首都圏で高速道路3本新設へ、交通渋滞の解消目指す

【クアラルンプール】  ファディラ・ユソフ上級相(公共事業相)は、首都圏クランバレー周辺の渋滞解消を目指し、高速道路新設プロジェクト▽ペタリンジャヤ交通分散高架道路(PJDリンク)▽バンギ・プトラジャヤ高速道路(BPE)▽クアラルンプール北部分散高速道路(KL NODE)ーー3件を承認したと発表した。
ユソフ大臣によると、代替ルートの新設により交通渋滞の緩和、接続性の改善を目指す。5年に渡る調査を実施し、開発計画を策定する予定だ。これらのプロジェクトは民間企業が提案したもので、他にも検討中の案件があるという。

ユソフ大臣は、新高速道路によって道路渋滞が軽減できるとは保証できないと強調。車両数が増加すれば、新しい高速道路ができても渋滞は続くとし、公共交通機関の利用を改めて呼びかけた。政府は大量高速輸送(MRT)や軽量鉄道(LRT)など公共交通機関へ投資を継続し、代替交通手段を提供しているとして、自動車利用を60%、公共交通機関利用を40%にすれば、車の増加量を相殺でき、交通渋滞を緩和できる可能性があると述べた。

(ポールタン、5月24日、フリー・マレーシア・トゥデー、5月23日)

配車サービスのインドライバー、ランカウイでサービス開始

【アロースター】  配車サービス大手のインドライバーは23日、ランカウイ島でサービスを開始した。
インドライバーは米カリフォルニアに本社を置き、42カ国でサービスを展開。全世界で1億人以上のユーザーを有する。マレーシアには2021年10月に進出し、ペナン、アロースター、マラッカ、ジョホールバルなどの主要都市に展開していた。乗車料金を決定してドライバーと交渉できる「リアルタイム取引機能」が特徴。安全対策としてGPS位置情報と乗車情報を家族や友人などに通知できるオプションやカスタマーサポートへの直接連絡機能、警察に直接接続するSOSボタンなども提供している。
アジア太平洋地域ライドヘイリング担当ディレクターのローマン・エルモシン氏は、人気観光地であるランカウイへの観光客の増加に伴い、配車サービス需要が増加することも期待していると言明。高品質かつ手頃な価格で便利な配車サービスを提供していくと述べた。
ランカウイでは、現時点で250人以上のドライバーが登録。登録促進のため、ドライバーを対象に期間限定で手数料がゼロになるキャンペーンも実施している。
(ベルナマ通信、5月23日)

マレーシア航空、ASEAN全域の回数券を販売開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】  マレーシア航空は23日、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域全域で利用できる回数券「MHフライパス・アセアン」の販売を開始した。
2021年4月に導入した国内線の回数券「MHフライパス」の対象エリアをASEAN地域に拡大した。有効期限は購入日から1年間。マレーシア航空が乗り入れるASEAN12都市間で6回搭乗でき、往復3回もしくは片道6回の利用が可能だ。ピーク時や祝祭日など利用制限はなく、空席があれば利用することができる。付帯サービスとして、優先チェックインや優先搭乗、フライト変更、受託手荷物最大35キログラム、機内での飲食サービスのほか、搭乗日当日の出発空港で予約便より早い出発時刻フライトへの変更ができるサービスなどが付く。
料金はゾーン別に設定されており、1,499リンギのゾーン1はクアラルンプール国際空港(KLIA)とインドネシア(ジャカルタ、メダン、スラバヤ)、シンガポール、タイ(バンコク、プーケット)、ベトナム(ホーチミン)、カンボジア(プノンペン)、ミャンマー(ヤンゴン)の9都市間。ゾーン2は2,099リンギで、KLIAとフィリピン(マニラ)、ベトナム(ハノイ)、インドネシア(バリ)間。全12都市に渡航可能なゾーン3は2,699リンギとなる。
詳細はウェブサイト( https://www.malaysiaairlines.com/my/en/plan-your-trip/mhflypass/asean-flypass.html )で公開している。

鶏肉不足対策、6月より輸出を停止=イスマイル首相

【プトラジャヤ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、最大360万羽分の鶏肉の輸出を6月1日付けで停止すると発表した。国内で起きている鶏肉の供給不足への短期的対策として23日の閣議で決定した。期限は決まっておらず、鶏肉供給量と価格が安定するまで行うという。
政府はまた、全国的な鶏肉の緩衝在庫を備蓄するため、農業食品産業省(MAFI)および下部機関が現在所有している冷蔵室保管施設を整備することを決定。さらに畜産品の生産・供給強化に向け、海外における食肉処理場の承認件数を増やすことを決めた。
 政府は国内の鶏肉不足の背景には複数の大規模養鶏会社による価格・生産量を決めるカルテルの存在があるとみており、現在マレーシア競争委員会(MyCC)が6月の完了を目標に調査を行っている。違反行為が見つかり次第、法的措置をとる方針だ。鶏肉には1キログラム当たり8.90リンギの上限価格が決められており、政府が補助金を支給している。
 なお政府は先ごろ、一部食品において適用されていた輸入枠である承認許可証(AP)制度の廃止を発表し、鶏肉もAP廃止対象となっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、5月24日、エッジ、ベルナマ通信、5月23日)

