セランゴール州、スルタン在位を祝い10月25日を特別休日に

【シャアラム】 セランゴール州政府は11日、同州スルタン、シャラフディン・イドリス・シャー殿下の在位25周年を記念し、10月25日を特別休日にすると発表した。

州政府によると、この日は日曜日にあたるため、州政府機関などでは翌26日が振替休日となる。また民間企業の雇用主に対しては、業務上の継続性などを考慮した上で、各社の判断により従業員に休暇を付与することが推奨されるとした。

同日は21発の礼砲を伴う記念式典が行われるほか、9月28日から11月1日にかけて約20の祝賀行事が予定されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、9月11日)

ザヒド副首相がGST再導入を要求、SSTとの併用案を否定

【クアラルンプール】 与党連合の一角を占める国民戦線(BN)の中核党、統一マレー国民組織(UMNO)のザヒド・ハミディ総裁(副首相)は、物品・サービス税(GST)を再導入するよう政府に要請。アンワル・イブラヒム首相が検討しているGSTと現行の売上・サービス税(SST)を組み合わせた「ハイブリッド型」税制については、「そのような制度は必要ない」と否定した。

ザヒド氏は11日にクアラルンプールで開催されたUMNO年次総会の総裁演説で、「課税制度をGSTに戻すべきだ。GSTとSSTのハイブリッドはない。どの国もそのような制度を採用していない」と指摘。アンワル氏に対し「国民の声に耳を傾けてほしい」と訴え、会場から大きな拍手と賛同の声が上がった。

GSTは2015年4月に当時ナジブ・ラザク首相が率いるBN政権が税率6%で導入した。しかしマハティール・モハマド元首相とアンワル氏が率いる希望同盟(PH)への政権交代に伴い、2018年6月に実質的にゼロ税率化され、同年9月にはSSTに置き換えられた。

しかし大幅な税収減や複雑な税制、税収漏れなどの問題からGST再導入論が強まっており、アンワル首相も先ごろ、より効率的で進歩的な税制を構築するためGSTの要素をSSTに取り入れる案を含めて検討していると説明していた。

BNとUMNOは次期総選挙をにらみ、「マレーシア・ブルー・アジェンダ」と呼ぶ8項目の政策構想を発表した。GST再導入案はこれに含まれている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、9月11日)

テイラーズ大学で第2回日本食特別講義、テーマは「水産物」

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所が主催する現地の調理学生を対象とした第2回日本食・日本食材の特別講義が14日、セランゴール州のテイラーズ大学の調理学部で開催された。

同特別講義は農林水産物・食品輸出支援プラットフォームの取り組みとして、ジェトロが4回に分けてシリーズ開催しているもので、将来マレーシアのホテルやレストランといったフードサービス業界を担う未来のシェフたちを対象に日本食・日本食材に関する正しい知識や調理技術の習得、及び魅力を理解してもらい、日本食・ 日本食材の将来的な需要創出や利用促進を図るのが狙い。

2回目のテーマは「水産物」で、「SUSHI KITA」の料理長兼オーナーである北子華夏(ほくね・はるか)シェフが講師として登壇。日本産と地物の鯛の比較を題材にして、「食材と調理法、価格」の関係を考えることの重要性、根拠に基づいた素材選びを説明できるようにすることの重要性などを説いた。

テイラーズ大学の学生37人が聴講し、質疑応答では「魚を新鮮に保つには?」、「みりん、酒を使わない調理法は?」、「湯霜のテクニックは?」、「魚を熟成させた場合、食中毒は大丈夫か?」、「神経締めは全ての日本食シェフができるのか?」といった質問が学生から寄せられた。

3回目のテーマは「和牛」で10月に開催、シリーズ最終の4回目(11月)ではチームに分かれて日本食材を使った料理のコンペティションが行われる予定。

【総点検・マレーシア経済】第555回:ペトロナスが抱えたPRefChemというリスク

第555回:ペトロナスが抱えたPRefChemというリスク

8月28日、国有石油会社ペトロナスは2026年上半期の業績を発表しました。売上は前年同期から15%増加して1524億リンギ、税引き後利益は4%増加して272億リンギとなりました。売上の増加には、原油価格(ブレント)が前年同期の1バレル=71.9ドルから92.3ドルにまで高騰したことが貢献しました。

ホルムズ海峡危機の中で堅調な業績に見えますが、筆者には、ペトロナスは久々に大きなリスクを抱えてしまったように思われます。以下に説明します。

まず、原油価格が高騰し、売上がの見た割に利益が伸びていません。理由は、ジョホール州の 石化コンビナートRAPID内にあるプングラン製油社(PRC)とプングラン石油化学社(PPC、以下、両社総称PRefChem)への追加出資に伴い、これまで持分法会計で未認識だった累積損失RM148億を一括計上したためです。なお、合弁パートナーであったサウジアラムコからの両者の株式を全額買収する契約が2026年5月に締結されたましたが、6月末時点ではまだ完了していません。

