国内ハラル市場規模、2030年までに4千億リンギに=副首相

【クアラルンプール】 アハマド・ザヒド副首相兼地方地域開発相は、国内ハラル(イスラムの戒律に則った)市場が2030年までに4,000億リンギ規模に達し、国内総生産(GDP)の11%を占めるという見通しを明らかにした。

2月28日にクアラルンプールの食品分野起業支援施設マラ・フード・インダストリー・コンプレックス(KIMAR)を訪問したザヒド副首相は、イスラム教徒人口が16億人に達する2030年には、世界のハラル市場は22兆3,400億リンギ規模に成長すると予想されていると言明。KIMARのハラル産業支援により、昨年1万2,500人の起業家が助成金や資金提供、施設賃貸料優遇などの措置を受けたとし、年間20億リンギを売り上げ、1万5,000人以上の雇用機会を創出したと述べた。ハラル産業を支援する姿勢をより強調するため、KIMARの名称をマラ・ハラル工業団地に改称するとしている。

KIMARは、食品・飲料産業で高い輸出可能性を持つブミプトラ(マレー系および先住民)系起業家を対象とした施設で、敷地面積は11万6,750平方フィート(2.6エーカー)。工場19カ所、小工場2カ所、オフィスにより構成されており、工場の食品製造工程は、ハラル認証やHACCP、GMPなど、食品関連の各種認証を取得している。
(ザ・スター、3月1日)

将来的にはGST復活の可能性=ラフィジ経済相

【クアラルンプール】 ラフィジ・ラムリ経済相は、将来的に物品・サービス税(GST)を再導入する可能性があると発言。あとは導入のタイミングの問題だと述べた。

ラフィジ氏は公務員組織が主催するフォーラムで、ナジブ・ラザク政権時代には売上・サービス税(SST)をGSTに切り替える動きに反対する運動を自身で率いていたが、GSTに完全に反対しているわけではなく、あくまでも拙速な導入に反対していたと説明。「GSTを税収増の手段として考えるべきではない。税収を増やす方法として考えるとGSTへの依存に際限がなくなる。最初の税率は5%でもその後7%に上げられ、最終的には20%になってしまう」と述べた。

その上でラフィジ氏は「まずは政府のガバナンスを改善し、歳出・予算の効率性を正していく必要がある。GSTの再導入を決断する前に必要な手続きを進めて、GSTが効果的な徴税方法として再導入されるようにする必要がある」とし、時間をかけて抜け穴が無いような仕組みづくりを行うことが重要との考えを示した。

アンワル・イブラヒム首相(兼財務相)は、現時点でのGST再導入の可能性を否定しており、保守的な経済学者らが政府の高い財政赤字比率に警鐘を鳴らしているにもかかわらずその姿勢を崩していない。国家債務総額は、対国内総生産(GDP)の82%にあたる1.5兆リンギに達している。

GSTは2015年にナジブ政権下で導入されたが、強い反発を受け、政権崩壊の主要な原因の一つとされた。GSTは2018年に行われた選挙で勝利した前の希望同盟(PH)政権によって廃止されたが、財政赤字の拡大を受けて再導入を求める声が高まっている。
(マレー・メイル、2月28日)

米テスラの電気自動車の輸入申請、通産省が承認

【クアラルンプール】 通産省は1日、電気自動車(EV)メーカーの米テスラに対し、バッテリー電気自動車(BEV)のマレーシアへの輸出およびマレーシア国内での本社機能や充電設備網、サービスセンターの設置について承認したと発表した。

通産省は声明で、テスラのマレーシア進出により、BEV分野での高収入の雇用創出や、地元企業がテスラのエコシステムへ参加する機会の増加が期待できるとした。

テスラは、通産省がBEV需要拡大を目指して立ち上げた「BEVグローバル・リーダーズ・イニシアチブ」への最初の申請企業で、国内BEV製造企業からの投資獲得を目指す。通産省は、テスラのマレーシア進出はビジネス環境への信頼の表れだとし、これからもマレーシアに進出する海外企業に対し支援を強化していくと言明。

