ボルボカーズマレーシア、電気自動車の国内組立計画を発表

【クアラルンプール】 スウェーデンの自動車メーカー、ボルボ・カー・マレーシア(VCM)は18日、セランゴール州シャアラムの製造拠点で電気自動車(EV)を国内完全組立(CKD)生産を行う計画を改めて発表した。
マレーシア投資開発庁(MIDA)との共同声明によると、初のCKDによるEV「XC40リチャージ・ピュア・エレクトリック」を皮切りに2022年からの5年間で毎年1車種のEVを投入する
アズミン・アリ上級相(兼通産相)は、EVのCKDは、インテリジェント・モビリティ機能などを備えた次世代自動車開発を促し、ハードウェアだけでなくソフトウェアにおいても国内産業の能力向上につながると言明。現在、マレーシアは東南アジア諸国連合(ASEAN)第3位の自動車市場であり、自動車、二輪車、自動車部品などを生産する製造・組立工場は国内に28カ所あるとした上で、ボルボのCKDが自動車産業の発展を推進し、マレーシアをASEAN地域におけるEVのハブとするための起爆剤になるとの期待を示した。
MIDAのアラム・アブドル最高責任者は、ボルボのCKDを歓迎するとし、EV産業およびそのエコシステムの発展を望んでいると言明。MIDAは高エネルギー効率自動車(EEV)開発に向けたプロジェクトを2021年時点で36件承認しており、投資額は19億リンギだとした。EVとその部品の製造・組立に関連する投資プロジェクトは10件、投資額は12億リンギとなっており、国内で900人以上の雇用機会を創出すると述べた。
(マレーシアン・リザーブ、ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月19日、VCM・MIDA発表資料)

萩生田経済産業大臣、ペトロナスのタウフィクCEOと会談

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 萩生田光一経済産業大臣は18日、マレーシアの国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)のムハマド・タウフィク最高経営責任者(CEO)と会談を行った。
日本の経済産業省が同日、発表した声明によると、会談では、萩生田大臣が約40年にわたる日本への液化天然ガス(LNG)供給に対する謝意を伝達。また地政学的な緊張とともに、世界的なLNGの需給逼迫の可能性も懸念される中で、日本への引き続きのLNG安定供給を依頼した。
それに対し、タウフィクCEOは最大限尽力すると表明。またアジアにおけるカーボンニュートラル達成に向けた道筋を描くために日本が表明した国際的な支援策「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)」に基づく、水素や燃料アンモニア事業への日本の支援に対して謝意を表明した
さらに会合で両氏は、アジアのエネルギートランジションに関して、多様かつ現実的な形で進めていくことが重要であるとの考え方を共有するとともに、LNG事業等で培った知見と日本の官民との関係を活かした、より一層の協力強化について議論した。

「旅行者カード」導入で入国手続きを簡略化へ=保健相

【セパン】 カイリー・ジャマルディン保健相は19日、4月1日からの国境再開後は海外からの渡航者に対し、空港での入国手続きを簡略化すると明らかにした。新型コロナウイルス「Covid-19」情報・追跡アプリ「MySejahtera」上で出発前に電子式の「旅行者カード」を発行する。
カイリー保健相は同日、ウィー・カション運輸相とともにクアラルンプール国際空港(KLIA)を訪れ、旅行者の大量到着への準備状況を確認した。4月1日以降は、ワクチン接種完了後の渡航者は、到着後の隔離が不要となるが、出発の2日前にRT-PCR検査、到着後24時間以内に医療従事者による抗原迅速検査(ART)を受ける必要がある。出発前RT-PCR検査の結果を「MySejahtera」アプリに登録した後、「旅行者カード」がアプリ内で発行され、空港での入国手続きに利用できるようになるという。
カイリー保健相はまた、ARTの代替手段として空港内でのコロナ呼気検査を実験的に導入すると述べた。渡航者はARTと呼気検査のいずれかを選べる。保健省は呼気検査の精度を検証済で、空港到着プロセスを迅速化できるとし、現在、飛行機を降りてから空港を出るまでに約1時間かかっているが、呼気検査により35分-45分程度とコロナ前と同程度まで時間を短縮できるとした。呼気検査費用は渡航者負担となる。また、従来マレーシア人帰国者対象に無料提供していたPCRテストについては、今後は無料での提供は行なわないとした。
ウィー運輸相は、航空会社に対して4月1日からの新入国規則を周知しており、また、出国前検査などの規定により、国境再開後も安全が確保されると述べた。ワクチン接種完了者向けトラベル・レーン(VTL)は導入以来合計27万7,800人が利用しているため、国境再開によってさらなる経済回復が期待できると述べた。
(ベルナマ通信、3月20日)

