持続可能なパーム油認証製品の拡大、日本市場でイオンなどと協力

【クアラルンプール】 持続可能なパーム油の基準策定機関マレーシア・サステナブル・パームオイル(MSPO)は、日本のイオンなどと、MSPOの認証を得た製品の認知度向上に向け協力することで合意した。投資貿易産業省(MITI)が13日、こうした取り組みを例に、認証製品の日本市場への展開拡大を目指す方針を発表した。

MSPO認証の推進に関し、MSPOは大阪・関西万博で、日本の一般社団法人ザ・グローバル・アライアンス・フォー・サステイナブル・サプライチェーン(ASSC)と覚書を締結。これを受け、会員企業でもあるイオンとの協力が締結された。このほか、花王、味の素、明治などの会員企業の協力が見込まれているという。

マレーシアでは今年1月、持続可能なパーム油の新たな基準「マレーシア持続可能なパーム油基準2.0(MSPO2.0)」が導入された。MSPO2.0は、SDGs(持続可能な開発目標)などの国際基準に沿って、従来の基準を強化したもので、すでに日本の店頭でもMSPO2.0認証の製品が販売され始めているという。

政府はMSPO2.0を、今後の貿易・経済の中核として位置付けている。「スーパービタミンE」ともいわれるパーム油由来のトコトリエノールや、食用にも使われるレッドパームオイル、住宅・家具用途のMDF(中密度繊維板)、特殊油脂など、さまざまな認証製品を日本に拡大させていきたいとしている。

ジョハリ・アブドル・ガニ農園一次産業相は声明で「小規模農家から輸出製品にいたるまで、あらゆるレベルで認証を根付かせていく」とした。マレーシアのパーム油栽培の86%はすでに認証を受けており、2025年末までに認証率を95%にすることを目標としている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、エッジ、6月13日、報道発表資料)

ジェットスターアジアの運航停止、航空委が予約客に対策呼びかけ

【クアラルンプール】 マレーシア航空委員会(MAVCOM)は、ジェットスター・アジア航空の運航停止の影響を受ける予約客に対し、直ちに同社に直接支援を求めるよう勧告した。マレーシアでは、シンガポール―クアラルンプール線およびペナン線が影響を受ける。

ジェットスター・グループが6月11日、シンガポールに拠点を置く格安航空会社ジェットスター・アジアの運航を7月31日に停止すると発表したことを受けたもので、MAVCOMは13日に発表した声明の中で、影響を受ける旅行者に対し、専用のライブチャットサービスを通じてジェットスター・アジアに連絡するか、ジェットスターの連絡先にあるグローバルコンタクトセンターのリストを参照してさらなるサポートや情報を得るよう呼びかけた。

MAVCOMによると、2016年マレーシア航空消費者保護法に基づき、影響を受ける消費者は30日以内に元の支払い方法で航空券の全額(税金および手数料を含む)の払い戻しを受ける権利があり、もしくは同等の交通手段で最終目的地への経路を変更する権利がある。

ジェットスターは、今回の運航停止は、オーストラリアと東南アジア間の国際便を運航するジェットスタ―やジェットスター・ジャパンを含む、グループ傘下の他の航空会社には影響しないとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、6月13日)

交通違反の減点制度を抜本的に見直し=ローク運輸相

【シャアラム】 アンソニー・ロ―ク運輸相は、現用の交通違反の減点制度(ケジャラ)が効果的ではないことから、抜本的に見直す考えを示した。現状ではポイント減点は反則金を支払った後にしか差し引かれないこのため多くのドライバーが減点を避けるために反則金を支払わないという。

ロ―ク氏は現状制度の重大な欠陥を指摘した上で、政府はケジャラ制度を継続するものの大幅な改革を行うと強調。反則金納付状況に基づかないシステムになるとし、すでに法律と適用の観点から検討を進めていると述べた。

ケジャラ減点制度は2016年に導入されたもので、2018年9月、スコアリング方式とペナルティの適用レベルを変更した減点制度の改訂版が発表された。

連邦交通執行捜査局のモハメド・ユスリ・ハッサン・バスリ局長によると、9日に発生した15人が死亡する事故を起こしたチャーター・バスの運転手には、過去に18枚の交通違反切符が発行された記録があった。13枚は速度違反、1枚は事故関連の違反、3枚はシートベルト未着用、1枚は第3ブレーキランプの故障によるものだった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、エッジ、6月13日)

大型車両の速度リミッター設置義務化、10月から段階的に施行

【シャアラム】 アンソニー・ロ―ク運輸相は、大型車両への速度リミッター(SLD)設置の義務化を3段階に分けて実施すると述べ、第1段階は10月から実施されると明らかにした。来年7月までの完全施行を目指す。

第1段階では、2015年1月1日以降に登録された大型商用車を対象に、今年10月までに速度制限装置の設置確認を受けなければならない。対象はすべての観光バス、高速バス、最大重量3,500キログラムを超える大型車両となっている。

設置確認は、道路運輸局(JPJ)が認定する車両メーカー、技術サービス提供者、整備工場、サービス施設提供者から取得できるほか、JPJが認定する基準局認定機関からも取得できる。新規許可の申請時や更新時にも、この書類を車両検査センターに持参しなければならない。

第2段階では、2015年1月1日以前に登録された大型車両に速度リミッター設置を義務付ける。作動確認書類は2年ごとに更新し、取り締まり検査の際には常に車両に携行しなければならない。取締活動は2026年1月に開始される。

速度リミッター設置義務化は9日に発生した15人の大学生が死亡したバス事故を受けて決まったもので、同事故ではトレンガヌ州ジェルティからペラ州タンジョン・マリムへ向かっていたスルタン・イドリス教育大学(UPSI)の学生がチャーターしたバスがゲリックのタシク・バンディング近郊の東西高速道路で多目的車(MPV)に速度超過で追突。バスは横転大破し、学生15人が死亡したほか、バスの運転手と助手、事故に巻き込まれたMPVの乗員乗客3人を含む33人が負傷した
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、6月13日)