ムヒディン内閣支持率、下降傾向も69%維持=世論調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 世論調査のムルデカ・センターが実施した最新の世論調査で、ムヒディン・ヤシン内閣の支持率が69%に達していることが分かった。

 同調査は7月15日から8月10日にかけて電話を通じて聞き取る形で実施され、21歳以上の男女3,415人が回答した。ムヒディン首相の支持率は5月には72%だったが、6月には74%にアップ。その後は横ばいを続け、8月時点では69%に下がった。
8月時点の支持率を民族別でみると、マレー系が93%、インド系は65%で、華人は33%だった。マハティール・モハマド政権末期の2月との比較では、マレー系、インド系は政権支持率が大幅に上がった(2月はそれぞれ36%、25%)が、華人だけは低下した(2月は39%)。
政党(党派)別の支持率は、国民連盟(PN)が51%、国民戦線(BN)が40%、汎マレーシア・イスラム党(PAS)が39%、国民コンセンサス(Muafakat Nasional)が37%、統一プリブミ党(PPBM)が28%、希望同盟(PH)が25%だった。
現政権のパフォーマンスについては、新型コロナウイルス「Covid-19」対策に関して「満足している」との回答は93%、弱者支援については68%、経済マネジメントについては61%と高めだったが、雇用創出については41%、汚職との戦いについては38%にとどまった。
国の方向性については、「正しい方向に向かっている」は5月時点では58%だったが、8月は51%に下がった。国が直面している最大の問題については、58.8%が経済を挙げ、保健・衛生が10.1%、犯罪・治安や民族問題、政治問題はひと桁台にとどまった。

「デジタル経済、成長の勢いが継続する」ラザダCEO

【クアラルンプール】 マレーシアのデジタル経済について、オンラインマーケットプレイスを運営するラザダ(Lazada)・マレーシアのレオ・チョウ最高経営責任者 (CEO)は、より多くのブランドやビジネス、特に中小企業(SME)がデジタル事業に参入し、成長の勢いが継続するとみている。
チョウCEOは、行動制限令(MCO)が施行された3月18日以降において消費者、売り手、ブランド、小売業者間のオンラインビジネスが急速に成長していると指摘。オンライン決済ソリューションの技術進歩についても、マレーシア人は同決済における利点を認識していることから見通りが明るいと述べた。
チョウCEOによると、オンラインマーケット「ラザダ」の新規販売者数は2020年上半期に200%以上増加した。またMCO以降初めてオンラインショッピングの利用を開始した消費者は35%に上り、マレーシアのオンライン顧客数が53%増加したことが分かった。オンライン調査プラットフォーム、ヴォドスの調査結果に基くと、マレーシアの成人の半数がMCO施行期間においてオンラインで非食品を購入した。またラザダが手掛けるオンライン決済ソリューション「ラザダ・ウォレット」も急速に成長を伸ばしているという。同社が先ごろ開催した「7.7ミッドイヤー・セール」において「ラザダ・ウォレット」の使用率は前年比で40%近く増加した。
オンライン決済についてチョウCEOは、消費者と売り手の物理的な金銭のやり取りや現金自動預払機(ATM)に出向く手間が省けるだけでなく、セキュリティ面においても最先端のテクノロジーで保護されていることからより安全で効率的且つ費用対効果が高いと指摘。電子決済への移行を加速させる政府の取り組みについて称賛するとした上で、引き続きさまざまなイニシアチブを通じてデジタル経済大国化への態勢を構築してくだろうと述べた。
(ベルナマ通信、8月30日)

ディスカウント店「ミスターダラー」1号店開業

【クアラルンプール】 ホームセンターのミスターDIYは8月29日、ディスカウント店「ミスター・ダラー(Dollar)」1号店をクアラルンプール(KL)市チェラスのタマン・マルリに正式オープンした。
「ミスター・ダラー」の商品価格は2リンギもしくは5リンギの2本建てで統一。スナック、菓子、飲料、パン、食用油などの必需品、生活雑貨、文具などを取り扱う。ミスターDIYは首都圏クランバレー地域に「ミスター・ダラー」10店舗を新たに開設する計画だ。
タマン・マルリの1号店の面積は7,000平方フィート。オープン記念として、8月29—30日の期間限定で購入額30リンギ以上の買物客に対するライスパック、50リンギ以上に対する50枚入りマスクの無料進呈や、合計900の品目が当たる懸賞イベント、ミロ&マギー商品サンプルの無料配布などが実施された。
(星州日報、8月30日、ウトゥサン・マレーシア、8月28日)