国内の電気・電子エコシステムを戦略的に活用し、EV技術企業の投資先として選ばれる国にしていきたいとした。
(エッジ、3月1日)

ちとせグループの藻類大量生産施設、4月に操業開始へ

【クチン】 2020年からサラワク州で建設中の微細藻類大量生産施設「ちとせカーボン・キャプチャ・セントラル(C4)」が4月に操業を開始する見通しだ。建設工事は完了しており、今後2年程度で実証実験が行われる。

C4は、ちとせグループ(本社・神奈川県川崎市)の中核企業であるちとせ研究所が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託事業として、サラワク生物多様性センター(SBC)、電力会社サラワク・エナジー、エネオスと共同でサラワク州クチンの石炭火力発電所の敷地内で建設を進めていた。敷地面積は現在約5ヘクタールだが、3年後に100ヘクタール、2030年に2,000ヘクタールに拡大する計画だ。

ちとせ研究所の星野孝仁最高経営責任者(CEO)兼チーフ・バイオエンジニアは、英字紙「ボルネオポスト」の取材に対し、C4プロジェクトは2024年度末までの5年間、NEDOから約25億円(8,000万リンギ)の資金援助を受けており、2025年以降、C4を様々な製品の商業生産に活用していく計画だと述べた。微細藻類は、ジェット燃料、プラスチック、塗料、界面活性剤、トラック燃料、タンパク質、飼料・食品、医薬品・化粧品などへの加工が可能だが、特に2027年からジェット燃料へのバイオ燃料混合が義務づけされるため、微細藻類から持続可能な航空燃料(SAF)を大量生産できれば、東南アジアだけでなく、米国や欧州にも輸出できるようになると述べた。

星野CEOはまた、サラワクは年間を通じて気温が高く、淡水が豊富で、台風や地震などの自然災害が少ないことから、微細藻類の培養に適した場所として選ばれたと強調。商業的にも、日本、台湾、中国、シンガポールなどの主要市場にアクセスできる戦略的な立地にあり有能で熟練した地元の労働力を利用できることが大きな魅力だと述べた。
(ボルネオポスト、ザ・バイブス、2月28日)

新型コロナの感染者数は206人、2日ぶりに200人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、2月28日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は206人となり、累計感染者数は504万2,791人となった。
新たに176人が回復し、累計は499万6,585人、死者数は1人で、累計は3万6,958人となった。アクティブ感染者は、前日から29人増えて9,248人。そのうち96.2%が自宅、3.7%が医療機関で療養中となっている。病床使用率は76.1%、ICU病床使用率は64.1%、人工呼吸器使用率は39.3%だった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,754万2,047人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,631万3,580人で、接種率は50.0%、2回目が80万9,444人となり、2.5%だった。

マレーシア味の素、第3四半期は増収も純利益は77.6%減

【クアラルンプール】 マレーシア味の素の第3四半期(2022年10ー12月)の売上高は、前年同期比8.93%増の1億4,617万リンギだったが、純利益は同77.6%減少の230万リンギだった。

マレーシア味の素が24日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、消費財事業で売上がアップしたが、材料費、人件費、販促費の増加や、ネグリ・センビラン州セレンバンへの工場移転費、120万リンギのイスラム金融費が響き減益となった。

2022年4ー12月の売上高も、消費財事業、産業事業両部門が貢献し前年同期から24.1%増の4億4,583万リンギで、純利益は同87.2%減の439万リンギと増収減益だった。

マレーシア味の素は今後の見通しについて、インフレ圧力、不安定な為替レート、主要原材料価格の高騰により厳しい状態が続くと説明。事業成長を維持するために、今後も売上高の増加やコスト管理の強化に引き続き努め、景気の動向を注視するとした。
(エッジ、2月24日)

