【クアラルンプール】 マレーシア気象局のムハンマド・ヘルミ局長は、集中豪雨をもたらすラニーニャ現象は年末まで続くという予想を明らかにした。
ヘルミ局長によると、現時点では、中程度の穏やかなラニーニャ現象によってマレーシアを含む西太平洋の湿度が高くなっており、例年より降水量も増加している。5月中旬より南西モンスーンが発生しており、9月中旬まで続くと予想されるが、モンスーン・ブレイクが高湿度をもたらしているという。モンスーン・ブレイクでは全体的に風が弱くなり降水量も減少する一方、風や雨が特定の狭い地域に集中するため、特にマレー半島の北部、西部、サラワク州、サバ州西部で雨が多くなる。へルミ局長は、天候が急激に変化することが多いため、オンラインで最新の天気予報を確認する必要があると注意を喚起した。
ヘルミ局長はまた、6月末には降雨回数は減少すると予想されるものの、マレー半島の西海岸、サラワク北部、サバの西部では、午前中に雷雨が発生する可能性があると述べた。
一方、気候を専門とするアジザン・アブ・サマー教授は、「シンガポールの東南アジア諸国連合(ASEAN)専門気象センターの予報によると、マレーシアとASEAN南部地域全体が6月から8月にかけて例年以上の降雨に見舞われる予想だ」と述べた。3ー9月は通常、比較的雨の少ない乾季だが、ラニーニャ現象により東風が強まることで南西モンスーンが乱され、モンスーン・ブレイクの頻度が高まっている。モンスーン・ブレイクは一度発生すると4ー5日間は続くという。
アジザン教授はまた、ラニーニャ現象が年末まで続いた場合、11月に始まる北東モンスーン期の寒波が降雨量を10ー20%増加させるラニーニャ現象によって増幅されることになり、東海岸地域に大規模な洪水を発生させる可能性があると警鐘を鳴らした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、6月21日)