格安航空ファイアフライ、スバン—シンガポール線を再開

【クアラルンプール】 格安航空会社ファイアフライは、クアラルンプール(スバン空港)―シンガポール(セレター空港)線を6月13日から再開すると発表した。
同路線の再開は2年ぶり。機材はATR72-500型機(72席)を使用し、毎日2往復する。運賃は片道119リンギからとなっている。
スケジュールはFY3124便がスバン発7時30分、セレター着8時50分で、戻りのFY3125便がセレター発9時20分、スバン着が10時40分。FY3128便がスバン発12時55分、セレター着14時15分で、戻りのFY3129便がセレター発14時45分、スバン着が16時5分となっている。年末にかけて段階的に運航本数を増やしていく。
ファイアフライのフィリップ・シー最高経営責任者(CEO)は、「観光芸術文化省が今年200万人の外国人観光客の誘致を目標としていることもあり、当該路線を再開することは両国のコミュニティをつなぐ役割を果たす絶好の機会だと考えている」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月24日、ファイアフライ資料)

MM2H申請件数が激減、斡旋団体が政府に規定緩和を要求

【クアラルンプール】 昨年ガイドラインが見直された外国人の長期滞在を奨励する「マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)」プログラムについて、斡旋団体は新規申請件数が大幅にダウンしたとして政府に見直しを求めている。

MM2Hコンサルタント協会によると、昨年10月に申請受付再開にあわせて規定が大幅に厳格化されたことから、今年4月8日までの約6カ月間で申請件数がわずか44件で、ビザがおりたのは28件のみだった。申請者のほとんどが中国人だという。

アンソニー・リウ会長によると、新型コロナウイルス「Covid-19」とガイドラインの厳格化が原因で、以前は年間6千件のビザが発行されていた。このため協会では、MM2Hを魅力あるものに戻すために、4万リンギに引き上げられた海外での所得証明を再考するよう政府に呼びかけている。

あるMM2Hコンサルタント会社のジェイミー・チュー氏によると、ガイドライン変更後、香港や中国から問い合わせ件数が週3件程度にとどまっており、1カ月に3-5件の申請があった以前とは雲泥の差となっている。また従来のガイドラインを維持しているサラワク州のMM2Hである「S-MM2H」にシフトする動きが加速しているという。

新ガイドラインでは、ビザ有効期間の10年から5年への短縮、年間ビザ料金引き上げ、年間90日間のマレーシア滞在義務化などが盛り込まれたが、特に問題視されているのが資産証明に関する条件の厳格化。これまで月1万リンギだった海外所得が4倍の4万リンギに、これまで35万-50万リンギだった銀行への定期預金額が100万リンギに大幅に引き上げられた。
(ザ・スター、5月21日)

ナイトクラブやパブ、15日付けで営業再開許可

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大防止のため、約2年間営業が停止されていたナイトクラブやパブについて、15日付けで営業再開が許可された。「ネガティブ・リスト」に掲載され禁じられていた経済活動の中で最後のものとなり、全経済活動が可能となった。
 住宅・地方自治省は12日、最新のナイトクラブ向け標準的運用手順(SOP)を発表。定員制限はなく、ダンスも許可されるが、すべての顧客が入店24時間前以内にRTK抗原検査を受け、結果が陰性である必要がある。事前に検査を受けていない場合には入店時に検査を受ける。顧客は飲食やダンス時以外でのフェイスマスクの着用が義務付けられる。ナイトクラブ、パブの運営者は、職業安全衛生局(DOSH)のガイドラインに沿った換気と室内空気の管理が義務付けられる。
レストラン・ビストロ経営者協会のジェレミー・リム副会長は、ナイトクラブ再開には人手が必要だとし、人手不足が懸念されるため、元従業員の呼び戻しやダブルシフトへの協力を募るなどの方法を考える必要があると言明。定員制限は緩和されたが、事前協議の結果、協会員の多くが十分なスペースを確保するため、自主的に定員の60ー70%までという制限を設定するという。リム副会長はまた、入場行列が長くなるのを防ぐため、顧客に対し事前のRTK抗原検査を勧めるとし、まだ換気システムを改善していないナイトクラブ経営者に対しては、最新換気システムの迅速な導入を呼びかけた。
(ザ・スター、5月14日、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、5月12日)

