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新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大を受けて世界中で需要が急増している個人用医療防護器具(PPE)。中でもゴム手袋の需要拡大はラテックス手袋の原料である天然ゴムの主要産地である東南アジアに大きな恩恵をもたらしているが、同時にこの恩恵に預かろうとする企業の間で熾烈なゴム手袋製造競争が始まっている。

ゴム手袋生産で世界トップを走るマレーシアは特に需要拡大による恩恵が大きく、世界最大手のトップ・グローブは株価が急上昇して、7月にはブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)で時価総額2位に浮上した。今年に入ってからの株価上昇率は実に450%だ。ニトリル手袋に強いハルタレガも時価総額で3位に浮上、大手のスーパー・マックスやコッサン・ラバーも軒並み株価を上げている。

マレーシア製ゴム手袋は世界需要の3分の2を賄っている。マレーシア・ゴム手袋製造業者協会(MARGMA)は今年の世界需要が昨年の2,980億枚を大きく上回る3,450億枚に達するとみており、65%に当たる2,250億枚をマレーシアからの輸出品が占めると予想している。こうした需要急増の予測を背景に、ゴム手袋メーカーは増産に次ぐ増産に明け暮れている。

これに触発されて新規参入組も増えている。ペトロナス・ケミカルズ・グループは8月、韓国のLG化学と組んでゴム手袋製造に参入すると発表。世界最大のコンドームメーカーのカレックスもゴム手袋の生産に参入する方針を明らかにした。情報技術(IT)サービスのアイニクス・テクノロジーや不動産開発業者のアスペン・グループ、同ティティジャヤ・ランド、中国・康爾竹業のマレーシア子会社のようにゴムとは直接関係のない業界からも参入計画が次々と発表されている。

ゴム手袋製造競争はまた国境を超えて拡大している。中でも年間約480万トンを生産する天然ゴム世界トップのタイはマレーシアの大手ゴム手袋メーカーの大躍進をみて忸怩たる思いを抱いていたようで、ここに来てゴム手袋生産拡大に全力をあげている。タイ最大のスリ・トラン・グローブズは2026年までに年産能力を現在の2倍の700億枚に増やす計画だ。

これまでタイ産天然ゴムの80%はタイヤメーカーなどに輸出されており、ゴム手袋の国産化が遅れていた。一方、天然ゴム生産で遅れをとったマレーシアはいち早く最終製品であるゴム手袋の国産化を進める一方で、アレルギーを起こす可能性のある天然ゴム製ラテックス手袋から合成ゴムのニトリル・ゴム手袋へのシフトを進めてきた。現時点ではタイはこの分野でマレーシアに水をあけられているが、新型コロナをきっかけにタイがどれだけ追い上げるか注目される。

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