ビジネス訪問者の渡航支援センター、段階的に廃止へ

【クアラルンプール】 マレーシア投資開発庁(MIDA)は、外国からのビジネス訪問者のマレーシア渡航を支援するため2020年10月2日に設立されたワン・ストップ・センター(OSC)について、1日より段階的に業務を廃止すると発表した。
3月31日にMIDAが発表した声明によると、4月1日より国境が再開されることに伴い、海外からの渡航者の入国手続きが簡略化される。ワクチン接種完了後の渡航者は到着後の隔離が不要となり、OSCで申請する必要がなくなったため、業務を段階的に廃止する。
アルハム・アブドル・ラーマン最高責任者(CEO)は、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大を防ぐために導入された渡航規制により、投資先としてのマレーシアの競争力と可能性を失わないように、OSCが設立されたと説明。OSCおよびクアラルンプール国際空港ビジネストラベラーセンターでは、これまでに計3,223社の短期ビジネス渡航者の入国を許可し、推定で計1,718.2億リンギの投資を誘致したと明らかにした。
(ザ・サン、4月1日、ベルナマ通信、3月31日)

追加接種未接種でも商業施設利用や店内飲食は可能

【クアラルンプール】 カイリー・ジャマルディン保健相は3月30日、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの追加(ブースター)接種を済ませておらず4月1日にワクチン接種完了のステータスを失う対象者について、引き続きショッピングモール、職場、礼拝所への入場や店内飲食は可能だと発表した。
ただし、ワクチンの2回接種(カンシノ、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどの1回接種ワクチンは1回接種)完了は必須であり、施設の所有者、運営者は、ワクチン接種完了者だけが出入りできるよう管理する必要がある。海外からの入国者は、2回接種に加え追加接種が必須となる。
カイリー保健相は、今回の決定は、追加接種の必要性がないことを意味しているのではないと強調。データによると、ワクチン初回接種から3ー5カ月経過するとコロナ感染予防効果はファイザーで20%、シノバックで48%低下するとし、追加接種により重症化リスクを低減できると述べた。
60歳以上の高齢者及び1、2回目にシノバック製を接種した成人(18歳以上)が3月31日までに追加接種を受けていない場合、4月1日以降「ワクチン接種完了」とはみなされなくなり、「MySejahtera」アプリ上の「ワクチン接種完了」ステータスが取り消される。カイリー保健相は24日、ステータスを失うのが約200万人になる見込みだと明らかにしていた。
(ザ・スター、3月31日、マレーメイル、フリー・マレーシア・トゥデー、3月30日)

4月1日の国境再開に向け、細則を発表

【クアラルンプール=マレーシアBIZ】 4月1日からの国境再開に向け、各種細則が発表された。
カイリー・ジャマルディン保健相は3月30日、マレーシア入国者に対し、新型コロナウイルス「Covid-19」保険・旅行保険の双方の加入および保障額を2万米ドル以上とすることを義務付けると発表した。

コロナ感染後の隔離、治療・入院費用をカバーするために必要だという。ワクチン接種状況に関わらず、短期滞在ビザを利用して入国する全外国人が対象となる。保険加入が不要となるのは、シンガポールまたはマレーシアの国民、永住権保持者、長期滞在者で、ワクチン接種完了が条件となる。
 マレーシアとシンガポール間の陸路国境については、イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相により、4月7日までの期間限定で通行料の免除が発表された。マレーシア、シンガポール両国登録車両の全車種が対象となる。国境再開後、1日あたり4万2,000台の車両が往来し、最初の1週間で約40万人がマレーシアに入国すると見られている
同空路国境についても、ワクチン接種を完了している場合には隔離や到着時検査の必要はないが、出発の2日前にRTK-Ag検査を受ける必要があると発表されている。
格安航空会社エアアジアは空路国境再開に合わせ、4月16日から、シンガポール-クアラルンプール線を1日1便から4便に増便する他、シンガポールとクチン、ミリ、ランカウイ、イポー、コタキナバルとの間でも運航を再開する。

