【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所が実施した化粧品バイヤーへのインタビューによると、総じて日本の美容・パーソナルケア製品の品質の高さや安全性が評価された一方、「パッケージや広報戦略の工夫が足りない」と指摘されている。

高価格商品であっても他の製品との差別化、効果に関する丁寧な説明が重要であるという意見は、インタビューを実施した全バイヤーに共通した。また、若年層はSNS上で話題になっているブランドを購入する傾向が特に強いが、日本企業はSNSやインフルエンサーを活用した広報への取り組みが不足しており、他国製品にシェアを奪われているとの声もあった。マレーシアの消費者、特にZ世代(10ー20代)にどのような消費傾向があるかを捉え、効果的な販売促進ツールを用意することが求められるとしている。

マレーシアの化粧品市場は、コロナ禍においても成長を続け、特にスキンケア製品(2021年は対2016年比で40.8%増)とバス・シャワー製品(同約1.5倍)が大きく拡大。カラーコスメ製品はコロナ禍による外出機会の減少とマスクの使用が日常化したことで需要の減少に苦しんだものの、ウィズコロナによる活動の正常化に伴い回復がみられ、美容意識の高まりによる美容・パーソナルケア製品に対する需要は今後も拡大していくと見込まれている。