マレーシア航空が1月から関空線を再開、成田線も増便へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア航空は、10月25日ー2021年3月27日までのスケジュールを発表した。クアラルンプール(KL)ー成田国際空港線を11月に増便し、関西国際空港線を1月2日に再開する。
マレーシア航空は現在、日本との間でKLー成田線を木、金曜日の週2便運航しているが、10月25日から木、土、日曜日の週3便に、来年1月1日からは木、金、土、日曜日の週4便とする。
関空線は1、2月は水、土曜日に週2便を運航し、2月24日より月、水、土曜日の週3便に増便する予定だ。
成田線、関空線共に使用機材は「A330ー300」。コタキナバルー成田線に関しては運休を継続する。

新型コロナ感染者は新たに14人、うち9人が国内感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は1日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から14人増えて9,354人になったと発表した。

新規感染者のうち5人はフィリピン、ウクライナ、インドネシア、パキスタンからの入国者。残り9人はサバ州(7人)とケダ州(2人)で感染した。新たに21人が退院し治癒者数は9,075人に増加した。死者数は1人増えて128人だった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、ネグリ・センビラン州ポートディクソンで新たなクラスターが発生した。シンガポールから入国した船の乗組員が関連しており、乗組員34人中4人が陽性だった。6人は陰性で、残り24人は検査待ちだという。

ノール事務次官は8月31日、これから冬に向かう日本や韓国、スペインなどにおいて新型コロナの感染が拡大するお恐れがあるとの見解を示し、マレーシアでも警戒を怠らず標準運用手順(SOP)の遵守を徹底するよう改めて国民に呼び掛けた。

モノ作りには従業員教育が欠かせない

上田鍍金の現地法人、ウエダ・プレーティング・マレーシア顧問の青木弘さん。33年の長い在マレーシア歴を誇る青木さんに、マレーシアでの従業員のマネジメントについてお話を伺った。
インタビュー前編記事はこちら
日系企業の親睦団体に貢献の33年

最初はマレーシア従業員のみでスタート

——操業当時と今では業務環境は変わりましたか?

青木:当初は外国人労働者を使っていなかったです。そもそも我々は外国人労働者を使いたくてマレーシアに投資した訳ではないですから。当時の人口は今の半分の1,600万人しかいなくて、失業率は10%程度はあったと思います。人が必要という噂を聞きつけて人が集まる。看板を出さなくても人が集まる状況でした。それが1990年代になってどんどん外国企業が進出してきました。半導体などの電子関連が早かったです。当時は国民車プロトンも年間5百台程度しかつくっていない頃です。日給はわずか8リンギ、月給だと200リンギです。今では1時間の残業代が11リンギです。このままでは他の国に比べて競争力が維持できるのかということですね。

——そのうち外国人労働者も雇わざるを得なくなるわけですね

青木:マレーシア人だけでやろうと思ってやってきましたが、1995年ぐらいになってからですが、ハリラヤ(断食月明け大祭)休みが終わっても社員が戻ってこないんです。顧客は大手企業が多くて弊社のめっきが止まると何百人の会社のラインをストップさせてしまいます。日本から生産要員を応援に来て貰い生産をしたこともありました。

それで困ってインドネシアから労働者を雇うようになりました。最初は30人来ましたが、よく働いてくれるので良かった良かったと思っていましたが、2、3年経つと帰ってしまう。これでは技術が残らない。我々はモノ作りなので職人が必要なのですが、職人さんの技術者が残ってくれないのです。シャアラムの立地がいいのですが、立地がいいということは人を採用するという点では競争が激しいことを意味します。中小企業にとっては不利です。

技術継承には低離職率が重要

——マレーシアにおける労務管理について。

青木:かつては社員を全面的に信じていたので、盗難保険を社員にかけてくださいと保険屋さんに言われ、「なんてことを言うんだと」激怒して追い返したことがあります。しかし中には悪い者もいるんです。弊社は貴金属を扱うのですが、外部のプロからそそのかされた社員による窃盗が起きるのです。おかげで今では工場はカメラだらけです。また組合についてですが、弊社は家庭的にやっているので組合設立の動きはないと思っていたんですが、一部の社員が化学労連からそそのかされて設立されそうになったことがあります。

——マレーシア人は簡単に会社を辞めて他社に移ってしまうと聞きます。

青木:欧米企業に引き抜かれるという話を聞きますが、欧米は高いポジションをいきなり与えてプレッシャーをかけるが、日本企業は段階的に昇進させるやり方でやれるとみれば上げるという積み上げ型ですね。ジョブホッピングは退職金制度がないことが一つの要因かもしれません。離職率を下げるためにはやはり待遇改善しかないでしょうね。


——待遇改善といっても賃金とバランスがとれていればいいですが・・・

青木:競争力があるものをきっちり作って利益を出し、我々としては賃金を上げて社員も会社も喜び夢の持てる潤いのある企業でありたいと望んでいます。外国人労働者を雇用するようになって人がコロコロ入れ替わると不良品が出やすくなり、そうすると競争力が落ちます。技術の継承ができず、不良品が増加するという問題が起きます。

