【クアラルンプール】 経営悪化が囁かれている中国の大手デベロッパー、碧桂園控股(カントリー・ガーデン)がジョホール州沖の人工島で開発中の「フォレスト・シティ」プロジェクトについて、不動産アナリストは、不動産価値が下落しており、完成しない可能性もあるとの見解を示している。

シンガポールを拠点とするカリル・アディス・コンサルタンシーの創設者である不動産専門家のカリル・アディス氏は、カントリー・ガーデンの経営難がフォレスト・シティの流通市場を混乱させていると警告。フォレスト・シティの1ベッドルームのアパートは、当初2020年に1平方フィートあたり約1,200リンギ(257ドル)で発売されたが、現時点での転売価格は1平方フィートあたり541リンギ(116ドル)まで下落していると述べた。フォレスト・シティは15%しか完成しておらず、カントリー・ガーデンの経営難により開発計画がさらに遅れる可能性もあるとしている。
マレーシア不動産業者協会のタン・キエンアウン会長も、カントリー・ガーデンの経営難はフォレスト・シティの資産価値に「間違いなく影響を及ぼす」とし、プロジェクトが継続されても当初の計画通りには完成しないだろうと述べた。

フォレスト・シティはジョホール海峡を埋め立て造成した4つの人工島(面積は合計30平方キロ)に、20年かけ商業ビル、住宅を総合的に建設する総工費1,000億米ドルの大規模開発。中国政府が2016年に発表した資本持ち出し規制により中国人バイヤーのキャンセルが相次いだこと、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大の影響などから経営に打撃を受けていた。アンワル・イブラヒム首相が先に救済措置の一環として、投資誘致に向け、金融特区を設けると発表していた。
(ベナル・ニュース、8月29日)