現地組立のポルシェ「カイエン」、サイムダービーが初出荷

【クアラルンプール】 コングロマリットのサイム・ダービーと独ポルシェは28日、ケダ州クリム工場から現地組立(CKD)版スポーツ車(SUV)「カイエン」を初出荷したと発表した。
両社の共同声明によると、ポルシェにとり欧州以外では初の組立工場となる。工場では、屋上に設置した太陽光発電用のソーラーパネルにより全ての使用電力をまかなう他、雨水貯水技術により廃水を最小限に抑えるなど、持続可能性基準を満たすよう工場を設計した。従業員は全員ポルシェのトレーニングを受けたマレーシア人で、部品やサービスなども地元のサプライヤーなどと契約することで国内の労働市場への貢献やスキルアップに繋がると期待されている。
「カイエン」は国内市場向けで、標準装備を強化。内装などの変更が可能なオプション「ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクチュール」やポルシェデザインの時計を搭載するなど、パーソナライズが可能だ。
サイム・ダービーのジェフリー・ダビッドソン最高経営責任者(CEO)は、両社の関係が数十年に渡るとし、ポルシェから信頼を得ていることを光栄に思っていると表明。高度技術を有するマレーシア人が従事するこの工場は自社の事業成長を支えるだけでなく、雇用機会を提供することで地域社会に貢献できると述べた。
ポルシェのアルブレヒト・ライモルト生産・物流担当役員は、新しい組立工場はスポーツカー組立に対する品質基準に適合しており、効率性や品質だけでなく持続可能性においても新基準を確立するだろうと述べた。
(ザ・スター、3月29日、エッジ、ポールタン、3月28日、サイムダービー発表資料)

マレーシアとシンガポール間の陸路国境再開、詳細を発表

【クアラルンプール】 ウィー・カション運輸相は28日、4月1日から再開されるマレーシアとシンガポール間の陸路国境について、詳細を明らかにした。
陸路では渡航条件は設けられず、すべての交通手段が利用可能となる。具体的には、バス(ステージバス、高速バス、ツアーバス、通勤バス)、タクシーなどの公共交通機関および自家用車。公共交通機関の利用開始は、運行会社の準備が整い次第となる。
ウィー運輸相は、運行会社に対して全営業車に新型コロナウイルス「Covid-19」情報・追跡アプリ「MySejahtera」読み取り用のQRコードを設置するなど、標準的運用手順(SOP)の順守を求めた。運行会社は、乗客のQRコード読み取りやフェイスマスクの着用などを保証する義務があり、万が一SOPに従わない乗客がいた場合にはサービス提供を拒否できるが、乗客のワクチン接種状況を確認する必要はない。スマートフォンへの「MySejahtera」アプリのインストールなど、定められた旅行条件を満たしていない乗客は、罰則の対象になるという。
シンガポールからマレーシア入国時に自家用車を利用する場合には、事前に外国車両入国許可証(VEP)の登録を行う必要がある。登録車両に配付されるRFID-VEPタグには交通系ICカード「タッチ・アンド・ゴー」のイーウォレット・アプリが搭載されており、道路使用料(RC)や通行料の支払いが可能。シンガポール登録車両は、RCとしてマレーシア入国1回につき20リンギを支払う必要がある。RFID-VEPタグが未装備の場合でも「タッチ・アンド・ゴー」カードで支払いが可能。入国時の渋滞を防ぐため、イーウォレットあるいは「タッチ・アンド・ゴー」カードの事前の残高補充が推奨されるという。
(ザ・サン、3月29日、ベルナマ通信、3月28日)

マレーシアとシンガポール間の陸路国境、4月1日に完全再開

【クアラルンプール=マレーシアBIZ】 マレーシアとシンガポール間の陸路国境が4月1日から全面再開される。イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相とシンガポールのリー・シェンロン首相が24日、共同声明を発表した。

4月1日より、ワクチン接種完了者は隔離や新型コロナウイルス「Covid-19」検査の必要なく、陸路での自由な往来が可能となる。ワクチン接種以外の条件は設定されず、また、自家用車など、全交通手段が利用可能となる。

発表に先立ち、カイリー・ジャマルディン保健相が23日、マレーシア公式訪問中のシンガポールのオン・イエコン保健相と会談を行ない、マレーシアとシンガポール間の国境全面再開について合意したと明らかにしていた。カイリー保健相によると、会談中にパンデミックの状況について議論を行ない、両国の感染状況が安定していることから、ワクチン接種完了者を対象にした、国境全面再開に向けて直ちに取り組むことで合意したという。

マレーシアは従来、シンガポールとの間で空路・陸路での「ワクチン接種完了者向けトラベル・レーン(VTL)」協定を結んでいたが、4月1日からのマレーシアおよびシンガポールの国境再開により、VTLは廃止される。

ディスカウント店「ミスターダラー」、今年10ー15店開設

【クアラルンプール】 ホームセンターなどの小売りチェーンを展開するミスターDIYグループ(M)は、ディスカウントショップ・チェーンの「ミスター・ダラー」を、2022年中に10-15店舗を新設する計画だ。

 「ミスター・ダラー」は2020年8月に営業を開始した食品・飲料・生活必需品など1万4,000品目を販売するチェーン店で、現在54店舗を展開している。1カ月平均1店舗のペースで開設する計画だ。
ミスターDIYグループは、▽ミスターDIY(ホームセンター)▽ミスター・トイ(玩具)▽ミスター・ダラー(ディスカウントショップ)——の3ブランドでマレーシアおよびブルネイで展開しており、3ブランド合計で920店舗以上に達している。
(ベルナマ通信、ザ・スター、3月24日)

