針を示した。
一方、かねてから党の長老支配に異を唱えていたカイリー・ジャマルディン前UMNO青年部長(科学技術革新相)は、「ナジブ氏を支持する権利は誰にでもあるが、私はこの裁判に党が引きずられないことを望んでいる」と言明。これを機に党の若返りを図るべきだと述べた。
PN政権を率いるムヒディン・ヤシン首相は、「友人たち(ナジブ氏支持者)の感情は理解するが、政府は常に法の支配の原則を支持する」と述べるにとどまった。
■控訴審では逆転のチャンスある=首席弁護人■
首席弁護人のムハンマド・シャフィー・アブドラ弁護士は、「ナジブ氏の失敗は過度に1MDBやSRCの役員たちを信頼し過ぎたこと。彼は1MDBの内情や送金に関する実情は知らなかった」と主張。判決に関しては「合理的な疑いがある場合には棄却しなければならない」という刑法の原則を裁判官が理解していないと批判し、控訴審では十分に逆転するチャンスがあると述べた。
在宅起訴されていたナジブ氏はただちに控訴する方針を示しており、裁判所は100万リンギの保釈金を条件に保釈を認めた。同氏の国会議員の資格は判決が確定するまで維持される。

銀行ローンの返済猶予、一部を対象に3カ月延長

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相は29日、テレビ演説を行ない、9月いっぱいで終了する銀行ローンの返済猶予措置について、失業者など特定のグループを対象に3カ月延長すると発表した。

失業者は、さらに3カ月のローン返済猶予措置を受けることができる。その後、各人の状況に基づきさらに猶予措置の延長を受けることが可能となる。

また勤務は続けているものの給与カットを受けた者についても、ローンの種類と給与減額の幅に応じて月々の分割払い金額を削減する。同措置は6カ月間だが、状況に応じて延長申請も可能としている。

個人もしくは中小企業(SME)についても銀行側は支援を約束しており、返済繰り延べや金利分だけ返済する方式など、借り手の財務状況が安定するまで支援が受けられる。

対象者は8月7日から銀行に申請することが出来る。

政府は新型コロナウイルス「Covid-19」抑制に向けた行動制限令(MCO)発令に伴い、銀行ローンの返済猶予措置を4月1日付けで6カ月の時限措置として発効していた。7月20日現在、770万人の個人が総額383億リンギ相当、中小企業24万3,000社が207億リンギ相当の融資に関する返済猶予措置をそれぞれ受けている。

銀行ローンの返済猶予措置期間が9月いっぱいで終了することに関して、マレーシア製造業者連盟(FMM)は、多くの中小企業が存続できなくなる恐れがあるとして措置延長を訴えていた。

ナジブ元首相に有罪判決、1MDB裁判最初の7件で

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国営投資ファンド、ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)の巨額資金不正流用を巡る一連の裁判で28日に最初の判決があり、クアラルンプール(KL)高等裁判所は7件の罪状についてナジブ・ラザク被告(元首相)に有罪を言い渡した。

 判決があったのは、1MDBの元子会社だったSRCインターナショナルからナジブ氏の口座に4,200万リンギが振り込まれた件に関連する、3件の背任(CBT)と3件のマネーロンダリング(資金洗浄)、1件の職権濫用の罪状に関するもの。有罪が確定すればそれぞれの罪状で15—20年の禁固刑のほか多額の罰金が科されることになる。
ナジブ氏の弁護団は、証拠とされる文書にあるナジブ氏の署名については偽造されたものだとし、送金についてはサウジアラビア王族からの寄付であると国外逃亡中のロー・テックジョー(通称ジョン・ロー)容疑者から説明を受けていたがナジブ氏自身は関与していないとして無罪を主張。ロー容疑者が1MDB事件の主犯だとしていた。
ナジブ被告は控訴する方針を示しており、裁判は控訴審、連邦裁判所までいくとみられる。ナジブ被告は下院議席を有罪が確定するまで維持できるが、それまでに解散・総選挙となった場合には出馬することはできない。
同被告は1MDBに関連する合計5つの裁判で合計42件の罪状に問われている。
一連の1MDBを巡る裁判では、ナジブ被告の義理の息子で映画プロデューサーのリザ・アジズ氏も、1MDB資金の一部を流用したマネーロンダリングの罪で起訴されたが、今年5月に1億730万米ドルを返還することを条件に起訴が突然取り下げられている。このため司法の中立性に対する疑問からナジブ氏の裁判が公正に行なわれるか危ぶむ声も上がっていた。

