CMCO地域での管理職の出勤、全体の10%まで容認

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アズミン・アリ上級相(兼通産相)は21日、条件付き行動制限令(CMCO)に指定された首都圏などの管理職及び責任者を対象とした22日付けの強制在宅勤務について、必須業務に限定して全管理職の最大10%まで条件付きで出勤を認めると発表した。

強制在宅勤務の対象となっているのは、CMCOが発令されているセランゴール州、クアラルンプール(KL)、プトラジャヤ、ラブアン——の4地域。必要な業務とみなして出勤が認められるのは会計、財務、総務、法務、プランニング、ICTに携わる管理職・責任者だけで、週3日のみ午前10時から午後2時までの1日最長4時間となっている。
通産省に申請する必要はないが、出勤が認められた社員向けに雇用主が同意書を発行する必要がある。対象地区の総労働人口は約310万人で、うち約25%に当たる77万6,135人が管理職員として原則的に在宅勤務を義務づけられる。
管理職を対象とする在宅勤務を義務づける措置は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染が急拡大していることを受けて、20日にイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)が明らかにしていた。
通勤を認める条件として雇用主が発行した同意書の持参のほか、レッドゾーンの住民に対しては感染スワブ検査の受診が求められているが、通産省の消息筋によると、スワブ検査結果に数日かかることから当面は同意書があれば出勤も認める方針だという。
なお社会保険機構(Socso)は、22日よりSocsoの認定ヘルスケアサービス施設限定でレッドゾーンの住民向けに無料で感染スワブ検査を実施すると明らかにした。

新型コロナ感染者は新たに732人、サバ州では535人感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は21日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から732人(うち8人が海外で感染した帰国者)増えて、2万2,957人になったと発表した。
州別の感染者数は▽サバ州(535人)▽セランゴール州(116人)▽クアラルンプール(KL、26人)▽ペナン島(12人)▽ラブアン(9人)▽ネグリ・センビラン州(9人)▽ペラ州(7人)▽ケダ州(7人)▽プトラジャヤ(6人)▽マラッカ州(3人)▽クランタン州(1人)▽パハン州(1人)ーーとなった。新たに580人が退院し治癒者数は1万4,931人に増加した。死者数は6人増えて199人になった。
保健省は同日、セランゴール州の▽スンガイブロー(感染者数は233人)▽クラン(同134人)▽ペタリン(同94人)▽カジャン(同92人)▽ダマンサラ(同75人)▽クアラランガットのタンジュン12(1、同55人)▽カパル(同41人)ーーの7地区をレッドゾーンに指定すると発表した。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は20日、条件付き行動制限令(CMCO)が14日から導入されたことで基本再生算数(R0)が2.2から1.5にダウンしたとした上で、CMCOを解除するにはR0を1.0未満に引き下げる必要があると述べた。
また国内で2番目に感染者数が多いセランゴール州については、R0がCMCO発令時の1.98から1.48に低下したと言明。同州ではサバ州への旅行歴がある感染者から感染が広がっており、州内の26つのアクティブクラスターのうち8つがサバ州からの帰国者が関連していると明らかにした。

首都圏の移動制限強化、22日から原則在宅勤務に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は20日、条件付き行動制限令(CMCO)が発令されているクアラルンプール (KL)、プトラジャヤ、セランゴール州、サバ州、ラブアン——を対象に移動制限を強化すると言明。10月22日付けで、オフィス勤務者には原則在宅勤務を命じると明らかにした。
 可能な限り出勤者を減らすための措置で、公的機関・民間を問わず上級幹部や管理職も含まれる。どうしても出勤する必要がある職員は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染スワブ検査を受ける必要がある。検査費用は社会保険機構(Socso)が負担する。

 在宅勤務が求められる業種の詳細なリスト、及びより厳格化された標準的運用手順(SOP)は、早急に通商産業省(MITI)が発表する。サブリ上級相は、民間で80万人、公的機関で20万人の合計100万人が影響を受ける見通しだとした上で、より厳格な強化行動制限令(EMCO)を導入するかどうかは国民の態度しだいだと述べた。  

 このほかサブリ上級相は、外国人警備員の間で感染が広がっている現状を踏まえ、CMCO指定地区で感染検査を義務づけると発表した。Socsoに加入している場合はSocsoがコストを負担する。
 サブリ上級相は19日、CMCO指定地域を対象に感染状況が悪化した場合に強化行動制限令(EMCO)に移行する可能性について検討していることを公表。経済や国民の健康に対する影響に関して調査を実施していると明らかにしていた。

