UMNOのムヒディン政権に対する方針、明日にも決定か

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 与党連合・国民連盟(PN)の友党としてムヒディン・ヤシン内閣を支えてきた統一マレー国民組織(UMNO)は、20日にも今後も政権を支えるか離脱するかのいずれかの方針を決定する模様だ。
UMNO最高評議会のタジュディン・アブドル・ラーマン議員が「ウトゥサン・マレーシア」に明らかにしたところによると、17日に開催予定だった最高評議会会議が、20日にパハン州で開催される。
タジュディン氏はUmnoがPN政権を支持しないことを決定した場合、新たな提携先を探して新たな与党連合を結成するか野党になるかの二つの選択肢があると指摘。新たな提携先については、国民コンセンサス(Muafakat Nasional)連携における汎マレーシア・イスラム党(PAS)とイスラム教とマレー系に重点を置く国民信任党(Amanah)を指すと述べた。
その一方で、ムヒディン政権がUMNOの要求通りにUMNO総裁を副首相に任命すれば、UMNOが政権を離脱することなく、今後も政権支援を継続するだろうと述べた。
UMNO内部ではUMNOに対する待遇の悪さを理由にムヒディン首相に対する不満の声が高まっており、これに配慮する形でムヒディン首相が内閣改造に踏み切るのではないかとの観測が浮上していた。現在副首相職は空席となっており、内閣改造を経ずにUMNOトップを任命することが可能な状況にある。

内閣不信任案審議求める声が相次ぐ、友党からも

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相に対する与野党双方からの不満がこれまでになく高まっており、11月2日に開幕する次期国会において内閣不信任案の審議を行なうよう求める声が相次いでいる。ムヒディン内閣は3月の組閣時点で下院(定数222)の過半数をわずかに上回る114議席しか支持を獲得できておらず、数人のくら替え議員が出ただけで退陣に追い込まれるきわどい状況に立たされている。
独立系野党・祖国戦士党(ペジュアン)は15日に開催した中央委員会会議でムヒディン首相の不信任案審議を要望する文書を提出する方針を決議。マハティール・モハマド会長(前首相)、ムクリズ・マハティール党首(前ケダ州首相)、マスズリー・マリク前教育相、アミルディン・ハムザ書記長(前副財務相)、シャハルディン・モハマド・サレー前副公共事業相——の下院議員5人全員がアズハル・アジザン・ハルン下院議長に提出した。マハティール氏は前にも下院議長にムヒディン内閣不信任案審議の要望書を提出したが、他の審議を優先するとの名目で見送られた経緯がある。
野党連合・希望同盟(PH)所属政党・国民信任党(Amanah)のハサルディン・モハマド・ユヌス党首補は、所属議員11人に対して不信任案審議要求書の提出を呼び掛けたことを明らかにした。
ムヒディン内閣を支援してきた統一マレー国民組織(UMNO)所属議員の間からもムヒディン首相への批判の声が高まっており、長老のテンク・ラザレイ元財務相は下院議長に対し、マハティール前首相が要求した不信任案の審議が行なわれなかった理由を糾した上で改めて審議を行なうよう求めた。
ムヒディン首相への不満の声を背景に政界では再編の動きが強まっており、PHを率いるアンワル イブラヒム元副首相(人民正義党=PKR党首)は先ごろ、下院における自身への支持が過半数を越えたと宣言。報告を受けたアブドラ国王が、主要各党のトップを呼んで意見聴取を行なっていた。政治的混乱を懸念するアブドラ国王は16日に特別声明を発表し、憲法に則った合法的手段に基づいて政治的対立を解消するよう呼び掛けた。

来年度予算は経済的弱者の支援などに注力=ムヒディン首相

【クアラルンプール】 ムヒディン・ヤシン首相は、2021年度予算案について「新型コロナウイルス感染拡大の影響を被った経済的に脆弱なグループに的を絞った支援など4つの項目に注力する」と明らかにした。予算案は11月6日に下院議会に提出される予定。

