【ジョージタウン=マレーシアBIZナビ】 イドリス・アハマド首相府相(宗教問題担当、汎マレーシア・イスラム党=PAS所属)がムスリムに対してマレーシアにおける「盆踊り大会」に参加しないよう呼びかけた問題で、ペナン州観光クリエイティブ経済委員会のヨー・スーンヒン議長は、同州では予定通り7月30日に開催すると言明した。
ヨー氏は、ルックイースト政策(東方政策)40周年に当たるため今年の盆踊り大会にはより大きい意義があるとした上で、自身としては盆踊りイベントには宗教的要素がないと考えているためイドリス首相府相のコメントには驚いたと述べた。その上でムスリムに対してイベントへの参加を妨げる考えはないと言明。「我々は宗教警察ではないので、イベントに参加するしないは個人の判断に任せる」とした。同州政府は5千人超の参加を目標に掲げている。
一方、ペナン州ムフティ(イスラム宗教指導者)のワン・サリム師は、盆踊りが先祖の霊を思い出すことに関連しているとした上で、「イスラム教では踊ったり、霊を崇拝したりすることで先祖を思い出すことは奨励されていない」と主張。イスラムに反する「ムシュリク」(多神教)につながる恐れがあるとして、盆踊り大会に参加しないよう呼びかけた。ワン・サリム師は、こうしたイベント参加を避けることによってイスラム信仰の純粋さを維持するべきだとした。
イドリス首相府相は、イスラム開発局(JAKIM)が実施した調査により「盆踊り」に異教の影響力の存在が確認されたとし、「我々はイスラム教徒に対し、信仰に反する祭事やその他のイベントに参加しないように忠告している」と述べていた。