次世代モバイル回線構築でUモバイル、テレコムマレーシアと提携

【クアラルンプール】 2つ目の第5世代(5G)移動体通信ネットワークを構築するUモバイルはネットワーク整備を迅速に進めるため、テレコム・マレーシア(TM)と提携することで合意し10年契約を交わした。契約総額は24億リンギ。

契約では、TMはUモバイルに専用回線などバックホールを提供し、データセンター利用権も与える。バックホールとは基地局とコアネットワークを繋ぐ回線。TMの光回線は延べ74万キロに及び、国内最大。Uモバイルは来年7月末までに人口密集地の80%で5Gが利用できるようにする。

ファーミ・ファジル通信相が立ち会った締結式でUモバイルのウォン・ヒアントゥック最高経営責任者(CEO)は「信頼性の高い5Gサービスを保証し、超高速サービスをユーザーに提供する」と語った。

1つ目の5G網は政府系デジタル・ナショナル(DNB)が敷設する。ファーミ氏は「TMの光回線を利用することでUモバイルは利用料金を抑えることができる」と手ごろな料金設定に期待を表明した。DNBとの回線共有もUモバイルに要請した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、エッジ、5月23日)

ニトリ、ケダ州初のアマンセントラル店を6月5日に開業

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ニトリホールディングス(本社・札幌市北区)は26日、ケダ州アロースターに「ニトリ・アマンセントラル店」を開業すると発表した。

開業日は6月5日。同社にとってケダ州初進出となり、クアラルンプール、セランゴール州、ジョホール州、ペナン州、ネグリ・センビラン州に続くもので、マレーシアでは12店舗目という。ショッピングモール「アマンセントラルモール」内に位置し、店舗面積は約500坪。営業時間は午前10時から午後10時となる。

ニトリグループの店舗としては1,037店舗目で、同社は「今後も積極的に海外における出店を進めていく」としている。

ナザ、ペタリンジャヤに初のスズキ旗艦店をオープン

【ペタリンジャヤ】 自動車販売会社、ナザ・イースタン・モーターズは、セランゴール州ペタリンジャヤにスズキ・カーズ・マレーシア初のフラッグシップ・ショールームをこのほどオープンした。

連邦高速道路沿いの大規模自動車販売店、ナザ・オートモールに隣接しており、店舗面積は約470平方メートル。5ドア・ジムニー、3ドア・ジムニー、スイフトスポーツなど、マレーシアで販売されるスズキの最新車種を展示するほか、専用サービスカウンター、ライフスタイルラウンジ、キッズコーナー、個室の相談室などが備わっている。

新ショールームのオープンに合わせて、スズキは新規および既存オーナー向けの限定的な中間プロモーションとロイヤルティプログラムも展開している。
(ジグホイールズ、ポールタン、5月26日)

ASEAN首脳会議開幕、今後20年間の指針のKL宣言を採択

【クアラルンプール】 東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が26日、クアラルンプール(KL)で開幕。今後20年間の地域の発展と協力の指針となる「クアラルンプール宣言」を採択した。

会議冒頭にアンワル・イブラヒム首相があいさつ。前回クアラルンプールで開催時の2015年に合意された「ASEAN共同体」に触れながら、最近の米国による一方的な関税導入により世界貿易システムは更なる緊張にさらされているとし、今後の20年を見据え「ASEAN共同体ビジョン2045(ACV2045)」策定の重要性を強調した。

クアラルンプール宣言は「ASEAN2045:我々の共通の未来」と題されており、ASEANの団結、安定、持続可能な開発へのコミットメントを再確認した。ACV2045を核とする内容で、▽ASEANの地域的リーダーシップの強化▽デジタル経済とグリーン経済への注力▽政策立案における、女性、若者、社会的弱者などインクルージョン(包摂性)の向上▽持続可能性とレジリエンスの中心議題化――などを優先事項に設定。政治的安全保障、経済、社会文化、インフラとデジタルの連結性を4つの柱とし、それぞれの戦略計画について合意した。
(マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、5月26日)

第1四半期の財政赤字は17%減少、政府債務はGDP比63%

【クアラルンプール】 マレーシアの財政赤字は3月末時点で219億リンギで、前年同期の264億リンギから17%減少した。財務省が第1四半期経済報告の重要項目として発表した。

歳入は3%増の721億リンギで、売上・サービス税(SST)の急増と個人所得税の増加が貢献した。歳出は2.5%減の942億リンギで、ディーゼル油補助の合理化と原油価格の低下が主因。法定機関への交付金の最適化も減少に貢献した。

3月末時点の政府債務は国内総生産(GDP)比で62.6%の1兆2,800億リンギ。うち97.8%は国内債務で、対外債務は2.2%にとどまった。
(エッジ、5月22日)

与党連合・人民正義党の役員選、アンワル首相実娘が副党首に

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 与党連合・希望同盟(PH)の中核党・人民正義党(PKR)の党役員選挙が23日に行われ、ナンバー2である副党首選ではアンワル・イブラヒム首相の実娘で現職の指名党首補であるヌルル・イザ・アンワル氏が現職のラフィジ・ラムリ副党首(経済相)を大差で破って当選した。党首選ではアンワル首相が無投票再選を決めた。