新型コロナ感染者は新たに862人、673人がサバ州で感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は20日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から862人(うち2人が海外で感染した帰国者)増えて、2万2,225人になったと発表した。
州別の感染者数は▽サバ州(673人)▽セランゴール州(132人)▽ケダ州(17人)▽ペラ州(9人)▽ペナン島(8人)▽クアラルンプール(KL、7人)▽ラブアン(6人)▽ネグリ・センビラン州(6人)▽ジョホール州(1人)▽サラワク州(1人)▽クランタン州(1人)▽プトラジャヤ(1人)ーーとなった。新たに634人が退院し治癒者数は1万4,351人に増加した。死者数は3人増えて193人になった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、19日に新たなクラスターが発生し、国内のアクティブクラスターが87つに上った。同日に確認されたクラスターは▽マラッカ州マラッカテンガ、アローガジャ、ジャシンの「ブキ・クラスター」(感染者数は15人)▽セランゴール州フルランガットの「ヘンティアン・クラスター」(同7人)ーーの2つ。
ジョホール州のハスニ・モハマド首相は19日、同州における1日あたりの検査能力を1万ー3万件に増強すると明らかにした。保健省によって承認された9つの民間研究所において、1万ー3万件を実施する準備ができているとし、マレーシアーシンガポール間の通勤者を対象とした「定期通勤申し合わせ」(PCA)および業務渡航・公務出張者を対象とした「相互グリーン・レーン」(RGL)の下で国境を行き来する人々のスクリーニング検査を実施すると述べた。PCAとRGLの利用者数は13日時点で、それぞれ8,077人と1,355人に上るという。

SOP違反による摘発、マスク非着用が最多=上級相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は、標準的運用手順(SOP)の規定、特にマスク着用規定を軽視しないよう注意を呼び掛けた。

17日には合計661人が条件付き行動制限令(CMCO)違反で摘発され、うちマスク非着用が223人で最も多かった。これに次いで多かったのは社会的距離維持しなかった191人で、個人情報の非提供が112人、CMCO指定地域での条件違反が75人——と続いた。

連邦政府は経済活動への影響を最小限に食い止めるため、地域を限定した厳しい移動及び行動制限を課す方針を進めている。サブリ大臣は19日、新たにサバ州コタキナバルのケパヤン刑務所及び職員宿舎を対象に20日付けで強化行動制限令(EMCO)を発令した。すでにEMCOが発令されているケダ州アロースター刑務所一帯についても18日付けでさらに14日間、11月1日まで延長された。

■マレーシアの致死率は低水準=専門家■

マラヤ大学医学部のモイ・フーンミン教授によると、マレーシアにおける新型コロナの死亡率(確定感染者致死率=CFR)は17日時点で0.9%となっており、シンガポールを除くと東南アジアで最も低い水準。英国(6.3%)、米国(2.7%)、日本(1.8%)、韓国(同)を大きく下回っている。

同じくマラヤ大学のアワン・ブルギバ博士によると、死者数は増えているがこれは感染者数が増加しているためで、CFRは6月時点の1.4%から下がっているという。

保健省によると、年代別では死者全体の65%が60歳以上で、性別では男性が72%を占めた。80%以上が何らかの慢性疾患を抱えており、高血圧を抱えている者が64.9%、心臓病が23.4%、高コレステロール血症が19%、腎臓病が16.2%を占めた。

新型コロナ感染者は新たに865人、累計で2.1万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は19日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から865人(うち7人が海外で感染した帰国者)増えて、2万1,363人になったと発表した。
州別の感染者数は▽サバ州(643人)▽セランゴール州(107人)▽ラブアン(34人)▽ペナン島(26人)▽ペラ州(18人)▽マラッカ州(16人)▽クアラルンプール(KL、7人)▽ネグリ・センビラン州(4人)▽プトラジャヤ(3人)▽ケダ州(3人)▽ジョホール州(2人)▽パハン州(1人)▽トレンガヌ州(1人)ーーとなった。新たに455人が退院し治癒者数は1万3,717人に増加した。死者数は3人増えて190人になった。
基本再生算数(R0)について、保健省のノール・ヒシャム事務次官は同日、感染第3波の発生時に記録した2.2から約4週間で1.5に低下したと明らかにした。R0が2.2を維持した場合、10月31日には1日の新規感染者数が最大5,000人に上る可能性があったが、現行の1.5であれば同日までの感染者数が多くても1,200ー1,300に止まるという。第2波発生時のR0は3.5だった。
また国内の感染者については、約70ー80%がレベル1または2の無症状もしくは軽い症状であると言明。感染者数が最も多いサバ州も同様に80%近くが無症状だと強調した。レベル1は陽性反応が出ても症状が全く出ていない、2は軽い症状、3が肺炎の症状、4は呼吸困難を来している状態を表す。
ノール事務次官によると18日に新たなクラスターが発生した。▽サバ州コタキナバルで「ケパヤン刑務所クラスター」(49人)▽ネグリ・センビラン州レンバウとラブアンで「バーラヤンガン・クラスター」(感染者数は13人)▽セランゴール州クアラランガットとクランで「オート・クラスター」(同8人)▽ペナン州セベランプライで「アルマ・クラスター」(同7人)ーーの4クラスターが発生したことで、同日時点の国内のアクティブクラスターは85つ上った。

