上場企業のバーチャルのみの株主総会、来年3月から禁止

【クアラルンプール】 マレーシア証券委員会(SC)とブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)は8月30日に共同声明を発表し、2025年3月1日以降、上場企業(PLC)によるバーチャルのみの株主総会は禁止すると発表した。ブルサは今後、詳細を発表する。

バーチャルのみの株主総会は、新型コロナのパンデミックを受けて認められるようになったが、パンデミックが終息したにもかかわらずバーチャル開催は慣例化し、2024年上半期には上場企業の半数以上がバーチャルのみで年次総会を開催していたという。今後、上場企業は対面による株主総会、もしくは対面とバーチャルのハイブリッド方式の株主総会の開催が義務づけられる。

SCのモハマド・ファイズ・アズミ会長は、パンデミックの間は完全なバーチャル総会は目的を果たしたが、上場企業はハイブリッドまたは対面式の会議形式に移行する時期が来ていると言明。株主総会、特に年次総会は、経営陣・取締役を出席させる重要な会議だとし、「国内外の投資家もハイブリッドまたは対面での会議を好んでいる。透明性確保と説明責任を果たさせる事で企業のガバナンス強化につながる」と述べた。

ブルサのムハマド・ウマル最高経営責任者(CEO)は、アクセシビリティと対面の適切なバランスをとるハイブリッド方式を支持していると言明。上場企業は少なくとも対面による総会を開催するよう努めるべきであり、これによりテクノロジー障壁が排除され、株主の権利が確保され、株主総会のプロセスの完全性が維持される」と述べた。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、エッジ、8月30日)

イオン全国店舗に台湾食品・飲料の専門コーナーを設置へ

【クアラルンプール】 台湾の貿易振興機関である台湾貿易センター(TAITRA)は、イオン・マレーシアの全国店舗に、台湾食品・飲料を集めた「台湾セレクトコーナー」を設置すると発表した。取り扱うのは40ブランド以上の150品目で、年末までの4カ月間の取り組みとなる。

TAITRAによると、「台湾セレクト」は台湾食品業界の再ブランディングの一環で、マレーシアが初の展開国となるという。各店舗では、飲料、スナック、ソース、惣菜、健康食品などの多様な商品を取り揃え、試食も行うが、特にミッドバレー店、チェラス・セラタン店、ブキ・ティンギ店の3店舗を重点店舗として販売を強化する。また、11月15-19日には各店舗でポップアップイベントも行うという。

「台湾セレクト」は10月には米国西海岸都市でもプロモーションを実施する。

(ベルナマ通信、8月31日)

マレーシア発高級ブランド「ボニア」、銀座に公式店を開設

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 大西時計店(本社・北海道旭川市)は8月30日、東京銀座に日本初となる、マレーシア発ラグジュアリーブランド「ボニア」の公式フラッグシップを9月10日付けで正式オープンすると発表した。

「ボニア」 は創業以来、バッグ、アクセサリー、フットウェア、時計、アイウェアなどのコレクションを発信し続けている。日本に初上陸したのは1997年で、以来15年間、順調に日本でのファンを増やしていたが、2013年に契約上の理由から一度日本市場から撤退した。今回が再上陸となる。

銀座の公式フラッグシップは、世界共通の最新コレクションや銀座でしか手に入らない限定アイテムの展示・販売を行うだけでなく、ファンとのコミュニケーションイベント、世界中のバイヤーとのビジネスネットワーキングなどを実施するコミュニティスペースとしても機能する。

営業時間は午前11時―午後6時。土・日曜は休業となる。10日―13日は新規オープンを記念してプレゼントなどの特別企画を実施する。

フォーブスアジアの注目新興企業100社にマレーシア4社が選出

【クアラルンプール】 米経済誌「フォーブス」のアジア部門「フォーブス・アジア」は26日、アジアの注目すべき新興企業100社を発表。マレーシアからは4社が選出された。

非公開の営利企業であり、8月7日までの年間収益が5,000万米ドル以下、総資金調達額が1億米ドル以下であることが条件。オンラインでの投票と、アクセラレーター、インキュベーター、大学、ベンチャーキャピタルなどからの推薦に基づいてアジアの16カ国・地域から100社が選出された。インドが20社でトップとなり、シンガポール(15社)、中国(10社)、日本(9社)、インドネシア(8社)が続いた。

マレーシアから選出されたのは、▽アップルクランビー(ベビー用品販売)▽アイモーターバイク(中古オートバイの売買プラットフォーム)▽リブイン(若年層向け長期滞在型賃貸)▽ペイウォッチ(早期給与受け取りサービス)――。