サラワク州ビントゥルに自律型輸送システムを導入へ

【ビントゥル】 サラワク州のアバン・ジョハリ州首相は22日、5年以内にビントゥルで道路上を自動走行する自律型鉄道輸送(ART)システムの建設を開始すると明らかにした。サラワク州ではクチンに次いで2番目のART導入となる。
ビントゥルと石油化学製品の生産拠点であるタンジュン・キドゥロンを結ぶ。タンジュン・キドゥロンでは今後4年間で1万5,000人の雇用機会を創出すると見込まれており、ビントゥルからの通勤の需要に応える。シミラジャウ国立公園を訪問する外国人観光客の利用も想定されるという。
アバン州首相によると、タンジュン・キドゥロンは医療ハブとしての開発も進んでおり、州政府企業サラワク・ペットケムのメタノール工場敷地内の医療ハブに対し米国企業が第1期に2億リンギを投資、第2期では8億リンギの投資が予定されている。サラワク州政府はまた、マレーシア初の水素ガス製造センターを目指しメタノール工場を全額出資により建設予定で、完成時には1万トンの水素を製造する見込み。韓国のサムスンと日本の住友商事がすでに水素の購入を発表しているという。
アバン州首相は、ビントゥルはかつて住民5,000人の小さな漁村だったが、現在では人口23万人の工業地帯となっているとし、それは44年前に設立されたビントゥル開発公社による開発計画の成果だと強調した。
(エッジ、3月22日)

「旅行者カード」導入で入国手続きを簡略化へ=保健相

【セパン】 カイリー・ジャマルディン保健相は19日、4月1日からの国境再開後は海外からの渡航者に対し、空港での入国手続きを簡略化すると明らかにした。新型コロナウイルス「Covid-19」情報・追跡アプリ「MySejahtera」上で出発前に電子式の「旅行者カード」を発行する。
カイリー保健相は同日、ウィー・カション運輸相とともにクアラルンプール国際空港(KLIA)を訪れ、旅行者の大量到着への準備状況を確認した。4月1日以降は、ワクチン接種完了後の渡航者は、到着後の隔離が不要となるが、出発の2日前にRT-PCR検査、到着後24時間以内に医療従事者による抗原迅速検査(ART)を受ける必要がある。出発前RT-PCR検査の結果を「MySejahtera」アプリに登録した後、「旅行者カード」がアプリ内で発行され、空港での入国手続きに利用できるようになるという。
カイリー保健相はまた、ARTの代替手段として空港内でのコロナ呼気検査を実験的に導入すると述べた。渡航者はARTと呼気検査のいずれかを選べる。保健省は呼気検査の精度を検証済で、空港到着プロセスを迅速化できるとし、現在、飛行機を降りてから空港を出るまでに約1時間かかっているが、呼気検査により35分-45分程度とコロナ前と同程度まで時間を短縮できるとした。呼気検査費用は渡航者負担となる。また、従来マレーシア人帰国者対象に無料提供していたPCRテストについては、今後は無料での提供は行なわないとした。
ウィー運輸相は、航空会社に対して4月1日からの新入国規則を周知しており、また、出国前検査などの規定により、国境再開後も安全が確保されると述べた。ワクチン接種完了者向けトラベル・レーン(VTL)は導入以来合計27万7,800人が利用しているため、国境再開によってさらなる経済回復が期待できると述べた。
(ベルナマ通信、3月20日)

 

EV充電設備、25年までに1万基設置へ=副通産相

【クアラルンプール】 リム・バンホン副通産相は、「低炭素青写真2021-2030年」の下で2025年までに電気自動車(EV)の充電設備を1万基設置すると明らかにした。
下院議会質疑においてEV産業発展への取り組みについて質問を受けたリム副通産相は、マレーシア・グリーンテクノロジー・気候変動センター(MGTC)が、民間企業と協力し充電設備の設置を進めており、これまでおよそ300基を整備したと説明。それにより全国のEV充電設備はおよそ600基となったとした。他の取り組みとして、EVインフラの構築を検討している企業にはパイオニア・ステータスの付与や税制優遇措置や財政支援を行っていると説明した。EV戦略を改善させるために、関係省庁や民間企業とともにタスクフォースの設立なども行ったと言及。また充電システムやバッテリーの廃棄や交換、ワイヤレス充電に関する規格も制定していると述べた。
リム大臣は、今年度予算案で発表されたEC政策にも触れ、消費者だけではなく自動車および部品メーカーもインセンティブによる恩恵を受けていると強調。EVセクターへの投資誘致にも取り組んでおり、韓国のSKグループとIMMテクノロジーの投資を獲得したと述べた。
(ポールタン、3月17日)