【クアラルンプール】 政府は6月10日から8月31日まで復興のための行動制限令(RMCO)と位置づけて社会・経済活動の規制緩和を段階的に行なっているが、感染症専門家からは「第2波が来る可能性は低いが警戒を続けるべき」との声が上がっている。
マレーシア科学大学(USM)のカマルル・イムラン・ムサ准教授は、集団感染が今後も散発的に起きるものの感染爆発が起きる可能性は少ないとみているとした上で、政府が再び行動制限令(MCO)第一段階に戻す可能性は低いが、感染が続いているエリアを選んで強化行動制限令(EMCO)に指定する可能性はあると指摘。政府が高リスクの場所を重点的にスクリーニングして疑わしい症例では隔離を行なうべきだと主張した。
マレーシア公衆衛生師会のザイナル・アリフィン会長も同意見で、「巨大な第2波ではないが、いくつかの小さなクラスターが今後も発生する可能性がある」と指摘。クラスターは建設現場、ナイトマーケット、社交イベントなどの多くの人が集まる場所から出現する可能性が高いため、政府は地区レベルでの監視を強化し、国境での厳格な検査を実施し、コミュニティと緊密に連携する必要があると指摘した。
感染症専門家のアディーバ・カマルルザマン教授は、今後何が起こるかを予測することは困難であり、「警戒を続ける」ことがより重要であると指摘。今後も検査を続け脆弱なグループで起こり得る小さなクラスターをキャッチして速やかに隔離する必要があるとし、国境封鎖を続けるべきと述べた。
(ザ・スター、6月29日)
新型コロナ感染者が新たに3人、うち2人が国内感染
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は29日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から3人増えて8,637人になったと発表した。
新規感染者は全員マレーシア人で、1人はニュージーランドとフィジーへの旅行歴がある帰国者。2人はセランゴールとサバ州でそれぞれ感染した。また新たに16人が退院し回復者数は8,334人に増加した。死者数は16日連続でゼロだった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は26日、治癒中の感染者が191人に減少し、行動制限令(MCO)が施行された3月18日以降初めて200人を下回ったと発表した。また国内の回復率が96.4%と、東南アジア諸国連合(ASEAN)間において高水準となり、死亡率も1.41%と、世界規模で最小値を記録したと述べた。企業およびコミュニティにおける標準運用手順(SOP)の順守がこれらの成果に貢献したと言明。復興のためのMCO(RMCO)を成功させるため、引き続き規定のSOPおよびアドバイスに従うよう改めて国民に呼びかけた。
■セランゴール州アンパンでマラリア患者、地元住民も感染■
セランゴール州アンパンで地元住民を含む14人がマラリアに感染していたことが分かった。ノール事務次官によると、インドネシアのアチェ州で感染したインドネシア人の建設労働者から感染が拡大した。
感染者はインドネシア人が9人、バングラデシュ人が3人、マレーシア人とネパール人がそれぞれ1人の14人に上った。12日に初めて感染を確認し、現在は制御下にあるという。予防措置の一環としてフル・ランガット地区の保健局は、193件の家に残留噴霧を行い、340人の労働者に薬用蚊帳を配布した。
駐在員の入国手続き、日本人は事前のPCR検査が免除に
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア出入国管理局は23、24日に一部の外国人駐在員と家族に関する24日付けの入国手続きについて最新情報を発表。懸案となっていた入国許可の要件となっていた出発前の新型コロナウイルス「Covid-19」のPCR検査については、日本大使館の問い合わせに対し、日本人を適用除外とすることを確認した。
出入国管理局からの入国許可が不要なのは、就労パス・カテゴリー1(EP1)及び居住者パスー技能(RPT)保持者とその家族。出発前のPCR検査は不要。ただしマレーシア入国時に感染情報アプリ「MySejahtera」アプリのインストール、14日間の自宅隔離を行なう必要がある。また保健省の指示があればPCR検査を受ける必要がある。
専門職訪問パス(PVP)、就労パス・カテゴリー2(EP2)及び扶養家族、就労パス・カテゴリー3(EP3)などはグリーンゾーン国(現時点では豪州、ブルネイ、ニュージーランド、シンガポールの4カ国)に指定されてない日本の場合は入国許可をとる必要がある。まずは管轄官庁から必要な職種であるということを証明するサポートレターをもらい、それを添えて出入国管理局に申請する。
これらのカテゴリーでも24日付けで出発前のPCR検査は不要となる。ただしマレーシア入国時に感染情報アプリ「MySejahtera」アプリのインストール、14日間の自宅隔離を行なう必要がある。また保健省の指示があればPCR検査を受ける必要がある。ただ緊急業務のため入国するPVP保持者は隔離は不要。
新型コロナ感染者が新たに6人、4日連続で1桁を維持
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は26日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から6人増えて8,606人になったと発表した。4日連続で1桁を維持した。
