サバ州議会が閉幕、州首相が近い時期の解散を示唆

【コタキナバル】 サバ州のハジジ・ノール首相は8日、同日に閉幕した州議会(第16期)が任期最後の会期になることを確認し、解散が近いことを示唆した。ただ具体的な解散日については明言を避け、「適切な時期に発表する」と述べるにとどまった。議会の任期は11月11日まで。

ハジジ氏は、解散の具体的な日程について「今は言えない。ただ時期は近いということしか言えない。然るべき時期がくればメディアに発表する」と回答。その上で与党連合・サバ国民連合(GRS)の5年間の政権運営について、「政権運営は良好で、州民に大きな発展をもたらした」と評価し、「水道や電力供給の問題は依然として残るものの、これらの問題は前政権から引き継いだものであり、現政権は解決に向けて最善を尽くしている」と説明した。

サバ州議会は、州首相が解散権を行使しない限り、11月11日をもって自動的に解散となる。州議会の5年の任期は初会期が開かれた2020年11月12日から起算されるため、2025年11月11日をもって任期満了となる。選挙は州議会解散から60日以内に実施されなければならない。

第16期サバ州議会は、2020年9月の州選挙を受けて成立し、同年11月12日に初議会が開催された。5年の任期終了が近づくなか、政治的な駆け引きや解散のタイミングに関する注目が高まっている
(マレー・メイル、7月8日、ビジネス・トゥデー、7月6日)

道路交通局、起亜やヤマハなど8千台超のリコールを発表

【プトラジャヤ】 道路交通局(JPJ)は8日、起亜、メルセデス・ベンツ、ヤマハの自動車・二輪車計8,322台のリコールを発表した。

自動車で対象となるのは、起亜のリオUB(2010―2017)5,123台と、メルセデス・ベンツのS580e、GLC、AMG SL、EQE、EQS(いずれも2023―2025)の32台。起亜は油圧電子制御ユニット(HECU)の発火につながる危険性があり、メルセデス・ベンツはヒューズボックスの取付が不適切だったためという。

二輪車では、ヤマハのトレーサー9GTとMT09(いずれも2021年11月―2025年2月)、テネレ700(2023―2024)の計3,167台が対象。トレーサー9GTとMT09はスロットルポジションセンサー(TPS)、テネレはクラッチにそれぞれ不具合が見つかった。

各メーカーから無償での修理の連絡が行くが、JPJでは各車両の所有者に対し、可能な限り速やかに車検の予約を行うよう呼びかけている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、7月8日)

製造業連盟、25%関税への対応を政府に要請

【クアラルンプール】 マレーシア製造業者連盟(FMM)は米トランプ政権が発表した、マレーシアからの輸入品に対する一律25%の関税に対し重大な懸念を表明。マレーシアの輸出競争力を損なうとし、外交および政策上の対応を急ぐよう政府に求めた。関税は8月1日付で施行される。

ソー・ティアンライ会長名の声明でFMMは「マレーシアが米国の供給網に貢献していること、投資面のつながりを根拠に、マレーシアを最も高い交渉レベルに引き上げるよう図るべき。影響を受ける国内産業を支える措置も必要」とした。

関税措置では、ゴム製品、繊維、家具関連が最も影響を受ける。また20%の関税率を交渉で得たベトナムなど競争相手より不利になるという

国内対策では売上・サービス税(SST)の見直しを求めた。緊急措置として製造業における企業間取引のサービス税免除を求めた。

さらに、中小企業がスマートマニュファクチャリング(デジタル技術を活用した業務の最適化)に移行するのを後押しするための助成金や、技術導入のための低利融資を提案した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、7月8日)

中銀バンクネガラ、政策金利を2.75%に引き下げ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は8日に定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を0.25ポイント引き下げて2.75%とすることを決定した。OPRは2023年5月以降、3.00%に維持されていた。

BNMは声明の中で、OPRの引き下げは「緩やかなインフレ見通しの中でマレーシアの着実な成長軌道を維持するための予防措置」と位置づけた。国内経済は堅調だが、世界経済の成長見通しは関税動向をめぐる不確実性や地政学的緊張によって下押しされ、世界金融市場や商品価格のボラティリティを高める可能性があると指摘。そうした外的動向をめぐる不確実性がマレーシアの成長見通しに影響を与える可能性があるため、と説明した。

OPRの引き下げは、新型コロナウイルス流行中の2020年7月に過去最低の1.75%にして以来5年ぶり。今回、OPRの政策金利範囲も調整され、上限金利と下限金利はそれぞれ3%と2.5%になった。

堅調な国内経済に関しては、持続的な国内需要と輸出の伸びに支えられ、第2四半期も経済活動が引き続き成長し、特に雇用と賃金の伸び、そして所得連動型政策措置が家計支出を支えるだろうと予測。投資活動の拡大や、電気・電子機器への継続的な需要、活発な観光活動がマレーシアの輸出見通しを押し上げる可能性があるとした。

また2025年のインフレ率は緩やかな水準にとどまるとの見通しを示した。世界的な商品価格によるインフレ圧力は限定的で、国内のコスト環境は緩やかに推移。こうした環境のもと、今後の国内政策改革がインフレに及ぼす影響は全体的に抑制されるとした。

リンギに関しては、国内の良好な経済見通しと構造改革が、資金流入を促進するための継続的な取り組みと相まって、リンギを持続的に支え続けるものの、外的要因に左右されがちなため動向を注視しながら、国内成長とインフレ見通しを取り巻くリスクのバランスを評価していくとした。