【クアラルンプール】 ラフィジ・ラムリ経済相は、将来的に物品・サービス税(GST)を再導入する可能性があると発言。あとは導入のタイミングの問題だと述べた。

ラフィジ氏は公務員組織が主催するフォーラムで、ナジブ・ラザク政権時代には売上・サービス税(SST)をGSTに切り替える動きに反対する運動を自身で率いていたが、GSTに完全に反対しているわけではなく、あくまでも拙速な導入に反対していたと説明。「GSTを税収増の手段として考えるべきではない。税収を増やす方法として考えるとGSTへの依存に際限がなくなる。最初の税率は5%でもその後7%に上げられ、最終的には20%になってしまう」と述べた。

その上でラフィジ氏は「まずは政府のガバナンスを改善し、歳出・予算の効率性を正していく必要がある。GSTの再導入を決断する前に必要な手続きを進めて、GSTが効果的な徴税方法として再導入されるようにする必要がある」とし、時間をかけて抜け穴が無いような仕組みづくりを行うことが重要との考えを示した。

アンワル・イブラヒム首相(兼財務相)は、現時点でのGST再導入の可能性を否定しており、保守的な経済学者らが政府の高い財政赤字比率に警鐘を鳴らしているにもかかわらずその姿勢を崩していない。国家債務総額は、対国内総生産(GDP)の82%にあたる1.5兆リンギに達している。

GSTは2015年にナジブ政権下で導入されたが、強い反発を受け、政権崩壊の主要な原因の一つとされた。GSTは2018年に行われた選挙で勝利した前の希望同盟(PH)政権によって廃止されたが、財政赤字の拡大を受けて再導入を求める声が高まっている。
(マレー・メイル、2月28日)