【クアラルンプール】 昨年ガイドラインが見直された外国人の長期滞在を奨励する「マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)」プログラムについて、斡旋団体は新規申請件数が大幅にダウンしたとして政府に見直しを求めている。

MM2Hコンサルタント協会によると、昨年10月に申請受付再開にあわせて規定が大幅に厳格化されたことから、今年4月8日までの約6カ月間で申請件数がわずか44件で、ビザがおりたのは28件のみだった。申請者のほとんどが中国人だという。

アンソニー・リウ会長によると、新型コロナウイルス「Covid-19」とガイドラインの厳格化が原因で、以前は年間6千件のビザが発行されていた。このため協会では、MM2Hを魅力あるものに戻すために、4万リンギに引き上げられた海外での所得証明を再考するよう政府に呼びかけている。

あるMM2Hコンサルタント会社のジェイミー・チュー氏によると、ガイドライン変更後、香港や中国から問い合わせ件数が週3件程度にとどまっており、1カ月に3-5件の申請があった以前とは雲泥の差となっている。また従来のガイドラインを維持しているサラワク州のMM2Hである「S-MM2H」にシフトする動きが加速しているという。

新ガイドラインでは、ビザ有効期間の10年から5年への短縮、年間ビザ料金引き上げ、年間90日間のマレーシア滞在義務化などが盛り込まれたが、特に問題視されているのが資産証明に関する条件の厳格化。これまで月1万リンギだった海外所得が4倍の4万リンギに、これまで35万-50万リンギだった銀行への定期預金額が100万リンギに大幅に引き上げられた。
(ザ・スター、5月21日)