マレーシア、「イスラム教徒に優しい旅行先」で8年連続首位

【クアラルンプール】  マスターカードとクレシェント・レーティングが共同で毎年発表している「グローバル・ムスリム(イスラム教徒)・トラベル・インデックス(GMTI)2022」は、ムスリム旅行者に優しい旅行先としてマレーシアを1位に選出した。マレーシアは、2015年より首位をキープし続けている。
GMTIは、アクセス、コミュニケーション、環境、サービスという4側面から、各国がムスリム・フレンドリー(イスラム教徒への配慮がある)かどうかを調べたもので、2015年より毎年調査を実施している。GMTI2022では、紛争当事国を除く全138カ国・地域の中からマレーシアがトップとして選ばれた。同率2位となったのは、トルコ、サウジアラビア、インドネシアの3カ国。イスラム協力機構に加盟していない国の中では、シンガポール、台湾、タイ、イギリスが上位にランクインした。
クレシェント・レーティングの創設者兼最高経営責任者(CEO)であるファザル・バハルディン氏は、ムスリム旅行者数は2019年に1億6,000万人だったが、パンデミック期間中には減少したものの、2023年に1億4,000万人、2024年には2019年と同じ1億6,000万人に回復する見込みで、2028年までには2億3,000万人、消費額2,250億米ドル(9,870億リンギ)規模にまで達すると予想。ムスリム人口の中でZ世代やミレニアル世代、女性が最も影響力を持つ層で、その中でも女性旅行者数が急速に増加しているため、旅行業界が早期回復できると楽観視していると述べた。
(ベルナマ通信、マレーシアン・リザーブ、6月1日)

テキサスチキン200店舗達成目指す、サバ・サラワク進出も計画

【クアラルンプール】  マレーシアにおける米テキサス州発祥のチキン店「テキサスチキン」のフランチャイジーである星エンビクタス・インターナショナル・ホールディングスは、サバ州やサラワク州への進出を含む大規模出店を計画している。
エンビクタス・インターナショナルが5月30日に発表した声明によると、同社は2012年にフランチャイズ契約を交わし、2013年1月にマレーシア1号店を開設。今年5月20日に米ケイジャン・グローバルとの間で、マレーシア・ブルネイにおけるフランチャイズ契約を更新した。
エンビクタス・インターナショナルは現在、マレー半島では「テキサスチキン」を85店舗を運営している。既存店舗の6割は首都圏クランバレーにあり、半数以上はショッピングモールに入居している。
同社は2億3,000万リンギを投資して、2030年までにサバ州やサラワク州での初出店を含め新たに115カ所開設し、総店舗数を200カ所とする計画。人員も約6,000人に増やす。その一方で、ドライブルーや配達などサービスを拡充し、顧客の利便性向上に努める方針だ。
(ザ・サン、5月31日、エッジ、5月30日)

今年は高温と豪雨の異常気象が特徴、気象局予報

【ペタリンジャヤ】 今年のマレーシアの天気は、強い日差しによる気温の上昇と豪雨という異常気象が特徴のようだ
長期予報も一時、混乱をきたした。ムハンマド・ヘルミ気象局長は今月初め、南西から吹く季節風(モンスーン)の開始を発表した際、暑い日が続き、降雨は少なめと説明していた。しかし同局は5月25日、鉄砲水が発生した複数の州では豪雨が予想されるとの警報を出した
ムハンマド・ヘルミ氏によると、日付変更線より東の太平洋赤道海域で海面水温が平年より低くなるラニーニャ現象の影響で、雨量が増す可能性もあるという。こうした傾向は10月まで続く見通しだ。
マラヤ大学の気象専門家、ノル・アジザン教授も同意見で、ラニーニャ現象の影響で平年以上の降雨が予想されると述べた。

クアラルンプールで発生した水害について、ノル教授およびスルタン・ザイナル・アビディン大学講師のアジマ・イスマイル氏は「気象によるものではなく排水設備の問題」と断じた。
(ザ・スター、5月26日)