新規感染者のうち5人は海外で感染した帰国者。4人がマレーシア人で、残り1人は就労目的で入国を許可された外国人だった。唯一の国内感染者は、職場感染したマレーシア人だった。また新たに23人が退院し回復者数は8,294人に増加した。死者数は13日連続でゼロだった。
1日当たりのPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査能力について、保健省のノール・ヒシャム事務次官は25日、行動制限令(MCO)が施行された3月18日と比較して6倍になったと明らかにした。
MCO発令から100日目である同日時点の検査能力は3万6,812件(3月時点は6,210件)。病床数は6,397床(同4,433床)、集中治療室(ICU)は442室(同273室)となった。入院中の感染者が208人に減少したため、多くの病床が他の患者向けに利用できるようになったという。なお死亡率については、3月の1.67%から1.4%に減少した。
MCO施行期間において最も入院中感染者が多かったのは、2,596人を記録した4月5日。同日時点のPCR検査能力は2万7,233件だった。
新型コロナ感染者が新たに4人、国内感染者は1人のみ
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は25日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から4人増えて8,600人になったと発表した。
新規感染者のうち1人は国内で感染したマレーシア人。3人は海外で感染した帰国者だった。また新たに40人が退院し回復者数は8,271人に増加した。死者数は12日連続でゼロだった。
新型コロナ・フリー宣言について保健省のノール・ヒシャム事務次官は24日、7月中旬までに「新規感染者ゼロ」を実現できるとの見解を示した。ハリラヤ(断食月明け大祭)後および復興のための行動制限令(RMCO)発令後の14日間において感染者数が急増しなかったことから、条件付き行動制限令(CMCO)およびRMCOが成功したと述べた。感染者やクラスタが新たにホテルやレストランなどの施設および地域で発生した場合は、強化行動制限令(EMCO)ではない適切な措置(閉鎖)を講じると説明した。
また同日にノール事務次官は、ステージ4(呼吸困難を来している状態)および5(自力呼吸ができない状態)の感染者を対象に、回復から3カ月または6カ月後に後遺症を発症していないかの調査を実施すると明らかにした。
現時点では新型コロナの後遺症として血栓症を引き起こす前例があったと言明。血栓が脳に発生した場合は脳卒中、心臓に発生した場合は心臓発作を起こす危険性があると指摘した。
マレーシアとの往来再開、シンガポールは慎重意見
【クアラルンプール】 マレーシア・シンガポール陸路国境の往来再開について、シンガポールのヴィヴィアン・バラクリシュナン外相は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大リスクを最小化するために段階的に慎重に行なうべきとの考えを示した。
同相は「チャンネル・ニュース・アジア」のインタビューに対し、両国国境における感染検査なしの相互往来を認めることについて現時点で可能だとは思えないとコメント。ただ感染検査を行なったり追跡調査を行なうなどの適切な対策を講じた上で段階的に開放しすることは可能だとした。また何時ごろ可能になるかとの質問に対しては、明確な目標を立てることはしないと述べた。
マレーシアのイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は19日、原則的にシンガポールとブルネイの両国民を対象に、マレーシア出入国管理局の承認や感染検査、自宅隔離を受けることなくマレーシア入国を認める方針だとした上で、実施に当たってはマレーシア人についても同様の待遇がうけられることが条件になると述べていた。
マレーシア政府は、感染対策に成功している「グリーンゾーン」を対象に相互往来再開に向けて検討を始める方針を明らかにしており、日本も検討対象となっている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、6月24日)
新型コロナ感染者が新たに6人、うち4人が国内感染者

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は24日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から6人増えて8,596人になったと発表した。
新規感染者のうち4人はセランゴール州(3人)とサラワク州(1人)で感染したマレーシア人。2人は海外で感染し帰国したマレーシア人と外国人だった。また新たに45人が退院し回復者数は8,231人に増加した。死者数は11日連続でゼロだった。
イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は23日、復興のための行動制限令(RMCO)が施行された10日から22日において、海外で新型コロナに感染した帰国者が19人に上ったと言明。クアラルンプール新国際空港(KLIA)において帰国者4,536人を検査し、陽性だった4,517人に対しては自宅隔離を命じたと述べた。
なお、サラワク州クチンの教会におけるクラスタについて、保健省のノール・ヒシャム事務次官は、23日付で消滅したと発表した。5次感染にまで拡大した同クラスタは、教会で3日間開催された会議により発生した。2,751人中191人が感染し、うち3人(358人目、2,471人目、2,864人目の感染者)が亡くなった。