【クアラルンプール】 クアラルンプール市役所(DBKL)は、クアラルンプール(KL)の水害対策のため、排水灌漑局(DID)と協力し、大規模な地下貯水トンネルを建設する計画だ。
シャヒダン・カシム連邦直轄相によると、地下貯水トンネルは、大雨によって増水した時、河川に放流する前に水を貯留する治水施設で、長期的な治水対策として建設するため、完成までに3ー5年程度かかる見通しだ。実現可能性調査を3カ月以内に実施した上で、DBKLは近くコンサルタントを任命する予定だ。世界の大都市で地下貯水トンネルが建設されているが、マレーシアの場合、道路が狭いことがネックになっているという。
 シャヒダン大臣はまた、短期的対策として、河川の氾濫が予想される全地域で直ちに洪水防止壁を設置すると明らかにした。浸水被害の主な原因は河川の氾濫で排水システムが機能しなくなるためだとし、貯水池、河川の除染、土嚢や移動式給水ポンプの設置なども行うと説明。市民に対しては、排水路などへゴミを捨てて排水を妨げないよう、協力を呼びかけた
 シャヒダン大臣は先月、マハディ・チェンガ市長とともに訪日し、第27回国際交流会議「アジアの未来」に参加。かつて頻繁に発生していた水害を板橋区や東京都が、河川改修や地下トンネル建設などによって防止したことを知り、参考にしたという。
(ベルナマ通信、6月2日)