——最後はやはり教育の問題ですね。

青木:マレーシア人は部下にあまり教えない傾向があります。マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)も30年前から社員教育の重要性を唱えて、生産効率のアップや社員教育が重要だと言っていましたが、マレーシアではあまり改善していないです。素朴で純真でいい人が多いと思いますが、倫理・礼儀作法のほか、「何が大事なのか。きちんと守るべきこと、利益を出すために何をすべきか」などを教える必要があると思います。

インドネシアなど3カ国の長期ビザ保持者、7日から入国禁止

【プトラジャヤ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は1日、インドネシア、インド、フィリピン——の3カ国の長期滞在パス保有者を対象に9月7日付けで入国を禁止すると発表した。

 これら3カ国で新規感染者が増加していることを受けたもので、対象となるパスのカテゴリーは▽永住許可証(PR)▽マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)▽プロフェッショナル・ビジット・パス(PVP)▽就労パス・カテゴリー1(EP1)▽配偶者と子供▽外国人留学生——の6カテゴリー。
サブリ大臣は、「これら3カ国における感染者の急激な増加を受けて、入国制限を課すことにした」とコメント。今後冬に向かうために感染拡大が懸念される国々についても、長期滞在パス保有者の入国制限を検討する方針だと述べた。
(マレー・メイル、エッジ、9月1日)

国境再開は慎重に検討する必要=イスマイル上級相

【プトラジャヤ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は8月28日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大の懸念が再び高まっているため人の行き来を認めることに関しては慎重に扱う必要があるとし、国境再開に関する判断は規制緩和を進めるに当たって最後の決定になると述べた。
タイやインドネシアからの労働者の入国を認めるために国境を再開することを検討したが、国境を再開した国で感染者が増加していたり、感染者が入国するケースがみられると強調。27日に行われた特別閣僚会合では、国境再開には慎重に臨むことで合意したと明らかにした。
エアアジア・グループのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)が先ごろ、東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々に向けて感染拡大の抑制に成功したとみなされる「グリーンゾーン国・地域」に対して国境の解放を求めていたことについては、イスマイル氏は、グリーン・ゾーンと見なすことができる国はないと強調。政府はこれまで、日本、シンガポール、豪州、ブルネイ、ニュージーランド、韓国を「グリーンゾーン国」としていたが、数カ国では感染者が増加しているとして再検討する必要があるとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月29日、ベルナマ通信、8月28日)

復興のための行動制限令の延長、シンクタンクが批判

【クアラルンプール】 連邦政府が復興のための行動制限令(RMCO)を年内延長する方針を決めたことについて、シンクタンクの民主主義経済問題研究所(IDEAS)は、すでに新型コロナウイルス「Covid-19」がコントロール下に置かれているとして疑問を呈した。
IDEASの学術教育的イニシアチブであるセンター・フォー・マーケット・エデュケーション(CME)は「過去2か月、新規感染数の7日間の平均は常に15人未満で、1日当たりの死者数は同0.14人未満となっている」と指摘。大量感染は起きておらず、重症化も少ないことを意味しているとした。
またノール・ヒシャム保健省事務次官が言及したような「スーパースプレッダー」の存在についても感染者数からも疑問であり、シンガポールの研究者もこれを否定していると指摘。むしろRMCO延長による経済への影響の方が遥かに大きく、失業者の増加といった被害の方が甚大になる可能性があるとした。
その上で、規制緩和と感染拡大のリスクのトレードオフを考慮した健全な分析に基づく政策を実施すべきだと指摘。経済は生命で成り立っているいるため、感染死だけでなく国境閉鎖政策によって失われる可能性のある人命についても考慮すべきだとした。
(フリー・マレーシア・トゥデー、8月29日)

新型コロナ感染者は新たに6人、うち2人がケダで感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は31日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から6人増えて9,340人になったと発表した。

新規感染者のうち4人はシンガポールからの入国者。残り2人はケダ州で感染した。新たに6人が退院し治癒者数は9,054人に増加した。死者数は2日連続で1人増えて127人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は30日、2つのクラスターが新たに発生したと明らかにした。一つ目はセランゴール州クラン港の船の乗組員(外国人)から発生した「MVグレン・クラスター」で、同乗組員と海運会社に勤めるマレーシア人の2人が感染した。二つ目はケダ州アロースターにあるスルタナ・バヒヤ病院から検出された「テラガ・クラスター」。感染者は病院の従業員2人で、新型コロナの診察や治療は行っていなかったという。病院の従業員および家族374人が検査を受けたが、同感染者以外の372人は陰性だったため、病院は通常通り開院している。

海外で感染した入国者について、ノール事務次官によるとインドネシアで感染した入国者が最も多く295人(32.6%)に上ったことが分かった。これにエジプト(93人、10.3%)とシンガポール(70人、7.7%)が続いた。28日までに10万6,793人が入国し、うち904人の感染者が検出された。