【クアラルンプール】 格付け会社マレーシアン・レーティング(MARC)のノル・ザヒディ主任エコノミストは、歳入減少、景気対策のための歳出増を背景に、今年の予算赤字は対国内総生産(GDP)比で6-6.5%になる可能性があるとの見通しを示した。
GDPは第1四半期に0.7%増に減速しており、通年では1.5-3%の縮小になるとMARCは予想している。
政府債務の対GDP比率も、政府が自ら設定した上限の55%を超え、56-60%になる見通しだという。
予算赤字の拡大、政府債務の増加を理由に、海外の主要格付け会社のうち2社がマレーシアのソブリン債の見通しを、「安定的」から、格付けが下方に向かう可能性を示す「ネガティブ」に引き下げている。
それでも、国際原油価格が回復し、政府が歳入増のための中期的措置を講じれば、格下げ圧力はある程度緩和されるという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月11日)