ドラッグストアのワトソンズ、ジョホールに初の路面店開設

【クアラルンプール】 ドラッグストア「ワトソンズ」を運営するワトソンズ・マレーシアは、ジョホール州ジョホールバルに「ワトソンズTDセントラル」をオープンした。同社にとって初の路面店かつドライブスルー型店舗となる。
タマン・ダヤにオープンした店舗は、ジョホールバルのみならずシンガポールからの顧客もターゲットとしており、コーヒーショップの「ズス・コーヒー」も入居している。店舗の面積は約4,865平方フィート。
ドライブスルーの利用にはワトソンズ・モバイル・アプリが必要。「クリック・アンド・コレクト・エクスプレス・サービス」メニューから商品の購入手続きを行い、受け取り場所を「ワトソンズTDセントラル」に指定した後、4時間以内に店舗で受け取ることが可能だ。
ワトソンズ・マレーシアのキャリン・ロー社長は、新型コロナのエンデミック(風土病)段階へ移行し、今年は良いスタートを切ったとし、今後さらに消費者に新たな経験や商品、サービスを提供できることを楽しみにしているとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月26日、ジ・イスカンダリアン、5月20日)

首都圏で高速道路3本新設へ、交通渋滞の解消目指す

【クアラルンプール】  ファディラ・ユソフ上級相(公共事業相)は、首都圏クランバレー周辺の渋滞解消を目指し、高速道路新設プロジェクト▽ペタリンジャヤ交通分散高架道路(PJDリンク)▽バンギ・プトラジャヤ高速道路(BPE)▽クアラルンプール北部分散高速道路(KL NODE)ーー3件を承認したと発表した。
ユソフ大臣によると、代替ルートの新設により交通渋滞の緩和、接続性の改善を目指す。5年に渡る調査を実施し、開発計画を策定する予定だ。これらのプロジェクトは民間企業が提案したもので、他にも検討中の案件があるという。

ユソフ大臣は、新高速道路によって道路渋滞が軽減できるとは保証できないと強調。車両数が増加すれば、新しい高速道路ができても渋滞は続くとし、公共交通機関の利用を改めて呼びかけた。政府は大量高速輸送(MRT)や軽量鉄道(LRT)など公共交通機関へ投資を継続し、代替交通手段を提供しているとして、自動車利用を60%、公共交通機関利用を40%にすれば、車の増加量を相殺でき、交通渋滞を緩和できる可能性があると述べた。

(ポールタン、5月24日、フリー・マレーシア・トゥデー、5月23日)

配車サービスのインドライバー、ランカウイでサービス開始

【アロースター】  配車サービス大手のインドライバーは23日、ランカウイ島でサービスを開始した。
インドライバーは米カリフォルニアに本社を置き、42カ国でサービスを展開。全世界で1億人以上のユーザーを有する。マレーシアには2021年10月に進出し、ペナン、アロースター、マラッカ、ジョホールバルなどの主要都市に展開していた。乗車料金を決定してドライバーと交渉できる「リアルタイム取引機能」が特徴。安全対策としてGPS位置情報と乗車情報を家族や友人などに通知できるオプションやカスタマーサポートへの直接連絡機能、警察に直接接続するSOSボタンなども提供している。
アジア太平洋地域ライドヘイリング担当ディレクターのローマン・エルモシン氏は、人気観光地であるランカウイへの観光客の増加に伴い、配車サービス需要が増加することも期待していると言明。高品質かつ手頃な価格で便利な配車サービスを提供していくと述べた。
ランカウイでは、現時点で250人以上のドライバーが登録。登録促進のため、ドライバーを対象に期間限定で手数料がゼロになるキャンペーンも実施している。
(ベルナマ通信、5月23日)

マレーシア航空、ASEAN全域の回数券を販売開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】  マレーシア航空は23日、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域全域で利用できる回数券「MHフライパス・アセアン」の販売を開始した。
2021年4月に導入した国内線の回数券「MHフライパス」の対象エリアをASEAN地域に拡大した。有効期限は購入日から1年間。マレーシア航空が乗り入れるASEAN12都市間で6回搭乗でき、往復3回もしくは片道6回の利用が可能だ。ピーク時や祝祭日など利用制限はなく、空席があれば利用することができる。付帯サービスとして、優先チェックインや優先搭乗、フライト変更、受託手荷物最大35キログラム、機内での飲食サービスのほか、搭乗日当日の出発空港で予約便より早い出発時刻フライトへの変更ができるサービスなどが付く。
料金はゾーン別に設定されており、1,499リンギのゾーン1はクアラルンプール国際空港(KLIA)とインドネシア(ジャカルタ、メダン、スラバヤ)、シンガポール、タイ(バンコク、プーケット)、ベトナム(ホーチミン)、カンボジア(プノンペン)、ミャンマー(ヤンゴン)の9都市間。ゾーン2は2,099リンギで、KLIAとフィリピン(マニラ)、ベトナム(ハノイ)、インドネシア(バリ)間。全12都市に渡航可能なゾーン3は2,699リンギとなる。
詳細はウェブサイト( https://www.malaysiaairlines.com/my/en/plan-your-trip/mhflypass/asean-flypass.html )で公開している。