 ムヒディン首相はテレビ討論形式で行なわれた記者会見の中で、政府が約3,000億リンギにのぼる様々な経済対策を実施したものの多くのグループが新型コロナの影響を受けたと指摘。「来年度予算はこうしたグループに別の形の支援を提供することになる」と述べた。
また弱者支援措置が実施された後には、二番目の注力項目としてインセンティブを通した産業支援を行なうとし、それにはサービス提供の強化と持続可能な生活環境の発展が含まれると指摘。世帯所得下位の40%(B40)が貧困レベルに落ち込むのを防止するための協力なセーフティネットを構築するとした。
ムヒディン首相はその上で、予算の焦点はこれまで通り国民の命と生計を救うことにあるとし、国民支援、ビジネス支援、経済の継続的な強化——という3つの主要な柱に焦点を当てるとした。
(ベルナマ通信、10月13日)

アンワル氏の政権奪取宣言、国王は各党領袖から意見聴取へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 野党・希望同盟(PH)を率いるアンワル・イブラヒム元副首相が下院議会(定数222)で過半数を超える支持を獲得したと宣言した件で、アブドラ国王は数日中に各党トップから意見聴取した上で今後の対応を決める考えだ。
13日にアブドラ国王と会見したアンワル氏は同日午後に記者会見を開き、自身が下院議会で過半数の支持を得たことを示す証拠文書をアブドラ国王に提出したと言明。アブドラ国王は憲法を尊重することを確約した上で、数日内に主要各党のトップを呼んで証拠文書の内容について確認する方針を示したと明らかにした。
アンワル氏は、ムヒディン首相が過半数の支持を失ったとして即時辞任を求めたが、自身の支持を表明した過半数を超える議員の名簿の内容については公表しなかった。支持議員の名簿については、王宮側はアブドラ国王への提示もなかったとしている。
同日午後にはさっそく、統一マレー国民組織(UMNO)の長老、テンク・ラザレイ・ハムザ元財務相が国王に呼ばれて会見した。報道によると、民主行動党(DAP)のリム・グアンエン書記長は14日、国民信任党(Amanah)のモハマド・サブ党首は15日にそれぞれ国王と会見する予定。与党・国民同盟(PN)を率いるムヒディン・ヤシン首相(統一プリブミ党=PPBM党首)、汎マレーシア・イスラム党(PAS)のハディ・アワン党首とも会見が予定されている。
アンワル氏は9月23日に緊急記者会見を開き、自身に対する下院議会で120人を越える支持を得たと発表し、国王との会見を経た後に自身を首班とする新政権を樹立すると宣言した。PHの現有議席は91議席。過半数を掌握するためにはあと21議席が必要となるが、アンワル氏は具体的な内訳については明らかにしておらず様々な憶測を呼んでいた。一方、PN政権側は113議席を掌握していると主張している。

政治家・政党関係者10人が陽性、サバ州選挙応援で感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 9月26日に投開票が行なわれたサバ州議会選挙の応援に行った政治家・政党関係者のうち、少なくとも10人で新型コロナウイルス「Covid-19」感染が確認されていたことが分かった。
これまでに感染が確認されたのは、すでにメディアで大きく報じられたズルキフリ・モハマド首相府相のほか、▽シャハリル・スフィアン統一マレー国民組織(UMNO)広報部長▽スフィアン・アブドル・カリム氏(UMNO所属の州議選候補)▽アハマド・マスジザル副環境相▽アミルディン・ユソフ州議会議員(マラッカ州)▽リム・イーウェイ州議会議員(セランゴール州)▽シャティリ・マンソル州議会議員(同)▽ノル・ハヤティ州議会議員(ジョホール州)▽アズマン・ナスルディン州議会議員(ケダ州)▽マイザトゥル・アカム・アラウィ氏(ノライニ・アハマド高等教育相の政策秘書)——。
9月24日にサバ州を訪問したズルキフリ氏は感染が5日になって確認され、前々日の会議に同氏と同席したムヒディン・ヤシン首相やイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)ら複数の閣僚が隔離状態に置かれる騒ぎとなっている。ズルキフリ氏はサバ州から戻った後に複数のイベントに出席しており、感染拡大の懸念をもたらしたことを謝罪した。
ムヒディン首相もサバ州議会選挙が半島部での感染拡大の原因の一つになっていることを認めており、同州は12日から14日間、他州からの往来が禁止された。

