【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ユーグレナ(本社・東京都港区)は、共同研究により、マレーシアの泥炭地で採取した微細藻類の中から、脂質を生産する耐酸性の新規藻類・テトラスティココッカスの同定・単離に成功したと発表した。
同社が、理化学研究所微細藻類生産制御技術研究チーム、マレーシア工科大学・マレーシア日本国際工科院准教授の原啓文氏(現東京大学特任准教授)、マレーシア工科大学・マレーシア日本国際工科院の研究チームとの共同研究により単離したテトラスティココッカスは、酸性および弱アルカリ性のpH条件下で高い増殖率を示し、炭素数が16から18の長鎖脂肪酸を多く蓄積することを確認した。
ユーグレナは、マレーシアの酸性泥炭湿地林から特徴的な新規藻類・テトラスティココッカスを同定・単離し、その特性を明らかにすることができたと強調。同研究は、新規藻類・テトラスティココッカスは耐酸性の高さから酸性条件下での開放池での大規模培養を行うことで、不要な藻類株や他の微生物による混入(コンタミネーション)を防ぎ、燃料利用が可能なバイオマスを低コストで生産できる可能性があることを示唆しているとして、今後も、国内外の地域資源である微細藻類を活用し、脂質成分など有用成分の量産化などを軸にした研究を実施していくとした。