 

ワクチン追加接種、「MySejahtera」アプリで予約可能に

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの追加(ブースター)接種は21日から、コロナ情報・追跡アプリ「MySejahtera」を通じての予約が可能となった。従来は指定制だった日時や接種場所について、自分で選択することができるようになった。
「MySejahtera」のホーム画面の「Covid-19ワクチン接種」から予約が可能。民間医療施設などのワクチン接種センター(PPV)2,039カ所およびショッピングモールなどに設けられた特設PPV99カ所で接種を受けられる。
16日現在での追加接種完了者は1,530万人で、その82.4%にあたる1,190万人がプロテクトヘルス配下の民間医療従事者および医療NGOによる接種を受けたという。
プロテクトヘルスのアナス・アラム・ファイズリ最高経営責任者(CEO)は、希望日時や場所が選択可能となったことで追加接種が進むことを期待しているとし、4月1日から開始されるエンデミック(風土病)段階への移行を安全に行なうためのものだとした。特に、ワクチン未接種または追加接種を受けていない高齢者が感染した場合の死亡リスクが高くなるため、ラマダン(断食月)を間近に控えた現時点での早急な追加接種を推奨すると述べた。

60歳以上の高齢者及び1、2回目にシノバック製を接種した成人(18歳以上)が3月31日までに追加接種を受けていない場合、4月1日以降「ワクチン接種完了」とはみなされなくなり、「MySejahtera」アプリ上の「ワクチン接種完了」ステータスが取り消される。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、3月19日、マレーシアン・リザーブ、フリー・マレーシア・トゥデー、3月18日)

新型コロナの感染者数は1万9105人、6週間ぶりに2万人下回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、20日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万9,105人だったと発表した。およそ6週間ぶりに2万人を下回った。累計感染者数は399万3,124人となった。
新たに1,239人が入院。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が713人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は526人だった。
新たに2万8,250人が回復し、累計治癒者は368万4,665人となった。死者数は71人で、累計は3万4,400人。アクティブ感染者は、前日から9,216人減って27万4,059人となった。うち96.7%が自宅、0.6%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、2.6%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は64.8%に下降した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,578万6,987人で、接種率は79.0%だった。ブースター接種完了者は1,548万3,571人で、接種率は47.4%に上昇した。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.92に下降。クアラルンプールとペラ州、サラワク州で1.00を上回った。
また新たに1カ所のクラスターを確認。ペラ州の重症化リスクの高い集団で発生した。現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は304カ所に減った。

昨年下半期の不動産販売戸数、前期比16.81%増加

【クアラルンプール】  マレーシア不動産・住宅開発業者協会(REHDA)が実施した調査によると、2021年下半期の不動産販売戸数は前期比16.81%増の5,303戸となった。
内訳は住宅物件が5,281戸と大半を占めて、残り22戸は商業物件だった。住宅物件で最も人気だったのは2階・3階建てのテラスハウスで2,213戸で、それにアパート・コンドミニアム(961戸)、サービス付きアパート(804戸)、平屋のテラスハウス(660戸)が続いた。
一方で、供給戸数は1万665戸で、前期比8%減少した。供給物件でも住宅物件が1万631戸と多くを占めた。
同調査はマレー半島の会員企業124社の不動産開発業社を対象に実施したもので、回答企業の54%は「住宅物件が売れ残っている」と回答。また40%が「商業物件が売れ残っている」と答えた。64%が「築2年以上の物件となっている」と回答。売れ残りの主な理由としては、「ローン申請の拒否」、「低需要・低金利」、「未発売のブミプトラ(マレー人および先住民族の総称)向け物件」が挙げられた。
今年については、51%が「新規物件の発表を予定している」と回答した。その一方で新型コロナウイルス「Covid-19」や行動制限令(MCO)の影響、当局の承認遅延、売れ残り物件が多いことなどの理由から新規物件の発表には市況が良くないと答えた。
(ザ・サン、3月17日、エッジ、3月15日)