閣僚に感染者、ムヒディン首相も隔離へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染者が閣僚の中から出たため、会議で同席したムヒディン・ヤシン首相を含む複数の閣僚に感染の疑いが出ている。
10月5日に陽性が確認されたのは、ズルキフリ・モハマド首相府相。3日に開催された国家安全委員会(NSC)会議に出席しており、ムヒディン首相をはじめイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)、ファディラ・ユソフ公共事業相、アドハム・ババ保健相、アブドル・ハミド警察長官らが同席していた。
保健省のリスク評価に従って、出席者の一部は濃厚接触者とみなされ10月3日から16日までの14日間、在宅監視命令(HSO)の適用を受けピンク色の監視リストバンド装着が命じられた。その他の出席者も14日間の自宅隔離と毎日の健康モニタリング実施が指示された。
ムヒディン首相は同日、14日間にわたって自宅で隔離されることになったことを明らかにし、当面は在宅で勤務を継続すると発表した。サブリ上級相も同日、3月の行動制限令(MCO)発令以来、毎日行なっている定例記者会見を急遽キャンセルした。
ズルキフリ氏は自身が出席した9月24日から10月4日までのイベントの出席者に対し、スクリーニングを行なうよう呼び掛けた。同氏はネグリ・センビラン州セレンバン病院で治療を受けているが経過は良好だという。同氏はサバ州議会選挙にあわせて9月24日に同州を訪れて地元のイスラム宗教指導者らに会っていたとされる。

総選挙前倒しなら再出馬の可能性も=マハティール氏

【クアラルンプール】 マハティール・モハマド前首相は、次期総選挙が前倒しされて2021年に実施された場合、再び出馬する可能性を示唆した。マハティール氏は先ごろ、実施の際には98歳になることを理由に次期総選挙に出馬しない意向を示していた。
シンガポール「ストレーツ・タイムズ」のインタビューに応じたマハティール氏は、先の自身の不出馬発言に対して支持者から不満の声が上がっていたとした上で「彼らは私がまだ戦う気でいると言わせたいのだ。彼らは私が半年後も健康状態を保てると思っているらしい。だから彼らは少なくとも私に戦うのを止めたと言わないで欲しいのだ」と述べた。
マハティール氏はムヒディン ヤシン首相について、かつて共通の敵だと目していたナジブ・ラザク元首相が率いる旧政権の戦略を利用して自身に反対する者を弱体化させたため和解できないと言明。「ムヒディン氏にとっては原理原則より政治の方が重要なので、恐らくナジブ氏と手を組むことになるだろう」と述べた。
希望同盟(PH)を率いるアンワル・イブラヒム元副首相が下院での過半数掌握を主張していることについては、「私が支持しなければ私の支持者もアンワル氏を支持しないので、アンワル氏は過半数を掌握できないだろう」と言明。ムヒディン氏もアンワル氏も政権の安定運営に足る十分な支持を下院で獲得できるとは思わないので、早期の総選挙実施論には賛成できないと述べた。
(ストレーツ・タイムズ、フリー・マレーシア・トゥデー、10月5日)