サンドイッチの米サブウェイ、向こう10年間で500店舗新設へ

【ペタリンジャヤ】 サンドイッチのファストフード・チェーンを世界展開する米サブウェイは9日、飲食店チェーン運営のペガコーンと新たにマスターフランチャイズ契約を締結したと発表した。向こう10年間でマレー半島全域での500店舗新設を目指す。
ペガコーンは2019年からサブウェイのフランチャイズ・パートナーとなっている。今後は、空港、病院、ガソリンスタンド、コンビニなど、従来とは異なる立地へも出店を行なっていく。ドライブスルーや作り置きによる持ち帰りの迅速化など、消費者の利便性向上も図る。
サブウェイにとって今回の提携は、インドネシアとタイでのマスターフランチャイズ契約に続き、東南アジアにおける3番目の提携となる。アジア太平洋地域での店舗数を今後5年間で現在の約3,300店舗から6,000店舗まで倍増させる計画だ。
サブウェイのジョン・チッドセイ最高経営責任者(CEO)は、アジア太平洋および東南アジアの市場は、サブウェイに大きな成長機会を提供しており、国際成長戦略にとって不可欠だと言明。ペガコーンは、マレーシアでの展開に必要な洞察力と経験を持ち、豊富な人材と戦略により成功を収めていると述べた。
(ザ・サン、5月11日、ベルナマ通信、5月10日)

英アルケミヤ、イスラム教関連動画提供でセルコムと提携

【クアラルンプール】 オンラインでイスラム教コンテンツを提供する英アルケミヤは、携帯電話サービスのセルコム・アシアタと提携を発表。マレーシアでイスラム世界に関する映画、ドラマ、ドキュメンタリー、テレビ番組などの動画提供を開始した。
アルケミヤは声明で、セルコムとの提携により、イスラム教をテーマにしたコンテンツをマレーシアで1,400万人以上のユーザーに提供できるようになったと述べた。セルコムの全加入者は、追加料金なしでアルケミヤのサービスを7日間無料でストリーミング視聴できる。無料期間終了後も、自動更新により月額9リンギの特別料金で継続利用が可能。料金はセルコムの携帯料金とまとめて支払うことができる。
アルケミヤのナヴィッド・アクタル最高経営責任者(CEO)は、アルケミヤはムスリム(イスラム教徒)家庭の価値観を反映したもので、ムスリム世界の優れた文化、遺産、伝統を称えるコンテンツを提供することで世界のムスリムコミュニティをつなぐことを目的に設立されたと言明。セルコムはアルケミヤのビジョンに協力的であり、両社の「コミュニティ第一」のアプローチも一致しているため、今後両社のさまざまな取り組みや活動を通じて、アルケミヤのコンテンツがマレーシアのより多くの人々に届くことを願っていると述べた。
アルケミヤのサイトにセルコム利用者用申し込みページが準備されており、申し込み時には携帯番号の入力が必要。アルケミヤのアプリ経由で携帯電話やスマートテレビ上での動画視聴が可能となる。
(ベルナマ通信、5月9日)

プロトン、4月の販売台数が32.2%の大幅減に

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、世界的な半導体不足の影響で4月の販売台数が前月比32.2%減の8,839台にとどまったと明らかにした。前年同期比でも41.1%の大幅減となった。
4月の販売シェアも推定15.6%にとどまり、3月の18.6%から下降した。年初4カ月のシェアは17%と推定され、ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)に次ぐ2位は維持したとみている。
車種別の販売台数は、Bセグメント・スポーツ車(SUV)の「X50」が1,554台、CセグメントSUVの「X70」が1,530台、Cセグメント多目的車(MPV)の「イゾラ」が301台で、それぞれのセグメントで売り上げトップを記録した。
販売台数が4,579台で最も売れたのはAセグメント・セダン「サガ」で、プロドゥア「ベザ」に後れをとったものの年初4カ月の販売台数は1万4,028台となった。「サガ」は5月にも新型車が発表される予定だ。またBセグメント・セダン「ペルソナ」の販売台数はは622台、Bセグメント・ハッチバック車「アイリス」は253台で、各セグメントで3位、4位だった。
販売子会社プロトン・エダルのロスラン・アブドラ最高経営責任者(CEO)は、少なくとも5、6月の半導体供給を確保しており、今後数カ月で「迅速な回復」を期待していると指摘。「今年後半の状況は依然として不確実であり、世界の自動車業界はコスト上昇圧力にさらされている」とした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月7日、ポールタン、5月6日)