12人が出馬した党首補選(定員4人)では、現職のアミルディン・シャリ (セランゴール州首相)、アミヌディン・ハルン氏(ネグリ・センビラン州首相)、チャン・リーカン氏(科学技術革新相)と新人のR.ラマクリシュナン氏(副起業家開発共同組合相)が当選した。ニック・ナズミ・ニック・アハマド氏(天然資源・環境持続可能性相)は落選した。党首補の定員は4人だが、党最高評議会からの指名で増員されるため復活する可能性がある。

青年部部長は現職のムハンマド・カミル・アブドル・ムニム氏が無投票で当選を決めた。婦人部部長選は、現職のファドリナ・シデク氏(教育相)がロズィア・イスマイル氏(アンパン地区選出下院議員)を破って当選した。

マレーシアとGCCがFTA交渉を開始へ、1年内の締結目指す

【クアラルンプール】 マレーシアと湾岸協力会議(GCC)の間の自由貿易協定(FTA)交渉が、5月27日に正式に開始される見通しだ。テンク・ザフルル・アジズ投資貿易産業相が明らかにした。

GCCは、▽サウジアラビア▽アラブ首長国連邦(UAE)▽カタール▽クウェート▽バーレーン▽オマーン――の6カ国で構成されている。ザフルル氏は「FTA交渉の正式な開始に向けて準備を進めており、まもなく共同意向表明が発表される見込みだ」とし、サウジアラビアのGCC事務局を最近訪問したことで、交渉プロセスを加速させる基盤が築かれた述べた。

マレーシアは現在、7つの二国間FTAと9つの多国間FTAを締結している。GCCとは1年以内のFTA締結を目指している。協議はまだ初期段階だが、ザフルル氏はマレーシアは既に半導体、電気・電子(E&E)、石油化学、石油・ガス、化学など、いくつかの有望なセクターを特定していると言明。ハラル(イスラムの戒律に則った)経済、デジタル経済、再生可能エネルギー(RE)、人工知能といった新興産業も対象になると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、ベルナマ通信、5月25日)

マレーシアとベトナム、ASEAN送電網などで協力強化

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は25日、ベトナムのファム・ミン・チン首相と2国間会談を行い、エネルギー協力強化で合意。アンワル首相は東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国間で送電網をつなぐ「ASEANパワーグリッド(APG)構想」に関するベトナムの協力に謝意を示した。

エネルギー協力には、政府系電力会社のテナガ・ナショナル(TNB)と、マレーシアの国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)、ベトナム石油ガス・グループ(ペトロベトナム)による協力などが含まれる。特に、両首相の立ち会いのもと、TNBと、ベトナム国営企業のベトナム電力公社(EVN)のAPG協力に関する覚書(MoU)の締結が行われた。ベトナムの再生可能エネルギー送電網を、ASEAN電力網に接続する海底ケーブルを介してマレーシア、さらにシンガポールへ接続する計画で、アンワル首相は共同記者会見で、今回のASEAN首脳会議における主要な成果の一つと位置付けた

このほか、マレーシア国民大学 (UKM)とベトナム国家大学の教育と地域統合に関する意向書交換も両首相の立ち合いで行われた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレーシアン・リザーブ、ザ・スター、5月25日)

結婚式映像制作のウィーブ、現法設立しKLに編集拠点を開設

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 結婚式映像制作のウィーブ(本社・大阪市北区)は22日、セキュリティ体制強化に向け、マレーシアに現地法人を設立しグローバル拠点を開設したと発表した。

映像制作の業界では、編集作業を外部に委託することは一般的だが、情報漏洩リスクがかねてから課題とされてきた。こうした背景を受け、ウィーブはクアラルンプール(KL)のKLセントラルにセキュリティ対策を施した自社編集拠点を設置。スタッフに独自の編集教育を施し、コストを抑えつつ高品質で安心できるサービスの提供を図る。将来的には、ウィーブ・マレーシアとして東南アジアでの展開も目指していく。

2000年創業のウィーブは、式後販売型のサービスを展開。結婚式映像は通常、事前に申し込みが必要だが、コスト的に申し込みを見送ったものの、式後に「プロに依頼しておけば良かった」というカップルも少なくないという。こうしたことから、ウィーブでは提携式場での式を無料で撮影し、サンプル映像を基に、式後に購入を決定できるようにした。年々需要は高まっており、今年度だけでも全国400カ所以上の式場で1万5,000件以上の撮影が予定されているという。

ヘアカット専門のQBハウス、ジョホールにマレーシア1号店開業

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 短時間・ヘアカット専門店「QBハウス」を展開するキュービーネットホールディングス(本社・東京都渋谷区)は23日、海外7カ国目としてマレーシアへの進出を発表。同日、ジョホール州の「イオンモール・テブラウシティ」に直営1号店をオープンした。

1号店はモール2階に位置し、4席で、営業時間は10―22時。価格をマレーシアの平均的な理美容店の価格帯となる32リンギに設定し、10分で高い技術のヘアカットサービスを提供していく。完全キャッシュレス対応で、日本とは異なり店舗での予約を受け付け、利便性を図る。現在30店舗を展開するシンガポールと近く、親和性が高いことなどから同州が選ばれた。

1号店に先立ち、昨年11月に現地法人「QBハウス・マレーシア」をクアラルンプール(KL)に設立。KLをはじめ、ドミナント戦略による店舗展開を目指す。QBハウスのマレーシア進出は、今年1月のベトナムに続くもので、東南アジアでの展開を強化する方針。同社は現在、海外で130店舗以上を直営展開している。