当面は州跨ぎの移動は禁止せず=サブリ上級相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は、31日の「ハリラヤ・ハジ」(犠牲祭)に関連して、当面は州を跨いだ移動を禁じる考えのないことを明らかにした。

  27日に発表された「ハリラヤ・ハジ」のガイドラインによると、州を跨いだ帰省は自由だが標準的運用手順(SOP)に従うことが条件。私邸などで行なう私的な祝賀の集まりは20人を上限とすること、一カ所で実施する犠牲動物の頭数を10頭以下とすることなどが守られない場合は摘発するという。

  新型コロナウイルス「Covid-19」新規感染者が増加傾向にあることを受けてサブリ氏は25日、復興のための行動制限令(RMCO)よって緩和されたSOPについて再び厳格化することを閣議決定したと発表。翌26日には、新規感染者数が三桁になった場合には再び行動制限令(MCO)を再度発令する可能性があると警告していた。

 ■サラワク州の独自規制は容認■

  サブリ氏はまた、感染者が増加傾向にあるサラワク州が8月1—14日の期間限定で導入する独自規制について容認する考えを表明した。

  同州はゾーン1(イエローとレッド)とゾーン2(グリーン)間の無許可の移動を禁止する方針で、また半島部やサバ州、ラブアンからの航空便も減便するとしている。

ソーシャルメディア動画はライセンス不要、閣僚が発言撤回

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 サイフディン・アブドラ通信マルチメディア相は24日、ソーシャルメディアなどの動画配信にライセンス取得が必要だとする先の発言について全面撤回。オンライン動画作成や投稿は自由に行なうことができると言明した
サイフディン氏は、改めて「1981年国家映画発展局(Finas)法」を時代に合わせるために改正すると言明。ソーシャルメディアの動画配信については、「マレーシア政府はメディアの自由の原則とソーシャルメディアサイトにおける個人の自由に対する権利を支持する立場を維持する」とし、これまで通り自由に発信することができるとした。
サイフディン氏は先の国会答弁で、すべての映像製作者が国家映画発展局より製作ライセンス及び撮影許可を取得する必要があると言明。ソーシャルメディアの動画配信にもライセンスが必要と発言し、表現の自由に抵触するとして批判を浴びていた。
批判を受けたサイフディン氏は、YouTubeなどのソーシャルメディアの動画が既存のFinas法の適用を受けるという現状を説明しただけで、政府にはソーシャルメディア上での個人の表現の自由を制限する意図はないと釈明したが、野党・人民正義党(PKR)のファミ・ファジル議員は、サイフディン氏の弁明はソーシャルメディアユーザーの怒りを逸らそうとするだけで、ユーチューバーなどが実際にライセンスを必要とするのかどうか肝心の点が明確にされていないと批判していた。

日マ防衛閣僚が電話会談、南シナ海問題などで意見交換

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 河野太郎防衛相とイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は、20日に電話会談を行い、中国が実行支配地域の拡大を続けている南シナ海の問題、新型コロナウイルス「Covid-19」対策における防衛当局の役割などで意見を交換した。
サブリ氏は、対話と協議を通じて平和的かつ合理的な方法で南シナ海地域を管理すべきとの立場を維持するとのマレーシアの基本方針を河野氏に説明。南シナ海の平和、安全、安定を確保するためにすべての当事者が協力することの重要性を強調した。
河野氏は、東・南シナ海における最近の事例を念頭に、力を背景とした一方的な現状変更の試み、緊張を高めるいかなる行為にも強く反対すること、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序が重要であるとの日本の立場を説明。両国が隙のない防衛態勢を維持していくこと、日マ防衛協力・交流を継続・強化していくことの重要性を指摘した。