昨年の犯罪件数、10万人あたり146件に減少=内務相

【クアラルンプール】 ハムザ・ザイヌディン内務相は17日、昨年の人口10万人あたりの犯罪件数は146件となり、予想されていた246件を大幅に下回ったと明らかにした。安全レベルも昨年は64.67%となり、2020年の60.6%から上昇した。
ハムザ大臣は同日、マレーシアの安全と秩序を守るために官民協力を促進することを目指した「キタ・ディミ・ネガラ(国家のための私たち)」キャンペーンを実施すると発表した。行動制限令(MCO)中も犯罪抑制のために取り締まりや国境警備、不法移民の摘発などの努力を続けてきたことが犯罪率の低下につながったと説明。犯罪率を下げ安全性を引き上げるためには、社会のすべての協力と包括的な戦略が必要だとした。
安全保障問題に取り組むため政府は、15歳以上の学生や非政府組織(NGO)のボランティアで構成する「サハバト・キタ・ディミ・ネガラ」を立ち上げた。すでに500人が登録しており、警察から射撃などの訓練などを受け、国の安全と秩序を守るために様々な活動を行うという。
内務省は、6月から2023年7月にかけて全国を巡回して「キタ・ディミ・ネガラ」キャンペーンの周知活動を実施する計画だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、3月18日)

EV充電設備、25年までに1万基設置へ=副通産相

【クアラルンプール】 リム・バンホン副通産相は、「低炭素青写真2021-2030年」の下で2025年までに電気自動車(EV)の充電設備を1万基設置すると明らかにした。
下院議会質疑においてEV産業発展への取り組みについて質問を受けたリム副通産相は、マレーシア・グリーンテクノロジー・気候変動センター(MGTC)が、民間企業と協力し充電設備の設置を進めており、これまでおよそ300基を整備したと説明。それにより全国のEV充電設備はおよそ600基となったとした。他の取り組みとして、EVインフラの構築を検討している企業にはパイオニア・ステータスの付与や税制優遇措置や財政支援を行っていると説明した。EV戦略を改善させるために、関係省庁や民間企業とともにタスクフォースの設立なども行ったと言及。また充電システムやバッテリーの廃棄や交換、ワイヤレス充電に関する規格も制定していると述べた。
リム大臣は、今年度予算案で発表されたEC政策にも触れ、消費者だけではなく自動車および部品メーカーもインセンティブによる恩恵を受けていると強調。EVセクターへの投資誘致にも取り組んでおり、韓国のSKグループとIMMテクノロジーの投資を獲得したと述べた。
(ポールタン、3月17日)

RCEPがマレーシアでも発効、2億ドルの輸出押し上げに期待

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本を含むアジア太平洋15カ国が加盟する東アジア包括的経済連携(RCEP)協定が、18日にマレーシアでも発効した。
RCEP加盟15カ国は2020年11月に署名し、マレーシアは昨年末に実施したRCEP関連国内法の改正に続いて、2022年1月17日に批准書を東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局長に寄託していた。
マレーシア通産省(MITI)は同日声明を発表し、加盟国間で約90%の品目について最終的に関税が撤廃されるとした上で、これによりアジア太平洋地域の貿易額が約420億米ドル増加すると予想されると指摘。マレーシアについては輸出額が2億米ドル(8.4億リンギ)押し上げられる見通しだとし、輸出に関して最大の受益国になると指摘した。
RCEPは東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの15カ国による自由貿易協定で、総人口は22億人、世界全体の国内総生産(GDP)の3分の1を占める巨大経済圏となる。
先行批准した日本や中国など11カ国ではすでに発効しており、今回のマレーシアの発効により、残る未批准国はフィリピン、インドネシア、ミャンマーの3カ国を残すだけとなった。

新型コロナの感染者数は2万7004人、病床使用率は68.6%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、17日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2万7,004人だったと発表した。累計感染者数は392万7,437人となった。
新たに1,669人が入院。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が995人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は674人だった。
新たに2万9,450人が回復し、累計治癒者は359万6,453人となった。死者数は86人で、累計は3万4,185人。アクティブ感染者は、前日から2,532人減って29万6,799人となった。うち96.6%が自宅、0.7%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、2.6%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は68.6%に下降した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,578万2,213人で、接種率は78.9%だった。ブースター接種完了者は1,542万5,524人で、接種率は47.2%に上昇した。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.95に下降。サバ州、ラブアン、ケダ州、パハン州、ペルリス州、クランタン州以外の州・地域で1.00を上回った。
また新たに9カ所のクラスターを確認。うち5カ所が重症化リスクの高い集団で起きた。現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は340カ所に減った。