三菱自動車(M)、サラワク州ビントゥルに新4Sセンター開設

【クアラルンプール】 三菱モーターズ・マレーシア(MMM)は、サラワク州ビントゥルに4S(販売、サービス、部品交換、板金塗装)センターを開設。MMMがサラワク州に有するショールームは7カ所となった。

認定ディーラーのオートパシフィカが運営するもので、敷地面積は1万平方フィート。サービスベイは5基で、ラウンジにはWif接続やキッズコーナーを備え、自動車保険の更新や中古車下取りにも対応する。営業時間は、月ー土曜は午前8時ー午後5時、日曜は午前10時ー午後2時。

オートパシフィカはミリにも店舗を有しており、3月末にはコタ・サマラハンに3店舗目をオープンする計画だ。

MMMの池田真也・最高経営責任者(CEO)は、オートパシフィカについて、2007年に三菱自動車のディーラーとして営業を開始した馴染み深いディーラーだとし、ピックアップトラック「トライトン」を売上ナンバー2の座に押し上げることに貢献してくれたことに感謝すると言明。今後も顧客ニーズに応え、サービスやブランド体験を充実させていくと述べた。
(ポールタン、2月27日)

福山通運、現地子会社がシャアラムで新倉庫を起工

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 福山通運(本社・広島県福山市)は、マレーシア子会社のE.H.ウタラ・ホールディングスが21日にセランゴール州シャアラムで新倉庫の起工式を行ったと発表した。

声明によると、投資額は15億円。建設地はスバン工業団地内で、地上2階建て鉄骨造、敷地面積1万5,532平方メートル、延床面積1万6,190平方メートルとなっている。2024年1月の完成を予定している。

福山通運は、新倉庫の立地がマレーシア国内最大規模となるポートクランおよび首都クアラルンプールへのアクセスに優れ、物流拠点として需要の高い地区にあると強調。今後、東南アジア地域でのネットワークを更に強化するとともに、多様化する顧客ニーズに対応するためよりきめ細やかな物流サービスを提供していくとしている。

精密金型のTOWA、Kツールから金型製造事業を譲渡

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 精密金型、半導体製造装置メーカーのTOWAは2月27日、ペナン州のKツール・エンジニアリングより同社の金型製造事業を譲り受け、その受け皿となる製造子会社を設立することを決定したと発表した。

譲り受ける予定の資産は、土地、工場建屋、機械設備、備品等で、金額にして2,389.4万リンギ(約7億3,300万円)。譲受日は2023年4月を予定しており、譲受価格は3,000万リンギ(約9億2,100万円)となる。新会社の名称はTOWAツールで、3月に設立する予定だ。半導体製造用等精密金型・成形金型・TF金型・スタンピング金型、精密加工部品の生産・販売・設計・技術サービス・アフターサービスを行う。

TOWAによると、Kツール・エンジニアリングの金型製造事業部門は、半導体製造用金型の専門技術者を有し、高精度な金型メーカーとして国内外の企業から認められている。高い技術力を持つ従業員と既存顧客をTOWAが引き継ぐことで、東南アジア地域での金型事業の早期立ち上げが可能となる。また、既存拠点との連携により、半導体製造用装置と金型の設計・製造・販売の一貫体制を構築することでプロセスビジネスの展開が可能となり、半導体メーカー各社との関係を一層強固にすることができるという。

新型コロナの感染者数は190人、2日ぶりに200人下回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、2月27日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は190人となり、累計感染者数は504万2,585人となった。
新たに177人が回復し、累計は499万6,409人、死者数は7日連続ゼロで、累計は3万6,957人を維持した。アクティブ感染者は、前日から13人増えて9,219人。そのうち96.4%が自宅、3.5%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は72.4%、ICU病床使用率は63.7%、人工呼吸器使用率は37.9%だった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,754万1,944人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,631万3,289人で、接種率は50.0%、2回目が80万8,944人となり、2.5%だった。