アンワル氏の政権奪取宣言、「マハティール派は支持せず」

【クアラルンプール】 先ごろマハティー・モハマド前首相が結党を宣言した新党・祖国戦士党(ペジュアン)のムクリズ・マハティール党首(前ケダ州首相)は、同党が新政権樹立のために希望同盟(PH)率いるアンワル・イブラヒム元副首相を支持することはないと言明した。
ムクリズ氏は、これまでアンワル氏及びアンワル氏が党首と務める人民正義党(PKR)と新政権樹立に向けた会談に呼ばれたことがないと言明。にも関わらずアンワル氏が下院議会で過半数の支持を得ていると主張していることは奇妙だと述べた。
ムクリズ氏は、マハティール支持派がペジュアンのほか、サバ遺産党(ワリサン)、キナバル進歩統一組織(UPKO)、マレーシア統一民主同盟(MUDA)をあわせて18議席有していると指摘。恐らくアンワル氏が主張する過半数にはマハティール派は入っていないのだろうと述べ、もし過半数獲得が事実であれば証拠を示すべきだと主張した。
アンワル氏は先ごろ、下院議会で全体の3分の2近い過半数の支持を獲得したと主張。アブドラ国王とも謁見の許可を得ているとして、自身を首班とした政権交代が実現すると発表していた。ただ肝心のアブドラ国王は病気で入院中で謁見のメドはたっていない。
アンワル氏は過半数支持獲得の根拠として統一マレー国民組織(UMNO)議員の大量くら替えを示唆しているが、くら替え議員と名前の挙がった19人のうち少なくとも4人はくら替えを否定している。
(マレー・メイル、9月27日)

マハティール首相、次期総選挙への不出馬を表明

【ランカウイ】 マハティール・モハマド前首相は、次期総選挙が予定通り2023年に行われた場合には98歳となると述べ、高齢を理由に出馬しない意向を明らかにした。
マハティール首相は自身の選挙区であるランカウイで行われた記者会見で、先ごろ立ち上げた新党・祖国戦士党(略称・ペジュアン)の党員には助言という形で、これまでの経験を共有する考えを示した。
またマハティール前首相は、野党連合・希望同盟(PH)を率いるアンワル・イブラヒム元副首相が下院議会で過半数の支持を得たと宣言するなど政局が不安定な状態が続いていることに関連し、議会が解散し総選挙が行われる可能性があると指摘。通常であれば国民に判断を委ねるために総選挙を実施するべきだが、現状で実施すれば新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者が増加し死者が増える可能性が高まるとして、政治を優先するのか人々の健康や生活を優先するのか難しい問題に直面していると指摘した。
(ベルナマ通信、9月26日)

UMNOから総選挙前倒し論、アンワル氏政権奪取宣言受け

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 野党連合・希望同盟(PH)を率いるアンワル・イブラヒム元副首相が下院議会で過半数の支持を得たと宣言した件で、大量の議員がPHにくら替えしたとされる統一マレー国民組織(UMNO)内で、総選挙前倒し論が強まっている。

 ネット上ではムヒディン・ヤシン首相に対する不満から、アンワル氏支持を表明しているとされる19人のUMNO所属議員の名前が流出している。アハマド・ザヒド・ハミディ総裁も「多数の議員がくら替えしたとの情報を受けている」とくら替えを容認する発言を行なっており、汎マレーシア・イスラム党(PAS)との提携は望んでいるが、ムヒディン首相率いる国民連盟(PN)の一部にはならないと言明している。
アハマド・マスラン書記長は、与党政府が130人以上の議員の支持を固めて強力な権限を持つことが重要だとした上で、現在の与野党の議席数が接近する状況を是正するためにも解散・総選挙を実施すべきとの考えを示した。長老であるナズリ・アジズ元総裁補も「民意を知るためには総選挙がベスト」と述べた。
なおアンワル氏は過半数の支持を得ている旨を説明するための謁見許可をアブドラ国王よりすでに得ていると述べているが、肝心の国王が入院中。ロイター通信は、王宮側の話として国王が医師団から経過観察のために7日間の入院を進言されているためアンワル氏の謁見は当分実現しないだろうとの見方を伝えている。法律学者によると正式な首相任命権は国王にのみあり、単に過半数の支持を得たからといって組閣できないという。