エンデミックにおける新たなSOP、国家安全委が発表

【クアラルンプール】 国家安全委員会(NSC)は1日、新型コロナウイルス「Covid-19」感染症がエンデミック(風土病)段階に入ることを受け、新たな標準的運用手順(SOP)を発表した。
フェイスマスク着用については▽自宅やホテル、他人と接しない空間▽個人のワークスペース▽体育・娯楽・レクリエーション▽自家用車(配車サービス除く)▽食事の際▽パフォーマンス(歌唱、ダンス、演劇など)▽5歳以下の幼児▽特殊な事情(脳性まひ、自閉症など)▽呼吸器疾患を持つ者(医師からの診断書必要)ーーの9つの状況に関して不要となる。
またワクチン未接種もしくは完了していない者についても、▽食料・飲料・必需品の買い出し▽宿泊施設・ホームステイの利用▽検査所や薬局を含む医療サービスの利用▽学校・試験・セミナー・仕事・面接などのキャリアや生計に関連する活動▽質屋を含む銀行・金融サービス利用▽結婚式・結婚登録・離婚手続き▽身体的接触を伴わない屋外スポーツおよびレジャー活動▽高速道路を含む空路・陸路・海路での旅行▽一時的な避難所への移動など緊急事態を伴う行動ーーは認められる
(南洋商報、東方日報、4月1日)

ビジネス訪問者の渡航支援センター、段階的に廃止へ

【クアラルンプール】 マレーシア投資開発庁(MIDA)は、外国からのビジネス訪問者のマレーシア渡航を支援するため2020年10月2日に設立されたワン・ストップ・センター(OSC)について、1日より段階的に業務を廃止すると発表した。
3月31日にMIDAが発表した声明によると、4月1日より国境が再開されることに伴い、海外からの渡航者の入国手続きが簡略化される。ワクチン接種完了後の渡航者は到着後の隔離が不要となり、OSCで申請する必要がなくなったため、業務を段階的に廃止する。
アルハム・アブドル・ラーマン最高責任者(CEO)は、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大を防ぐために導入された渡航規制により、投資先としてのマレーシアの競争力と可能性を失わないように、OSCが設立されたと説明。OSCおよびクアラルンプール国際空港ビジネストラベラーセンターでは、これまでに計3,223社の短期ビジネス渡航者の入国を許可し、推定で計1,718.2億リンギの投資を誘致したと明らかにした。
(ザ・サン、4月1日、ベルナマ通信、3月31日)

「MySejahtera」データは政府所有、90日後に完全削除

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」情報・追跡アプリ「MySejahtera」で取得された全データは政府が完全所有している。3月31日の上院議会でカイリー・ジャマルディン保健相が明らかにした。
「MySejahtera」上の個人データの安全性をめぐり、上院に緊急動議が提出されたことによるもの。カイリー保健相は議論の冒頭で、「MySejahtera」を通じて得られた情報は新型コロナの感染拡大を防ぐ用途のみに使用され、「1988年感染症予防管理法」および「1971年医療法」に基づき、データの管理・使用が行なわれると述べた。訪問場所の「チェックイン」情報は、90日後に完全に削除される。クラウド上に保存されているデータに関しても、ワクチン接種推進など感染予防目的にのみ使用でき、クラウドのサーバーは国内のAIMSデータ・センターにあるため、データが他国に渡ることもないという。
カイリー保健相はまた、「MySejahtera」の所有権は15の構成モジュールを含めて全てが保健省に属していると強調した。開発会社は情報セキュリティ規格であるISO27001(ISMS)を取得済で、かつプラットフォーム運営のみに携わっており、Android版、iOS版のダウンロードサイトにもマレーシア政府所有アプリである旨明記されていると言明。「MySejahtera」アプリは国のコロナ感染管理に不可欠だとし、エンデミック(風土病)期移行後も引き続き使用する必要があるというのが保健省の見解だと述べた。
(エッジ、ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月31日)

日本通運(NXグループ)がKLIAに新倉庫開設、輸出貨物作業スペースを確保

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本通運グループ(NXグループ)のマレーシア法人、NXマレーシア(旧称・マレーシア日本通運)は1日、クアラルンプール新国際空港(KLIA)自由商業ゾーン(FCZ)内に航空貨物用の新倉庫を開設した。
新倉庫の面積は約5,900平方メートルで、マレーシア航空(MAS)貨物輸送業者コンプレックス内にある既存の約3,800平方メートルの倉庫スペースと合わせて、作業、貨物保管スペースは約9,700平方メートルに拡大する。これにより月間2,500トンほどだった取扱量が5,000トンに拡大すると見込んでいる。
既存倉庫を輸入用及びロジスティック専用、新倉庫は輸出専用とし、輸出貨物を▽北米▽欧州▽アジア▽日本――の4エリアごとに仕分けして航空会社に代わって梱包し搬出する。貨物の搬入から仕分け、梱包までの作業動線を一直線化し、ローラーベッドを活用することで処理のスピードアップを図る。また安全に輸送するためTAPA(輸送資産保全協会)の認証を取得する予定だ。

新型コロナの感染者数は1万8560人、病床使用率は63.6%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、3月31日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万8,560人だったと発表した。累計感染者数は420万1,919人となった。
新たに750人が入院。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が428人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は322人だった。
新たに1万8,253人が回復し、累計治癒者は396万82人となった。死者数は44人で、累計は3万4,983人。アクティブ感染者は、前日から263人増えて20万6,854人となった。うち97.4%が自宅、0.3%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、2.2%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は63.6%に下降した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,580万5,425人で、接種率は79.0%だった。ブースター接種完了者は1,580万8,761人で、接種率は48.4%に上昇した。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.87に下降。セランゴール州のみで1.00を上回った。
また新たに発生したクラスターはゼロで、現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は198カ所に減った。