RAPIDは巨大な石油コンビナートで、操業後にコロナ禍で需要が低迷したこと、製油施設が何度も停止し、稼働率が低下したことなどが重なり、損失が累積していました。今回は、増資に伴ってその累損が計上され、明らかになりました。一概には言えませんが、RM148億の損失はペトロナスの持ち分50%分で、サウジアラムコ分を合計すると、創業から6年半でRM250億〜300億RM、毎期平均してRM40〜50億程度の損失を計上していたことになります。

現在、ホルムズ海峡危機によって、アジア地域での石油化学製品の市況は好転しています。実際、ペトロナスの2026年上半期の川下事業は、PRefChemの累損を除けば税引き後利益で70億リンギの黒字と報告されています。

しかし、アジア地域では中国を始めとする各国の石油コンビナートの稼働が相次いでおり、供給は構造的に過剰気味です。PRefChemの累損の巨大さからみても、市況が崩れたり、施設が稼働を停止する事故があると、一気に損失は膨らみます。しかも、今後はペトロナス(およびペトロナス化学)の100%子会社となるので、損失は全て本体に計上されることになります。

ここのところ、ペトロナスの税引き前利益は700億リンギ程度有るので、PRefChemの業績が悪化しても吸収できないわけではありません。しかし、PRefChemが市況低迷時にはペトロナスの利益を押し下げる要因になる可能性は否定できません。

ペトロナスは、今回の買収による完全子会社化によって、バリューチェーン全体をコントロールし、マレーシアのエネルギー安全保障に貢献することを挙げています。実際に、そうした面での貢献は大きいですし、日本でも出光が製油所の閉鎖を撤回するなど、経済安全保障を理由に自国の製油能力を維持・拡大する動きが目立ちます。

ただ、商業面から見れば慢性的に過剰供給の業界で、稼働率が安定しない巨大石油コンビナートを100%子会社として持つことは、明らかにリスク要因となります。まずはPRefChemが安定的に創業できるか、そして、危機時には原油を安定的に調達できるか、平時には市況が崩れないか、常にリスクを見なければいけない厄介な存在を抱え込むことになります。

 

熊谷 聡(くまがい さとる) Malaysian Institute of Economic Research客員研究員/日本貿易振興機構・アジア経済研究所主任調査研究員。専門はマレーシア経済/国際経済学。 【この記事のお問い合わせは】E-mail:satoru_kumagai★ide.go.jp(★を@に変更ください) アジア経済研究所 URL: http://www.ide.go.jp

【イスラム金融の基礎知識】第600回 イスラム銀行強度ランキングを分析

第600回 イスラム銀行強度ランキングを分析

Q: イスラム銀行上位100行にマレーシアは何行ランクインしていますか?

A: ある国のある市場の成熟度を測る際には、市場規模のみならず参入している事業者数も重要な指標となる。例え市場規模が大きくとも、独占や寡占の状態では、市場の健全な発展を阻害する要因となりうる。多くの企業による競争状態から、底堅い発展やイノベーションが生まれると期待できる。この点について、マレーシアのイスラム銀行市場をみてみたい。

シンガポールの金融情報リサーチ会社であるTABインサイツ社は、昨年末に「世界のイスラム銀行の強度トップ100行」を発表した。これは、イスラム銀行の総資産や融資残高、預金残高、売上高、ROAなど14項目について独自の点数化を行い、ランキング形式でまとめたものである。これによると、マレーシアは13位のメイバンク・イスラミックを筆頭に16行がランクインした。ひとつの国で16行がランクインしたのは、マレーシアが最多であり、2位のインドネシアの11行を引き離した。イスラム金融大国で国内に多くのイスラム銀行が存在する国をみてみると、パキスタンとバングラデシュがそれぞれ9行、トルコとUAEがそれぞれ6行、サウジアラビアは4行にとどまった。市場の独占や寡占は、市場の草創期の育成段階では必要な措置とみることもできるが、やはり底堅い健全な発展には企業間の競争が必要だろう。

マレーシアの16行の内訳をみると、いわゆる8大民間金融グループそれぞれのイスラム銀行、専業銀行であるバンク・イスラム、バンク・ムアーマラート、MBSB銀行、外資系のうちサウジ資本のアル・ラジヒ銀行、イギリス資本のHSBCとスタンダード・チャータード銀行、シンガポール資本のOCBC銀行、および政府系の協同組合銀行(バンク・ラクヤット)である。国内資本のイスラム銀行が軒並みランクインする一方、一部の外資系はランク外となった。

福島 康博(ふくしま やすひろ)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。