アップルクランビーは塩素無使用のおむつなどのベビー用品を販売し、定期購入システムを導入している。アイモーターバイクは、170項目にわたる検査と返品保証により中古バイクの信頼性を保証。リブインは、手頃な価格の住宅を求める若い専門職を対象に、マレーシア、ベトナム、タイ、インドネシアの物件の紹介を行っている。ペイウォッチは、マレーシア、韓国、インドネシア、フィリピン、香港の従業員に給与の早期受け取りサービスを提供し、雇用主に対しても、従業員の勤務時間を追跡しタスクを割り当てるツールを提供している。

(マレー・メイル、8月27日、フォーブス発表資料)

イオン(M)、第2四半期は減収減益

【クアラルンプール】 イオン・カンパニー(M)は29日、第2四半期(4-6月)決算を発表。売上高が前年同期比1.2%減の10億2,000万リンギ、純利益が7.7%減の2,790万リンギになったと明らかにした。

小売事業の売上高が祝祭シーズンにも関わらず3.1%減の8億3,680万リンギとなった。一方、不動産管理サービス事業では、入居率の改善や賃貸契約の更新により、売上高が8.9%増の1億8,410万リンギとなった。2024年上半期(1-6月)の売上高は、2.3%増の21億8,830万リンギ、純利益は24.7%増の8,520万リンギに達している。

岡田尚也社長は、今年イオン・マレーシア設立40周年を迎え、販促イベントや特典を用意していると言明。さらに、顧客の多様なニーズに応えるため、より幅広い品揃えを各店舗で展開していくとし、既存店舗の改装も行っていくと述べた。

同氏によると、今月はセランゴール州のバンダル・プチョン店とクアラルンプールのデサパークシティ内のイオン・マックスバリュ・プライム店の改装を完了し、他に3店舗改装が進行中で、ネグリ・センビラン州セレンバンでは、23エーカーの敷地に2階建ての新しいモールを建設する開発計画が進行しているという。さらに、プライベートブランドや地域コミュニティ内でのイオン・リビングゾーンの拡大、デジタル化や持続可能性への取り組み、運用コストの最適化も行っていくとした。

(エッジ、8月29日、イオン(M)発表資料)

QLリソーシズ、ファミリーマートの売上急増で純利益16%増

【クアラルンプール】 コンビニエンスストアのファミリーマートをマレーシアで展開するQLリソーシズは28日、第1四半期(4-6月)の決算を発表。売上高が前年同期比1.3%増の16億2,000万リンギ、純利益が16%増の1億743万リンギとなったと明らかにした。

同社は畜産、水産物製造、パーム油、クリーンエネルギーなどの事業にも携わっているが、コンビニエンスストア・チェーン部門が成長を牽引した。同部門では、ファミリーマートを35店舗、自動販売機で商品を販売するFMミニを35店舗開設し、店舗の平均売上高も改善したことにより、売上高が22%増の3億982万リンギになった。従業員積立基金の一部引き出しが可能になったことや祝祭シーズンにより消費者心理が改善されたことも好調の要因で、税引前利益は77%増の2,050万リンギに達したという。

主力である畜産事業の税引前利益は8%増加したが、主にマレーシアのレイヤー(採卵鶏)事業の業績改善によるもので、飼料コストの低下と鶏卵コスト補助金の維持がそれを支えた。新規買収したレイヤー農場や、ベトナムの畜産事業の業績改善も同事業の業績を押し上げた。

今後の見通しとしては、中東情勢の緊迫、米中貿易戦争、世界経済の先行きが不透明であることがリスクとして考えられるが、補助金の継続や上限価格の見直しにより、第2四半期も引き続き好調が維持されると予想している。

(ザ・スター電子版、エッジ、ベルナマ通信、8月29日)

日本人を狙った仮想通貨投資詐欺を摘発、21人を逮捕

【クアラルンプール】 マレーシア王立警察(PDRM)は28日、日本人を狙った仮想通貨投資詐欺グループを摘発し、外国人を含む容疑者21人を逮捕したと発表した。

警察は8月19日に首都クアラルンプール(KL)の高級住宅2軒を捜索し、日本人を狙ったとみられる仮想通貨投資詐欺のコールセンターを摘発。パソコン17台、携帯電話55台、ルーター、警報装置2台などを押収した。

逮捕されたのは22歳から37歳までの合計21人で、内訳はマレーシア人の男1人、中国人の男16人、中国人の女1人、ラオス人の女1人、香港人の男1人、ミャンマー人の男1人。