鶏肉不足対策、6月より輸出を停止=イスマイル首相

【プトラジャヤ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、最大360万羽分の鶏肉の輸出を6月1日付けで停止すると発表した。国内で起きている鶏肉の供給不足への短期的対策として23日の閣議で決定した。期限は決まっておらず、鶏肉供給量と価格が安定するまで行うという。
政府はまた、全国的な鶏肉の緩衝在庫を備蓄するため、農業食品産業省(MAFI)および下部機関が現在所有している冷蔵室保管施設を整備することを決定。さらに畜産品の生産・供給強化に向け、海外における食肉処理場の承認件数を増やすことを決めた。
 政府は国内の鶏肉不足の背景には複数の大規模養鶏会社による価格・生産量を決めるカルテルの存在があるとみており、現在マレーシア競争委員会(MyCC)が6月の完了を目標に調査を行っている。違反行為が見つかり次第、法的措置をとる方針だ。鶏肉には1キログラム当たり8.90リンギの上限価格が決められており、政府が補助金を支給している。
 なお政府は先ごろ、一部食品において適用されていた輸入枠である承認許可証(AP)制度の廃止を発表し、鶏肉もAP廃止対象となっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、5月24日、エッジ、ベルナマ通信、5月23日)

格安航空ファイアフライ、スバン—シンガポール線を再開

【クアラルンプール】 格安航空会社ファイアフライは、クアラルンプール(スバン空港)―シンガポール(セレター空港)線を6月13日から再開すると発表した。
同路線の再開は2年ぶり。機材はATR72-500型機(72席)を使用し、毎日2往復する。運賃は片道119リンギからとなっている。
スケジュールはFY3124便がスバン発7時30分、セレター着8時50分で、戻りのFY3125便がセレター発9時20分、スバン着が10時40分。FY3128便がスバン発12時55分、セレター着14時15分で、戻りのFY3129便がセレター発14時45分、スバン着が16時5分となっている。年末にかけて段階的に運航本数を増やしていく。
ファイアフライのフィリップ・シー最高経営責任者(CEO)は、「観光芸術文化省が今年200万人の外国人観光客の誘致を目標としていることもあり、当該路線を再開することは両国のコミュニティをつなぐ役割を果たす絶好の機会だと考えている」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月24日、ファイアフライ資料)

MM2H申請件数が激減、斡旋団体が政府に規定緩和を要求

【クアラルンプール】 昨年ガイドラインが見直された外国人の長期滞在を奨励する「マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)」プログラムについて、斡旋団体は新規申請件数が大幅にダウンしたとして政府に見直しを求めている。

MM2Hコンサルタント協会によると、昨年10月に申請受付再開にあわせて規定が大幅に厳格化されたことから、今年4月8日までの約6カ月間で申請件数がわずか44件で、ビザがおりたのは28件のみだった。申請者のほとんどが中国人だという。

アンソニー・リウ会長によると、新型コロナウイルス「Covid-19」とガイドラインの厳格化が原因で、以前は年間6千件のビザが発行されていた。このため協会では、MM2Hを魅力あるものに戻すために、4万リンギに引き上げられた海外での所得証明を再考するよう政府に呼びかけている。

あるMM2Hコンサルタント会社のジェイミー・チュー氏によると、ガイドライン変更後、香港や中国から問い合わせ件数が週3件程度にとどまっており、1カ月に3-5件の申請があった以前とは雲泥の差となっている。また従来のガイドラインを維持しているサラワク州のMM2Hである「S-MM2H」にシフトする動きが加速しているという。

新ガイドラインでは、ビザ有効期間の10年から5年への短縮、年間ビザ料金引き上げ、年間90日間のマレーシア滞在義務化などが盛り込まれたが、特に問題視されているのが資産証明に関する条件の厳格化。これまで月1万リンギだった海外所得が4倍の4万リンギに、これまで35万-50万リンギだった銀行への定期預金額が100万リンギに大幅に引き上げられた。
(ザ・スター、5月21日)