【クアラルンプール】 イドリス・アハマド首相府相(宗教問題担当)がムスリムに対してセランゴール州とペナン州で開催される予定の「盆踊り大会」に参加しないよう呼びかけた問題で、セランゴール州のスルタン、シャラフディン・イドリス・シャー殿下は同州宗教局(JAIS)にイベント開催を許可するよう指示した。
JAISによると、シャラフディン殿下はJAISと開催地があるシャアラム市役所の幹部に対して盆踊り大会に宗教的要素があるかどうか、自分の目で見て確かめるため出席するよう指示した。殿下は数年前に自身で盆踊り大会に出席しており、その際にはイスラム信仰に有害であるとは思わなかったと語ったという。
首相府相の指摘を受けてセランゴール州のアミルディン・シャリ州首相は、同州では何十年にもわたって盆踊り大会が開催されており、日本とマレーシアの組織、個人、コミュニティ間の関係を強化することが目的となっていると強調。予定通りイベントを開催する考えを示していた。その上で、イベントについて宗教的なものではなく日本文化の祭典と見なしており、これまで何ら指摘を受けたことがないため、日本大使館や関連分野の研究者と連絡を取り、イベントの詳細情報を入手すると共に州イスラム当局に問い合わせると述べていた。
「盆踊り大会」はクアラルンプール(KL)日本人会や日本人学校、在マレーシア日本大使館が主催する日本文化を紹介するイベントで、1977年に開始された。新型コロナウイルス「Covid-19」による2年の中断期間をはさんで今年7月16日にセランゴール州シャアラム、同月30日にペナンで予定されている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、6月8日)