ブキ・アマン警察本部・商業犯罪捜査局(CCID)のラムリ・モハメド・ヨスフ局長によると、外国人容疑者は詐欺コールセンターのカスタマーサービス担当者として働いており、マレーシア人の男はセンターの管理人だったとみられる。捜査によると、コールセンターの稼働期間はわずか1カ月で、詐欺グループは活動を隠蔽するために、2層の高いフェンスで囲まれ、幹線道路から離れた場所にある高級一戸建てを使用していたという。

容疑者らは、ティンダーやモンスターズなどのソーシャルメディアを通じてターゲット探しを行っていた。被害者は、ビットバンクやコインチェックといったアプリを通じて容疑者らから投資を勧誘されたという。外国人容疑者は訪問ビザでマレーシアに入国し、詐欺に成功した金額の20%を受け取っていた。

(エッジ、ベルナマ通信、8月28日)

自然電力、トレンガヌ州系企業と太陽光発電開発で協力

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 自然電力(本社・福岡県福岡市)は29日、グループ傘下の自然・インターナショナルがトレンガヌ州における太陽光発電プロジェクトの開発協力で、同州政府系投資持株会社のトレンガヌ・インコーポレイテッド(トレンガヌ社)と合意したと発表した。

同州内での野立て太陽光発電プロジェクトの共同開発を検討することに合意し覚書を締結した。調印式は2024年8月6日に行われた。

自然・インターナショナルの古賀大幹 代表取締役は、「トレンガヌ社と連携することで、地域の社会経済の発展を促進し、2025年までに再生可能エネルギー設備比率35%を達成するというトレンガヌ社の環境・社会・企業統治(ESG)目標への貢献を目指す」と述べた。

トレンガヌ社のブルハヌディン・ヒルミ最高経営責任者(CEO)は、「トレンガヌ社と州政府が州内でのグリーン・テクノロジーに関する取り組みを推進するにあたり、今回の提携がグローバル企業と協力する戦略的機会を創出することを期待している」と述べた。

仏アコーホテルズ、来年第1四半期にKLでホテル2軒開業

【クアラルンプール】 ホテル経営大手の仏アコーホテルズは、2025年第1四半期に「グランド・メルキュール」と「イビス・スタイルズ」の2軒をクアラルンプール(KL)の中心部ブキビンタンで開業する。先ごろ、ホテル運営のシンガポール系ワールドワイド・ホテルズ・グループと覚書を取り交わした。

マレーシアでは初となる「グランド・メルキュール」の客室数は325室で、24時間営業のレストラン、フィットネスセンター、プールのほか、多目的会議室・イベントスペースを備える。

手頃な料金の「イビス・スタイルズ」の客室数は168室で、24時間営業のレストランとバー、セルフサービスのコインランドリー、フィットネスセンターが設置される。

アコーホテルズは現在、プレミアム、ミッドレンジ、エコノミー(PM&E)セグメントにおいて、▽プルマン▽モーベンピック▽ノボテル▽イビス▽イビス・スタイルズ――の5ブランドにより、マレーシアで24軒のホテルを運営している。

(SMEマガジン・アジア、8月28日、ホテルマネジメント、8月22日)

マレーシア航空の連続トラブル、部品不具合と熟練社員不足が原因

【プトラジャヤ】 技術的な問題による緊急着陸や引き返しが複数回発生しているマレーシア航空(MAB)について、アンソニー・ローク運輸相は、機械部品の不具合と熟練スタッフの不足が原因との見方を示した。

ローク氏は、マレーシア民間航空局(CAAM)が6月24日から28日にかけて航空機整備を手掛けるMABエンジニアリングサービス(MABES)に対して行った調査で、1月以降、有資格整備スタッフ411人のうち63人が退職したことが明らかになったと指摘。「CAAMはMABESの整備スタッフの退職は他のメンテナンス会社からの高給オファーによる引き抜きである可能性があると結論づけた」と述べた。同調査結果は28日に行われた閣議でも発表されたという。

その上でローク氏は、調査を受けてMABは航空機の安全レベルの向上、積極的な熟練人材の採用実施、航空機エンジンのスペアパーツの相手先ブランド製造会社(OEM)からの十分な供給確保などのいくつかの対策を取り纏めたとし、「MABは実施状況に関する月次報告書をCAAMに提出するよう指示されている」と述べた。またCAAMがMABに対する監査を実施できるように、MABの航空運送事業許可(AOC)の更新期間が3年から1年に短縮され、AOCの有効期間は2025年8月31日までとなったと述べた。

今回の問題を受けてマレーシア・アビエーション・グループ(MAG)は24日、MABなど傘下3社で12月まで一時的に減便すると発表。クアラルンプール(KL)―東京(成田)線が週12便から10便に、同大阪(関西)線が9便から7便に減便となることが決まっている。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、8月28日)