公共の場でのマスク着用義務化を検討=ムヒディン首相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相は20日、復興のための行動制限令(RMCO)に関する特別テレビ演説を行ない、公共の場所におけるマスク着用の義務化を検討していることを明らかにした。

新型コロナウイルス「Covid-19」感染が再び拡大することを防止するためで、ムヒディン首相は詳細については決まり次第発表すると言明。必要に応じて海外帰国者についても隔離センターに留めおくなどして、海外からの感染流入を効果的に抑制すると述べた。

ムヒディン首相は、収束に向かっていた新型コロナウイルスのクラスターがRMCO期間中に13カ所で発生したことに加え、数日前に新規感染者数が二桁に戻ったことが懸念されると指摘。「国民がロックダウンの実施を望んでいないことは分かっており、そうした危険レベルに達することがないよう願っている」と述べた上で、国民の「新常態」に対する取り組みが不十分であれば、再び行動制限令(MCO)を導入することになると警告した。

ムヒディン首相はMCOを再導入した場合には1日当たり20億リンギの経済損失を産み、数百万人の被雇用者の収入に影響を及ぼす恐れがあると指摘。これまでの政府、民間、NGOが行なってきた経済復活への取り組みを台無しにし来年の経済成長にも影響を及ぼし、企業の倒産や失業率の上昇を産むと述べた。

与党PPBM、ムヒディン党首が無投票再選

【クアラルンプール】 与党・国民連盟(PN)構成党、統一プリブミ党(PPBM)は17日、8月に予定している党役員選挙に先駆けて、非公式ながらムヒディン・ヤシン党首(首相)が再選を決めたことを明らかにした。
党選挙委員会のサイド・ハミド議長は、立候補締め切りまでにムヒディン氏以外に立候補者が出なかったためと説明。8月に他の役員選が終わった後に正式発表するとした。副党首ポストについて、アハマド・ファイザル・アズム(ペラ州首相)が対抗馬なしのため無投票当選を果たした。ただ議長選については立候補者がいなかった。議長ポストは、マハティール・モハマド前首相が2月末の政変の際に辞任してから空白となっており、ムヒディン党首が代行している。
党首補選挙には17人が立候補を届け出ている。モハマド・ラジ上級相(教育担当)、レズアン・ユソフ首相府相(特別任務担当)、ロナルド・キアンディ農業農業関連産業相らが立候補した。また青年部長選にはワン・アハマド・ファイサル副青年スポーツ相ら2人、婦人部長選にはリナ・ハルン女性家族共同体開発相ら4人がそれぞれ立候補した。
PPBMの各部会は8月22日に開催され、役員選挙も実施されることになっている。
(ベルナマ通信、7月17日)

長期的な国家経済復興計画、10月に発表=首相

【クアラルンプール】 ムヒディン・ヤシン首相は14日、長期的な国家経済復興計画(PENJANA)を10月に発表すると明らかにした。
ムヒディン首相は国会の質疑において、経済行動評議会(EAC)が計画を策定中で、10月にも国会に提出すると言明。デジタル化やインダストリー4.0(IR4.0、第4次産業革命)に関する政策を盛り込むと明らかにした。また11月6日に発表する来年度予算案にも様々な政策を盛り込むと補足。経済の再構築や強化に関しても様々な政策と戦略を策定中で、来年発表する予定の「第12次マレーシア計画(12MP、対象期間;2021ー2025年)」では社会開発の不均衡に対応すると明らかにした。
一方で経済成長について、ムヒディン首相は新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界経済や貿易環境が厳しい中、第1四半期は0.7%成長したと言明。中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は今年通年の経済成長の予想をマイナス2%からプラス0.5%としているとした。失業率についても統計局は今年は5.5%を予想しているとし、行動制限令の緩和や短期的なPENJANAが奏功して年末までに回復に向かうとの予想を示した。
(ベルナマ通信、7月14日)