セランゴール州の感染収束、4—6週間かかる可能性も

【クアラルンプール】 14日付けで条件付き行動制限令(CMCO)が発令されたセランゴール州について疫学専門家のアワン・ブルギバ博士は、標準的運用手順(SOP)を遵守した場合であっても、新規感染者数が減少に転じるのに4—6週間かかる可能性があると指摘した。
マラヤ大学で副学長を務めるアワン・ブルギバ博士は、セランゴール州での感染速度は速いものの感染者数のベースが大きくないため新規感染者数がそれほど多くないが、新規感染件数に比べると治癒件数が少ないと指摘。現状では14日間の期限付きとなっているCMCOを解除するために必要な感染速度の低下や新規感染者数の低下の基準を見極めるのは難しいと指摘した。
また最近の感染拡大の多くがサバ州から戻った人を介したものであることについて、「多くの人が自宅における監視対象となる前の9月中にすでに戻っており手遅れ。多くが無症状のため無意識に拡散した可能性があり追跡は不可能」と言明。問題はSOPやCMCOそのものではなく住民がいかにSOPを厳しく守るかであり、全員がSOPを守ればCMCOも機能するだろうと述べた。
一方、13日にCMCOが発令されたサバ州についてはまだ感染ピークを過ぎていないとした上で、向こう2週間が非常に重要だと指摘。期間中に拡大を抑制できれば横ばいになってその後は下降に向かうとし、6—8週以内に改善がみられることが期待されると述べた。ただ重症患者が急増していることが懸念材料であり、集中治療室のキャパシティなど同州の医療体制を圧迫する可能性があるとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月15日)

新型コロナ感染者は新たに589人、サバ州が最多で304人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は15日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から589人(うち3人が海外で感染した帰国者)増えて、1万8,129人になったと発表した。
州別の感染者数は▽サバ州(304人)▽セランゴール州(150人)▽ペラ州(52人)▽ケダ州(31人)▽ペナン島(16人)▽ネグリ・センビラン州(11人)▽クアラルンプール(KL、10人)▽ラブアン(6人)▽サラワク州(4人)▽マラッカ州(2人)▽クランタン州(2人)▽プトラジャヤ(1人)ーーとなった。新たに409人が退院し治癒者数は1万2,014人に増加した。死者数は3人増えて170人になった。
セランゴール州のぺタリン地区防災管理委員会は同日、バンダル・ウタマにある1ウタマ・ショッピング・センターが11ー12日の2日間かけて6,000人を対象に実施したスクリーニング検査において、105人の感染者を検出したと明らかにした。うち79人は警備員、18人が掃除スタッフで、8人がモールのテナントスタッフだった。感染したテナントスタッフは、カジュアルレストラン「テー・タリク・プレイス」で6人、「ダイソー」とクッキーショップの「C&Cクッキーズ」でそれぞれ1人検出された。「ダイソー」の労働者はマレーシア人で、それ以外は外国人だった。

「KL市内は一つの地区とみなす」サブリ上級相が言明

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は15日、条件付き行動制限令(CMCO)が発令されているクアラルンプール(KL)市について、KL市全体を一つの地区とみなして住民の自由な移動を認めると発表した。

  14日に発令された首都圏クランバレー(KL、セランゴール州、プトラジャヤ)を対象としたCMCOではそれぞれ地区や州を越えた移動は通勤以外は禁止されているが、KL市民から同市内の「地区」の区分に関する質問・疑問が政府に寄せられていた。

  KL市内の住民であれば市内の移動は警察などの許可証は不要。KLとセランゴール州、プトラジャヤの間を通勤する場合は雇用主が発行した証明書を提示する必要がある。

  またMCOとは異なり、KL、セランゴール州、プトラジャヤの住民は、同一地区内であれば自宅から半径10キロメートル以上離れた場所に買物に行くことも認められる。

 ■ラブアンでもCMCO発令、17日から■

  サブリ大臣はこのほか、連邦直轄地のラブアンについても感染拡大が懸念されるとして、17日から30日までの14日間、CMCOを発令すると発表した。11日のKL発ラブアン行きのマレーシア航空(MAS)便で乗客の1人から感染者が出ており、同乗した99人に対してスクリーニングを受けるよう勧告が出されていた。